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😶 沼男は誰だ? 後日譚(ネタバレあり (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)じゃあ、またなー。 聞こえた言葉には曖昧に笑うだけにして、道場を後にした。 副業がてら通っていたここの主とは血縁という切れぬ縁があるので、遠い別れとなることはないだろう。 それでも、きっとこの場所に再び足を踏み入れることはない。もう自分が手伝わずとも問題はないはずだ。 老若男女、幅広い層の人間が通っていたこの場所で、見える人の数はかつての半分ほど。 この手が、こうなる未来を、現実を選んだ。さすがに、何事もないように此処にはいられない。 …いたくない、と本当の気持ちを零したらいつか殴られるのだろうかと、少しだけ笑って帰路についた。 個人を“その人”たらしめるものは何か。 鏡の前、変わらず映る自身の姿を見ながら思う。 姿かたち、頭の中、記憶、経験。 …自分が、誰かが“そう”だと認めること? 考えても辿り着く場所はいつだって曖昧で、正解へと導いてくれる手などは存在しない。 自分が選んだ答えは、抱いた思いは矛盾に満ちていた。 代わりのものだと理解しながら、それでも想いは本物だと言う人の気持ちを嘘だとは思わなかった。 愛するひとの姿をしたものに愛しい人の名前を呼んで、それでも同じと認められない人の言葉が理解できなくはなかった。 目の前で形を失った人が、“代わった”後に見せた行動は、言葉は紛れもなくその人のもので。 でも、どこかで「違う」と頭の中で警報が鳴っていた。 多くの矛盾で絡まった糸は解けることなく、そんな手のままで作った拳を下したのだ。そりゃ後悔もする。 でもきっと、何もしなければしないで後悔した。それだけはわかっていたから。 ──それは、俺だったら嫌だな。 結局は全部、自分の我儘だ。 何も知らなかったまっさらだった己が口にした、素直な言葉に従った。 ソレを罪だと己を責められるほどに清廉な身でもなく、過ぎたことだと笑って忘れられるほどに強かでもあれないけれど。 矛盾も、選んだ現実も、いなくなった人に対する哀悼も、全て抱えて明日からも生きていく。 「さて、明日の予定は……げ」 誰もいない部屋で、わざとらしい独り言。 パソコンに記された予定を目で追って、一つの名前に思わず出すつもりのなかった声が出た。 そういえばまた連絡がきていたことを、その時のあっけらかんとした声を思い出して苦笑を零す。 しかし、依頼人がどうであれ仕事は仕事。収入源をひとつ失った己に選り好みをしている余裕はない。 あの遠慮のない言葉と笑顔に、大人しく振り回されていようと覚悟を決めた。 そのうち、自分も同じようになんでもないようなカオで、ホームセンターあたりに出向くのだろうか。 そうやって少しずつ、角をやすりにかけて丸にするような途方もない時間をかけて変わっていく自分達を、どこかの誰かが見守ってくれていたらいいななんて、柄にもないことが頭を過った。 ──────── 沼男は誰だ?に参加させていただきました! 探索箇所を自分達で考えるシティ系シナリオ、死を覚悟した戦闘、日をわけて行うセッション、と初めてのことばかりでドキドキしつつ楽しませていただきました。 色々と至らぬ点もありご迷惑おかけしていたかと思います…ありがとうございました! …個人的に、先に皆さんを逃がさないと、と思って場に残ったら死にかける&結局逃げた方々を呼び戻すことになってしまって脳内でずっと土下座してました。 回避大事!!! 最終的な結果というか、自分達が出した結論としては、正直PL的にも何が正解かと言い切ることができないんですけど…それでいいシナリオなのかな、と。 ああやって議論して対立して結果を選んだところまで、含めて心に残る楽しいセッションでした。 みなさん、探索やRPがお上手なのはもちろん、PL会議で垣間見えるリアルINTの高さにも感服しておりました。 頼れるパーティでセッションできて嬉しかったです。 芯のブレない、かつ説得力のある言葉選びでRPをしてくださったboxさん、 決める所でばっちり決まるRPでお姉ちゃんやってくださったこるめさん、 探索に対する閃きも多く、心に刺さるRPを最後まで貫き通してくださったじゃーがさん、 そして色んなアドリブに臨機応変に答えつつ、温情も厳しさも等しく与えてくださり、物語を導いてくださったKPはーべさん、 本当にありがとうございました! 機会があった際はぜひよろしくお願いいたします。 ここからは秋葉的な心情を少し。 秋葉真人という男は良くも悪くも確固たる信念があるタイプではありませんでした。 その中でも行動指針としていたのは「自分の手に届く範囲のものは助けるようにしたい」です。 スワンプマンに対しての個の感情は否定しない。しかし、それが元の『その人である』という認識ができるかは怪しかった。 何故なら、自分が『記憶も姿形も全て引き継いだ沼男』となったと知ったら、自分で自分だと認められる自信が無かったから。 沙耶に関しては、沙耶自身がスワンプマンの自覚があることも含めて『元の沙耶である』とは思っておらず、しかし造られた沙耶としての存在も想いも認めていた。 報われてくれたらいいと思っていたし、郁紀は彼女を造った者としても彼女を認めるべきだと思っていた。 最後の選択について。 共に動いた探索者も沙耶も、秋葉にとっては「救いたい存在」である、が念頭にはあった。 ただ、スワンプマンとなった自分は自分とは認められない。スワンプマンとなった時点でそれは「死」であるという認識もある。 自分やこれから成り変わられるかもしれない身近な人を喪いたくない、という思いで選択をしました。 しかし、直前に接した『スワンプマンとなった彼』が上記の意志を揺らがせるほどに、何も変わらない『彼』ではあったので、その場に彼がいたらきっと揺らいでいただろうな、というのが本音です。 彼が場から離れてくれたことによって懸念が無くなったのはもちろん、己の意志を貫く姿勢に感化されたのかもしれないし、ほんの少しだけ、どちらにしろ助かる道が無いのならあんな化け物に一人狙われて殺されるよりも何も知らないままいなくなった方が幸せかもしれないなって思っていた部分もあっての結論&行動となりました。 (あくまでPC目線の意見ですよ!PL的にはやりたいことをちゃんとやれて良かったなと思ってます) なかなかに矛盾しているところが多く、最後の秋葉の中は矛盾だらけだったので(ある意味PLに一番近いかも)、後日譚がこんな感じになりました。 終わった直後は考えてなかったのですが、おそらく人が半分近く減ったであろう道場の方の手伝いは辞める気がします。 反省会?シナリオ解説会?で話していたようなことを交えて、さらっと他PCのことも書かせていただきました。 ん?呪文?何の話ですか?これは平和な世界線の後日譚ですよ??? 今後の秋葉君がどうなるのかはまだ不明ではありますが、まだ動く身体も心もあるので、もう少し頑張って探索者としても生きてもらおうかなと思ってます。
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