Nサブさんの日記 「TRPGとお酒と、マイナスになった室内気温」

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Nサブ日記
2017/02/27 18:23[web全体で公開]
😶 TRPGとお酒と、マイナスになった室内気温
・神は細部に……
 宿る……ではありませんが、どーでもいいところにこだわるのが好きです。少なくとも、自分にとっては重要なところだから、手を入れる。頭の中でも「でもまあ、ここよりもっと手を入れるべき部分はあるよね」ってわかってはいるんだけど、だけど正着だけが大事なわけじゃない、好きな事は好きだ、という言い訳をしたい。さよならだけが人生さ、みたいな。
 敵NPCの戦闘データを用意しておかなきゃいけないのに、どうでもいい設定ばかりが固まっていく(ただしセッションまであと30分)ような経験も、いくらかは、賛同いただけるのではないでしょうか。そんなものない方がいいけど。

・セッションふりかえり
 前日のドラクルージュセッション「血の夜明け」、改めましてお疲れさまでした。以下セッションの後日譚、エピローグです。細部にふらっと気が向いたので作りました。
 とにかく時間が長引いてしまい、GMとしてまだまだ至らぬ点ばかりだったと痛感しています。もっと柔らかい進行ができればなと反省しきり。プレイ後の振り返りのチャットでも言いましたが、この「柔らかい進行」って表現気に入ったので、今後も使おうと思います。
 ……つまり細部にこだわればガバガバGMでも許される……?

・エピローグ
 「美麗公」グランツ・ローゼンブルクは宮殿の高見にしつらえたテラスの黒曜石の玉座に腰掛けていた。膝の上で組まれた指を飾る宝石は、どれもこれも見事で美しいものであったが、彼自身の持つ高貴さのせいで、いささかくすんで見えた。
 グランツ公は退屈げであった。なげやりで尊大な態度の裏に、欲しいものが手に入らない子供の癇癪のような稚気がゆらめいていた。引き締まった鋼のような体は生気に満ちていたが、たっぷりとした金髪のした、彼の表情は不機嫌さを隠そうともしていなかった。
「して、卿よ。どうしても気は変わらぬか。そなたの英知、これまでそうだったように、最早我がローゼンブルクへ貸してはくれぬのか」
「は……」
 顔を伏して、短くそう答えたのは、艶めかしい肢体を黒い外套に包んだ褐色の麗人。ダストハイムが賢者メリリッサ卿は、すでにこの度の事件の起きた領地オルドランを離れる心積もりでいた。
 結果だけを見れば、発端となった忌むべき堕落者は見事討伐された。メリリッサ卿が引き続き領地を治めるのに何ら支障はないだろう。なにせ名家中の名家、六大公爵家ローゼンブルクが当主、グランツ公直々に乞われているのだから。
 しかし、事件の首謀者とはすなわち前領主である。彼女の仕える主にして、かけがえのない友であったのだ。当事者でありながら核心に終ぞ触れられなかった彼女にとって、もはやこの地に未練はなかった。
「褒められるべき慎みも、加減を知らねば卑下にも見えよう。それとも、我が下で力を振るうは不服かね?」
「……わたしなど、とても」
 彼女は静かに首を振った。謙遜が過ぎるともいえるものだったが、事実として、堕落した領主を討伐した騎士たちは別にいる。その活躍と比してなお、増長などできるものではない。
 彼女はそういった事を述べて、代わりにと、以下の三名の名を挙げた。
 曰く鋼鉄卿。守護する者。かつて描いた救世を信じて邁進する者。「ブラッドフォード卿」。
 曰く剣聖卿。伝承する者。敬虔、献身なる武勇の支配者。「リーゼロッテ卿」。
 曰く紅針卿。封滅する者。地獄の討伐者、世界を垣間見た者。「イーゲル卿」。
「そうか……」
 グランツ公はぽつりと呟いた。その深き海のようなまなざしは、彼女が滔々と謝辞を述べ、その場を去るのまでを気だるげに眺めていたが、やがて不意に、ぎゅっと瞳に力が入った。
「堕落者を打ち滅ぼし英雄たちか。ああ……聞いた事もない名だな」公が、ひとりごとのようにささやくと、
「追いかけまするか」モザイク模様の床の端、公の玉座の背後の暗い影が、生き物のように蠢いて言葉を返した。
「最前の不届き千万なる賢者。その者の申す三名の英雄とやら。そしてヘルズガルドの牢獄へ繋がれた囚人。ご随意のままに万難を排し、すべてを御身の前に揃えて御覧に入れましょう」
 波立つ水面のように揺らいでいた影は、やがてすっくと屹立した。群青の肌にくまなく浮かぶ、墨のような紋様を光らせた密使は、先刻より闇に紛れ、公の傍に侍っていたのだ。
「よせ」グランツ公は無造作に片手を振った。「あれはお前に気づいていたようだ。意図せぬ問題を看過して次に進めれば、難事は十にも二十にも膨れ上がろう。わざわざ正面から事を荒立てる必要はあるまい」
「おお、いかにも。ご深慮にございますな」
「まずは調べるがよい。かの英雄たちをな。使節を送り、うかがいを立て、作法に従い礼を尽くし、聞きしに勝る此度の偉業、真に大義であると……その旨、我が名の下に、しかと申しのべさせ
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