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💀 怪談:天野さんの家 (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)皆さん、あけましておめでとうございます。 あれよあれよと過ごすうちにもう一週間が過ぎてしまいました。 皆さんは新たな一年をどのように過ごされましたか? 今回は新年最初の怪談を話そうと思います。 これから記す話は完全にフィクションです。 後、全国の天野さんごめんなさい。 それでは話しましょう。 これは私が小学生の頃のお話です。 私の住んでいた町の外れには古びた屋敷が立っていました。 人の手から離れてかなり時がたっているようで、道から見える範囲でもひどい状態でした。 幼い時のことなのでよく覚えてないのですが、子供ながらにとても人が住めるような建物じゃないと感じたのが印象的です。 その屋敷は『天野さんの家』と呼ばれていました。 「天野さんの家には近寄るな。どうしても近づかないといけない時でも、絶対に中に入ってはいけない」 大人たちはみんなそのようなことを口をすっぱくして子供に諭していました。 少し話は変わりますが、私の家は『天野さんの家』に比較的に近くて、窓から見下ろせばあの屋敷に向かう人の姿を見ることが出来ました。 だからこそ私は月に一回くらい、夜遅くに大人たちが『天野さんの家』に行っているのを知っていました。 その時は幼かった私は一度好奇心でその大人たちがいつ帰ってくるのかを探ってみました。 しかし、結局母親から寝かしつけられるまで戻ってくることはありませんでした。 またある時、教室で『天野さんの家』に肝試しにいくという話が持ち上がりました。 ほとんどの子たちは大人が血相を変えて注意していたこともあって行こうとはしませんでした。 しかし、全ての子がいうことを聞く良い子というわけではありません。クラスの悪ガキ二人がいじめっ子を連れ添って『天野さんの家』に行くという話をしていました。 次の日、二人の生徒が転校したと先生が言っていました。件の肝試しに行った悪ガキです。 いじめっ子は普通に登校していましたが、その日はずっと顔を青くしてうつむいたまま、ただ謝り続けていました。 これらが私の知る『天野さんの家』にまつわる話です。 中学生に上がるときに引っ越したので何処にいたのかを私は知りませんし、両親も話してくれません。 ただ『天野さんの家』がどこかにあること。そこは何かが存在することだけがわかっています。 もしも、廃墟を訪れることがあったら気を付けてください。 そこには『天野さん』がいるかもしれません。
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