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😶 涅槃館殺人事件 すぐあとのこと (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼) ひどく冷えた体を、ちろりちろりと炎が舐める。 まるで紙芝居の中みたいにばかげて見えるな。そんなことを思った次の瞬間には、そんな風に見えるのは自分の体と、それを囲む世界の方だと気づいた。 ここまできて、何が起こったのかわからないほど自分は愚かではない。 そこまで言って、私はけらけらと笑いそうになった。それでも、声は出てこない。胸も上下はしてくれない。 “ここまできて、何が起こったのかわからないほど自分は愚かではない”だって? もし本当に愚かではないなら、もっと早く気付いているべきだったんだ。 私は頭を動かして、彼に目を向けようとするが、頭は動かない。くそ、私はあんな男に敗北したのだ。並一通りの倫理観と、くだらない超越者のポーズを気取ったあんな男に。 勝負自体に不満はない、僕は全く間抜けだった。ひどい手落ちだ。 それに、君が我々に用意してくれた事件はなかなかに面白かったね。君のそのくだらないポーズよりも、君が使った妙な力なんかよりももっと。やはり、一番面白いのは、人の心の動きと、それがもたらす出来事だ。 だが、それでも君の紙屑の一部として書かれるくらいなら、こうして死んだほうがましだ。 そんな風に強がりを言おうとする喉も、もうぴくりとも動かなかった。 くそ、死ぬ前に言いたいことはこんなことじゃないはずだ。全く違う信念を持った相手に、自らの姿を印象付けて死ぬなんて、くだらない、第一、彼は僕のことなんかもう見ちゃいないだろう。 だったら、せめて、彼女を。 彼女は単に僕が連れてきただけなんだ。本人の意思ではなく、僕が連れまわしていただけなんだ。彼女は僕よりずっと優秀で、素質があって、何より、優しい。きっと君も僕も敵わないほどの、素晴らしい探偵になるはずなんだ。 ──人々にとって宿というのは、単なる一夜の仮住まいではありません。人と人との思いの交差する四つ辻なのです。そこで生きる我々は、何より優秀な探偵である必要があるんですよ」 そんなこと、僕が言うまでもなく、彼女は肌でちゃんと感じていたはずだ。 彼女には、未来があるんだ。 そう心で唱えてから、僕は心で苦笑する。 死ぬ寸前に相棒の命乞いなんて、三文小説にしても売れなそうだ。実に彼の気に入りそうな話じゃないか。 最後にそんな言葉をこの僕が言うなんて、皮肉な話だな。 そう思いながら、薄れゆく意識の中で、僕は叫んだ。 せめて、彼女は。 叫んでも、口は、動かなかった。 《おわり》 はい、というわけで「涅槃館殺人事件」(KP:あひる様 PL:りちゃ様 マダラ)の感想です。 (このあとマダラは暴言を吐きますが全て趣味の合わないシナリオ世界のカミサマ相手へのものでPCのロールプレイの延長みたいなものなので悪しからず。KPさんもシナリオも同卓したPLさんもめっちゃ素敵でめっちゃ楽しかった) いやなんか自PCのムーブがあの世界のカミサマ(はっきし言ってしまうとあの物語世界の作者)の理想とする探偵に全然あってなくて、そのせいでボツにされるという形でロストしたんだけど、いやまあ最後に取りこぼしがあったのは完全にPLの迂闊さとはいえ、残りのムーブはめちゃめちゃ探偵らしいだろと。探偵は空気読まないで関係者怒らせてナンボだろと。 というわけでホテルマン探偵常盤稔、趣味の合わない作家の作品世界に巻き込まれて、そこで慇懃無礼の化身みたいな探偵ムーブをキメた結果、「趣味が合わない」って言われて殺されました。そんなのはこっちのセリフだってのバーーーカ! いやー楽しかった。マダラ的には本当に探偵らしくできたんだ。「探偵が探偵らしくRPすることを目的としたシナリオ」っていう説明を見た時からあーいうムーブをするって決めてたんだ。だから悔いはないんだ。 NPCとして入り込んでたその作家の作風を最初に聞かされた時点で「独善的で僕はあまり好きではありませんね」って言いかけてやめたんだ。言っときゃよかった。 常盤、冗談抜きで今までで一番上手いことRPできたと思ってたキャラだったんで、KPから「私は好きだったけどムーブが割と最初から最後までシナリオ的にアウトだった」と言われた時はめっちゃ笑いましたね。気に入ってくれて嬉しいし、ロストの悔しさよりもあの世界のカミサマに舌を出せた痛快さの方が勝ってた。なんだかんだ推理はほぼ完璧に仕上げてたしね。 ……と、まあこんなことをtwitterの方では言ったりしたのですが。ただの強がりです。めっちゃ悔しいです。いいとこまで行ったのになあ……。 一番の悔いは同行者の真宵ちゃんも巻き込んじゃったことですね。可愛くてキレのあるツッコミ役の助手ちゃんだった。常盤は彼女に同業者としても未来の探偵としても期待をもって同行させてたので、彼女の未来を奪われてしまったことがなにより悔しい。 とにもかくにも、KPのあひる様、今度は生きて帰って見せます! 同卓してくださったりちゃ様、またの機会がありました一緒に頑張りましょう。皆様、ありがとうございました。 それでは、このあたりで。
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