よりさんの日記を全て見る
みんなの新着日記を見る
😶 知を孕む母よ 後日譚(ネタバレあり) (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)久しく履いてなかったスニーカーが、地面に落ちていた葉を踏みしめる。どこまで登っただろうかと振り向いて、視界にあるのは樹々ばかりになっていたことに気が付いた。 仕事ばかりで、コンクリートしか踏みしめていなかった足でもここまで来られるものなのだなぁと妙な感心をしてしまう。 営業マンの底力、如何なものだ。そう胸を張ったところで、誰が側にいるわけでもないけれど。 元々寂れていたらしい山中で、平日の真っ昼間ともなれば人の通りなど無い。それ以外の生き物も、気配はあっても姿が見えることはなかった。 警戒心が強いのだろう、と勝手に立てた予測に自分で頷く。特段詳しいというわけでもないけれど、野生動物というものはそうあるべきだとも思った。 ……まあ、何事にも例外というものも、ある。 そもそも彼は“野生動物”という括りに当てはめる方が可笑しいのかもしれない。 素性の知れない人間に簡単に心を許し、助ける為に文字通りその身を犠牲にした優しいその存在を、ただの動物扱いしていいものか、計り兼ねている。 自分にわかっているのは、妙に懐こかったこと、人間の食べる菓子も躊躇いなく食べてその味を気に入っていたこと、変な名前を貰っても少しも嫌がらなかったこと。 ほんの少しの不可思議な時間であったやりとりを思い出すと、知らずと笑みが零れてきた。 やっぱり、あの名前は、もう少し抗議しても良かったと思うなんて言ったら、名付け親には怒られてしまうだろうか。 誘えば良かったかな。独り言を呟いたと同時に浮かんだ姿は、今度は己と同じく人の形をしている。 自分よりもよほどあの子を可愛がっていたように見えた彼と、この静かな山道で決して多くはない思い出話をして。そうすれば、この山のどこかにいる、あの子の“友達”にも何かを届けられただろうか。 次はそうしようと心に決めて、いつの間にか止まっていた歩みを再開させる。 有給休暇は腐るほどに残っていて、今日の分も割とあっさりとれた。もう一度くらいならなんとかなるだろう。妙に腫れものに触るような対応もされている気もしたが、結果的に休みがとりやすくなったならまあいい。 勾配がキツくなり始めた道を、強く踏みしめる。落ちかけた視線を持ち上げて、進む先を真っ直ぐに見据えた。 君にもらったこの命は、まだまだ進めるのだと。そう胸中で紡ぎながら、新たな一歩を踏み出すのだった。 ─────────────── 知を孕む母よ、後日譚でした。 ものすごく間が空いてしまった気がするのですが、彼の住んでいた山を登る依馬の話は残しておきたかったので…! セッションの感想は前の日記に書いてあるので、ここにはネタバレになってもいいことを書こうと思ったのですが、やはりこの日は発狂祭りの印象が強すぎていけない。 自分達の脳を見てしまった結果、PC2人が同時に発狂(不定&一時)は本当に地獄(楽しい)だったので… 私「じゃあ私、自分の脳が外に出ているので、食べて自分の中に戻さないと…って思い込みますね」 同卓者様「ならこっちは脳は2つあるのは当たり前で、ここにあるのは予備だと思います」 というぶっ飛んだ発想がしれっと出てきたの本当に最高だったなと思います。 しばらくしたら狸くんの行動で正気に戻そうとしてくれる予定だったKPが、面白かったのでそのまま続けさせた(要約)というくらいなので多分みんな楽しんでた。 1番記憶に残る発狂は?と聞かれたはまずコレが頭に浮かぶんだろうなぁ。 個人的には出目が荒ぶりすぎた結果、同卓者さんから「そろそろクリティカル出すと思ってたんですよ!」て予想されていたのも面白かったです。 出目だけじゃなく、リアルINTも荒ぶっていたのも良い思い出……英語の教材が出てきたことでロバに英語で話しかければいいのでは?って考えた奴と、最後のキューブのパスワードについて秒で気付けた奴が同じなんですよ。我ながら振り幅ひどいなと思いました。 自PCにつきましては、まだSAN値がゴリゴリ減ったままなので、どこかで回復させてから営業マンとしても探索者としても頑張ってもらおうと思います。 改めまして、KPじゃーがさん、PLパピーさん、ありがとうございました。
レスポンスはありません。
コメント欄:(最大1000文字)
web全体で公開 友達まで公開 本人にのみ公開 ※投稿するにはログインが必要です。