哀咲さんの日記 「「素晴らしい世界によろしく」について」

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哀咲
哀咲日記
2017/08/19 02:37[web全体で公開]
😶 「素晴らしい世界によろしく」について
特に話すこともないと思ってしまいますが、せっかくこういう場に来ましたので、ちょっとしたお話を。
拙作、CoCシナリオ「素晴らしい世界によろしく」についてです。この場においてリプレイ公開があり、とても嬉しく思います。卓に参加したわけでもないのに、「よし、そう、そうだ!」とKPの内情のような、プレイ済みのPLの心情のような気持になり、実に新鮮な面白さがありました。リプレイ公開に感謝致します。

少々ネタバレになるかもしれませんので、ご注意を。













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素晴らしい世界によろしく は、数にすると三作目のシナリオになります。
ちなみに一作目は非公開、一回だけテストプレイでオフセをしたところ5時間のシティです。これは、そのうち公開の予定はありますが、しばらく時間は掛かるでしょう。

特に書くつもりがあったわけではなく、とある日、とある夜。…夢を見ました。
水を求め、歩き、植物に埋め尽くされた文明、コンクリート、知っていた場所が森と消えている。
金があるものは、愛しい者の命を嘆願し、信ずる者は教会の中で、脱水症状に倒れては、隣接した墓場へ埋めて逝かれる。
金がないものは、路上に積み重なる。かつての戦火を浴びた橋の下にできた地獄が蘇る。
貯水湖は次々と干からび、管理者たちは最期の最期まで「水」という幸福を配り歩いては、己もまた熱に埋もれる。
そんな中、わたしは歩いていた。いや、わたしではない。「彼」の姿を持った私。明晰夢というやつでしょう。
傷みや暑さはなかった、けれども空を見上げれば、極限まで迫った眩しい何かが、大地を焦がしている。
「彼」は、やがて一つの場所にたどり着いて、椅子に座った。
覚えているのはこれぐらいのものですが、夜中に目が醒めて、覚書をしたときは怖いような、綺麗なような。
よくあるアマゾンの熱帯雨林を空撮した、あのような光景が目の前にあったこと。
その代わりに、水は絶えて、いのちはなくなっていくこと。
極論的に「人間がいなくなれば地球は元に戻る」などというお話があったりもしますが、まさにそれを表現していたような、けれども太陽による滅亡がそこにある、不思議な世界でした、そこは。
次の日、覚書を読み直して、ふと思い出したのが、「彼」とシナリオの諸原因にあたる神格でした。
そこまで思いついてしまったら書くっきゃないってことですね。
「彼」こそ、諸データをシナリオに合わせて改変しましたが、私がまともに作った初めての探索者でもあります。
まだ存命しておりますが、身内以外では出せません。神話技能が恐ろしいことになっているからです、魔導師です。
アイコンの人が、そうだったりします。
私の人格や視界が投影されていたとはいえ、「彼」は「彼」自身ですから、言葉を口にします。
これからきっと燃え尽きてしまうこの星のことを、「綺麗だ」と言いました。彼にとって、水が消え去っていき、コンクリートジャングルが本物のジャングルに様変わりしていく姿は、それこそ美しいものだったんでしょう。
「彼」の、「素晴らしい世界によろしく」という言葉、シナリオタイトルはそこから連想したものです。
「彼」はきっと、世界自体を愛しているのです。

時折その夢を思い出しては、木漏れ日を思います。
辛いことが続いていても、世界の存在は素晴らしいものなのだと、ふと考えます。
「彼」に唆されているだけでしょう、けれども、少しだけ優しい気持ちになれる気がします。
シナリオへ、この世界へ、旅立ち、戻ってきた方にそう思っていただけたら、幸いですね。

美しい世界。
とは言え、この世界は綻んでしまっているのです。
貴方の知らない、どこかの未来です。
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レスポンス

akirin5
akirin5哀咲
2017/08/20 00:57[web全体で公開]
> 日記:「素晴らしい世界によろしく」について
いつも楽しんでシナリオで遊ばさせていただいています。毎回、終わった後は一冊の小説を読み終わった後のような高揚感、として全力疾走した後のような心地のよい疲労感を感じつつ、とても幸せな気持ちです。早速今、5回目を終えてきました。
彼にとって、水面に映し出される映像は「綺麗」なものであり、そう、探索者にも思ってもらえるように描写力を磨いていきたい、とこの日記を読んでふと思いました。

改めて素敵なシナリオを書いて頂き、そして公開して頂きましてありがとうございます。
生き残った探索者たちは今日も素晴らしい世界を生きていきます。

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