はがねさんの日記 「理論的にシナリオプロットしてみよう(シナリオ執筆話)」

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2022/08/30 13:50[web全体で公開]
😆 理論的にシナリオプロットしてみよう(シナリオ執筆話)
ふと思ったけれど、意外と理論詰めでシナリオを作っている人って少ない…のかな?
いや、みんなシナリオ書いている人は当然に考えている思考だけど、文字に起こされていないという可能性もあるか…?

というわけで、長文の日記を書くことだけが取り柄の身として、シナリオプロットの機械的な作り方などを。



1. 起承転結でざっくりと骨子を作る
なんだかんだ言って物語の基礎はこれに尽きます。

1.1 起承転結のどこかを『やりたいこと』とする
これがシナリオ全体で表現したいことであり、シナリオの肝になります。
例: 起『目が覚めると、不思議な少女が隣で寝ていた…?!』
例: 転『探し求めていた”鍵”は、他ならぬ主人公の家の庭に埋まっているらしい…!』
例: 結『彼女は別の黒幕に操られていた。そして、彼が黒幕の居場所を突き止めた。さあ、最終決戦だ!』

1.2 埋めていなかった3要素を、シンプルに埋める
シンプルにっていうのが意外と重要。
『やりたいこと』以外に複雑性を詰め込みだすと、貴方が熟練者でない限りシナリオの質量が過剰になりがちです。

起は、この『シナリオのやりたいこと』から逆算する。例えばヒロインとの出会い、起こっている事件の描写など。
また、起(及びトレーラー)で、PCがやるべきことを明示するのも大切です。

承は、起ができたらほぼその延長線上でOK。後に説明する調査が主な内容となります。

転は、結に向けて動きを起こします。ついに本格始動する黒幕、不意に舞い込んだ情報、明かされる最後の事実など。
ここで示される衝撃度が、シナリオの衝撃度に直結します。

結は、シンプルに全ての解決。謎が解ける、ヒロインが救われる、敵を倒す。など。
そして、その解決方法をドラマチックにすることで、PLの感情移入を誘えます。


2. 起承転結からトレーラと調査項目、判定を作る

2.1 トレーラー
トレーラーでベターなのは、起の内容をざっくり要約すること。(上記『目が覚めると…』みたいな)
上手い人はもっと抽象的でお洒落なトレーラーを書くこともできるでしょうが…物語の起をしっかり伝えておくと、少なくとも事故はなくなります。

2.2 調査項目
調査項目は、承と転を繋ぐ役割になります。
承を描写している間に調査の判定を行わせ、転・結で起こる出来事をある程度予測できるように情報を示していきます。
情報を絞ると転・結での驚きが増す一方、PLがシナリオに着いて来られなかったり理不尽に思われてしまったり(「実は○○だったのさ!」)するので、そこの塩梅は丁寧に。

2.3 判定・選択(20200830追記)
調査項目も判定ですが、こっちではシナリオの肝になるような判定・選択を作ります。
具体的には転や結で、巻き込まれた事件の大元を解決するような判定・選択を行います。(ここには戦闘も含みます)
そしてこのとき、調査項目で分かったことを踏まえることで判定(或いは正解を選ぶ難易度)が易化するようにすると、探索感が出て良いでしょう。

やや変則的ですが、転でもう一度(よりクリティカルな)調査を行い、結でそれらを用いて黒幕を追い込む…というのも手ですね。


3. 起承転結を細分化する
これがいわゆるプロットです。
シーン制のTRPGであれば、シーン数から逆算して分割するのも手ですね。

細分化の上で考えることは上記の調査項目に加えて、『NPCの性格を見せる(起・承)』『後々の展開で出てくるワードを散りばめる=簡易な伏線(承・転)』などでしょうか。
ここは割と書き手の自由ですが、余り脱線しすぎたりプロットを増やし過ぎたりするとシナリオがごちゃごちゃするので、最低限必要な描写+息抜き2~4くらいのプロットがあれば良いかと思います。

そして割と大事なことですが、1プロットでやりたいことを最低限に絞るようにしてください。
たくさんの事が同一の場面で起こるのは、(意図的でない限り)混乱の元です。


4. 仕上げ
多分、慣れている人は3.が終わった段階でテストプレイをぶっこみますが、そんな勇気はありません。

4.1 肉付け
プロット一つ一つで『PLに与えたい情報』がなにかを確認、書き出しを行い、それを伝えるためのざっくりとしたセリフや描写を準備します。
どれくらいカッチリセリフを準備するかは人それぞれです。RPのアドリブに強い人は、『こんなことを伝える』という箇条書きだけで良いでしょうし、緊張に弱い人はセリフを丸っと書いておいて、余裕があればアドリブするというのも手でしょう。

4.2 確認
もう一度プロット(すなわち『そのプロットがPLに与える情報』)及び調査項目を振り返り、PL視点で転の場面で起きることが理解できるかどうかを確認します。
理想は、『ログを全て読めば転で起こる内容が完全に腑に落ちる』が『転が実際起きるまで予測されない』ですが…まあ、極端にPLが与えられる情報が少なすぎるとかでなければ大丈夫でしょう。

また、一応致命的な論理破綻が起きていないかも確認しておくと良いでしょう。


5. 完成
なお、この作り方は完全にはがね の独学です。(そもそも自分はプロのライターでもなんでもない)
そして、あくまで最低限の作り方でしかありません。

ですが、こうして理論的にシナリオの作り方を論じているのをあまり見たことがなかったので、何かの参考になれば幸いです。
また、シナリオクラフトつよつよ諸兄は、是非あれが足りないこれが余分だと(あんまり強い言葉は使わずに)指摘してくださると、はがね 自身の成長にもつながると思います。

最後に、シナリオ書いたけど勇気が出ないよ…!という人は、気心の知れた友人(オンセン上の友人でもリアルの友人でもTwitterのフォロワーでも)にテストプレイを頼むのが一番早いと思います。
因みに、推奨人数より少なくても、意外とテストプレイはなんとかなるものです。かくいう自分は、4人推奨のシナリオを知人1人相手にテストプレイをしていた時期がありました。
実際の環境と違っても、GMの気分でシナリオを回すことで見えてくることはあるのです。


長文を最後まで見ていただきありがとうございました!
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