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😶 未知なるものの葬礼 昨晩、超深海(フルデプス)の番組を観た。人類初、マリアナ海溝の底、海底10000メートルの世界の映像である。そこにはエビとナマコがいた。 液晶の中では「死の世界と思った超深海に生命体がいっぱいいた!」と大喜びであった。自分もちょっと嬉しかったが、一方で寂しかった。また人類は“未知”を失ったように思えたからだ。 私が産まれた頃、まだ世界は未知で溢れていた。世界の人々はネッシーや雪男を探し、日本人はツチノコを探していた。 宇宙人は2000年1月1日に地球に戦争を仕掛ける予定で、人類は大地が血管みたいなもので覆われ血を吸われ干からびる予定であった。 それがどうだろう、人類は絶滅せずに生き残ってしまった。 あの頃の感覚が少しずつ朽ちていくのが分かる。 UFOは迷子でアンゴルモアの大王は死に、ネッシーはハリボテで火星人は触手を失い、心霊写真の幽霊はフォトショ美人で超深海にはエビとナマコがいる。 未知は何処にいってしまったんだろう。 勿論まだ未知は沢山ある。あるにはあるけど、思いの外ショボい。宇宙に未知を求めるにも金も技術も無い。 勿論、世界は十分面白い。面白いものが多いのに時間も資金も足りなくてヤキモキする。行きたい場所、知りたいことは沢山ある。 それでもやはり、ちょっと切ない。 ラブクラフトがもし生きていたら、2017年にどんな夢を見るのだろう。 超深海の巨大生物に一輪の花を。しめやかな弔いを。 絶滅危惧種“未知”に祝福あらんことを。
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