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😶 和なSW2.0を考えてみた(長文) だいぶ前(数年前かな?)書いたやつ。 これを再利用して、和ものなSW2.0できないかなぁ? なんて思いつつ。 */ヤミャット諸島見聞録/* 聡明なる歴史家諸氏には明白の事実じゃろうが、神紀文明シュネルア時代、人間・エルフ・ドワーフたちは仲良く平和に暮らしていたのじゃ。 現に、神紀文明時代の遺跡から発掘されたレリーフには、三種族が仲良う戯れておる姿が描かれておる。 じゃが、戦神ダルクレムが巻き起こした戦でこの文明は滅び、蛮族のかん計により三種族の間に冷風が吹き荒れることになり、エルフは森の奥深くにひっそりと暮らすようになったのじゃ。 もちろん、古代魔法文明デュランディル時代において魔法王となった記録は残っておる。 じゃが、他種族と関わることを忌避し、森の奥に住み着いたエルフたちは、魔動機文明アル・メナス時代に移り変わった後も、森の奥でひっそりと暮らしていたのじゃ。 やがて、世界が〈大破局〉を迎え、エルフたちが住む森や山にも天変地異が押し寄せ、大地は裂け、木々はなぎ倒されていったのじゃ。 それまで山だったところにまで海水が押し寄せ、肥沃な大地は海の底に沈み、高き山々の尾根が海に浮かぶ小島となったころ、唐突に〈大破局〉が終わり……エルフたちは自然の威に従い、元は山の頂だった島々に居を構え、また穏やかに暮らし始めたのじゃ。 それが、今わしらがヤミャット諸島と呼ぶ永久なる皇の国ミャァビ皇国の始まりじゃ。 さて、このミャァビ皇国じゃが、今から200年ほど前に、冒険家のマザラン・ゴロンフスが細工師たちの島スティンガーより東に船を進めたことで、世に存在が知らされたのじゃ。 当時の彼の国は、外に対する警戒心が異様なほど強く、外から来た人族は貿易港であるディジーマ島への上陸しか許可されなかったのじゃ。 現在は王城であるゴショの西側にあるサカイ島や、東側のエドゥ島への立ち入りも許可されておるが、地方に行くと奇異な目で見られることも往々にあるのでの、覚悟が必要じゃ。 現にわしもヤミャット諸島をめぐる旅をしたのじゃが……彼の国ほど「自分がエルフではない」と認識させられる場所はなかったの。 わしは自分がドワーフであることを十分に知っておるし、いまさら他の種族になりたいなぞ思ったこともありゃせん。 じゃがな、彼の地では「エルフでない」ことだけで奇異な目で見られ、遠巻きにされるのじゃ。 流石のわしも、その視線とには少々堪えたのぉ。 もちろん、こちらに危害が加えられることはなかったのじゃよ。 ミャァビ皇国のエルフたちは、みな一様に親切での、わしらが困っていると分かれば、手を差し伸べ、便宜を図ってくれたものじゃ。 そうそう、困ったことといえば、言葉じゃ。 かの地では、交易共通語がまったく通用せんのじゃ。 都市部ならばかろうじて片言の交易共通語でなんとかなるが、郊外に離れるとまったく通用せん……これには共に旅をした仲間たちは困っておったがの、わしは学者の端くれじゃ。 エルフ語の読み書きができるのでの、仲間から重宝がられたわ。 とはいえ、かの地にて独特に発展したエルフ語は、大陸のエルフ語とは微妙にニュアンスが違っておってな。 郊外に出れば出るほど、会話するにも難儀したものじゃ。 じゃが、不可思議なことに、地方でもエルフ語での筆談が可能じゃったのには驚いた。 何といったかのぉ……郊外のちょっとした金持ち、現地の言葉で『ショーヤ』や『オショー』じゃったかな? 彼らは知識人の務めとして、農民たちに学を授けておったのじゃ。 ところで、おぬしらはコンタクチオ商会の麒麟児スプリッツァを知っておるかの? そう、戯曲にもなって良く劇場で上演されておる登場人物としても御馴染みの男じゃ。 あの戯曲の最後で、麒麟児と縁を結んだ姫が、このミャァビ皇国のミカドの年下の叔母というのは、おなじみの話じゃろ。 ミカドとは何かじゃと? ミカドというのは、ミャァビ皇国の王のことらしいのじゃが……詳しいことは、わしもよくわからん。 ただ、このスプリッツァという男がおったからこそ、ミャァビ皇国は大陸と交易することになったというのは、あちらでも有名な話じゃったぞ。 さて、かの地の特産品は生糸じゃろ。 もちろん、彼の地で作られる絹織物は柄が繊細で見事なもんじゃがの……ほれ、わしもばぁさんに土産に渡したんじゃ。 やはり、こちらで買うよりかは手が出しやすかったの。良い買い物をしたもんじゃ。 今では、その生糸を使ってドワーフの職人たちが、さらに技巧を凝らした布を織っておるという話じゃ。 ほどなくコンタクチオ商会が大陸全土で大々的に売り出すじゃろうのぉ。 あぁ、もちろん目玉が飛び出すような価格じゃろうが……一見の価値はあるから、機会があったら見てみると良いじゃろ。 かの地は夏暑く冬は寒い寒暖の差がはっきりしておる場所じゃ。 春夏秋冬と移りゆく様は見事な絵画のようで、風光明美な場所も多様にあったのじゃ。 わびさびといったかの……儚く幽玄な物を愛でる風習があるらしく、長生く生きる種族特有の物か、終わりということに美学を持っておる文化人が多かったの。 ~学術都市アカデミーアにて、ダスヴィ・ダーニャの講義より
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