アタシの班を始め、いくつもの班が呼ばれている。 何やら大型の依頼だろうか。 そんなことを思いながら受付に顔を出すと、船を護衛しながらキングスレイ鉄鋼共和国まで行ってそっちのギルドで研修として半年間も過ごせって? とはいえ、エミリーの無茶ぶりにはもう慣れた。 どんな依頼でもこなして見せる…そんな自信がアタシにはある。 今組んでいるパーティは、もう新人の面倒を見ている時とは違いほとんど同期の冒険者達だ。 けれども、新人の面倒をみた冒険者が通例としてパーティリーダーをやっている。 港に行ってみると、見たこともない巨大な船が泊まっていた。 確かにあの船なら、アタシら4人で護りきれる自信はない。 護衛の依頼…と聞いていたが、依頼書にちゃっかり貨物の積み下ろしまで書いてあった。エミリーのやつ…… 貨物はハーヴェスの特産品「デカイチゴ」らしい。食べたことはない。この重たい箱1つで1,000Gするそうだ。買う気にはなれない。 船は巨大な帆船かと思っていたら、どうやらガレー船なのだろうか。船体からオールが伸びている。港から出航する際はオールを使っているのだろう。風に乗るとオールが引っ込んだみたいだ。 航海中の天気を見てみると、雨のようだ。これは大変な航海になるな……と思っていたら、ナツとアルヴィンに 晴れ だと言われた。 アルモニアに説明したあとに指摘されたものだから、恥ずかしくなって顔を背けてしまった。 翌朝目が覚めると、アルモニアが完全に船酔いしてしまったみたいだ。 船室で寝かせようとしていると、アルヴィンが何か音を聞いたという。アルモニアも付いていくというので肩を貸してやった。 近くで見ると肌が白い。まるで雪のようだ。 肌の色をどうこう考えたことは無いが、一応女として憧れはある。 そして10代の肌……いや、考えるのはやめておこう。 音がしたというところに行ってみると、床が水で濡れていた。 どうやら船外から乗船したものがいるようだ。 しかし、上陸した際にできた水たまりしかなくそこから移動したと思われる足跡が見つからない。 いくつかの推測を考えてみるが、埒が明かない。 取り敢えず警戒を強めよう。ということで移動しようとしたとき、落ちている水滴の違いに気が付いた。 いくつかの水滴が大きく飛び散っている。これは他の水より高い位置から落ちた証拠だ。 そして水滴に意識を向けて探ってみると、船尾に続くように水滴が落ちている。 船尾には乗客たちが海を眺めている。聞いてみても誰も何も見ていないらしい。 ここまで来て水滴も追えなくなってしまった。 どうしようかと考えていると、上空から敵が迫ってきていた…! 近づくまで発見できなかった。どうやら、体が水で出来た魔神らしい。それで発見が遅れたのだろう。 腕が四本生え、羽の生えた魔神だ。 4つの腕のうちの一つが辺り一帯に水をまき散らせてくる。 アルヴィン、ナツ、アルモニアと協力してなんとか退治できた。 しかし、アルヴィンの放った電撃……ライトニングと言うらしい。 相手の魔神も同じものを放っていた。 アタシはそれまでその魔法を見たことがない。 見たことが無いはずなのに……何故か見覚えがある。 そんな感覚が、航海中纏わりついていた…… 余談 アモル班:エリシア・カーツ・他 船内担当 ミハザ班:セーイ・クローリク・他 船主側担当
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