夜鳥(よどり)さんの日記を全て見る
😶 『夜のあしあと』を読了(長文閉じ) (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)『サタスペ』『シノビガミ』『インセイン』等でお馴染みの、河嶋陶一朗さんの新作システム『猫のあしあと』を読了しました。 とても興味深い内容でしたので、すぐにでも遊びたいところですが……現状日程が詰まっている。 読んでの感想や、魅力的に思った部分を書いていきます。ビガミファンの人も読んでくれると嬉しいな。 本作ではPCは全員、猫です。しかも「夜の魔法」が使える猫。 実は世界を支配しているのは猫で、夜回りしながら人間たちを異界の存在「ヨナ」から守っている、という世界観です。 このシステムのルールは、PCが猫として遊ぶこと、猫らしいままならなさなどもゲーム性としながら遊ぶことを、コンセプトにしています。 PC作成時に選ぶ「生き様」が基本的な能力値や、覚えられる「夜の魔法」を左右します。「迷い猫」の生き様を選ぶと、昼は人間だけど夜は猫になってしまうとか、なんかコレジャナイとか、猫(たぬき)とか割と強引な設定もできます。 『シノビガミ』『インセイン』等ではおなじみの、表裏のあるハンドアウトやリミットやサイクル、シーン表のルールも取り入れられています。 本作の売りの一つは「ニャラティブ」というルールです。「ニャラティブ」はハンドアウト(本システムでは「手がかり」と呼ぶ)の裏面の内容を、直接他者に見せるのではなく、まず一定のルールに従って伝えるというルールです。裏面テキスト内に〈〉で囲まれた言葉を、別の言葉に置き換えて説明し、他PC当ててもらうのです。当ててもらうと、情報の共有だけでなくボーナスが追加されます。 これはボードゲームで例えれば『ジャスト・ワン』みたいなルールですし、先述した「猫らしいままならなさ」でもあります。 生物学や哲学方面に影響を与えた「環世界」という概念があるのですが、それに擬似的に近づけたような面白さを感じました。わざわざPCは猫という設定のゲームにしたのだから、当然人間とは異なる認識や概念が、都合上出てくるはずなのです。 あともう一つ興味深いのが、「夜の魔法の余白」という追加ルールです。「夜の魔法」にはそれぞれコストやトリガー、効果が設定されていますが、余白はそれを、PCが拡大解釈して使用することを提案できるというものです。「せっかくの魔法なのだから典型的な使い方だけでは面白みに欠ける」とのこと。これによって本来の効果とは異なる魔法の使い方で、シーン表効果等の問題をも解決ができるそうです。 言葉(提案)によって魔法の効果が解釈され使用される……これ、ファンタジー小説好きの人とかにはなんとなくわかる考えかもしれません。 猫の気まぐれさにちなんだ重要なルールもあるのですが割愛してます。この部分は書籍で確かめてもらったほうがわかりやすいし。 書籍のデザインも猫だらけで可愛かったり、文章の途中で改ページされてる箇所がなくて、記述が必ず見開きでの完結か一区切りをされているなど、イマドキらしい(電子書籍も踏まえた)読みやすさを意識した造りです。 巻末の参考文献に本当に、ポール・ギャリコの『猫語の教科書』がありました(笑)。 今は予定が詰まっているのですが、空きができたら必ず遊びますよ。 ちなみに老猫PCになりたいです。好きな小説からの影響でもありますが。こういうチャンスないとたぶん私は、年寄りPCやらないと思うの。
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