Nサブさんの日記 「ゆうこやシナリオ」

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2021/09/19 10:24[web全体で公開]
😶 ゆうこやシナリオ
ゆうやけこやけ、新版追加サプリ発表おめでとうございます。
うれしみ。

・「千年霊薬」
 土地神様。それは全国に流れる龍脈の管理者でもあり、その土地の顔役でもあります。
 そんな土地神様たちは、年に一度ぐらい、最高神(うんと偉い神様)に、その地を治める資質があるのかどうかを問われるのだそう。
 しかし神様、今年はすっかり準備を忘れてしまっていたご様子で……?
「あなや、こ、これはマズイのではあるまいか~!?」

(人物)
・土地神様
尊大で横暴。でも根は小心者で、ことなかれ主義者のノンポリの日和見もの。
近所に終生のライバルの神様(幼稚園からの幼馴染)がいて、今年こそはぎゃふんと言わせたいらしいよ。
・土地神様
ライバル。
こっちの地元の名産は砂糖漬けしょうが酒なんだってさ。

 吹き込む夜風に、蝋燭の灯が頼りなく揺れております。
 神様は、文机に書き込む手を止めて、ふと呟きました。
「いや待てよ。今宵は幾月か?」
 不安そうな表情は、出かけるときに、家の鍵閉めたかしら? と心配する時のあれに似ておりました。
「……しまった! ……もう明日、明後日ではないか!」
 着物の裾をからげて、慌てて長持をがさごそと漁ります。2つの尾っぽがあちこちへ、内心の憂いを表すように、白金の毛並みを逆立てて畳の上で荒れ狂っておりました。
 物入れからは、出るわ出るわ、「優しい山の生き物の観察日記」「毎日こつこつ~簡単地脈お手入れセット」などといった冊子が、封も切られぬままごろごろと飛び出してきました。
「ぬお~! こ、これは参った! 今からでは、とてもとても間に合わぬではないか~~……!」
 それらを胸に抱えて、神様はおいおいとすすり泣いておりました……。


・「紅い牡丹に唐獅子の」
 むかしむかし、あるところに、うら寂れた神社がありましたとさ(だいたい2ヵ月前ぐらい)。
 ビルとビルの間のせせこましい所で、風抜けも悪く、なんとなーくじめじめとしているようでした。
 境内では、土地神様とその神使が、のんきな調子で話し込んでおりました。

「……我が主! これこの通り、先ほど辺りをほっつき歩いていた餓鬼を捕まえましてございます!
 ささ、新鮮なうちにお召し上がりくだされ!」
「ん~! んん~!!」

 背は低いが体躯のがっしりとした、こわもての男性が、足元のずた袋を示していいました。
 そこには近所の小学生の男の子が、雁字搦めに縛られ転がされておりました。まだ息があるようで、じたばたと暴れておりました。猿ぐつわのため、言っている意味はよくわかりません。
 これは大変なことです。世が世なら、犯罪になってしまってもおかしくありません。
 呼ばれた土地神様は、神使の暴挙にため息をつきました。秩序の守り手であり、その土地の管理者でもある土地神様ならば、そんな行いは到底許せるものではないのでしょうね。

「はあ……なんとも気の進まぬことじゃ。本当に、こんなものを喰らわねばならぬのか……?
 見ればまだ乳臭い餓鬼ではないか。あな恐ろしや。暴れおるし、骨ばかりで喰う場所も少のぅし、おまけに臭い。臭くて鼻が曲がりそうじゃ」
「淡禅さま、何を弱気なことを仰いますか! まずは御身に、かつての御力を取り戻していただかなくては……!」

 土地神様は、形の良い鼻先に皺を寄せて、心の底から嫌そうな表情をしていました。抜けるように白い肌に、女性のように紅を刺していました。
 土地神様の気持ちを知ってか知らずか、神使はごつごつした体を丸めて、料理本を熱心に読み込んでいます。
 そうして二人が話し込んでいる隙に、縛られていた男の子が、自力で縄をほどいて、いままさに立ち上がろうとしています。

「やれやれ……儂も落ちぶれたものじゃなあ。こうまでして、生き恥を晒す意味があろうか……?」
「むむむ。ひとの子はあまり火を通さぬよう、さっと湯にくぐらすぐらいが丁度良いそうです。肉が固くなってしまうそうですな。薬味に季節のものも添えると……」
「……テメーら、この、人さらいどもー! 覚悟しろー!!」
「ぎゃー!? き、きさまー!!」

 背後から膝を蹴り抜かれ、神使はたまらず悲鳴をあげます。すぐさま二人は取っ組み合いを始めてしまいました。
 そんな喧騒をよそに、土地神様は物憂げに嘆息をし、ぽつりと「……腹が減った」と呟いておりました。

・最近この辺りで神隠しがあったようだ、原因を調査しよう!
・昔お世話になった神使が困っているみたいだ、今度尋ねてみよう!
・知らない神社に迷い込んでしまったみたい、向こうで話しているひとたちに道を聞いてみようかな……?
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