木綿豆腐なつき@おかめ勢さんの日記 「【ゆうこや】２０歳の君へ【シナリオ公開】」

	木綿豆腐なつき@おかめ勢
	2019/01/20 01:23[web全体で公開]

😶 【ゆうこや】２０歳の君へ【シナリオ公開】
（▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼）
「２０歳の君へずっと伝えたいことがあったんだ…」
※ＮＰＣの名前が微妙すぎたので一部実際に回した時と変更致しました。


●登場人物
・幽霊「隼人」
隼人の娘「夕子」

●必要時間
１～２時間

●【ふしぎ】と【想い】
このシナリオで語り手が各[場面]で使える【ふしぎ】は10点、【想い】も10点です。

●物語の概要
　冬のある日、公園で歩いていたPC達は振り袖姿の女性たちの後をつける怪しげな影を見つけるでしょう。
　そしてそれを追い、幽霊の隼人と出会います。隼人にはどうしても娘に送りたい言葉があるようです。

●はじめに
　このシナリオには幽霊のNPCが出てきます。また最後の場面は変則的でPC達の発想によりシナリオ通りに進まない展開が予測されます。語り手はなるべく父親と娘の再開を感動的に演出してあげれるようにするといいでしょう。
　またこのシナリオは絵本及び楽曲の方の「象の背中」、「象の背中・続」の影響を受けて作成したシナリオです。


●語り手の準備
以下のＮＰＣが出てきます
▼幽霊「隼人」
へんげ2　けもの1
おとな1　こども4
特技：ことことかたかた（4）
　　　　かべぬけ（4）

　１９年前に交通事故で亡くなった男性。享年32歳。しばらく思念の塊としてさ迷っていましたが、１０年前突如自我に目覚めました。幽霊は思念体でしかないので、見た目は隼人がもっとも優れていたときの見た目、中身はもっとも純粋だった頃の性格でこの世界に留まり続けています。
ＰＣ達に見える姿は、性格は感情表現が豊かなで真っ直ぐな20代の青年です。

▼隼人の娘「夕子」
へんげ0　けもの1
おとな3　こども1

　隼人の娘です。１歳のころに父親を亡くし、女手一つで育てられてきました。
　黒髪に小さな赤いリボンをつけ、ピンクと白の振袖を着た地味ですが、しかし落ち着いた美人な女性です。彼女は父親のことを覚えてはいませんが、リビングに飾ってある、優しそうに赤ん坊の夕子を抱っこする父親の写真を見て強く、そして優しい女性です。

初めの場面
時間：昼
場所：公園

どういう[場面]：成人式会場に向かう女性の後を追う影を発見する場面です。

　よく晴れた冬の日、時刻は昼。太陽はちょうど真上に登っている頃。
皆が公園で遊んでいると、ふと、公園の前の道を着物を着た若い女性達が楽しそうに話しながら歩いて行くのが見えるでしょう。

　さらに 【へんげ】5以上で、彼女たちの数メートル後ろを、黒い影が追いかけるようについていくのが見えるでしょう。彼女たちがその影に気が付いていないようです。

　女性達や影をついていくと…、彼女たちは公園の近くにある大きな建物の敷地に入っていくところが見えるでしょう。
【おとな】が5以上あるＰＣはこれが公民館と呼ばれる建物であることを知っています。そして今日は成人の日。

[場面]の終了：影を追いかけると場面を終えます。


第二の場面
時間：昼
場所：公民館

どういう[場面]：幽霊の隼人と出会う場面です。

　公民館に着物を来た数人の女性が親と思わしき人達と和気あいあいと中に入っていくのが分見えます。そして謎の影もついて行くことが見えるでしょう。

　公民館の入口には手動の両開き扉がひとつ。窓はありません。
　しまった扉をどうやって開けて入るかＲＰしてもらいましょう。悩むようでしたら、人間に化けれることを伝えましょう。

　誰かが来て開けるのを待っている場合、１０分後に、スタッフと思わしき男性が扉を開けてやってきます。

　田舎の小さな公民館なので、玄関をすぎ廊下を少し歩くとすぐたった一つのホールにたどり着きます。
　中には前列に着物を着た女性が5人。スーツ姿の男性が2人います。皆若く、そしてどこかソワソワした様子で話しております。
　後ろに保護者が数人いることも見えるでしょう。ビデオカメラを回す母親らしき女性、年配の夫婦…そして一番後ろの列に座っている男性がいます。
壇上の幕は下がっており、ホールの中は照明が少し暗く辺りを優しく包んでいます。

　そして、よーく最後尾の男性を見ると、彼がうっすら透けている事に気が付きます。
　もしRPで気が付かないようでしたら【けもの】６で見えたことにしましょう。

　男性に話しかけると彼は、【びっくり】を２の強さでした後、

「君たち…俺が見えるのかい？」

と控えめに話しかけてきます。
　また話しかけないで様子を見ていますと、隼人がPC達の存在に気が付きます。少し変な恰好や動物の姿のままだと「ぷぷぷ、変な恰好」といってクスクス笑らいだすでしょう。隼人はPC達が自分の姿や声が届いているとはみじんにも思っていないのです。

　彼の名前は隼人。幽霊歴10年以上の大ベテランだと威張っています。

そして隼人の名前を聞いたら彼と【出会いの処理】を入れて下さい。

隼人がPCと会話を交わした後に行う行動は以下の通りです
・PC達が何者か聞く
・君たちに自分の姿が見えるなら…！と言って着物を着た女性達の前で「おーい！おーい！！」と大きく手を振り、そして見えていないことに気がつくと分かりやすく凹む。
・移動はできる限り＜かべぬけ（4）＞を使う

　第三の場面に出す内容をPCが訪ねてきたり、ある程度会話を行うと、以下の描写を入れてください。
隼人の胸の内を聞く場面は次の場面の方がよいでしょう。

…舞台の幕が上がり、控えめながらも拍手が聞こえます。
辺りは明るくなり、そして壇上の上では頭部の毛が少し薄い男性がにこやかに挨拶を始めます。
隼人はPC達に「もう少し君たちと話を…いや、聞いてほしい話があるんだけど…でもここではせっかくの式を妨害してしまうから、外に行って少しお話しないかい？」
と言いながらスーッと立ち上がります。

[場面]の終了：隼人と出会いの処理をして外に出ると場面を終えます。


第三の場面

時間：夕方
場所：公民館の外

どういう[場面]：隼人の思いを聞く場面です。

　外に出ると太陽は下に沈みかかっておりました。
　オレンジ色の空の下、幽霊の男性は先ほどよりくっきり見えることでしょう。しかしまだ透けてます。

隼人は以下内容をぽつりぽつりと話し始めます。

・今日は娘の、夕子の成人である。
・夕子が１歳の時に突然交通事故で死んでしまって、父親らしいことは何もしてやれなかった
・ せっかくの娘の晴れ舞台、せめて一目見たいと思った。
・しかし実際に会うと、ただ見ることしかできないのが辛い。
・本当はお祝いしてあげたいんだ

　幽霊になった隼人の精神年齢は６～７歳の子供です。そこまで言うと彼はグズグズと泣き出してしまうでしょう。
　PC達に元気づけてもらえると彼はPC達にお願いをします
「娘に…伝えたいことばがあるんだ……お願いだ…俺は１０年幽霊やってきたけど、誰かに見つけてもらえたのはこえが初めてなんだ。俺は君たち以外に頼れる相手がいない………協力してもらえないかな？」

　PC達が手伝ってくれることになると、隼人は嬉しそうに両手を上にあげて万歳します。

　さて、どうやって隼人が娘に伝えかはPC達の自由な発想に任せましょう。
　考えつく限りの例をあげときますが、もちろんこれにとらわれる必要性はありませんし、語り手はPCの提案をなるべく聞いてできることにしてあげるといいでしょう。

・手紙を書く（幽霊はものに触れられないので代筆してもらう）
・何かプレゼントを贈る
・変化達が直接通訳する
・つきのひかり（20）を使用して幽霊を他のものに変える
・ゆめまぼろし（16）を使用して幻覚を見せる
・おつげ（6）を使用して夢を見させる

　どうするか決定すればこの場面は終了です。実際に決行するのは最後の場面になることをPL達に伝えてあげましょう。

[場面]の終了:隼人をどうやって手伝うか決めたら場面を終えます。

最後の場面
時間：夜　※第三の場面の結果を受けて変更する場合あり
場所：第三の場面で決めた場所

　そのまま成人式終わりに決行する場合、夕子は公民館の前で少し友人たちを話した後に、友人と別れて一人で家に帰ります。もしPC達の中に猫の変化がいて、PCが望むのであれば、こころよみで気が付ける情報があります。彼女は家に帰って振り袖姿を報告したい相手がいるみたいで、少しわくわくしてることが分かるでしょう。
　夕子は振り袖姿を仏壇に眠る父親に見せてあげようと友人たちと飲み会等にいかず、そのまま家に一人で帰っているのです。

　そして夕子はもし隼人の姿を見ることができたら、びっくり３の強さが発生します。PC達が【お手伝い】の存在にきがついていなければP77からのお手伝いについて説明してあげるといいでしょう。
　お手伝いすると、手伝ってくれたPCが支えられ、夕子はしっかりと前を、隼人を見つめます。
　そして「おとう…さん？これは…ゆめ…かな？」と呟きぼろぼろと涙をこぼします。が、それでも彼女はしっかりと隼人の目を見つめているでしょう。

　そして隼人はPC達の手助けを受け夕子にずっと言いたかった言葉を伝えることができます。
　「成人おめでとう……２０歳の君へずっと言いたいことがあった…僕の娘に生まれてくれて…ありがとう」と笑いながら光に包まれていきます。月夜の下、あふれるばかりの光の粒が、辺りに舞い、まるで雪のように美しい光景になるでしょう。

　そして取り残されたのは夕子とPC達だけになります。
　夕子はPC達に話しかけられなければ、涙をぬぐい、そして、今度は前を見て、しっかりと歩いてその場を去るでしょう。その瞳は充血し真っ赤になっていますが、それでもはれの日の相応しい、未来を見つめる真っ直ぐな瞳をしていることでしょう。


▼最後に
改変、ご使用はご自由にどうぞ。シナリオの再配布はご遠慮ください。

→pixiv公開　https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10641076

 いいね！8

	しろまめ⇒木綿豆腐なつき@おかめ勢
	2019/01/20 09:19[web全体で公開]

＞ 日記：【ゆうこや】２０歳の君へ【シナリオ公開】

新着から失礼します。
セッション募集でタイトル見たとき、すごく素敵な話なんだろうなあ、良いなあ、と思っておりました。
シナリオ公開大変嬉しいです。
中身もとてもぐっと来ます……ありがとうございました……(ノ_＜。)