スティーブ・ジャクソン先生が渾身の力で書き下ろしたゲームブック「モンスター誕生」は素晴らしい傑作であった。 幾重にも入り組んだ謎、会話の内容がわかったときの目の覚めるような感覚、個性的な登場人物、意外な結末。 だが、この傑作にも問題があった。 敵となる悪魔の三人の一人、魔法使いザラダン・マー様が、あまりにもビジュアル的なインパクトに欠けていたのである。 当時、社会思想社が出していた「ウォーロック」の読者投稿イラストでは、このゲームブックの表紙絵を基にした「ザラダン・マー」の似顔絵があったものだ。おい、「モンスター誕生」の表紙絵の顔の細長い男は、どう見ても、ザラダンの手下であるゾンビのエルフ、ダラマスだぞ(笑) たぶん、作中で描写されていた通りにザラダン・マーの似顔絵を描いたとしても、誰もそれをザラダン・マーとは思わないのではないか。 そんなザラダン様が、わたしはけっこう好きである(笑)
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