「道連れの探求者たち」
Ratatoskr000平原の巣穴(RP部屋)[web全体で公開] 1 | |
登録日:2023/08/22 05:12最終更新日:2023/09/04 00:31 |
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4. Ratatoskr000 | |
2023/08/22 12:42 |
ここは雪山の中腹にある洞窟の中。そこには人影が二つ。パチパチと火花を散らすたき火の日によって、オレンジ色に照らされていた。 「さすがに雪山は冷えるねぇ。もう少し防寒具を揃えればよかったかな」 「・・・・・・」 「けど、近くに休める洞窟があってよかったよ。外はあんなに猛吹雪だ」 「・・・・・・」 「ほらみてごらん、放置した魔物の死骸が、もう雪に覆われて見えない」 「・・・・・・」 「ねえ、リーベライ。聞いている?」 「・・・・・・」 「リーベ・・・・・・リーベライ!?」 ナックトは毛布を被ったまま、膝を抱えたきり黙り込んだリーベライの肩を揺らす。 「・・・・・・」 「ちょっと、大丈夫なのかい? ここで寝たらダメだよリーベライ。寝るな、寝るなぁ!?」 「・・・・・・」
3. Ratatoskr000 | |
2023/08/22 12:09 |
旅の途中の小休憩で、森の木陰で身を休めていたときだった。ふと何かを思い出したかのように、ナックトが呟く。 「ねえ知ってる? ここら辺には、知恵の実を食べた悪魔の死骸が眠っているらしいよ」 リーベライが怪訝な表情を浮かべながら聞き返した。 「知恵の実を食べた悪魔、の死骸? なんだよそれ」 「さあね、僕もしらない。前の街の酒場で、隣の客が話してたんだ」 「ふーん?」 「ねえリーベライ。別に次の街まで急ぐわけではないんだろう?」 「まあ、別に。物資の補給も潤沢にできたからな」 「どうやらね、その悪魔の死骸を触った者には、望む知識がなんでも一つだけ、与えられるんだってさ」 「知識が、なんでも一つだけか」 「そう、なんでもだ」 「それは、いいな」 「だろう? 世界を知るために旅をしている僕らには、お似合いの目的だ。探してみようよ、リーベライ」
2. Ratatoskr000 | |
2023/08/22 12:20 |
市場は人で賑わっていた。みな考えることは同じなのか、通常よりも行き交う人々の数は多い。それぞれの店の店主も、この機会にあわよくば店の在庫を処分してしまおうと思っているのか、こっちの店は何割引だの、こっちの商品の質の方が高いだの、大きな声で競い合っている。 「これはすごいね」 「あぁ、まるでお祭り騒ぎだ」 「これだけの人を見たのは久しぶりかな。流石の僕も圧倒されてしまうよ」 「そうだな。この群れの中に飛び込んで、無事に買い物を済ませることができるのか少し心配だ」 「ま、どれだけ有象無象が集まったって、僕の存在感には到底およばないんだけどね。なんせ、僕は、世界に愛された存在!・・・・・・いてっ」 リーベライがナックトの頭を小突いた。 「やかましい。くだらないこと言ってないで行くぞ」 ナックトはゆっくりと首を振る。 「やれやれ、この僕にこんなことをして許されるのは、君ぐらいだよ」 それから二人は人混みの中に身を投じていく。その影はすぐに波にさらわれて、見えなくなった。
1. Ratatoskr000 | |
2023/08/22 07:53 |
メシステム : Ratatoskrさんの日常のイベント表ロール(d66) → SwordWorld2.5 (D66) → 11 「1-1:お祭り」 澄み渡った空と、鮮やかに照らす太陽。今日は例年に見ない晴天だ。こんな日には、服や荷物なんて放りだして、全身で世界を感じたくなる。実際に行動に移したどこかの妖精使いは、同行者によって大空に舞うことになったが。しかし、個人差はあれども気分が高揚しているのか、街の人々の表情はみな明るい。リーベライとナックト、放浪者の二人組も、昨日までの旅の疲れを嘘のように忘れ、るんるん気分で物資の買い出しに出かけることにした。
本作は、「グループSNE」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ソード・ワールド2.0/2.5』の二次創作物です。