Nサブさんの日記
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日記一覧
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2021/01/29 09:30 [web全体で公開] |
😶 ゆうこや映画風予告 〇シナリオ1 「恋とはどんなものかしら――。 みなさまもしも、ご存じでしたら。どうぞいぢわるしないで、私に教えてくださいませんか?」 壁一面にずらっと並べられた「水槽」の中で、彼女はにっこりと微笑みました。 下水を流れる軟泥のような、ぬらぬらとした赤黒い光沢。彼女の不定形の笑顔は、とても優しく、おだやかでした。世界中の素晴らしいものから少しずつ“笑顔”というものを集めたように、とても透き通っていて純粋でした。 「甘いのかしら? あるいは、苦い? まぶしいのかな? それとも真っ暗?」 「私の”生みの親”が言ってたの。最期にね。 恋をして初めて、子供は大人になるんだって」 「私は生まれたわ。そして生きてる。例えそれが、どんなに冗談みたいな結果でもね。 実験の成功は悪夢だとも言ってたわ。でも、それでも私の魂はここにある。 ……誰にも否定させないから」 ビーカーの中のアメーバだった頃とは、比べものにもならないような”知性”を手に入れて、それでも「彼女」は楽しくなさそうでした。 「”愛情のない知性はいつか私と私が愛する人々の間に楔を打ち込む”んだって。 キニアン博士が言ってたわ。そして……博士のその言葉がずっとずっと、抜けないトゲのように引っかかってるの」 「私の”前任者”たちはやがて皆、膨大な知性に耐えきれず、自我を押し潰されてしまった。私の、生まれてくることのできなかった姉妹たち」 「怖くなんてないわ。怖いなんて嘘よ」 「……でもね」 「私の胸のどこを探しても、愛なんて見つからない。 私の心は欠陥品なのかな?」 幼くてさかしらで、ちょっぴり厭世家な変化のマレビト。 変化たちは、彼女がうまく見つけられない探し物を、一緒に見つけてあげることが出来るのでしょうか? ゆうやけこやけシナリオ「いのちの輝き」 それはまるで夢見るように。 〇シナリオ2 「今度の夏休みは、みんなで映画館に出かけよう!」 流れ星と一緒に落っこちてきた、夜空の迷子……。 この夏最大のボリュームで送る、一名町で巻き起こるちょっぴり不思議で切ない、コズミック・アドベンチャー! 「お、おーい、みんな~! あ、穴の中に、何かいるよ~~!?」 「きゅ~……?」 「……ほほう、変化たち。そりゃ、宇宙人じゃなあ。どこで拾ってきた?」 「うちゅーじん!??」 「き、き、きゅ~って鳴くから、きゅーちゃんね!」 「安直すぎねー?」 「ねえねえ、キュウリとか食べるかなぁ…?」 「むしろ、小動物を丸噛りしそーだぜ」 「やめてよ~……怖い~……」 少し変な格好の宇宙人に、みんな最初は”びっくり”もしたけれど。 フルーツが大好きみたいで、いろんな格好を真似するそいつ。言葉はわかんないけど、もうすっかり友達! 「きゅっ、きゅー!」 「なんて言ってるんだろーね……? 威嚇してるのかなあ……?」 「小動物の生態が通じるかは、諸説あるわな」 「い、一緒に、”仲良しの歌”を歌ってるのよ~、き、きききき、きっと!」 出会いと別れ。 そして、その日、宇宙で一番長い夜。 「変化たち、よくお聞き。……決して、永遠なるものに関心を持ってはいかんぞ」 「そんな……。きゅーちゃん、ど、ど、どうして……?」 映画ゆうやけこやけ、「いのちの輝き」 そして君たちは、ときの涙を見る……。 同上映「ネズミのチカちゃん、サマーホリデー危機一髪!」 n ∧_∧ n + (ヨ(* ´∀`)E) うそです。 Y Y *
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2021/01/10 20:59 [web全体で公開] |
😶 ゆうこやの呼吸 「お前もゆうこやをやらないか?」 「やらない」 ぴしゃっ(頬をぶつ音) ● Desktheory、シナリオブック「狼少女は嘘をつく」より掲載の、ゆうやけこやけシナリオ、どしどし募集中です〜〜! みんなやろ〜!! タイトルの通り、新サプリで追加された種族「狼」にフィーチャーしたもので、 特に「嘘」というのが全体のテーマとのこと。 ● 舞台は現代。 この冬初めての雪が静かにちらつく、冷たい朝の公園です。 遠くから響いてくるのは、様々な気持ちの込められた、とても綺麗な歌声でした。 そこにいたのは、かつての夜の女王、 そして今は姿を消してしまった、狼の変化でした。 白い雪にはしゃいで、歌に惹かれて、PCである変化たちは、不思議で切ない事件へと関わっていくのでした。 ● なんと募集開始からタイムリミットまで24時間切ってるとかいう蛮行に出て、 「一人でも来てもらえればイイナぁ」 「ゆうこやでほのぼのあったか遊びたいなぁ」 とかけっこー暢気してたんですけど、マジで速攻埋まっちゃったみたいで、ありがたいお話です。 だからこの日記は、特に意味はないです。 (狼少女シナリオ集、掲載は3つなのでみんなも是非手に取ってみてくれよな!)
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2020/10/23 01:50 [web全体で公開] |
😶 アンサング・デュエット というわけで新作のアンサング・デュエット、「ラビットランド」遊んできました~!! 改めてなぎささん、aerialさん、ありがとうございました~~ 今回はPLさんに二名応募いただけまして、せっかくなので三名でプレイのほどを。 ふんわりしててちょっと鈍感な桜庭さんと、チクチクしてるけどキュートでパワフルな冬野さんの……ね……(語彙を失うオタク) ある日、日常に侵食する異界と、その異界に対抗する力を持った二人組。力を合わせて異界からの脱出を目指す。 アンサング・デュエットはそんなシステムです。 とにかくさー、判定してエモだし失敗して異界に侵食されてもエモだしハッピーエンドでエモエモなわけよ。 全人類に遊んでほしい。 人数もGM兼任だから2人から遊べるし、お手軽で即日卓立てて遊べるし~~
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2020/10/21 03:11 [web全体で公開] |
😶 新作TRPGアンサング・デュエット サンプルシナリオで恐縮ですが、卓立ててみました。よければみなさん遊んでください。 やっぱりこういうのは出たてに遊ぶのが一番ですよ。 ケツは熱いうちにしばけ、小人罪無し而して玉を懐いて罪有り。 んでんで、 わかる人は一目でびびっときたかと思うんですが、 これかなりひふーだよ!! 秘密が封じられてる系TRPG。ひっひっふー。 システムそのものはかなり軽めのようなので、まあ別段るるぶはなくても全然大丈夫なのかな……?
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2020/08/17 01:24 [web全体で公開] |
😶 怪談白物語 おまじな大饗宴より、1ページ怪談TRPG「白物語」やってきました。 「やりたーい!」って呟いた5分後には3名お集まりいただき、夜やろーね、という運びに。 ディスコード+初めてココフォリアを併用して遊んだんですが、「ゲーム操作はやりながら覚えるぜ……」「じ、承太郎!」で進められたのはお友達だからこそです。みんなは事前に準備ぐらいしとこうな。 GMがあらかじめ用意した怪談を語っていく中で、PLたちは「いやその幽霊、”干したシーツ”だったんじゃない?」とか「いやいや落ちてきたのは血じゃなくて”練乳”でしょ?」とかツッコんでいって、最終的にお話を怖くなくすれば勝利です。 今回僕がご用意したのは名作「猿夢」。知ってる人は知って~る。 もうですね、めちゃめちゃ盛り上がった。 やっぱり夏は怪談ですね♪
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2020/05/09 05:42 [web全体で公開] |
😶 ●ゆうこやリプレイ作りました。 ・ ゆうやけこやけシナリオ、「コタンコロカムイの花」。遊んだのは実に2年前になりまして、今回、ログを読み返しながら、せっせこリプレイを作りました。 なぜ、今更なのかというと、実を申せば参加したPLさんから、なんとリプレイを頂きまして。それがすごく嬉しかったからです。 こんなに嬉しい事、中々ないぜ? せっかくなので読んでください。なんなら僕のはどうでもいいから。 今回はそれぞれで別エンドをご用意しました。TRPGでマルチエンディングをうたっていく。 TRPGは、例え同じ人たち、同じシナリオでも、紡ぐお話はひとつひとつが違って、卓の数だけ、物語が生まれる遊びです。だからリプレイもいくつあったって、おかしかないさ(やや強弁) 振り返ると、当時はゆうこや、るるぶが絶版だったんですけれど、新装版として発売された直後でもあり、なんだか懐かしいなぁという気持ちがいっぱい。そういう時って、初めてでも、GMやりやすい感じありますよね。多少つたなくても許容される雰囲気。お祭りの、そわそわ浮ついた空気で食べる焼きそばがやけに美味しい理論。三度の飯よりTRPGの事考えてる、筋肉むきむきのメチャ強ゴリラGMならともかく、そうでないならば、使えるものはなんでも使って楽しく遊んでいきたいですね。 いやまあ、わかんないですけど。適当いいました。本当は何もわかってない。なんなら全部わかってない。俺たちは雰囲気でTRPGを遊んでいる……! ・ 当時、最初にるるぶのサンプルシナリオ遊んだんですけれど、次の卓はよはよ(ばんばん)って催促されまして。ほんなら、一緒にお話考えてくれる?っていう、そんな流れで出来たのが、このシナリオだったりします。 ゼロから考えるのが一番苦手なタイプのスタンド使いなので、いくつかお話のキーワードを出してもらって、それを使って作るという感じでやりました。 このシナリオで言えば、①雪、②アイヌ神話、③シマフクロウ、みたいな感じですね。 実に創造的な遊びだなあ。こんなの、中々ほかにないよ。 さらにそれをみんなで遊んで、一口で二度おいしい。あとあと、昔のメモによれば、最後のシーンでNPCが二人登場するところで、ほぼ二人同時に話しながら進行してたっぽいですね。頭沸騰しそうで楽しいって書いてた。さすがに覚えてない。 シナリオ回して、見返して、リプレイ化までした今になって見返すと、タイトルは明らかに「パヨカカムイの花」だったな~って思います。お話の中心人物が、よくわかってませんでした(※GMやりました) 僕が用意したのは、画用紙と絵具(NPCの造形、おおまかなストーリー)だけであって、セッションはそれを元に、参加者全員で作り上げるものだってのが、目に見えて現れたって感じですね。 リプレイ化にあたって変えようかとも思ったんですけど、まあまあまあ。それもなんだか、TRPGっぽくて、いいんじゃないでしょうか(?) 創造的な遊びですわ。おほほ。 わちきの。 https://trpgsession.click/sp/topic-detail.php?i=topic158897016898 いただいたの。 https://trpgsession.click/sp/topic-detail.php?i=topic158875122748
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2020/04/03 04:53 [web全体で公開] |
😶 ゆうこや予告 最近身内で遊んでばっかりでした。 今進んでる卓落ち着いたらゆうこや立てたい ・自作シナリオ「春になれば彼女は」 この春、晴れて一人暮らしを始めた新大学生のヨージは、引っ越し先のアパートで出没する怪現象に日々、見舞われていた。 勝手に減る食材、勝手にずらされてる本のしおり、 つけっぱなしのテレビ、いつの間にか姿を消す冷蔵庫のプリン、 そして……夜な夜な出没する、美少女の幽霊に悩まされていた! 「……♡♡」 「なんか……すごい正面からめちゃくちゃガン見されてるー!?」 なんだかあんまり怖くない、むしろどえらい可愛い幽霊の女の子に、隅から隅まで余すとこなく24時間監視され、ヨージが新しい扉を開く……その前に! 急げ変化たち! レッツ、ゴーストバスターズだ! ・ヨージ 漢字は変化たちにはわからず。背は低くて童顔。 毎日出る幽霊に、お風呂や着替えも容赦なく覗かれるので、悔しいけれど、だんだん気持ちよくなってしまっている。 ・幽霊 は?だれ? きみかわいーね。 話しかけると、曰く悪霊ではないらしい。 でも修学旅行のお寺のお札が痛いらしい。 やっぱり悪霊じゃん。 様々な寄り道を経て、紆余曲折のすえ、掃除機などで武装し、ヨージの部屋になだれ込んだ変化たち。 すると逆に、幽霊の彼女は居丈高に、ヨージのお部屋のお札を剥がすよう命令してくる。ついでにもう古くなっているので神社で引き取ってもらった方が良いらしい。 どうやら彼女は、実はヨージの守護霊で、このままでは部屋に入れないまま、大変な事件になるというのだが…… でもお札剥がしたらお風呂覗くんですよね……? (イコリアにゴッジーラ出るとかウッソだろおまええええ)
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2020/02/15 04:35 [web全体で公開] |
😶 ゆうこやリプレイ https://trpgsession.click/sp/topic-detail.php?i=topic158154925960 先日、ゆうやけこやけ自作シナリオ「甘い夢に無我夢中」を募集させていただきました。 改めてみなさん、ありがとうございました。おつかれさまです。 そのリプレイ作りました。約2.3万字。薄い文庫本一冊にならないぐらいのお手軽サイズです。 “あーあ。わたしの初恋、終わっちゃったなあ……” 全ての元凶は、PLさんの最後のこの一言でした。 この、さばさばしているのにどこか湿っぽくて、カラ元気なのに妙に陽気で、前向きに割り切れているようでだからこそそれがどうしようもなく切なく聞こえてしまう、底抜けに明るいこのセリフが、今回のリプレイ作成の原動力でした。 厳密には、ちょっと違う。 でも僕には確かに聞こえたんだ!(精神病) ふつうのリプレイとは違って、セッションログに全編に渡って味付けをしたものになります。 なので、実際のプレイ時よりも、脚色がされています。 より陽気に、より怖がりに、より能天気に。 ですが、変化たちが冒険した景色は、決して色褪せることのないものであると、僕は思っています。 今さらすぎるけど、参加者さんにもしかしたらリプレイ作るかもってお話は、してた……と思うんですけど(やや自信なし なにかあったら言ってください。
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2019/10/26 05:52 [web全体で公開] |
😶 ゆうこや卓リプレイ 先日行ったゆうやけこやけ卓、「肌の白いは春風駘蕩」、その途中を抜粋した、みにみにリプレイです。 思わず書きたくなってしまった。げに人の業とはかくも罪深く。 ※ 小さな少女のハミングが、風に揺れる枝葉の音色のように、ゆったりと、夜の一名町の小道に響いていた。 彼女の肩には、一羽の大きなフクロウが悠然と、苦労も悩みもなんにもなさそうな顔をして、どこか眠たげに目を閉じたまま、ぼぅぼぅと低い鳴き声で少女のリズムに合わせて夜の唄を歌っていた。 夜の小道に、少女の足取りはふらふらと右に左に危なっかしくて、見ていてとてもひやひやさせられるものだった。それはまるで、やっと立ち上がった赤ん坊のようだった。 その名を待宵丸という、千年ばかりも寝ているような、肩の左のフクロウが、それでもなんとか前に後ろに、時折羽ばたきバランスをとって、やっとこどうにか転ばず歩けている。だが、夜の小道の、小石や砂利や、木々の突き出た根っこなど、それらが少女の白い裸足の足裏を傷つける様子はないようだった。 二人はあるかないかの宵の小道をふらふらと歩いていく……。 ※ ……おいおい、あすこの連中、ずいぶんなうかれぽんちどもじゃない。ねえ? 暗がりに身を潜めた可愛らしい二人組、背に透き通った羽を震わせる方が、そう囁いた。子供ぐらいの上背で、昔話で妖精と呼ばれるものにそっくりだったが、まるでサーカスのピエロのように毒々しい色合いの衣装を身に着けていた。 ……同感、同感~!! それに応えて、絵本から抜け出てきたような、真っ白な“オバケ”がひそひそと囁き返した。 幽霊のポルは、さらさらした青い髪の下、まん丸に目を見開いて、悩み事、弱り事恨み事、悲しみなんて欠片もなさそうに笑っている。 二人は視線を合わせて、 「生意気だな!」「ナマイキ、ナマイキ~!」「こんな夜にふらふら出歩くなんて」「危ないよね~!」 「三叉路は、道と道の交差点。どこにも行けてどこにも行けない袋小路。何が起きても不思議じゃないぜ」「道に迷って迷ってうっかり迷子で、うっかりうっかり、大事なことも、忘れちゃうかも……! ゆ~れいも、うっかり飛び出しちゃうかもね~!!」 「なー! どうする?」「ヤっちゃう~?」「よっしゃ、一丁やってやるかぁ!」「いえ~い!!」 にまにまと悪だくみをして、 ――すうっと、 夜の中に隠れて、誰にも見えなくなった。 ※ 「田中さんの家のごはんはうちのごはんより豪華なんですよ」 「ほうほう。そうなのかい。そりゃあいいねえ。豪気だぁね」 さくらは顔をごしごしとやってから、にゃあといっぺん鳴いた。 「タイヤさんも今度一緒に行きませんか?」 「わしか? ふうむ。気持ちは山々じゃが、あいにく、まいな~な妖怪じゃからのう」 片輪車はそう言って、車輪をぎぃぎぃと軋ませた。 車輪の真ん中で目を閉じている、老婆の垂れた黒髪の、端っこを目で追う子猫の様子に、片輪車はおごそかにたしなめた。これこれ、タイヤではないと言うておるのに。 「まるまるなんだから、タイヤさんですよ。なんにも間違ってないです」 もごもごと言いかける片輪車をしり目にして、さくらはひょいと振り返った。 「……歌が聞こえませんか?」 「歌かい? こんな嵐の来ようって夜更けに、あたしら以外、いるとも思えないがねえ」 「そうですね。でも……」 「名のある楽人なら、そうだねえ。一度でいいから、流泉とやらを聞いてみたいねえ」 「しっ。静かにしてください……」 さくらはぴんと耳を立てた。集中して、耳を澄ませる様子に、片輪車も慌てて口を閉じた。 「……綺麗な歌。まるで……嬉しいって気持ちを始めて感じた人が、その気持ちを、ありのままさらけだしているみたい……」 「さくら……?」 小さな猫は、車輪を見上げると、「にゃあ」と小声で一度鳴いた。 ※ なべに一杯の牛乳をことこと火にかけるように、時が経てば経つほど、状況はゆっくりと煮詰まっていく。 「……おや」最初に気づいたのは待宵丸だった。 少女の肩にとまったフクロウは、ふとまぶたを開けると、目をぱちぱちさせた。 「こだますいか」 「……?」 呼ばれた少女は、そこからさらに二、三歩歩いてから、ふらふらと立ち止まった。 「あれは、悪い者たちではないよ」 「……」木霊の少女は、それを聞いて安心したように、にっこりと笑いかけた。 「おお。これは驚いた。見知った顔だ。名前までは思い出せないが」 「それは別段思い出せてないじゃろうが。……っは! おお、その物言い。待宵の爺さんじゃないかい!」 「おお。そういうお前は……そうだ! 大車輪!」 少し惜しい。片輪車は小さくつぶやいた。 「……おどろけ~! ユーレイだぞ~!」 幽霊と妖精の二人組がぬらりと影から飛び出した時、丁度鼻先で出くわした片輪車はすっかり肝を冷やした。潰れた蟇のような声を上げながら、ばたんと後ろに倒れこんだ。 「うわっ! ポルさんじゃないですか?」 「はっはっは。これはおどろいた、小さな幽霊もいるとはな」 「あれれ~? ランランはおどろいたのに~……」 「お、驚いてなんかいないって! あれはのーかん、のーかん!」 「あいたた……。さくら、お友達かい?」 「あ、さくちゃんか~。こんばんは~!」 「まあ、もう結構慣れちゃいましたからね。ポルさんのいたずらには」 待宵丸はばさばさと羽ばたいて、ぐるりと首を一度回した。かたわらの、猫の変化をじっと見据える。 「時にそなた。家にいて、仕合の時を待たなくてよいものか?」 「え? ええっと……」 「さくら、さくら。待宵丸は四六時中こんな調子じゃから、話半分に受け取っておきなさい」 「失敬な。人間たちは今宵“猫と仕合え”ときちんと申していたのだが……」 「ねこと……しあえ?」 「……そりゃ“犬や猫を、家に仕舞え”じゃろう」 だいぶ遠い。片輪車は小さくつぶやいた。 そんな、変化たちの賑わいを眺めながら。 木霊の少女は、嬉しそうに微笑んでいた。
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2019/09/29 03:43 [web全体で公開] |
😶 フタリソウサの新シナリオ集 先日、新発売されたシナリオ集より「名古屋発新大阪行き特急XXX号」遊んできました。 改めて、遊んでいただき、ありがとうございました。お疲れさまでした。 舞台は名古屋、大阪間に新しく開通された新車両。新技術が導入されたそのお披露目の日に、何者かによってコントロールが奪われ、制御不能に陥った暴走特急。 加速する特急の中で、犯人を追い詰め、乗客たちを救えるのは、PC達だけだ! まあそんな陰謀とか人命とか、そんなことはぶっちゃけどうでもいいので!(耳を疑う発言) とにかくエモれ!相方とパートナーでバディバディして、君たちだけの最強タッグで決めろ必殺技!が合言葉です。 今回は、探偵役の久夛良木さん(眼鏡で目つきと口が悪くて偏食でマニア)と、助手役の神山さん(表向きの名探偵の刑事さんで口が悪くて野心野望増し増し)というバディ。 個人的に気になったのは、作成時には無職で名探偵さんだったのに、二回目の冒頭で「(諸事情により)いまは自称霊能力者です!」ってなったとこ。そ、そのジョブチェンジはやばくないっすか! せっかくランダム表に銃撃戦あったので、「これで終わりだな……」とか油断しまくってニヤリと笑う犯人はちょっとやりたかったですね(二人ともダイス強者過ぎて引かなかった)。撃たれたと思ったら「なーんてな?」みたいな感じで立ち上がるPCさんとか見たかったのと、「な、なにィ!?」って三下ムーヴも凄いしたかった。まあ出目で引かなかったものはシカタナイね。 実は7日(月)にフタリソウサさっそくおかわりで立卓です。 フタリソウサ公式シナリオブック「怪盗からの誘惑」、難事件、まだまだ大量発生中です。気になってるそこの君も、いますぐチェックだ!(露骨に媚を売る)
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2019/09/19 03:04 [web全体で公開] |
😶 難事件、大量発生中…… フタリソウサ新作発売記念卓、その宣伝です。 新しく公式シナリオ集、「怪盗からの誘惑」を首尾よく手に入れられたので、遊んでみたい~、って思って卓立てました。面白いシステムですよフタリソウサ。地味に初心者さんにもおすすめだと思ってます。 シナリオ集としては、15の新たな事件が収録。それだけでなく、探偵さんのクラスとして「怪盗探偵」と「ダーティプレイ」、助手さんクラスには「好奇心の人」、「憎しみの人」。それだけでなく、エピソード付きの思い出の品とか、各種ランダム表の追加パッケージ、などなど、ミニサプリっぽいデータも収録。 収録シナリオ、どれも面白そうなのですが、現在のところ候補は以下の二つ。 「名古屋発新大阪行き特急XXX号」…知っていたカード三枚 ・特別列車の中で、事件は起こります。乗客の荷物に入っていた重要書類が、何者かに盗まれてしまったのです。「このままだとこの車両が……」と狼狽する被害者の様子に、どうやらただごとではなさそうです……。 ・アクション要素が強めのシナリオで、特に助手さんが体を張る場面が多いみたいです。GMはそういうのがとりわけ好き。探偵と特急列車の相性の良さは言うまでもありませんね。きっと劇場版。 「幽霊VS名探偵」…知っていたカード三枚 ・幽霊が出ると噂の「いわくつき」なホテルが、とあるイベントを開催しました。 なんと、幽霊に懸賞金をかけたのです。懸賞金に、あるいは謎に誘われて、個性豊かな探偵たちがホテルへやってきます。この騒ぎは本当に幽霊の仕業なのでしょうか、あるいはそう見せかけたい誰かがいるのか……? 24日の21時~開幕で、バディ物なので、お互いに相談してもらってキャラシ作成から。みたいな感じです。 ホントは募集こみの日記だったのですが、ありがたいことに申請をいただいたので、締め切りです。つまりただの日記。 さあ、思わず遊びたくなってしまったそこのあなた! いますぐ最寄りの店舗へGOだ!
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2019/09/10 01:16 [web全体で公開] |
😶 ゆうこやのシナリオとか。 今度やろうと思う「ゆうやけこやけ」のシナリオ案です。 ・冬来たりなば、春遠からじ それはとある田舎町。 ある時町に、焼き上げたクッキーがなくなったり、教会の壁に猫みたいな足跡が下から天辺までついたり、ちょっぴり不思議なイタズラが起こります。 どうやら、姿は見えないものの、妖精の仕業なのかもしれないと噂になります。 一方の変化たち。とある風変わりな妖精に出会います。 話を聞くと、この町に、約束をした友達に会いに来たと話すのですが……。 冬来たりなば、春遠からじ。 それはまるで夢見るように。 和風が続いたので、バランスよく洋風のシナリオを。 あらすじとしては、運命を変える!(変えられない)って感じです。 キーワード①:友だちの約束 キーワード②:古びたフルート ・降水確率50% アキちゃんはピアノの発表会、晴れてほしいって思ってる。 たくさん練習したんだから。 でも、雨が降って、中止になってしまえとも思ってる。 怪我した後遺症で、指がうまく動くかわかんないから。 天気予報見てて思いつきました。 まだちょっと雰囲気だけなので、あと一つ二つ、うまく絡ませられるテーマを思いつくまで待ちたい。マーク・ローズウォーターもこういう時は座して待てって言ってた。 キーワード:アキちゃんのペット(猫かな?)
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2019/09/07 03:43 [web全体で公開] |
😶 ロストロイヤル、キャンペーン したいです(願望) 面白そう(ちらっ) って呟いたら、あれよあれよとする運びになりました。現在PLさん2名内定ちゅう。 なので、あと2名さま、募集中です。 ・GMは不肖ながら、僕です(天下無双)プレイしたことはないです(唯我独尊) 経験者さんが一人決まってるので大丈夫だと思います(適当) ・テキストセッションです ・興味あったらお声かけください。伝助などで日程調整後、卓立てていく感じになると思います ・基本的に「21時~」で「一回3時間ぐらい」のペースになると思われます おそらくキャンペーンって形になると思うので、こういう募集の仕方をさせていただきます 参加者さん同士でプレイスタイルとか合わなかったら、残念ですが続かないでパタン。まあこればっかりは仕方ないですね、嫌いなもの無理して食べても背は伸びませんよ、美味しい物食べていきましょ。バランスは大事ですけれど ・シナリオ未定なんですが、ひょっとしてロストロイヤルって命題決めればそんながっちりしたシナリオいらないのかな。
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2019/08/29 05:08 [web全体で公開] |
😶 前回のゆうこや感想 こないだ、ゆうやけこやけの自作シナリオ「貧乏神と夏休み」遊びました。 急遽PLさんが一人欠けてしまったので、締め切りまで24時間弱だけど誰か再応募されないかしらん、って思ってたけど来なかったので、狸の変化のアヤメさんと、鳥の変化のつつりさん、お二人にお付き合いいただきました。また日記とかで募集すればよかったんだけど面倒だった……。書くネタも尽きてたし。 改めてさんきゅー! 楽しかったでーす! 残り半分のクライマックスのところ残ってるので、後半はまた後日! つつりさんは北国生まれなのですが、これは前回の僕が募集させていただいたシナリオが、真冬の北国が舞台だったからなんですね。 きちんと地元のPCを練ってくるPLさんの鑑。 ところが今回は夏の真夏の、暑さの我慢大会が舞台なものですから、すっかりばたんきゅーしてしまったと。 こーゆーのって、単発とかじゃ味わえない、乙な味ですよね。 じつにうまみな味だったので、ちょっとしたリプレイ作成。 実はリプレイ作成の許可はいただいてないので、ナイショだよ。 ※ 諸君。命の……命の危機に瀕している。 我々の前には、ばかでかい鍋いっぱいに真っ赤な色をした火鍋なる危険なシロモノが満たされている。 もう八月も終わりとはいえ、夜でもまだまだ蒸し暑い日々である。 暑いときにこそ、辛い物を食え、とはよく言われるが、これはこの世の辛さではない。 しかも我々は分厚い半纏を着させられ、ご丁寧に食卓はフル稼働する炬燵だ。 部屋の四隅には暖炉がごうごうとマグマのごとく熱を吹き出し、辺りを地獄色の毛並みをした黒猫が、あろうことか仕立てのよさそうな高級スーツをぴちっと着こなし、2本足でのしのしとうろつきながら、口からごうごうと火を吐いては我々が苦しむのを喜び勇んで舐め取っている。 これではまるで妖怪だ。(部屋へ通され最初に見たときは、黒いスーツ姿のやや陰鬱な雰囲気をまとった青年だった。おそらく、あまりに辛い火鍋のせいで、心が自分を守ろうと、幻覚を見せているのだと思う――) 貴君、いったい、何をそんなに苦しんでいるのだ。 そう尋ねられる方もおられるだろう。まだ若いのに、そんな胃腸を酷使して、いったいなんとする、と―― まったく理性的な問いだ。点数で言うなら満点に近い。 だがあえて答えるなら、くそくらえ、だ! 私はこの戦いに勝利し、彼女の笑顔を手に入れなければならないのだから! 私の心から片時も離れたことのない、彼女の笑顔のためならば―― ここで諦めて、なんなんとするか! このまま彼女に思いを打ち明けることなく、独りぼっちで明日死んでも悔いはない者がおるか! 「ほっほっ。どら、皆の衆、箸が止まっておるぞ」 部屋の奥からは全ての諸悪の源の声がする。 李白とかいう老人である。 我々がこの命がけのデッド・レースでひぃひぃ悶えるのを目の肴にし、それを老後の楽しみにしているとんでもない悪党だ。彼にしてみれば、我々は精々が闘鶏のニワトリか……いや、子供たちがやる、虫に相撲を取らせるあれか。今日日虫かごのカブトムシだって冷たいゼリーを食えるだろうに。 李白翁は風通しのよさそうな甚平に、片手には扇、片手にはスイカを構え、足元には氷水を湛えたタライまでこしらえて実に楽し気だ。くそう。 「うなぁお」 「……こなくそ。邪魔な猫ねぇ……!」 黒猫がぎろりと睨みつけてくる。まるで不正は許さないぞと告げるかのようだ。 隣を見ると、巡り合わせで道行を同行してきたアヤメという方が、まるで親の仇でも見るかのような目で黒猫を睨んでいる。さもありなん。こんな火炎地獄の真っただ中で心穏やかでいられる奴がいるものか。私はそろそろ頭がぼぅっとしてきた。 きっとこれも幻覚なのだろうが、そのアヤメ女子、彼女の汗でぐっしょりと額に張り付いた髪の下から、まるで獣のような耳がにょっきりと覗いているのである。首を傾げれば、もこもことした半纏の裾からは、さらに丸々した尻尾まで。 なんだか子供のころ、金曜日のロードショーでよく見た彩色に似ている。 なんというか。 そう、たぬきだ。 「人間程度なら騙せると思ってたのに……! と、とんだ誤算……!」 「……お目付け役、ってことかい……」 小声で何事かを口走るアヤメに、今にも死にそうな声が合いの手をうった。 声の方へ目をやる。つつり、という方が、寝そべっているはずだ。北国出身らしく、寒いのはいくら寒くても良いが、逆に暑いのはまるでダメらしいのだ。 そこにいたのは白い小鳥である。 耳があるとか尻尾が見えるとか、そんな生半可なものではなかった。幻覚も相当なところまできているようだ。 「くぅ……ううっ。アヤメ姐さん……私は、もうだめだっ」 「ちょ……ちょっと、つつり……あんた」 「最後の、術だから……あとは」 ひゅうひゅうと、虫の息のような呼吸が繰り返される。いや、これは私の息の音か? いけない、先ほどから視界の隅を七色の吹き流しがちらついていて、頭が酷くぼぅっとしてくる…… 「頼んだ……」 「……自分に使えばいいのに、格好つけちゃって」 その時、どこからか、そよそよと微風を感じた。 これこそ蜘蛛の糸か。 酸素を求めて、水面にばっと飛び上がった時のように、急に新鮮な空気を吸って、頭がすーっと冴えるのがわかった。 「こ、これは……!」 汗を吸いに吸った重たい半纏が、ぱりぱりと音を立てる。急に、ところどころ霜がついている。いや、急に冷えすぎだろう。 ともあれ、改めて闘志がぐんぐんと湧いてきた。それは間違いなかった。 「あんた……つつりがここまでしたんだから、途中でギブアップなんて、言わせないからね?」 「応とも。元よりこんな途中で引き下がる気は毛頭ないっ」 「結構」 目と目で頷き合い、我々は改めて、奥間に鎮座する、諸悪の根源をじっと見据えた――
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2019/08/22 01:51 [web全体で公開] |
😶 夏休みの終わりに「ゆうやけこやけ」 ※ 夏休みと言えば、猫や狐の変化になって物語を作っていくシステム、ふしぎもののけRPGゆうやけこやけですね。逆に、ゆうやけこやけといえば夏休みです。 今回はさらにそこに夏祭りも一緒くたにして、二つがずるずるして気持ちがいい。 ということで、ゆうこやセッション「貧乏神と夏休み」、参加者さんをもりもり募集中です。なんと、今日のお昼から。急に発作が起こってしまったので、急遽立てざるを得ませんでした。現在、一名の方に参加いただいています。あと若干名、ぜひぜひ、お越しください。一見さん、初心者さんもお気軽にね。よってらっしゃい、見てらっしゃい。ごほっごほっ(不治の病) 募集ページにだいたいがところは書いてありますが、ざっと説明すると、「先輩」と「黒髪の乙女」の恋路を応援するシナリオです。スマートに行くなら、先輩と協力して、悪徳商人との激辛料理バトルを制し、見事黒髪の乙女の大切な絵本を取り返す、というのが大筋です。 ですがもちろん、先輩と会うのをすっ飛ばして、黒髪の乙女とだけ出会い、絵本を直接渡すも自由。悪徳商人ともただ正面から構える必要もありません。途中で貧乏神を捕まえて、仮にも神が、なぜそんなふうに零落してしまったのか、それを解き明かしに向かっても、また良し。 正解は一つじゃないのがTRPGの良さだと感じてはおりますが、「先輩」に言わせれば、ハッピーエンドこそが至上なのだとか。どうしてもというので、最後に少し、言葉をいただきましょう。 「ありがとう。さて、読者諸賢におかれては、いきなりなんだ、お前なぞ知るか。そう仰るのも無理はない。 確かに私は、路傍の石ころのようにつまらない男だ。そして彼女は可愛らしく、凛として、とても及ぶところではない。 しかし! 決して現状に甘んじているつもりも断じてないのだ。彼女がこの夜の主役だというのなら、私とて主役に躍り出てみせる。みよ、非日常の象徴である夏休みの夜、神社で夏祭り! この機会を逃せば、次はいつになるのかわからない! 私のロマンチック・エンジンは震えに震えている! ありがとう。ご清聴、感謝する。願わくば、諸君らの力を私に貸していただきたい」
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2019/08/21 23:08 [web全体で公開] |
😶 怪物食堂経営TRPG、まだまだ募集してます!@1 (とある街中の、掲示板のお知らせの一番上より) 偉大なる魔王さまにお仕えする、諸君ら平和を愛する魔物たちに、広く呼び掛ける。 つい先日、第99代魔王さまの方針の転換により、人間たちとの和平が結ばれつつあるということは、諸君らの記憶にも新しいだろう。 中には「なにをバカな!」と怒りを隠せないものたちも多いだろう。私もその気持ちはとてもよく理解できる。実際、初めてそのことを告げられた会議の場では、みな大いに動揺し、「トチ狂ったのか!」とまで叫んだ幹部の者までいた。私も同じ気持ちだったが、次の瞬間、そいつは魔王さまにより石像にされたので、私は今も魔王さまの忠実な部下の一人のままだ。嘘だと思うなら、機会があれば魔王城の会議室に行って、すみに置かれた帽子掛けをよく見て見るがいい。 とにかく、諸君、和平である。 考えようによっては、今代の人間たちの勇者、あいつは歴代で考えてもちょっと強すぎたので、丁度よい機会なのかもしれない。風の噂では、生まれた町からひのきの棒とステテコパンツ一丁で旅に出たとか、勝手に民家の箪笥を漁ったり町の壺を割って回るとか、はいかいいえでしか話せないとか、色々言われているすごいやつだ。我々魔王軍ならばともかく、諸君ら民草にとっては、ドラゴンよりも危険かもしれない。 少し話が逸れたな。 ついては、魔王様の命により、魔物と人間、双方を広く客としてとる、和平の象徴の一歩としてふさわしいような食堂の人員を募集するものである。 種族、前歴などは一切問わない。我こそはと思うものは、最寄りの魔王軍まで。 最後に一言。……魔王さまの無茶ぶりは、今に始まったことではない。 (魔王軍筆頭戦闘武官、アイゾーニ)
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2019/08/15 03:08 [web全体で公開] |
😶 ありがとう俺のモンスターたち…… (♪ドラク〇のOP~) ファンタジーなどにおいて、スライムやゴーレムといったモンスターたちは、作品の雰囲気を形作る重要なわき役として、愛されてきました。 本編のRPGより、外伝の育てて戦わせる奴の方が好きだったのは、僕だけじゃないはずだ! ということで、ただ今募集中の「怪物食堂経営TRPGもてなせモンスターズ!!」、参加者募集中です。 あなたたちは魔王軍のモンスターになり、魔王さまのむちゃな命令に従って、人間とモンスター両方を相手取り食堂を経営しなければなりません。システム面としては基本的にダイスを振るだけの、いわゆる「ワン・シチュエーション系」ゲームです。 ごつかったり不気味だったりする連中の外見にも、どこかにくめない愛嬌を感じてしまうそこのあなた! 出来立てほやほやの新作ゲームで、あの頃のように遊んでみませんか――? (……あなたは飛んできた紙を拾って読んだ。 ……黄ばんだ藁半紙に走り書きで、”魔王軍、従業員募集!”という大きな見出しと、食堂への簡単な地図が書いてあるようだ……)
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2019/05/21 03:04 [web全体で公開] |
😶 先日のゆうこやセッション ゆうやけこやけ、オリジナルセッション「夏休みを待ちながら」改め「夜を待ちながら」、みなさんお疲れさまでした。 今回、構想時間はPLさんに「じゃあゆうこや卓立てますね。るるぶのシナリオならどれが面白そうですか?」→「じゃあそれにしますか」って流れで行くハズだったのが「いやシナリオ思いついたんでそれやろう。今やろうすぐやろう」ってなったから、構想1時間ぐらいかな。ばかじゃねえの(冷静) 感想としては雰囲気だけでスタートするとバリキツイこれ。当たり前ジャン。ただなんとか着地地点決めたらあとは色付けするだけだったので楽できた。セッションの導入をやってる途中で後半考えてた。 キーワードっつーかイメージは「無限夜行」+「ファイアボール」+「銀河鉄道」かな。あとはストーン・オーシャン(漫画)とかわたしは虚無を月に聴く(小説)とか。どれもオヌヌメなのでぜひ探してみてください。特にファイアボールは公式から1クール目と2クール目が公開されてたはずなので超オススメ。皆も全人類以外大歓喜の動くお嬢様を堪能しよう! 行き当たりばったりという言葉がちらちら見え隠れするセッションでしたが、それは何もログを見返すまでもなく、消えてった設定にも見える。そもそもタイトルからして最初は「白昼夢」でした。日本人の男女がNPCの予定でした。これは同名の短編小説から。ただあんまりゆうこやっぽくならなさそうなのと、タイトルがなんだか不穏な感じなので変更。「なんかCoCっぽい」「不穏」「これホラーじゃん!」って前半言われまくったけど、消えた設定の名残かもね……(ゆうこやでホラーとは:) 全4日で四分割しての進行でしたが、1日目の卓ページ見ると「こんな設定だっけ。うそぉ」ってGMが驚きました。元ネタの元ネタがシェイクスピアだからそれも絡めて……ってことだったんだけど、最初は全体的に「ユーモラス」な雰囲気のシナリオだったはず。GMが思ってた三倍しんみりしたラストだったね。これもTRPGの醍醐味。 「だからきっと、僕らは夢と同じ成分でできていた。」 ここまででお気づきかと思うが、肝心?の自作シナリオのストーリーへの言及がまったくない。今気づいた。そもそも反省日記なんて参加者さんでも別に読まないっしょ……まあ、この日記カテゴリもネタバレなしだし。というか、オリジナルでネタバレも何もねえだろという感じ。なんだかんだ、今回のPCさんたちのために作った部分が強いシナリオなので、あんまりまた回そうという気も。初回の完成度が高いと満足してしまう感じ。うーむ。雰囲気だけでも伝わって、できればもじもじして欲しい。このシナリオは今回のメンバーで今回だけの、特別なやつなのだ。へへん。 ・じっとしていてもしょうがないと思い、貴方は車両を前に進むか、後ろに進むか、決めることにしました。 セッション概要の一文。元々こんな感じで、大雑把に前方車両、食堂車両、後方、という感じでコマンドゲーム感覚で進める予定だった。だからスタート地点もばらばら。2人のNPCに誰が出会うか、いつ合流するか、という部分で分岐があった。最初はね。だから手番で一回行動を宣言するターン制シナリオ。ゆうこやは話がシームレスだからぐいぐいRPで入っていくのに慣れてない初心者さんだと遊んだ気にならないかも、というところからこうなる……はずだった。 うさぎの変化は独り行動ができないので予定変更。スタート地点を一か所に絞り、掃除中で一方通行にした。その代わり、嘘がつけない正直者のいぬの変化のために、シーン2をまるまるそのPCのための演出に変更。事前提出されたキャラシに設定山盛りだと嬉しくてどんどこ拾ってくGMなので拾った。最初は夢の中らしく幻想的な世界の車窓からにするつもりもあったけど、たぬきの変化の旅ガラスのイメージを優先。でも旅風景はあんまりプッシュできなかったね……。そもそも言うほど旅人でもなかったらしい。 その気になれば色々枝葉を伸ばせた感じもあるのでちょっと悔し味。きつねの変化とその友達とひと振りの刀とかさ。 持ち物で思い出したが、星屑の懐中時計も何か演出に使うつもりだった。ただ、「すごい不思議」の使用を決断して、失われた物を取り戻そうというPCたちの気持ちに、それなら渡してた時計が丁度、時間を戻すとかそういう感じにぴったりじゃん。まさか前半適当に渡したのが伏線になるとはね。なーんて一旦考えてたのが、いろいろなロールの末に修正されたので、そのまますっかり忘れてしまったのだった。 夕方の、長く長く伸びた影法師と、夢のようだったけれどポケットの中に残っていた、まるで夜空の星屑を散りばめたみたいな時計に気づいて「あー!」ってなるシーンは、すげー綺麗でちょっぴり切ない、なんだか言いようのないとてもとても素敵なラストシーンでした。えも。 そんな卓だったけど、実は前半、けっこう不和不和してたのだ。いやシナリオじゃなくて。卓うっちゃるか少し真剣に考えたところもあるぐらい。まさに終わりよければ、だったなあって。 BGMのチョイスはまあまあ。最後の幕のシーン(ぎりぎりPLによるプレイ、演出、変更などが効く部分)から、エピローグ(基本的にGMによって事前に決まってる)への切り替えに、BGMを変えてメリハリなんかをつけられたのは良さげ。ついてなかった?そうかな……そうかも…… 最後の反省としてはやっぱりゆうこやで「特技」は割と使いどころさんがむつかしい。 だから私、考えました。 ゆうやけこやけ「貧乏神と夏祭り」。 開始にあたり、PCたちには専用の「おこづかい表」を振ってもらい、お金はひろった、知り合いの人のところでこっそりお手伝いして貯めた、などなど、大切なお金を用意してもらい、それを……まあ、タイトルの通りね。ロストしたりしなかったり。そんな感じで始まるシナリオ。 近日上演予定。なんか入れたいキーワードあったら教えてちょ。 ( ˘⊖˘).。oO(ただ今すげーMTGアリーナドハマりしてるからちょっとな。)
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2019/05/21 01:56 [web全体で公開] |
😶 先日のネクロニカセッション ※ ハロー、ハロー。 まだ生きて動いている、前日談のみなさまへ。 「永い後日談のネクロニカ」より、終末の世界を代表して、わたくし、ゾンビクイーンがご挨拶申し上げます。 この度、こうして日記機能をジャックしてまで申し上げたいこと、これからお話しします話の趣旨をざっと書き出すと、次のようになりますわ。 セッションで遊ぶ時には、体調をきちんと整えてから集まろう、ということ。 偶然触った他の方の手が、まるで死体みたいに冷たかったなら、どうします? 救急車でも呼びますか、それともダイスを振ってから考えるのでしょうか。それとも、釘のひっかき傷がないか確認します? 体調の良し悪しにも、色々な事情があるのでしょうけれど、きちんと睡眠をとっておくだけで、だいぶ違うと聞きますわ――と、いっても、わたくし寝不足なんてしたことありませんけれどね。ゾンビですゆえ。おほほ。 ひもじいひもじい、尻の毛まで抜かれて鼻血も出ない、なーんてみなさまよく仰るお話。ですがゾンビなら心配ご無用。空気がなくたって食べ物がなくたって問題ないのですわ。 ま。 みなさま、よくそう口にしますね。なにも死にたくはない、と。ですが、なら1つお尋ねしますが、生きているとはいったい何なんでございましょう? この冷たい宇宙を見渡せば、生命なんてほんのひとかけら。“生きている方が不自然”とさえ言えるのではないでしょうか。 そうでなくても食べて飲んでしましたら、成長、老化。それらも普遍的な性質で避けては通れなくって。生命というのは、ほんの1年ほどで、全身の細胞がすっかり代替わりして別のものになるそうでございますよ? ならそれは、全身を粘菌ナノマシンと置換したわたくしたち動死体と、いったいどれほどの差があるのやら―― おっと。失礼を。今夜は別に、喧嘩を売りに来たわけではありませんもの。おほほ。熱くなってしまいましたね。 いやいや、生きているっていうのは、それ自体が特別で、死んだらもう別人なんだ――心が別物なんだ。そう仰られるかも。けれどご安心を。ナノマシンへの記憶の置換は万全ですわ。ええ、それはもう抜かりなく。 ですが翻って“生命”とやらは――いやはや。 ひょんなことで頭を何かにぶつけて、それ以来なんだか怒りっぽくなってしまった。嫌な出来事があって、以来ずっと怖がりになってしまった。だんだんと年齢を重ねれば、怒って泣いて、まるで別人のよう。人が変わったみたいに。 夜、目を閉じてしまったあなたと、朝、目を覚ましたあなた、はたして本当に同じ人格なのでしょうか。――あら、だって、その間のこと、覚えていらっしゃらないのでしょう? そういった細々としたことを、わたくし“生前”、よくさかしらに考え込んでいたものでございます。宇宙5分前説、とかですね。みなさまご存知かしら…… ああ、いやだ。たまには昔の自分をなぞって、懐かしく思うのも……という程度でしたけど、これじゃまるで哲学的ゾンビですね。 長々とお付き合いいただきまして、嬉しく思いますわ。また、お会いしたいところですけど。 さっ、とにかく、TRPGで遊ぶつもりなら、きちんと寝てくださいね。約束ですよ。 ・先日のネクロニカセッション サンプルシナリオ「やさしい家族」。 反省としては唯一のお喋りできるNPC、ズゥズゥちゃん。彼女を年相応の幼い少女然とした、全てのものから愛されるような、そんなキュートな女の子であるべくすべきでした。 個人意見なんですが、RPでただ全員がイイ子ちゃんしてるのはつまらない(全員が同一RPをする、という状況についてで、批判とかではないです。念のため)。今回は仲間に「愛」の未練を持ったイザベラさんが、積極的に「アアン???」ってロールしてくれたので、嬉しくて生意気ながきんちょムーヴしてしまいました。低年齢ロールはオウム返し鉄板(個人意見)。子供ってそんなところありますよね。生まれてまだ幼い、人間の素体にまだ近い頃。それを見て我々がなんとなくカチーンとくるようなら、もしかして人間は同じ人間のことが嫌いなのかも。本能的に。 シナリオに「彼女はあなたたちと出会い、人としての会話を通じて急速に心が成長を遂げる」とも明記してあったので、なおさらじゃあ前半はより子供っぽさをアピールするか、という腹積もりで。 ただ問題はそこのところでなんとなーく反感をくらってしまって、そもそもロールがだんだん尻すぼみになってしまったコト。後半なんてなかった。まあ全体的に時間も押してたんですが。 BGMチョイス(個人的GM最重要ポイント)は可もなく不可もなく。その場のノリで流してたのであんまり印象に残ってない。ばきゅーん!の使い心地(?)はよかったので今後の糧にしたいと思います。じゃあ撃つか、ばきゅーん! 仮にも戦闘系TRPGなのにここまでそのことゼロ。いやまあルール理解度足りなさすぎだったのは明白だったから……。セッション前、支援とか妨害の意味マジで知らないままスタートしたからね。 ※注:GMです、これで。改めてみなさまありがとうございました。また、逐一ルール解説などもしてもらって感謝カンゲッキ。 ひとまず、るるぶがあればGMはできるんだ、恥を忍んでそんなことを伝えたい。 ……かくして麗しき少女たちは真の自由を手に入れた。 目の前に広がる死と放射能の荒野は、あなたたちが戦い、そして勝ち取った戦利品だ。 重たい体を引きずりながら、あなたたちはそれでもなお、何かを信じている…… 「ズゥズゥ、パパとママ、置いていけない……」 「みんな、すこしだけだったけど、おしゃべり、楽しかったよ。」 「いろいろ、ありがと。じゃあね、バイバイ……」
2021/01/30 03:42
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