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💀 怪談:置き傘 (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)今から話すお話はフィクションですが怪談話です。 苦手な方はブラウザバックを推奨します。 後、1000文字overの長文なのでお気をつけて 皆さんは外で雨が降った時にどうされますか? 都会ならば雨に濡れないような乗り物を選ぶとか、コンビニなどに居た時は傘を買うというものあると思います。 通り雨だと思って軒下に隠れたけれど、いつまでも雨が止まなくて結局濡れて帰ったというのを誰もが1回や2回経験していることだと思います。 ですが、偶に傘立てに入っている傘を無断でもっていく人がいますよね。 面倒くさいのかそれともお金を払うのが嫌なのか…… なんにせよそういったことやる人は今後は控えることをお勧めします。 倫理や価値観が理由で注意しているのか、と? いえ、私は単純な心配からこの言葉を口にしているのです。 なにせ由来の分からない何かを自分の領域に引き込むのですから、何かがあったとしてもおかしくないと思いませんか? これは私がコンビニでバイトをしていた時の話です。 私の働いていたコンビニの傘立てにはいつも1本の傘がさしてありました。 それは特に変わったところのない、コンビニでワンコインで売っているような安っぽいビニール傘です。 晴れの日にも誰かが置き忘れた傘を処分した次の日にも、必ずその傘が一本置いてあるのです。 傘がいつもあることを少々不自然に感じましたが、その時に私はあまり気に留めることもありませんでした。 それは、じっとりとした湿気が肌にべたつく梅雨ごろの夜のことでした。 だらしない格好をした中年の男性がレジにやってきました。 その男性は、私に煙草を略称で注文してはそれがわからないと怒鳴るという少々理不尽な客でした。 イラつきながらもコンビニから去っていく後ろ姿を見ていると、彼は傘立てに刺さっていた最後の傘をさしてコンビニから離れていきました。 わざわざ面倒な客を気にしていては身が持たないとため息をついた時、ふと違和感を覚えたのです。 もう一度傘立てに目をやってみると傘が一本も刺さっていませんでした。 さきほどの男性が置いてあった傘を持っていたのでしょう、いつも刺さっていた傘が無いのです。 一度収まった怒りがまたこみあげてきて、つい舌打ちをしてしまったその時。 黒板に爪を立てたような甲高い音が表から響いてきました。 何事かと思って見に行ってみると、先ほどの男性が車にはねられて意識を失っていました。 突然の事故に頭が真っ白になりながらも、震える手でなんとか救急車を呼びました。 その後、すぐに救急車と警察がやってきて男性が運ばれて行きました。 私は軽い聴取をするとのことで、公安所にまでいくことになりました。 私服に着替えてコンビニから出た時に、私はまた違和感を覚えました。 そばにあった傘立てを見下ろすと、例の傘が初めから移動していないかのようにそこにあったのです。 さぁっと血の気が引いていくのを感じました。 後日、店長に傘について聞いてみたのですが店長もそれが何なのか知らないようでした。 ただその傘は絶対にそこから動かしてはいけないとしか前の店長から教わっていないそうです。 これが私の体験したお話です。 皆さまも、どうか得体のしれぬものにうっかり関わってしまわぬようお気をつけて。
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