温森おかゆ(まんじゅう)さんの日記
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日記一覧
温森おかゆ(まんじゅう) | |
2023/08/29 20:54[web全体で公開] |
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2023/08/28 11:42[web全体で公開] |
😶 TRPG探訪は難しい TRPGには色々と種類がある。 ボードゲームで例えるところの、トランプがあればウノがあり、麻雀があれば花札もあると言ったことと同じで、コンシューマーゲームソフトで例えるところの、どうぶつの森があればポケットモンスターもあると言ったことと同じで、こと人間の遊戯に対する興味と向上心というものは際限ないものであり、あらゆる製作者が、あらゆる消費者のニーズにこたえるため、マイナーなものからメジャーなものまで数多くの種類のゲームを作り出している。これはTRPGにおいても同じことが言える。 「TRPG=クトゥルフ神話TRPG」ではないのだ。私だってTRPGやボードゲームの種類に関して詳しいというわけではないので例えとして簡単に言うが、トランプがあればウノがあるように、TRPGにはクトゥルフ神話TRPGからダブルクロス、なんかあの…色々ある。 兎に角いろいろ。……で、トランプにウノを混ぜては遊びようがないように、それら別種のTRPGは基本的に、ルールを混ぜては遊べないようになっている。たぶん。 なので、例えるならクトゥルフ神話TRPGがトランプだとして、シノビガミはウノといったところの位置にある。いや厳密に言うなら花札だよとかいう、たかが例えに対して野暮な指摘は受け付けていない。 シノビガミというシステムは置いといて、シナリオの概要を軽く見て、プレイしてみたいと思ったのであればそれは僥倖ではあるが、クトゥルフ神話TPPGしか持っていない状態でシノビガミの募集に入るということは、例えるなら将棋の駒を持って麻雀の雀卓に入って、将棋の駒で麻雀をしたいというのと大体同じ感じの過ちである。はたから見れば、微笑ましいとも言える。麻雀をするつもりで卓に居た人々はほとほと当惑したであろうが。 いつものクセでくどくど話してきたが、「クトゥルフ神話TRPGではそのシナリオはできないものなので、そのシナリオをぜひやりたければ、ぜひ『シノビガミ』と言う名前のルールブックを買ってください」としか言えない状態なのである。 トランプでウノはできないので、ウノをしたければウノと言う名前のカードを別に買ってください、というやつだ。 ここまで本題。こっから個人の感想。 ……私もライトゲーマーの端くれのため、前述したようにTRPGの種類については片手の指三本程度で収まるくらいしか知らない。近頃ようやくクトゥルフ神話TRPGから一歩出て、他のシステムにも対応を始めている程度の立場であるため、つい最近までシノビガミというシステムがあることすら知らなかった。 まぁ、一歩間違えば私とて紙一重でシノビガミの募集に入って「クトゥルフ神話TRPG6版持ってます」とか宣っていたところかもしれないので、今回はそっちの立場から少々察した事情を話していきたい。 私がTRPGの世界に足を踏み入れたきっかけは、昨今別に珍しくもなくなっている「動画リプレイから」というものである。タイトルからとって言えば、最近でも最もメジャーな「TRPG探訪に最適な場所」……というか、入り口と言ってよかろう。 面白いリプレイ動画を見て、興味を持って、ルールブックを買って、遊び相手が付属していないため数年押し入れに寝かせて、紆余曲折色々あって、こちらのSNSに間借りさせていただく形で、今TRPGで遊ぶという光栄なる恩恵を授かっている。 ……まぁこのあたりは別段特に関係のないところなので省かせていただくとして、こんなよくある変遷をたどってきた身としては、やはり「クトゥルフ神話TRPG以外のTRPGへのスポットライトの当たらなさ、入り口の探しづらさ」をたびたび実感せざるを得ないのである。 多くのリプレイ動画がクトゥルフ神話TRPG6版のものであり、TRPGリプレイ動画から入ったという方はやはり大多数がクトゥルフ神話TRPGに親しみを持つようになるわけだ。これはもう仕方のないことである。動画からクトゥルフ神話TRPGに入った人がまたそのリプレイ動画を作成し、それを見た人が入って……この循環が起きやすい構図であることも相まって、日本においてクトゥルフ神話TRPGの知名度は他のTRPGシステムを大きくしのぐことは言うまでもない。 というわけで私が観測するに、「TRPG=クトゥルフ神話TRPG」という、実際ちょっとだいぶ違う認識が出来上がってしまうことも、多少仕方のないこととも言えよう。 実際問題、クトゥルフ神話TRPGに比べて、他のTRPGシステムへの入り口と言うか、初心者に知られるための場所はあまりに少ない。 仕方のないこととはいえ、間違った認識を間違った認識のまま突き通そうとするのはよくないが、そういう認識があるからと言って一方的な不快感で済ませても仕方がない。 ……ではそう言うステレオタイプが生まれる原因と思われる一部に軽く触れてみたところで、このSNSを使っている先達は、さてどうやってクトゥルフ神話TRPG以外のメジャーなものからマイナーなものまで数多くのゲームを知るに至ったのだろうという疑問に移っていくことにしよう。ただ、上に記した事情推察も然り、この日記にはいつもより私の主観が数多く入っていることは了承していただきたい。周りの人に聞き回る労を面倒がっただけではあるが、どうせ私程度の者の経験なら「ありがち」と言えるので、何かの足しにはなると思う。 何のことはない、一緒に遊ぶ相手が持っている、自分の知らないシステムに興味を持つのである。 TRPGというのはある意味、伝染するような形で広がっていく。 リプレイ動画から入るのでもそうである。他者が楽し気に遊んでいるのを動画の形で見て、興味を持って、入ってくる。サッカーボールで楽しそうに遊ぶ子供たちを見て、羨ましくなってサッカーボールを買ってみたりするのと同じようなことだろう。 ここのような、「TRPGをプレイしたい」という共通した目的で人が集まっている場になるともっと積極的なものになる。一緒に遊んでいた仲間から、「こっちのシステムも面白いからやってみない?」と誘われることもある。一緒にサッカーボールを蹴っていた友達から、「野球も面白いよ」とバットとグラブを貸してもらうようなことが起こる。これが私が体験した、第二の入り口である。 ここまで二つの「入り口」を紹介してきたが、このどれも、「知らないシステムをすでに遊んでいるプレイヤー」がいて、その影響を受けて始めるという受動的なものだ。伝染するような形と言ったのはこういうことである。 例えがすこぶる悪い気がするが、病原体を持つ人から感染するのと同じで、「知っている人が居なければ触れることはなかった」というのが共通する事情なのである。どちらも、自分からではよほど興味を持って調べない限り知りようがない。 ……という事情が多いことから思うに「TRPG=クトゥルフ神話TRPG」という、実際ちょっとだいぶ違う初心者あるあるな認識を改めるためには、どうにかこういった、他のシステムに触れる接点に多く遭遇してもらう必要があると思っている。
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2023/08/26 08:13[web全体で公開] |
😶 GMは神様でもないし、PLはお客様でもない TRPGとは、全員で作っていく物語である。 であるからして、卓に参加するプレイヤーはGMもPLも本来はすべからく同等の存在で、各自GMという役割を、PLという役割をプレイするものだという観念は私の中にある。 ……であるからして。 「GM、PLが敵に見え始めたら一旦やめた方がいい」と言っておきたい。 それから、GM各位には「GMはPLに奉仕するもの」という気持ちでやらないことをおすすめしておく。 どちらにせよ、GMにしろPLにしろ相手が一緒に遊ぶうえでの「仲間」であることを忘れてはならないということである。 これを忘れるとよくやりがちな失敗は大抵の場合、卓の雰囲気を著しく破壊する物ばかりだ。 長々と語りすぎてしまう吟遊化、GMの独占、マンチキン……エトセトラエトセトラ。 相手が自分に奉仕してくれることを期待するべきではないし、逆に、自分が相手に奉仕しすぎる義務もない。 つまりは「一緒に楽しみましょう」という気持ちを持って臨むことが最も望ましい(少なくとも初対面やそれに近しい関係の相手には)と言える。 GMは神ではない。PLはお客様ではない。 要するにどちらも同等の存在と言いたいわけだ。GMは万能でもなければ全知全能でもなく、PLは与えられる権利が少ない。 だがどちらが上ということも下ということもない。 GMはあまりPLに理不尽ではよくない。PLはGMが眉をひそめた時、多少の譲歩は覚悟する必要もある。 何だろうと、共に遊ぶゲームである以上は、相手に対する多少の尊重を忘れていてはできないのである。 屈伸煽りしたくなる時でもぐっと我慢することが、このゲームを遊ぶうえでのコツだ。 ……それはそれとして、私は暇な時に多少ボードゲームのようなものもプレイしているのだが、近頃「のびのびTRPG ソード」を入手してちょっとやってみた。 簡単に言えば、TRPGで行われる工程を簡略化、カードに記載して、シナリオを用意することなく想像力で補いつつカードに従って場面を進めていくことが出来るという代物である。 インスタントなTRPGとでも言おうか。 1人から5人までプレイできるようである。 このゲーム、上手いと思ったのが、プレイする以上必ず全員にGMが渡るようになっている。 GMなんて出来ないよ、という人でも、引いたカードの内容を読み上げるだけなので、苦労することはない。 ただロールプレイの可否などを決めるなどといった裁定も簡単にあるため、気楽にGMをすることが出来る。 なかなかどうして、簡略化されたものではあるがTRPGの体験ツールとしてよく出来ていると思う。 前のシーンと脈絡のないシーンカードが出てきて、適当にこじつけするのも面白いし。 「TRPGのGMに興味はあるけど自信はない」「TRPGやってみたいけど相手がいない」といったありがちな悩みにインスタントに応えているボードゲームである。
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2023/08/20 01:24[web全体で公開] |
😭 【CoC】よしKP、ちょっと待とうか【方向音ち】 その「エモ」をどうかしまってくれ。 やめてくれ。私はそういうのにすこぶる弱いんだ。なぜか。 誰か知らない人のためにわが身を投げだせるようなタイプのオジサマにとにかく本当に弱いので止めてくれ。 CoCでPvPなんかしちゃいけないって言うじゃないか。ましてやリアル人間のリアル嗜好をブッ刺して涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしたPLを捕まえて「絶対刺さると思った」などと歓喜溢れだす表情が画面向こうまで伝わるようなレスを飛ばして来るのは酷いと思わないか。 いやぁなんて酷いKPなんだ。世が世なら神だっただろう。紀元前なら創世神だったに違いない。なにせ神はそういうの大好きだろう。よって私は崇敬を込めてあなたをこう呼ぶことにする。神KPめ、よくもだましてくれたな。 お陰で第二回目の終盤なんか目と鼻から汗が止まらなくて難儀した。拭っても拭っても画面が見えやしない。やれやれ、一体どこの世界に、プレイに支障が出るほどPLを感動させるKPが居るというんだ。きっちり三分くれと言って画面を五度くらい読み直してそれでも心の整理がつかないなんてこれまでにあっただろうか。 一回3時間ほどだから、つまりあなたは約5,6時間で私を泣かせたことになる。ああまったくもって酷い。新記録だ。 いかなる感動秘話を饒舌に語ってみせようとあなたの足元に及ばないだろう。これで人を感動で泣かせるのに時間は関係がないことをあなたは自らの手で証明してしまった。 第三回目になると何気なく趣味で用意していた探索者の幼少期の立ち絵を使った回想シーンをはやしてくれたばかりか、感動すぎるシーンを見せてくれた。私が何気なく思いついて提案した「後日談」を受けて、それじゃあ、と、後日談でちょっと救いを見せて頂いた時なんか、感動のあまり私はその日4回目の涙に暮れてしまった。 そう言うの弱いんだってば! もう感極まって1PLシナリオのはずが雑談タブの流れが濁流と化していたじゃないか。 私の悲鳴と嗚咽と混乱と奮起と葛藤でとんでもないことになっていたじゃないか。これがオフセッションか、或いは他のPLも交えた多人数シナリオであってみたまえ、私とあなたは今ごろ可哀想なものを見るような目で見られていたに違いない。見学者すらいなかったからよかったものの、クローズドな場でなかったらとんでもない誤解を招いていたところだ。厄介者を作り上げるなんてまったく度し難いことと思わないかね。才能もここまでくれば恐ろしい。 あなたはまだKPをやり始めて三度ほどの人じゃないか。それを、そんな浅い経験のうちに大成功を収めてしまってはなんと勿体ない。これではお互い素晴らしい経験にしかならないので忘れるべきだ。 ああ私はこの想い出をあなたへの感謝と共に抱いて眠るが、あなたはぜひ忘れるべきだ。覚えていたっていいことしかない。 「ロールプレイを無理に削らなくてもいいですよ」というあなたの言葉を聞いて、私は疑り深いものだからこう思った。 「ははあ、このNPC、何か隠していやがるな」次の回までにキッチリと聞いておいた方がよさそうな質問をメモに書き出して一時間ほどかけて尋問した。その時点ではこれといった情報はないかと思うような内容しか得られなかったとおもったものの、まさかそれがあなたの罠だったと誰が気付けるのだろう。そうだ、怪しむ必要はなかったのだ、「愛着」こそが狙いだったのではあるまいか。 CoCにSAN値と精神を毒されて久しい経験者の心を、その簡潔かつ緻密な語り口で液状化して目と鼻から垂れ流すほど溶かすなんて鬼の所業以外なんと形容すればいいというんだろうか。 シナリオを数本やってまた忘れたころにこんなシナリオをしたら、私は膝から崩れ落ちてしまうことだろう。 テキストセッションで計三回。計三回しかかからなかったなどとは思えない、濃厚で非常にいいセッションだった。 尊敬を込めて KP 綿わしさん
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2023/08/04 22:02[web全体で公開] |
😶 復帰 前回言ったような言っていないような気はするものの、しばらく「俺GM向いてないな&もしかしなくてもTRPG向いてないんちゃうか」シーズンを迎えてしまっていたため、無期限で休息を入れていた。気付けば二か月ほどご無沙汰していて自分でも驚いているところである。 平気な顔をしておいて、自分が一番参っていたとはお笑いである。 で、モンハンサンブレイクでアマツマガツチ直前まで進んだところで性懲りもなく帰ってきた。 やっぱり素晴らしいセッションが私を呼んでいる気がした。十中八九気のせいである。 しばらくはGM前のシナリオ仮回しのためにちまちまとキャラを生産していきたいと思う。 ひとつひとつ丹念に立ち絵を描いているから生産が遅いのなんのと…………。 でもってさらに興が乗るとショタ化差分とか作ってしまうのでどうしようもねえなというところだ。 そういえば、最近Twitterが影も形もなくなったなと思っていたら、アプリ欄になんともヴィラン組織の裏SNSみたいなアイコンのアプリが挿げ替えられていたのでちょっとロマンを感じたのだが、なんということもない、なろう転生した前世Twitter君だった。
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2023/05/30 00:40[web全体で公開] |
😶 「また」のうれしさ ダブクロはビルド幅が広いため、バランス調整が難しい。 プレイヤーがやりたいことを実現しつつ、かといえラウンドをそれほど長引かせないようにしつつ、不完全燃焼にもならないように程よく緊張感を……。 となると、至難の業である。 2回3回やった程度で掴めそうもないので、物足りないくらいだが優しく安心なバランスを続けつつ掴んでいきたい…「まぁたまにはこんなユルい卓もいいね!!」…と思いながら見守っていただきたい所存だ。 「またあなたの卓で」 この言葉は思った以上に嬉しいものだなと最近思う。 困難に満ちた道のりだっただけに。 そんな困難が降り掛かった卓でも「またあなたの卓で」と言っていただけるとGM冥利に尽きるというものだろう。 プレイヤー各位の協力と理解あっての物種だが、好印象を残せたという可能性を見ることが出来たのは私にとって存外の喜びである。 こういった小さな一言でも、喜びに変わって次への糧になるものだ。 私としては楽しい卓を一緒に囲める相手と再び遊べればそれが何よりなので、何よりも嬉しいと言ってもいい。頑張ったかいがあった。 私にとっての次へのモチベーションは、「またこの卓に来たい」あるいは「この卓は楽しかった」という一言だとおもう。 しかし必ず完璧な卓をご提供いたしますとは口が裂けて天地が逆転しても言えないので、「(思ったよりは)良かったよ」程度で十分というか、期待はしないで参加して頂きたいのだが。 前回のクランブルデイズ卓も、散々初心者なのでぇ!と言い訳しまくったおかげで期待はされていなかったと思う。過度な期待はされない方がいい。 いや、それでも最低限、人間同士の会話は問題がないものだろう程度の期待がなければ参加する意義もないので、過ぎた期待も期待皆無も毒と言えば毒なのだが……。 GMが人間である限り、次に繋がる、あるいは、卓を始めるにあたってのモチベーションの元があると思う。 楽しかったという思い出、暖かいプレイヤーの言葉、仲間、素晴らしいシナリオ…。 沢山見つけられれば、より大きなモチベーションになるのだと思う。
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2023/05/23 01:09[web全体で公開] |
😶 ヒロイックにやるにも強さが必要 最近自分を改めて客観して思うのだが……私が漠然とTRPGをやる理由は、「ゲームの中でくらい、ヒロイック(英雄的)に立ち回りたい」という願望がためなのではないか。 私は言わずもがな弱い。心身ともに軟弱だ。しかし人一倍曲がったことは嫌いというか、どうにもそのあたり融通が利かないところはあると思う。 そんなに弱い私でも、簡単に正義のヒーローの真似事を表現できるのが、このゲームの魅力だったのではないか。 いやはや。色々終わってみて思うのだが、私はやはりヒーローにはなれないというか、ヒーローになれるだけの甲斐性も力もないということである。 正義たればヒーローなのか。最近は深く考えていた。 誰かを救うに値する強い信念と、思いやりさえあればヒーローなのか。 「違うな」というのが結論だったわけだ。 ヴィランを語るに心や信念の弱さを表現されることはままある。そこにいかな信念があろうが、信義があろうが、あらゆる創作物の中で、彼らは結局ヒーローにいつかは敗北するのが運命づけられている。 「悪は正義に勝つことはない」それが物語の不文律なのだ。 創作の世界で必ず正義が勝つのは、正義を掲げるキャラクターがえてして強い力を持つからである。結局はそう、正義も武力によってなされる。 ただし現実はそうはいかない。 あらゆる思惑が交錯し、そう単純には義を通させてはくれない。詐欺師は手八丁口八丁で人をだまし、悪人は悪事をもみ消し、悪徳政治家は声高に自分の利益を正義と主張して止まない。 それを打倒するヒーロー……正義はこの世に居ない。誰もが人並外れた力を持つわけでもなく、巨悪をねじ伏せる力は誰も持たない。正義とはこの世で、危うい天秤の腕の上を、落ちないように必死に縋り付くようなものだ。 だからこそ人は、強い力が正義のため振るわれる英雄的物語を、楽しむのかもしれない。 存在しないものだから。 それでも、義の人は時に自らを投げうってでも正義を成したいと立つのである。それは時に英雄的物語として、あまた星の数ほどある英雄譚の片隅で感動をもって語り継がれる。 正義は確かにこの世にある。だが、創られるものよりもそれは余りにも少ない。他者を思いやり、救う英雄的人間には、必要なものが多すぎるのである。 そこに思いやりがあっても。そこに正義を求め、欺瞞を恨む心があっても、それを通し続けるには思った以上に強さが必要だ。途中で投げ出さない強さ、くじけない強さ。 私は時に思う。「本当に自分が窮地に立たされた時、目の前の人を救うために、自分を投げだせるのか」と。 私は酷く臆病で、弱虫だ。生きる理由など分からないのに、死ぬのが怖いだけで生に無為にしがみつく虫けらのようなものだ。 世の中には、災害で津波が来た時、自らも窮地に立たされているのに、目の前の人間を思いやって、自らの命や生命線ですら譲り渡せるような人間がいる。私もかくありたいと思うものの、考えてみれば「無理なのではないか」という答えが頭の中を巡るのが常である。 私は自分のことしか考えられない。自分のことで本当は手一杯だ。人の気持ち一つ抱えるにも苦労する。すぐにでも逃げ出したいような環境に置かれて、それでも膝を折らんととめどなく足元を滑りゆく濁流に耐えようとするだけの気持ちはあるが、心も体も結局ついてはいけないのである。人を救えるだけの強さがない。その場にとどまって、自分の弱さに打ちひしがれて地団太を踏み続ける子供のような存在である。 この世の人間がもっと相手を思いやれたら、後少しでも世界中の人間が、目の前の人間に温かくあれば、私がこんなに苦労することはない。そんな理想論ばかりを抱えて、理想と現実とのギャップに苦しみ続けている。 結局それは私がまだまだ青いからである。弱いからである。悟れては居ない。まだ私は救われる側で、ヒーロー未満。 誰かのためにその声を届けることも、誰かのためにその身を投げうつことも、救いたい人間を救いきることも、何一つ上手くやれたためしはない。 ……まぁ、そういうわけで、無理をしていたな。というのが、結論だ。 それでもただ私の中に生きている僅かな達成感は、「最後まで信じる者の隣に居続けたこと」への小さな報酬なのだろう。 私は自らが救われるよりも、そんな小さな光のために、自分の信じる人の隣に立つ者でありたい。
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2023/05/13 13:12[web全体で公開] |
😶 DX3rd5卓目【Crumble Days】 オルクスの白兵型と言えば係数5の《縮地》《バックスタブ》が有名だが、《縮地》を《ハンティングスタイル》などの戦闘移動系エフェクトと組み合わせたり通常の戦闘移動に組み合わせることによって離脱が行え、ついでに任意の場所に「瞬間移動」できるというエフェクトである。 要するに射程的なイニシアチブを取ってニヤニヤしている射撃マンが青ざめるエフェクトである。 射撃マン「フフフ…移動を繰り返しつつ歩いても届かない射程外からチクチク撃ってやるぜ」 とか余裕をぶっこきなさる射撃マンさんの眼前に瞬間移動し 「残念だったな…… 《縮地》だよ」 とか言いながら《バックスタブ》の係数5で首をへし折れるわけである。射程距離など最早《縮地》の前では大した問題にならない。 武器作成エフェクトを用いている場合は《オーバーロード》で武器攻撃力2倍をぶちかましてもいい。オルクス怖い。 ……まぁ、それでもオルクス白兵屋があんまりいない理由はその【肉体】能力値0というところにある。 ワークスや併せるシンドロームでバランスをとっても、そもそものオルクスの悲しさで最低限のダイスが稼ぎにくい。 開き直ってトライブリードのオプショナルで取られることさえ多い。そのくらいにオルクスの白兵適性はなんとも微妙なのである。 閑話休題。 人間とは不思議なもので、人間ほど愚かな動物はいないなどとは思うものの、それでもどこか愛おしいというか、結局のところ捨てたものではないな、と思うこともいくらかあるものなのである。このTRPGというゲームは、不思議とそれを実感させてくれる。 まぁ、実感してしまうような問題が無い方が良いんだが。 何だかんだありつつ。いや本当になんだかんだですまないレベルで何だかんだあったわけだが、主にはっきり言うとあらゆる卓の事情で二人のPCが途中でUGN海外支部に出張したり、別の事件の調査に駆り出されて離脱して、途中私は無事で終わらないどころか流卓まで覚悟の上だったわけだが、それでも卓自体は5回を持って問題なく終了した。最終回は実質1時間でシナリオが終了し、アフタートークで終了した。 折角なのでここぞとばかりにうぬぼれておくことにする。最後まで盛り上げつつ付き合ってくれたPLさんたちの頑張りは一番大きいが、こんな一時期ボロッボロになった卓が持ち直してお互いにたたえ合いつつ終わったのは、GMである私の力も多少はあるのではないだろうか。ないだろうか。いや。ある。あるといったらある。異論は認めない。 「親の顔より見たバス炎上」と言われているダブルクロス3rdルールブック1に掲載されている知る人ぞ知る公式シナリオ「Crumble Days」。 実質GMとして私が企画したセッションとしては一番初め。 最初に終わったセッションに関しては違うものの、これが最も最初に企画されたと言える。 まぁ折角なのだ、初心者も交えているし立てた本人も初心者。であるならば公式シナリオに巡礼しなくてはなるまい。軽い気持ちで始めたし、卓自体は終始楽しく終わったものの、それ以外の場所で爆発炎上が起こって火花が飛び散った関係でやべーことになり実質リアル火の車と化したセッションだった。今上手いこと言った。 今回最後までこの色んな意味で燃え上がる卓を私と共に駆け抜けてくれた、栄えあるPL、PC諸侯をご紹介にあがらせていただこう。 PC1 粛正 竜正(しゅくせい たつまさ) PL:つぎの これが実質初めてのダブルクロスである。他のシステムで積極的にGMやPLをつとめる経験の多さもあって、この独特なシステムも少し説明しただけで問題なく動くことができていた。 PCは折り目正しい、生真面目、というか、カタブツ。まさにそんな高校二年生の典型的風紀委員。メインヒロインの女の子は幼馴染で、小さい頃から淡い想いを寄せており、ピュアッピュアボーイ。規律にうるさいだけのことはあり、校則にあるが教師陣にすら忘れられがちな「不純異性 交遊は禁止」という規則と彼女への恋心の間でゆらゆらガタガタ揺れている。言うだけのダブスタでないあたり非常にいいやつなのすき。 昔は少しやんちゃなくらいだったのだが、他でもないメインヒロインに小さい頃「チャラチャラした子ってキライ」と言われたショックで、根性で今のようなギッチリした性格に自らを「矯正」した。 シナリオでは勿論ヒロインをカッコよく護り抜き、エンディングで両片想い爆発させていた。 GMそういうの大好きです。ありがとうございました。ごちそうさまでした。 PC2 百雷 一(ひゃくらい はじめ) PL:チルモリ 経験は半年だと言うが、もはや初心者などと言えまい。類稀なるセンスと知識量を持って、ありとあらゆる局面を即座に解決していく。咄嗟の判断力は有能の極み。一番経験の長いプレイヤーとして、初心者GMやPLの助け舟をスマートに出しまくる。 今回GM以上に働いたのでは? PCは小さくて可愛いが、その胸に秘めた武士道は並大抵ではない。勝気な女の子。実はまだ中学生だったが、UGNの裏工作で強引に竜正らと同じクラスに編入される苦労人UGNチルドレン。何だかんだ憂き目に遭っていてとても可哀想(確信犯)合わせて頂いて助かった。 終始ツッコミ役としても活躍。声がでかいPC1、声が小さいPC3の間に挟まって苦笑しつつもそつなく業務をこなしていく。 ボスに対する発言も辛辣ながら哀愁ただようさまにやれやれと言った感じでとてもよかった。 可愛い女の子のやれやれ顔はいずれ病気にも効くようになる。 PC3 GMPC 翡翠 碧(ひすい みどり) ワケあって急遽代理を作ることになったので満を持して登場した。他のPCに合わせてルルブ1のサンプルキャラクター「深緑の使徒」さんをフルスクラッチリビルドを持って入った。 お前の趣味では?という声もあるだろうが、見くびらないでほしい。 100%私利私欲による使用だ。パーティーとの相性なんか勿論ガン無視である。まぁ支援である以上腐りはしない。と言い訳しておこう。 その情熱が伝わったのか、PL達からも「使っていいよ」とのお許しが出たのでハイテンションで使っていた。楽しかった。 海外のUGN支部に出張しているとある支部長の代理で、結局影が薄いので色々仲間に助けられている。GMPCなんか便利支援ばらまきマシーンで上等だから……。 なお、彼の配備された支部は支部長によりからくり忍者屋敷の様相に魔改造されており、その構造の複雑さと匠の遊び心にいつもおデコと胃を痛めている。 領域の王というよりもはや三点リーダーの王。クーデレという名の無口デレ。 PC4 有栖寺カナト(ありすでら カナト) PL:綺来 なんだかんだ言って実は私の先輩も先輩。後半、冷静に処理を進めていたので、私が助けるつもりが色々と助けられていた。 喋らないPC3の隣でさらっとパーティーをまとめてくれた大人枠。色んな意味でいろいろナチュラルに任せられて本当に助かった。 春日恭二と交戦経験のあるUGNエージェントで、UGN N市支部に今回の事件調査のため派遣された。 眼帯と白いコート、ツートンカラーの髪がクールな男性。 偶然にもPC1の通う高校の英語教師であり、アルファベットが壊滅的にできないPC1のテスト成績に頭を悩ませる日々に、事件による悩みも追加される。当事者が教え子であるがゆえの悩みや葛藤を抱きながらも、UGNとして、日常を守るという使命感をもって敵を切り伏せた。
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2023/04/22 18:18[web全体で公開] |
😶 DX3rd4卓目【ぼくらのまちのだぶるくろす】 おかゆはどういうわけか、「家族や友人周囲の人間に冷遇され続けた人間が復讐やシンデレラストーリーによって幸せになり、見返したみたいになる」……みたいな物語の広告を見ただけでNTR見た時並に脳細胞にダメージを受けるような気がするので、正直言ってあれはそこそこ重大なモラルハザードだと思っている。 閑話休題。 4卓目でやったの? まぁ途中であぼーんした卓も含めると実質5卓目辺りなのだが、あれはノーカンとさせてもらう。色々ありすぎて覚えておきたくないことも色々あるので。閑話休題2。 そんでもって、DX経験自体が実質4卓目でなんとGMに挑戦しだした私だが何を思ったやら、そのうちの一つは「一日で終わらせよう!」みたいな無茶苦茶を考えてしまったために超絶疲れたし超絶息切れしている。 どうせGM経験点もらうので、バックトラックしたとしてもPC経験点の分はそう言えば合算されないんだから、今度からGMPCがいても侵蝕率管理とかしないようにしようかなとか思っている。 いや、流石にエネミーと同時に自分のPC動かすのはちょっとキャパオーバーだった。後半頭が働いてなかった気がする。 やはり戻りすぎた人を出してしまったので、侵蝕率管理は結構難しいものだなと思っている。まぁ戻れないよりか数倍マシなので別にそこは及第点としていいと思うが。 短時間の5時間半セッションに納めて難易度も超低めになったために、最高でも侵蝕率が126程度で頭打ちになっていた。加減が分からないが、Eロイス4個分も積むなら次からもう少しハードにしても良さそうだ。まぁ、ハードな戦闘をこなす暇があればだが。 なんにせよ今回の卓はPLの皆様方のご協力でとても楽しい実りのある卓を執り行うことができた。雰囲気も和やかで色々と応援されつつの卓は楽しかった。 GMPC:楪 玉音 要するにPCたちの道先案内人としてのNPCの側面と、パーティーの補助を行う支援型としての側面のためにこそこそと自分の持ちキャラをリビルドして持って行った。《導きの華》と《エンジェルヴォイス》を《要の陣形》でばらまきながら、《援護の風》によるオートのダイス支援もできる。しれっと危なくなった時のための保険として《領域の盾》を握らせていたものの、これはそもそもそんなに危なくならなかったおかげで抱え落ちした。 ド天然ワンコ系青年、今度は音楽の先生に転身である。結構働き者ね。結局のところ子供と精神年齢が似通っているのもあって、パーティーとのかかわりはちょうどいいものになったのではないかと言う感じはする。 PCたち 全員小学校五年生。そもそも怪異じみた何かだったり、UGNと何らかのかかわりを持ちながらアウェイだったり、関りこそないが何かと理解力の強さから動じなかったり、二名はオーソドックスな小学生でありながら、それぞれキャラクターが立っていた。 冬野 聡志 PL:れすぽん 卓中は先輩らしい控えめかつ的確な補助をそっと行ってくださった。いつもながらクールが過ぎる。鮮やかすぎる。私がダブクロ楽しめてるのはほぼほぼあなたのおかげです。 まさに小学生を謳歌している真っ最中の、ノイマン/サラマンダーの天才小学生。UGNとの関係はそれほどないが、聞くだけでどういう組織かを一瞬で理解したり、知識量の多さで多少大人びた雰囲気を醸し出す、歳不相応なインテリ。 範囲攻撃と威力の高い単体攻撃を両方使いこなす、優等生な構成で敵を一網打尽にし、活躍する。 憧れの女の子「麻友ちゃん」のことに関しては年相応の反応を見せるあたりがなんともギャップ萌え。 鈴城 鈴菜 PL:プリン丸 重病のために日常と命を失った少女の見果てぬ夢が生み出したレネゲイドビーイング。快活でお転婆。 言ってしまえば亡霊のようなもので、学校ではいるはずのない生徒の噂として存在している。周囲に一般人がいる状態でイージーエフェクトを見たらバレるレベルでいきなり使いまくるのは(世界観的に)やめよう! レギュレーションの関係でウロボロスが使えなかったので、元になった少女が死んだというメタ的にもちょっと悲しい経緯を持つ。オルクス/モルフェウスで武器作成、《オーバーロード》で破壊。結果的に70ダメージをたたき出す。やはり《オーバーロード》は強い。 雨宮 朝日 PL:はいりゅー ちょっとマセた小学生らしくクールを気取ってはいるものの、周囲の友達に対する態度は非常に柔らかく、最も仲間想い。サボれるところはサボるが、仲間の命がかかわる場面になると純粋に人を思いやることができる。 小学生ながらなかなか清らかな性格をしている。深くかぶったフードの奥のスレた瞳に騙されてはいけない。 オルクス/エンジェルハィロゥで、その手にもつ秘密兵器で敵を撃ち抜きながら味方に《力の法則》《妖精の手》などで支援を飛ばすこともできる構成。《力の法則》は強いぞ。 小学校が舞台のシナリオだ。そこで小学生を謳歌しつつ、オーヴァードらしく日常に起こる摩訶不思議に立ち向かっていく。 構成的には短いシナリオでもあるため、たまにはあっさりと青春を取り戻しながら冒険もちょっとできるというなかなかどうしていいシナリオだ。
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2023/04/12 16:16[web全体で公開] |
😶 「すみません」より「ありがとう」 オルクスはいい。 ダブクロのオルクスはいい。 なんせ大抵のことならなんでも出来る。なんでも出来てしまうとそれはそれでハヌマーンみたいに他キャラ棒立ちシンドロームとかいう不名誉極まりない代名詞で呼ばれるので、「大抵の事は便利に出来るが妙に不便だったり、個体で強い訳でもない」という立場に大人しく収まってやっているあたりが特に素晴らしい。 それでいて支援型での最適解シンドロームを目立たず堅実にやっているあたりが素晴らしい。 万能ハヌマーンの《エンジェルヴォイス》と《援護の風》と《ウィンドブレス》はマジで許さん。いい加減にしろ。 閑話休題。 「すみません」と「ありがとう」なら「ありがとう」の方が相手の気分がいい。 「すみません」は謙虚でいいのだが、使い方をわずかでも誤ると相手を加害者にできる。 「すみません」は実は日本語では「ありがとう」に言い換えられる。逆も然りである。 私もよく間違える。 人間として最低限必要な素質であり、これがない人間は関わらない方が懸命であると思う条件は 「謝るべき時に『ごめんなさい』感謝すべき時に『ありがとう』と言えること」 である。 これが満足にできない人間はTRPGをしない方がいい。私は断言する。 たくさんの人に助けて貰っていた。本当にたくさんの人にたくさん迷惑をかけたと思うし、一時期精神的にやられて不眠症と若干の低迷状態を繰り返していたにしてもやるべきでないことを沢山やったと自覚している。 まぁそういうわけで自責するべき部分は多々あるので、昨日辺り迷惑をかけた人達に謝り倒しまくっていた訳だが……感謝の方が大きいので……これからありがとうに切り替えていこうと思う。 本気で謝りまくりすぎて、そろそろ厚かましいまでに過剰であった。 付き合ってくれてありがとう。助けてくれてありがとう。 私が本当に言いたい言葉はこっちの方である。
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2023/03/24 07:00[web全体で公開] |
😊 DLH日記「天秤は揺れる」感想 完走した感想ですが…………(恒例) ロスが激しい。ネタバレは避けたいのでロスが激しいと重苦しいテーマの難しいシナリオだったがとても印象に残ったとしか言えない。初めから重いシナリオだということは何度も聞きつつ覚悟はしていたのだが、まさに悪魔のトロッコ問題だった。生半可な心の準備ではセッション中に悩んでしまっていただろう。告知していただけた分非常に助かった。それでも何度か、心の天秤ががったがった揺れまくって手が止まった箇所は数えきれない。 GM:つぎの 今回のGM。最近マスタリング技術をメキメキと上げてきている。開始前の動く背景などを有効活用したシアター風オープニングは素晴らしかった。NPCのロールプレイングが今回特に上手く、PCたちの反応を受けて受け返す言葉選びの上手さと言ったら異常なほどだ。シナリオに花を添えてくださった。NPCそれぞれの過去をもとにした非常に説得力のあるRPで、誰一人印象の薄いNPCがいなかった。 加えて、アドリブを拾うのがとても上手だ。 こちらがリマークを打った「死亡フラグ」演出を、その後まもなく拾ってエネミーの煽りRPに活かした時は「してやられた!」とほくそ笑んだものである。ブルーマンデーの急所を突くのが非常に上手いエネミーだったな。うん。危なかった(誉め言葉) シナリオに登場したNPC達の豪華すぎる立ち絵を共有できないことがとっても悔やまれる。 NPC インペイン このシナリオの感想を説明するのならこのNPCの説明は必要だと思う。とあるきっかけから、無辜の人民を大量虐殺してヴィランに落ちてしまった元ヒーロー。 PC1のブルーマンデーとはセカンドカラミティなどで一時期共に戦っていた経験がある、つまるところの元相棒でもある。元相棒というのは「間違いなく多分これ元相棒って深い関係にしておいた方が良いな」と思ったPL1によるすり合わせなので、PC1との関係はある程度自由と言える。 自身の憎しみや無力感、罪悪の炎に身を焦がしている。シナリオ中では元相棒のブルーマンデーとの元相棒ムーヴが光っていた。もともとツーカーな(死語)関係だったのだろうなということを、二人の掛け合いから想像できるほどであった。 PC1 ブルーマンデー PL:温森おかゆ 「名言しか言えないおじさん」だと思っているブルーマンデー。今回も暑苦しい名言のオンパレード。DLH始めてからブルーマンデーしか使っていない気がするが、わりとお気に入りなのでいつも結局使ってしまう。 以前のシナリオで出逢い、養父として家に招き入れた「ガイストキッド」改め「ノア・クーパー」の存在は彼をより強くも弱くもした。守る者を得た彼は、守る者を失った元相棒の暴走を食い止めようと動き出す。 因みに以前のシナリオ「強襲!ロックウェイブ島」に関しては以下の日記をご参照いただきたい。 ↓DLH体験卓「強襲!!サイレントサイエンス」完走記録 https://trpgsession.click/comment-detail.php?c=117okayu&i=117okayu_166611970034 ↓DLH感想日記2つめ https://trpgsession.click/comment-detail.php?c=117okayu&i=117okayu_166617900773 DLHのダウンロードページにあるテクノマンサーのサンプルキャラクターのクレジット消費の重さを軽減するため、今回は「不労所得」のパワーを成長でくっつけて持ち込んだ。ちまちまと削ってくる敵の攻撃を受け止め切ったり、ラウンドが回るたび2ずつ上昇していくエネミーの与ダメージを減少効果で相殺したりと「護衛部隊」パワーが偶然にもかみ合っていた。 最後は誘導弾とグリット1点消費による3D6で5ゾロを出し、チクチク遠距離攻撃型に似合わない高火力でエネミーの頬をぶん殴ってフィニッシュを飾る。 PC2 コトブキ PL:ビーフチキン 言霊を操る呪術使いの家に生まれ、「モテたい」という思いから出奔し、ヒーローになる。楽観的で少し軽薄とも取れるキャラクターだが、友情には熱く、立場の揺れる友人のことを最初から最後まで一貫して信じ切る心の強さをもっている。 という意味では、もしかしなくても天職だったのだろう。ヒーロー適正はキッチリある。 若さと経験の浅さゆえか、迷いに立ち止まるシーンがあったが、暑苦しい青いおじさんになんだかんだ励まされて吹っ切れた。 1エリア対象の雑魚殲滅用パワーを二つも持ち込んで、雑魚の殲滅に特化した構成。絶望感すら感じる大量の雑魚敵を「インフェルノ」で確実に一掃してくれた。かっけぇ………… 敵の判定やダメージを妨害する「バリヤー」と「ポルターガイスト」の安定感もさることながら、パーティーの安定した戦闘に貢献した第一人者だと思う。 PC3 コールド・ライダー PL:綿わし ブルーマンデーと同じく、前回の「強襲!ロックウェイブ島」から続投で参戦した青白い騎士。口数少なく剛毅木訥とした人物だが、不言実行を形にしたような人で、とても頼もしい。前回のシナリオで、失ったと思っていたかつての仲間を「取り戻した」立場の人間であり、相棒がいることから、ブルーマンデーを思いやりつつ、自身の想いをその拳に込め、寄り添ってくれていた表現が美しい。ブルーマンデーが冷静になれなくなった時も、その心情を理解しながら「悲しみの連鎖を断つ」という一貫した目的のために力を振るい、その背中でおじさんを導いた。 背中で語る、口数少なくも熱い男。それができるのは才能だと思う。エンハンスド特有の攻撃力の高さで単体アタッカーとして活躍した。エネミーに執拗に狙われ、今回彼だけデッドラインに突入していた。 エンディングについて ここから先は流石にネタバレになりかねない箇所だと思うので最後にしたが。 GMの天才的手腕によって、シナリオ以上のエンディングが多々用意されていた。それは王道にして……最高。 我々が選んだあの結末を受けたからこそ最高の形に締めて頂き感謝仕切りである。 やはり我々はこういう時GMに「活かされている」と思うのである。 私もただ機械のようにシナリオを読み上げるだけではなく、PCたちの選択や言葉を「活かす」ことに力を使えるようになりたい、と、今回を体験して思った。
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2023/03/20 20:45[web全体で公開] |
😶 (DX)1番大事なことなのだが いやね?1番大事なことなので言わせて欲しい ダブルクロスThe third editionのサンプルキャラクター「深緑の使徒」さん 良すぎるんだわ。 黒髪青眼なんですよよく見るとあの人 神秘的な深青の目を持ちながら漆黒に身を包んで厳かに眉をひそめてるの サンプルキャラクターでありがとう 私はあなたに心の迷いを抱える羊です
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2023/03/19 11:09[web全体で公開] |
😶 理想的な人であるために ダブルクロスのサプリメント「レネゲイドウォー」にて、経験点と見た目と色々パワーアップして帰ってきた「深緑の使徒(RW)」さんの話をしよう。以前も日記に書いたことがあるが、相変わらず完全に支援に全振りした構成と、満を持して手に入れた5体全員に支援をばらまける《未知なる陣形》ゲットとフルスクラッチの関係で《コンセントレイト》からようやく離れ、いろいろやばさが増したヒーロー深緑の使徒さん。 サンプルキャラはそれぞれ一つずつイージーエフェクトをもっているのだが、深緑の使徒さんはというと。 オルクスの《成長促進》やソラリスの《細菌環境操作》か《元気の水》で癒しパゥワーか……と、おもいきや。 なんと《竹馬の友》である。まさかのエキストラ洗脳からの強引に信頼をねじ込む感じのエフェクトである。 他のサンプルキャラクターに比べていつも明らかにバチクソセリフが短い深緑の使徒さんが、あんまり喋らない口下手さんでも問題なく信頼される理由としての《竹馬の友》というわけなのだろうか。それでも《竹馬の友》はどちらかというとエネミー向けイージーエフェクトなだけに、あまりのギャップに気になってしまう。人の良さがにじみ出ているのだろうか。そう言う意味の《竹馬の友》なのだろうか。それともこんな顔して実は多少強引に相手に言うことを聞かせるちょっと怖い面もあるということだろうか。どちらにしても「良い」という感想しか出てこない。 というかレネゲイドウォーで満を持して帰ってきたのに、セリフがさらに短くなっていよいよ6文字なの滅茶苦茶謙虚でいいですね。もしかして可愛い人ですか?もはや語彙力無くして単語でしか会話していないのである。助詞が一つも存在していないせいで口下手どころか言語能力に不安が出てくるレベルである。もはやそれは片言。エケチェンみたいで可愛い。 それから相変わらず眉間のシワがとれていない所やテキストの相変わらずの「性質:善」感がとってもよろしい。未だに独力で戦闘力を持たないというのにちゃっかり顔を見せて活動しているヒーローってそれ危ないにもほどがあるのでは?ぐらいの心配をしてしまうところもいじらしくて大変よろしい。顔を見せている理由も自分のためではなく基本ルルブでの行動原理と同じく他人のためなところも本当に好き。同じくサンプルキャラクターの切り札くんやら紅さんに守られてしまってほしい。明らかにビジュアル年上なのに戦闘面では自分は補助に回って年下に守られざるを得ない深緑の使徒さんは設定面とデータ面からして最高である。 護られてしまってほしい。欲しい。 閑話休題。 このような言葉がある。 「君子に九思(きゅうし)あり。 見るは明を思い、聴くは聡(そう)を思い、色は温を思い、貌(かたち)は恭を思い、言は忠を思い、 事は敬を思い、疑わしきは問うを思い、怒(いかり)には難を思い、得るを見ては義を思う」 ここでいう君子とは、単純に立場の偉い人という意味でもあるが、こと「論語」においては、「人格も学問も優れた理想的な人間」という意味で通じている場合が多い。 つまり 「理想的な人間は常に九のことを心掛けている。 物事を見るときは本質を見るようにし、 人の話を聞くときは、その真意を聞き取り理解するようにし、 人と接する時には、表情と態度は穏やかなものであり、 姿勢と振る舞いは常に謙虚であり、 その言葉はまっすぐで嘘がなく、誠実であり、 事をするには慎重かつ尊敬をもってあたり、 疑わしいことには真相をしっかりと確かめ、 怒りがある時には、怒りを爆発させた後の面倒を考えて、 自分の利益になると思ったことに関しては、道義をわきまえているかしっかりと考慮すること」 と、こういう意味だそうだ。 以前にも言ったというか、これはこの先もオンセンにいる限り延々と言っていくつもりであるし自分に自戒を繰り返していくつもりなのだが、「TRPGとはコミュニケーションのゲームである」以上、人として理想的な在り方は、TRPGに置いても重要なのではないだろうか。 今すぐ理想の人間になれと無理やりを強いるつもりはない。そんなことは不可能である。私だって偉そうに紹介しているが、理想的な人間と自分などは程遠いと自覚している。 矛盾しているようだが、「理想的な人間」は「自分のことを理想的な人間」と思ってはいけないのである。 「完璧な人間」、「理想的な人間」などというものは大体の場合幻想にほぼ近しいものである。理想や完璧は人により差異がある。いかに自分にとって理想的な人間であろうとも、それが他者の理想を満たせるものである保証はどこにもない。 「論語」はそうした戒めの隣に、それでも「信頼してもらえるような人間性をもつ」ための心得を教えている。 自覚しているからこそ、常に上のような言葉を心に刻んで生きているし、ここで人と関り、ゲームをする上では、「論語」の教えを第一に行動するように心がけている。 なるべくなら「理想的な人間(君子)」に近い方が、きっと関わっていて安心してもらえるはずだし、セッションだって楽しいものになる……そう信じている。理想はまだまだ遠いが…………ともあれ。 誰かが涙を流さない。できれば全員が楽しい卓になれば、それがただTRPGというゲームの理想だと思っている。
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2023/03/18 11:09[web全体で公開] |
😶 正義はまれに人に盾ではなく、剣を握らせる 私の界隈(界隈人数:一名)では大人気のオルクスさん。 ソラリスの次に高い社会能力値2を持ち、ミドルでの活躍も期待できる。ついでに肉体以外は1ずつあるため、調整しやすいという特色を持つ。要するに、ピュアオルクスでも肉体の能力値がゼロになるだけなので、これを調整するために【肉体】に能力値ボーナスを持つワークスさえ入れてしまえばいいのである。 ついでに言うと、オルクスは〈RC〉による攻撃が得意なタイプでもあるので、《サイレンの魔女》に並んでフィールド全体の敵を片っ端から攻撃できるシーン(選択)エフェクトの《雨粒の矢》を使う気があるのなら、ワークスは【肉体】にボーナスがあり、かつなーぜーかー〈RC〉技能値が2オマケについてくる「高校生」がおすすめだ。 高校生と言えばありとあらゆる日本原産のストーリーで主役を張るワークス。かの栄えある基本ルールブック1掲載の公式シナリオ「Crumble days」における覚醒枠でありHO1を飾るクイックスタートキャラであるサンプルキャラクター「不確定な切り札」くんもワークス高校生で使うかどうかちょっと疑問な〈RC〉を持っているわけだ。 要するに公式でもだいたい主人公ポジションとして扱われがちなワークス高校生ととても相性のいいオルクス攻撃型は実は主人公適性が半端じゃないわけなのだ。 Q.E.D. 閑話休題。 「人が最も残虐になるときは「悪に染まった」ときではない! 真偽どうあれ「正義の側に立った」と思ったときに人は加虐のブレーキが壊れるのだ!」 ───出典「氷室の天地」 自分は正義側に立っている。相手は悪である。そう言った考えが、その手にいつの間にか棍棒を持たせているのである。 相手は悪だ。何を言おうとも、何を主張しようとも、相手が間違っているのだから耳を貸す必要は無い。叩きのめせばいいのだとその耳に囁く。 ──果たして、それが正義ならんや。 昨今SNSでも話題のとある正義を語る団体さんとかがだいたいこんなような攻撃の仕方をしていることはよくある。 自分の正義を強く主張し、周囲が何を言っても論点を逸らしたりブロックして聞く耳を持たず、何が起こっても、自分たちの行動で議論の場が荒れ狂っても自分たちは正しい、相手が間違っている、と、主張し続ける。 そうして、正義の棍棒で人を叩き続けるのである。 はっきり言って、そうなってしまうともう「正義側に“正義”はない」と私は思う。 正義を振りかざし相手の言論を封じ、粛清してやるとばかりに攻撃し続ける。 断言しよう。それこそは暴虐だ。 大昔の言わずと知れた偉人、聖徳太子が「十七条憲法」でこのような言葉を残している。 我必ず聖に非ず。彼必ず愚かに非ず。共に是れ凡夫ならくのみ。 (自分が必ずしも正義とは限らない。 彼が必ずしも愚かであるとは限らない。 それぞれに心があり、思うところがある。共に等しくただの人でしかない) ──これは私の自戒でもある。 一個人の善悪基準なんか、はっきりしたものだと思わない方がいい。人間自体完璧では無いのだ。自分の持つ正義が総てにおいて通用するものであると誰が喧伝できようか。 自分は正義だ、相手は悪だなどと、そう簡単に思わない方がいい。それを続けていたなら、いつか間違いなく自分がドツボにハマり込む。 相手の掲げる悪だと思っていたものが、実は真っ当な主張であった時。自分の掲げる正義だと思っていたものが、土台からボロボロと崩れ落ちていく時。 そこで戻れなければ、崩壊する「偽善」の泥舟と共に沈んで押し潰されるだけだ。 飽くまで主観。飽くまで傍観。飽くまでその手から、秤を手放してはならない。
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2023/03/16 01:16[web全体で公開] |
😶 どのような人になりたいか 話はそもそも「オルクス」とかいうシンドロームの話に戻るが。 「領域の王」とかいう半端じゃなくフワッとしてかつ包括的でなんとなくカッコイイフレーバーは最高ではないか、という話だ。 そりゃあダブルクロスは「THE☆中二病」なシステムなので、大体全部のフレーバーテキストがカッコイイ。「光の使い手」やら「電撃の王、鋼の使徒」やら「闇を支配する魔眼」やらその中二病感となんとなく沸き立つカッコよさに関しては甲乙つけがたい。 だがオルクスに限った話だと単純に「“領域”の王」一言で片づけられている。 これがかっこいい。言葉は要らない。この一言で説明できるという確固たる自信を感じるし、むしろ「これ以外の言葉で語れるものがない」というそこはかとない諦観も見え隠れしている。 オルクス特有の「自分を含めた“領域”っていうなんかフワっとした範囲内なら周囲の地形も空気もなんなら事象まで改ざんするよー」みたいなフワッとした感じがそれはもうにじみ出ている。オルクスにしてこのテキストあり。寧ろ今更これ以外考えられないのではないだろうか。 あと、エフェクトアーカイブに書いてあるオルクスの説明もなんとなくフワッとしている。「空間に散らばった“因子”を介して、その取りついたものを自在に操る」らしい。シンプルにわけがわからない。 エフェクトを見ても、やっぱりわけがわからない。地形を操って敵を妨害したり味方を守ってみたり、かと思えば瞬間移動して敵の首をへし折りに行ったり、ダイスの出目とかいう運命を強制クリティカルにしてみたり、そもそもダメージを受ける運命を交換したり、動植物(果ては乗り物まで)を意のままに操り始めたり、しまいにゃ相手に「この行動して♡」と洗脳かけたりと割とやりたい放題もいいとこである。 というわけで、オルクスは因果律に干渉して俺ツエーしたいあなたにはとてもおすすめのシンドロームだ。 閑話休題。 論語には、 「老者はこれを安んじ、朋友はこれを信じ、少者はこれを懐けん」 という言葉がある。 「老人には安心され、友人には信頼され、若者には慕われること」 という、意味である。 これはこの言葉を言った孔子という人物が、弟子たちに「先生の理想の人物像をお聞かせください」と言われた際に言った言葉だそうだ。 これが紀元前4,500年前の人間の言葉とは、いやはや恐れ入る。実際このような人間が数千年の後、つまり現代にいるかと考えてみればなおのこと恐れ入る。人間とは悲しいかな、思った以上に学ばない動物のようである。 考えてみればごちゃごちゃ考えなくても、老人には安心されて、友人には信頼されて、若者には慕われる。そう言う人物であれば、確かに他に何もいらないだろう。 単純明快な基準である。 上記の言葉の前に、孔子は弟子たちに「各人の志を言ってごらん」と促しているという描写がある。それを受けた弟子たちは、言われた通り、各々の志を先生に語ってみせる。 ある弟子は「車や馬、衣や外套などの資産を友と分かち合い、友が衣を破っても恨み言を言わないことです」 ある弟子は「善を行っても誇ることなく、人に苦労を掛けないことです」……と、語る。 一旦習って、私たちもどういった人物になりたいかを考えてみるとしよう。 私はもう少し甘い人間であるから、孔子の弟子ほど志高いことは言えそうにない。 「ただ『ごめんなさい』『ありがとう』が常に誠実に言えて、どんな時もまっすぐで正直な言葉を用いたい」……おやおや、やけに背伸びしてしまった。 弟子たちも今の私のように、師匠に「自分の理想、志は?」と問われて、このように妙に肩肘張ったというか、背伸びしたことを言ったのだろうと夢想している。 実際自分の理想、となると、肩肘張るというか、なんとなく背伸びしてみたくなるものだ。 このような話を聞いた孔子は、後に弟子に聞き返されて、「老者はこれを安んじ、朋友はこれを信じ、少者はこれを懐けん」と、簡潔に返したのだという。 弟子たちはこの師の言葉を聞いて、一体何を思っただろう。 数千年の後にまでこの一連の出来事が残されて伝わっているところを見るに──当時の弟子の感動が偲ばれる。 「老者はこれを安んじ、朋友はこれを信じ、少者はこれを懐けん」 …………人としてはこうでありたいものだと、私も深く頷く言葉だ。
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2023/03/14 12:37[web全体で公開] |
😶 エネミーとは殴り合い、GMとは…… ダブルクロスの上級ルールブックには情報屋ポジションを担う公式NPCがいるのだが、その中に《ハンドリング》(代理の動物をシーンに登場させる)エフェクトを悪用ゲフンゲフン活用して正体を明かさず、端末である動物に情報を届けさせる情報屋が114ページに掲載されている。 情報屋という、非常にお世話になりそうな立場のNPCにしてなんとも天才的なオルクスエフェクトの活用方法であり、ついでに可愛い。情報を聞きながら端末であるわんちゃんのお腹をなでなでさせてもらったり鳥さんに肩に止まってもらったりできるわけでつまりはもふもふなわけである。これはオプションの「ふれあいタイム」料金も捗るわけである。天才である。 オルクスはもふもふなのである。 よって基本ルールブック2掲載の「至高を見る者」支部長はもふもふかわいい属性である。 Q.E.D. 閑話休題。 結論から言うと、GMは「話しやすい人間」であればあるほど良い、というのが私の持論である。 エネミーとは理論武装で話し合うよりも普通に殴り合った方が、敵の理論に「……一理ある……」とかなって剣を向ける理由を無くしてどうするよ?ってならなくて済むので、いい加減なところでRPを切り上げて「やめないか。ならば仕方あるまい……」と剣を抜き放ってしまうのが良い。 だが、そのエネミーを操作するGMに対してはまた別だし、それこそじっくりと話し合って相互に意図を理解し合い、協力し合う必要があり、それができなかった場合、セッションはいたって簡単に失敗しうる。 セッションの大敵は大抵の場合、「コンセンサス(合意)不足」これ一点に尽きることが多いのである。私の経験則上。 オンラインセッションを始めてからこの方、私はとにかく言葉を尽くすことと、相手の言葉に耳を傾けることと、相手に正直であることを念頭に置いてきた。傾聴をこそ尊しとせん。 嘘をつきすぎてがんじがらめになって泣くことはあるが、本当のことを言いすぎて悪いことはあまり無い。極力、言い方を選ぶべきではあるが……。 閑話休題。 ダブルクロス3rdEdition「基本ルールブック2」の【ゲームマスターセクション】を真面目に読み込んだGMは果たしてどれだけいるだろうか。私はしっかり読み込んでいる。自慢である。 書いてあることはそれこそ小手先技術とか、心得とか、ルール裁定とは違ってフワッとした内容なワケだが、役に立たない訳では無い。寧ろ、ゲームマスターを行うに当たっていかにトラブルを避けるかを、1000円で買えるルールブックが懇切丁寧に教えてくれるのである。 そこにはいい言葉が書いてある。 「あなたがGMであれば、……プレイヤーに指示を出し、それに従ってもらうことも多い。だが、だからこそ相手の発言に注意し、聞く姿勢を持つことが望ましい。……まず、話をよく聞いて、相手が何を望み、何を話そうとしているのかを知ろうとすること」 …… 要するに、一旦落ち着いて相手の言い分を聞いてから判断しろ。そう言いたいわけだ。 実際にこの文がわざわざルールブックに記入してあるということは、戒めたい例がどこかにあったということなのかもしれない。 プレイヤーもゲームマスターもやることの原点は結局同じだ。 「いかに上手くコミュニケーションを取るか」。これ一つが、TRPGというゲームの奥深さであり、史上の命題である。 どんなに最高のシナリオがあっても、どんなに最高のプレイヤーが揃っていても。どんなに良いキャラクターが揃っていても。 コミュニケーションが満足に出来ないだけで、卓はすぐに雲行きを怪しくする。そういった経験はないだろうか。 プレイヤーが話ができなくてもいけないが、ゲームマスターがプレイヤーの話を聞こうとしないのもまた、失敗要因である。 TRPGというのは、テーブルトーキングで進むゲームと言うことで、コミュニケーション能力が結構その完成度に大きく関連してしまう。 1回ちゃんとお互いに話を謹聴することが必要なのだ。
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2023/03/13 13:35[web全体で公開] |
😶 人を見抜く目を得る ダブルクロスのシンドローム「オルクス」といえば、支援型において髄一の人気を誇るシンドロームであり、かつ、その《要の陣形》の雑過ぎる使いやすさやエフェクトのフレーバー的特色から、エネミーがついでと言わんばかりに発症しがちな大人気()シンドロームさんなわけであるが、イージーエフェクトで花を咲かせたり動物さんと仲良くできたりするあたり、私は悪役というよりも寧ろプリンセスだと思っている節がある。 よって基本ルールブック掲載のサンプルキャラクター「深緑の使徒」さんと「至高を見る者」支部長はプリンセスである。 Q.E.D. 閑話休題。 相手の事をある程度見抜くと言うのは、難しいようでいて、案外単純な条件がある。 私の人生のバイブルにこのような言葉がある。 「子曰く、その以(な)す所を視(み)、 その由(よ)る所を視(み)、 その安(やす)んずる所を視れば、 人焉(いずく)んぞ廋(かく)さんや。 人焉んぞ廋さんや」 (先生曰く。 その人が何をしているのかを見て。 その人がなぜそれをするのかを見て。 その人の行いが何のためであるのかを見れば。 どうしてその人の本性を隠せようか。 どうしてその人の本性を隠せようか。) その人が何をしているのかを注意深く見る。 その人がなぜその行動を起こしたのかを十分に理解する。 そしてその人の起こした行動がどのような結果のためなのかを考察すれば その人の本性が分からないはずは無い。 という、言葉だ。 サスペンスなどでも、物語が進むにつれこれらの全てが見えて、犯人の素性から本性までが明らかになるようになっているだろう。 犯人はどんな罪を犯したのか。 犯人はなぜその罪を犯したのか。 犯人は、どういった結末を求めて行動に移したのか。 これらの事を正しく知ることが出来れば、どうしてその人が分からないと言ったことがあろうか、と言った意味だ。 逆に言えば、「見なければならない」ということでもある。 その人を「識(し)る」ためには、目を逸らしてはならない。色眼鏡で見てしまったら、それこそ穿った見方になってしまうだろう。 その人のありのままを見、ありのまま理解して、受け入れる。そういった器も、人を正しく見極めるには必要な素養なのかもしれない。
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2023/03/11 01:44[web全体で公開] |
😶 DX3rd3卓目『凍てつく寒さか 陽だまりか』 MchさんGM『凍てつく寒さか 陽だまりか』になんとお誘いいただいた。恐悦至極である。実に大体5回くらいの卓になった。GMに恵まれ、PLに以下略の大変楽しい卓だった。 猫、野生、そして人間、エゴイズム……罪。これらをテーマにして作られた非常に物悲しく、そして優しい物語である。 ……それはそれとして色んな意味で死ぬかと思った。 PC1 早乙女 幸太郎(さおとめ こうたろう) PL:もやしさん 愉快でトンチキでたまに正気で瘴気を放つ異才で異彩のPL。それ言ってもいいのか?そして頭ハヌマーン。 キャラに元ネタがあるとかないとかそんな話を聞いた気がするがちょっと覚えてない。PC1……うん、完全にPC1だった。PLの日頃のトンチキというかお気を召されていらっしゃるとしか思えないレベルの日記とギャップがありすぎる超主人公&超マトモ属性。 ただし、天涯孤独レネビのPC2はお持ち帰りするしPC3とPC4も重荷ひっくるめて抱えるしで性質は善/混沌と言ったところだと思う。良い意味だが正気の沙汰ではない。 PC2 スピナ・F(フレア)・ポートゥス PL:チルモリさん PLPCひっくるめてマトモ&ツッコミ枠。最後の良心。卓のメンバーがトンチキに染められ始めた時、この人の200tハンマーが火を噴くぜ。そして頭火力卿(脳筋を超越せし脳筋) パーティーの紅一点にしてレネゲイドビーイングにして半端ではない攻撃力をたたき出す異常者。自分のあるべき理由をとうに亡くした少女姿のレネゲイドビーイングで、半ば自棄が入ってたところ、さらっとPC1が「消えさせやしないからうちに来い」でお持ち帰り成立。……PCがPCをお持ち帰りとは……? PC1の働きかけで何かが変わったのか、意味深な「さようなら」を誰かに向けて残すというきれいなクライマックスを終えた。 PC3 ケネス・モーヴクーガー PL:綺来さん カバーリングピン刺しで持ち込み、PC1、PC2を庇うことでパーティーを損害から守り抜いた騎士(ナイト)。 ホストクラブの黒服をしながら、裏ではUGNエージェントとして活動している。夜(ナイト)の騎士(ナイト)ってな。 チャラい印象こそ与えるが当人が自分にバイアスかけているだけで、本当は自分にあまり自信がないために表を取り繕うことで前向きに見せている。根はいたって生真面目なので、一番のイロモノかと思いきや他のキャラの派手さに喰われがちな二重に不憫キャラ。特にPC1は陽のちからが強すぎたからな。相手が悪かったな。 PC4 楪 玉音(ゆずりは たまね) トンチキ枠ナンバー2。こっちもこっちで気が狂っているので卓の雰囲気がすぐケイオスに染まりやがる。私だが。 パーティーの後輩枠にして人見知りだったはずが最終盤ではパーティーと設定の兼ね合いから完全に身内に対してワンコ系になってしまった青年。PC1はかつて玉音を預かっていたつながりから、「風太郎さん(コードネームを混ぜたアダ名)」と「ひよっこ」と呼び合う仲。到らないところをPC1に助けてもらったり、PC1の事務所におやつを持ち込んでお菓子パーティーしだしたりと結構半端じゃない自由人。慣れと甘えの反作用。 ……初めてバックトラックで追加振りした…… 途中までPC2の侵蝕率が一番危ぶまれていたが、最終的には私のキャラのバックトラックダイスが6面ダイスにすり替えられやがって1と2と4ばかりという大惨事、なんとかギリギリで帰還した。やめてくれよ。 まぁそんなしんどい思い出もあったものの、シナリオはとてもきれいに終わったのでとても満足である。 ── セッション中、野生動物にみだりに関わるような人間はTwitterなどでよくいるよねという話になった。 正直を言うと私は、そういった相容れない人間とわざわざ通じもしない言葉を交わして改心させようなどという正義感など持ち合わせてはいない。そこまで体力を使う気にもならない。 シナリオの中で、未だ裁かれない罪人たちをどう裁くか…いろいろな話が出はした。 私のキャラクター…ゆずりはは、その罪人たちの最後の事の顛末を、淡々とした報告で支部長に伝える役目を預かった。 だが、PCたちの手で引導を渡すことに私はさほどの魅力は感じなかった。 だから、最後は、罪人たちは公正な場で裁かれた──とゆずりはがのんびり紅茶を飲みつつ報告する裏で、別のタブに詳しい事の顛末を書くことにとどめた。 ひとえに、綺麗に終わった物語に水を差したくなかっただけだ。 それぞれの希望を取り入れつつ、優しいエンディングを保てたと思う。