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😭 ミコトの手記(後半) [※蠢く島ネタバレ] (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼) ※この日記はPC目線でセッションの振り返りをしたものです ※他参加者のPCのお名前もたくさん出てきます ※PCの過去、詳細設定なども大きく反映されています ※またネタバレを多分に含みますのでご注意ください ----------------------------------------- --- 地下にあった社長の資料庫にあった本に、黒い鳥に纏わる記述を見つけた。胸の奥から吐き気のするような日記を見つけて、事件の裏側も見えてきた。日下部さんに会って話して、はやくこの儀式とやらを終わらせないと。 そう思いながら上へ上がると、待っていたのは目を覆いたくなる光景だった。 アレンがワインセラーに運んでくれていたはずのハナさんの遺体を抱えて、十郎さんは立っていた。床にはチョークで書かれた魔法陣。そして手には羊皮紙。花凛ちゃんが「宮下さんが少しだけ解読してくれた」と教えてくれた情報によれば、蘇生、降霊術、そんな類の記載があったはずだ。 まさか。いそいで階段を駆け下りて事情を聞けば、嫌な予感は的中した。 十郎さんは魔術を使って、ハナさんを蘇生させるつもりらしい。 そんなこと、許せるわけが無い。それに掻い摘んで聞いた情報だと、一度砂にして作り替えるのだから、それはもう別人じゃないの。それに、これがまだ未発見の医術だと、人智の追いついていない医術だと言うなら話は別だ。持ち帰って研究すればいい。でも違う。彼はわかっている。これが禁忌だと。訳の分からない超常的な力を使おうとしているのだと、理解した上で遺体を分解して人ならざるものに作り替えようとしているのだ。 話しているうちに宙ちゃんが宮下さんの遺体を持ってきて、同じように床に魔法陣を書き始めた。 花凛ちゃんも、「呪文の危険性はわかってる」と言いながら、宮下さんの遺体に駆け寄っていく。やめて、お願いだからこれ以上、死んでいってしまった人への冒涜は、生を歪めるのはやめて、お願い、お願いだから、安らかに人として眠らせてあげて、って。手を伸ばしたけれど、その手は十郎さんにも、宙ちゃんにも、花凛ちゃんにも届かなかった。 「ダメだ」と、頭上からアレンの声が聞こえて、ようやく理解した。彼に止められたのだと。なんで。どうして。あなたもダメな事だってわかってるはずでしょ。生き返るなんて信じてないんなら、なおさら辞めさせるべきじゃない。お願い。お願いだから手を離して。止めないで。 「恨んでもいいから、彼らを止めるならミコトを止めるよ」 必死に訴えたけれど、アレンが腕を離してくれることは無かった。「ミコトのやってることだって、遺体を弄ぶ行為だ」って、遺族から何度も何度も聞いてきた言葉のはずなのに、アレンの声が胸に突き刺さって抜けなかった。何故だか急に涙が溢れて、抱きかかえられながらただただひたすらに泣いた。泣くしか出来なかった。 気がついたら「タクミって、死んだよな?」なんておかしなことを言いながらアレンが静かに涙を流すものだから、気づいてしまった。ああ、やったんだ、と。おかしな人ね。だから本当にあるって言ったでしょ。信じられないようなことをやってのける何かが。 でもね、きっと代償があるのよ。黒い鳥のように。またきっと、何かを産んでしまう。それに彼らは気づいていない。いや、もしかしたら花凛ちゃんあたりは、気づいていながらやったのかもしれない。それならそれで構わない。背負う覚悟があるなら、それで。 外の嵐に呼応するように、災の嵐もより一層激しさを増した。 すべてを悟った日下部さんを連れ去る黒い鳥、追いかけた先に顕現した、真夏に吹きすさぶ雪の中、一際大きな怪鳥。 幸いまだ完全に現れるまで、時間がありそうだ。急げば間に合う。鱗のように硬い鳥の羽と、吹雪が襲う中、皆必死で日下部さんの元へと走った。 そこからは、あまり覚えていない。 覚えた退散の呪文を必死で口にして、意識が朦朧とする中、不意に手の中にあった彫像が消えていった。するとあたりの景色も、呼応するように収束していき、眩しいほどの青空と、穏やかな漣の音が、日常へ戻ってきたことを教えてくれた。 日下部さん、それから他にも傷を負った人達の手当をしているうちに救助の船が来て、流されるままに船内へと送られ、島を後にした。 少し落ち着いて、渋るアレンの手当をしていると、不思議なくらいアレンの表情が変わらないことに気がついた。痛覚が鈍っているのだと、察するには容易かった。人は精神的に大きなショックを受けると、機能が正常に動かなくなるけれど、きっとアレンのことだから、「もう傷だらけだから」なんて思って、知らずのうちに痛覚を捨てたんでしょう。バカね。ほんとうにバカで、優しい人ね。 「ほら、また泣いた」なんてからかうから、悔しくって彼のほっぺたを抓ってやった。この痛みがわかるまで、彼には生きていてほしい。 それからオレンジジュースを買って、まだ気を失っていた宙ちゃんのカバンの中に、手紙と一緒に入れておいた。きっと彼女は、日下部さんに会いに行ってくれるだろうから。 花凛ちゃんは気を遣ってか、船内では一度も姿を見ることなく別れてしまった。あのときは激情に駆られて、目の前で禁忌をに手を染めようとしていたから止めたけれども、それもこれも全部過ぎてしまったこと。だから、もう怒ってないって、伝えたかったのにな。 嵐は通り過ぎていったのだ。あの島と、わたしたちに確かな傷を作って。悔いたって過去は変わらないのだから、残された生で、何ができるかを考えないと。 それがわたしが生きている、生かされている、生きてしまっている理由だから。 だからやっぱりわたしは法医学をやめない。これからも死と向き合って、未来に活かしていかなければ。 9月○×日 ――以下、忙しなくも穏やかな、ミコトの日常が綴られている。 --------------- ----------------------------------------- というわけで! 長々とお付き合いいただきありがとうございました。 初めてPC目線でのセッション振り返りをやってみました。というのも、久々にPCとPLの思考回路のシンクロ率が100%を超えてしまい、完全憑依してしまったので、この記憶があるうちに書き記そうと思った次第です( ˙꒳˙ ) いやぁ、それにしてもすごい。えげつない。 急に語彙力溶けた発言ですが、このシナリオ、すごいの一言に尽きる。 それに宮下さん、花凛ちゃん、宙ちゃん、アレン、(ゲストで東海林)と、PCの個性も豊かで、とても”人間らしい”ストーリーが繰り広げられて、もう、3日経った今でも興奮が覚めやみません。 蠢く島、すごい。(脳死 でもPCの人生について、これからについて、生と死について、自分の倫理観について、色々と考えさせられるいい機会でした。素敵な機会を作ってくださったKPの御月さん、PLのKさん、さるみかんさん、かいかいさん、Rouninさんには感謝感激雨嵐です、、! to be continued……ということですので、次回も楽しみだぁ(●︎´▽︎`●︎) ではまた!どろんっ!
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