【AD&D】AD&D1eチュートリアル戦闘の一例

鴉山 響一
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登録日:2016/11/05 16:41最終更新日:2016/11/05 16:58

本作は、「Wizards of the Coast」が権利を有する「Dungeons & Dragons」の二次創作物です。

AD&D1eを用いたチュートリアル的な戦闘処理の一例として、先日キャラクターを作ったばかりのテオドシアスさんとセッションをしました。作ったばかりとは言え、4レベルスタートとしましたので「吹けば飛ぶよな」弱さではありませんし、背景世界やらNPCとの関係性なども描きながら進めるので、進行はゆっくり目。Skypeのテキストオンリーということもあり、所要時間は150分程度でした。

テオドシアスさんには名馬の産地として有名な辺境の男爵領、その草原地帯で調教師を夢見ながらも弓の腕前を見込まれて周辺警護に当たる戦士・クリスティンを演じてもらっています。

できるだけ、テキストセッションの雰囲気を残すため、改変は最小限にとどめています。文責は鴉山にあります。



前回はほぼキャラが出来上がっていて、あとチュートリアル的な戦闘でもしてみましょう、というところまで進めていました。

テオドシアス7世: あとは所持金と持ち物を決めるところでしたね。

kyouichi karasuyama: はい。所持金はですね。 D&D系だと大抵貨幣価値は同じだと思うのですが、金貨が基本となっていて、gold pieces=GPと表されます。で、1GPは銀貨SPで20枚。1SPは銅貨CPで10枚。1gpは現在の価値で言うとおおよそ8000円位かな。ただし、現代日本と違い、人件費はだんちで安いので、必ずしも同じとも言えません。

kyouichi karasuyama: ついでに説明すると、重量と負荷に関するルールもありまして、これは単位を1cn(coin)で表します。1cnは45g。つまり10cnで1ポンドです(450g)。ざっくり言うと、このcnをどれだけ所持しているかで移動速度や疲労度などが代わります。また、これまたあいまいですが、単純な重さだけではなく、かさばり具合も表しています。4レベルキャラですので、冒険や身の回りに必要な道具は一式所持していてOKです。その他に、自由になるお金として、800gp相当を所持しています。いくつかは宝石などの宝飾品であったり、特別な乗馬などとしても構いません。場所が場所ですから、大切なパートナーともいうべき愛馬を持っていてもおかしくありません。

テオドシアス7世: ですね。じゃ、馬は手に入れておきましょう。

kyouichi karasuyama: どんな馬を希望しますか? 俊足な馬? それとも重厚な戦馬?

テオドシアス7世: アイリーンさんのところで育てている馬がいいですねー。頑丈で旅慣れた馬とか。

kyouichi karasuyama: 当然そうなりますよね。では%を振ってみてください。そこに自分のカリスマの数値を足せます。多い方が良いですよー。なお、PHB35pに所持品なども掲載されていますので、必要なものはキャラシートに書いておいてください。

テオドシアス7世: 81+カリスマの14で…。95とか出ました…。

kyouichi karasuyama: おおおー。分かりました。区分としてはHeavy War horseというやつです。が、ただの重戦馬ではありません。普通の重戦馬は移動速度が遅いのですが、なんとRiding Horse並みにあります。こいつは……市場に売りに出たなら、金貨数千枚にはなりそうな代物ですぜ。

テオドシアス7世: うわー、びっくりー。いいもの貰ったわー。盗まれないように気をつけなくちゃ。

kyouichi karasuyama: ちなみに、普通の重戦馬は300gp程度ね。このクラスをコンスタントに産出する名産地なんです。そりゃあ馬泥棒も出るって話で。エルドライン家との交友の証でしょうなあ。

テオドシアス7世: クリスティンも今回のことがなければ、きっと馬関係の仕事についてたでしょうね。多分……。まあ、将来の夢は馬の調教師になることなんですが…。

kyouichi karasuyama: p36左下の方にtack and harnessがありますから、馬具一式もお忘れなく。

テオドシアス7世: ふむふむ。ではそちらも用意しておきますです。

kyouichi karasuyama: とまあざっくり説明が終わったところで、始めますか。ぼちぼち暇なときにアイテムは書いておいてください。書いてあるものは持っています。書いていないものは持っていません。

テオドシアス7世: 了解です。馬と馬具のお金は800gから引いておけばいいですね?

kyouichi karasuyama: いいえ、それはすでに持っているはずですので不要です。

テオドシアス7世: じゃ、冒険に必要な品と、武器防具、馬と馬具の他に800gを持っているということでいいですね?

kyouichi karasuyama: 4レベルになるまでの生活で「これは持ってるだろう」というものはOKです。

テオドシアス7世: では、次回までにアイテムは全部書き込んでおきます。

kyouichi karasuyama: 身の回りの世話をする奴隷が欲しいとか、そういう場合は800gpから購入してください(ないと思うけど)。さて、話はアイリーンが戦死/復活したという情報が入る少し前に遡ります。この男爵領の地図の説明からしましょう。大きな湖の主に東岸、デルナール川流域に広がる版図を持つのがヒューナースドルフ男爵領です。中央やや左に位置するキットホーツェン・シュタットが首府です。

テオドシアス7世: ふむふむ。

kyouichi karasuyama: 男爵家としては破格に広い領土を持ち、その経済力も小国並み以上にあります。領内には150年前の初代男爵からの譜代の家臣たちが今もなお名家として男爵家を盛り立てており、エルドライン家もそのひとつ。首府から南に広がるゴールデングラスプレインという大草原地帯があるのですが、その一帯がエルドライン家が安堵されている領土です。居館があるのはホルウェイン村。当然あなたもホルウェイン村かその近くに住んでいます。

テオドシアス7世: ふむふむ。多分村外れの農場にでも住んでいたのでしょう。

kyouichi karasuyama: 御屋形様たるエルドライン現当主のフリードリヒは男爵領の行政官の任も兼ねているので、大半を首府で過ごしています。そこで、あなたは戦士としての腕も見込まれ、日々治安維持に奔走している……ってところでしょうか?

テオドシアス7世: なるほど。領主様に命じられていれば、やっているんでしょうねえ…。

kyouichi karasuyama: そのあたりのモチベーションは、どのように考えています? やらされている、あるいは率先して行っている?

テオドシアス7世: クリスティン的にはお馬さんに関わる仕事がしたいなーとか思いつつも、まあ、領主様の命令ならやるか。って感じでしょうか。

kyouichi karasuyama: もちろん、馬に関わる仕事がメインではあるでしょう。が、領内は広く、ごくまれにしかやってこない巡回衛視隊はあてにならない……。

テオドシアス7世: メインで馬に関わっているなら、特に文句なく引き受けていると思いますン。領主様には常にお世話になっていることですしね。

kyouichi karasuyama: エルドライン家の騎士は2名いますが1名は首府に詰めていますし、1名は良い奴だけどいくさ馬鹿な男です。ただし、乗馬に関しては天与の才があり、クリスティンも彼から教わりました。

テオドシアス7世: ああ、なるほど。戦以外の厄介事は対外クリステインの元に来る構図ですね、これは。

kyouichi karasuyama: 言葉では言わないけどね。繊細な対応が必要な場合、御屋形はあなたに一言言い含んでいくことが多いですね。

テオドシアス7世: ふむふむ。まあ、騎士の面目を潰さないように、ですな。

kyouichi karasuyama: 居館には家令のグレッセルさんがいて、彼も相談事には乗ってくれます。で、そんな秋晴れのある日のこと。「大変だーっ! クリスティンはどこにいる!?」と少年の叫び声が。グレッセルの息子でアウグストくんですな。16歳。やんちゃな盛りです。

テオドシアス7世: 「ああ、また厄介事が始まる予感…(頭を抱えつつ)」
「いったい何なんだい?」と言いながら応対しよう。

kyouichi karasuyama: 「あっ、クリス、なにゆーちょーにしてんだ! オーガが出たんだよ!!」と息を切らせながら駆け込んできます。

テオドシアス7世: 「え? オーガ? どこに現れたんだ!?」さすがにオーガなんて聞いたら、ちょっと緊張しますね。

kyouichi karasuyama: はい。オーガーはご存知ですか?

テオドシアス7世: まあ、モンスターの1種族としては知ってますが、ゲーム的なデータはよくわからないです。

kyouichi karasuyama: 身長9フィートほどの巨人で、おつむの方はネズミ程度なんですが、バカ力にモノを言わせて狼藉を働くんですなあ。

テオドシアス7世: まあ、そのあたりは典型的なファンタジー世界のオーガですね。

kyouichi karasuyama: 農閑期に備えて、作業をしている農夫もいますし、厄介な相手ではあります。それに大抵数体でつるんでいることが多い。

テオドシアス7世: ということは、1人で立ち向かうのは無謀ですな。とりあえず戦馬鹿な騎士にも連絡を取りましょう。

kyouichi karasuyama: 「フィッティバルディさんは定期パトロールに出るって言ってまだ帰ってきてないよ」

テオドシアス7世: 「あいつめ。肝心な時にいないなんて役立たずが!」とか言いながら、「他に村で戦える奴はおらんのか?」とアウグストに尋ねます。(クリスティンは口が悪いキャラに決定しました…)

kyouichi karasuyama: どうも、間の悪いことに今すぐこの居館周辺にいる戦えるものはいないようです。「アウグスト、姫さまたちを二階の部屋にお連れするんだ」と言って鎖帷子に袖を通しているグレッセルと鉢合わせしました。「うんっ、わかった」と言ってアウグストは駆けていきます。「クリスティン、すまないがワシらだけで何とかするしかないようだ」

テオドシアス7世: おや、グレッセルさん、戦えるんだ。家令っていうから、てっきり文官なのかと思ったけど。

kyouichi karasuyama: グレッセルさんは先代のエルドラインの殿様の御付副官だったそうです。いまやすっかり良い歳なんですけどね。

テオドシアス7世: なるほど。じゃあ、年寄りではあるけど経験豊富なんだ。
「まあ、このくらいの荒事は慣れてるから、別にかまわないけど。しかしあの戦馬鹿が留守っていうのは痛いねえ……」

kyouichi karasuyama: 居館の三階部分、鐘楼になっているところから「村の際のところに二体……あっ、三体こっちに向かってくる!」とアウグストが叫んでいます。

テオドシアス7世: 「ふぅむ…3体か。正面から立ち向かうにはちと分が悪いが、やるしかないかねえ。何か村で罠になりそうなものは仕掛けてないよねえ、グレッセルさん?」念のために尋ねておこう。

kyouichi karasuyama: 「あの木製の柵がどれほど足止めになるか……」一応、村は全周に木製の柵が張り巡らされています。

テオドシアス7世: 「木製の柵じゃ、オーガの馬鹿力の前にはないも同然だね。ここは建物の陰に隠れつつ部分遮蔽を狙って戦おうか」(ルール的にそんなことができるかは知りませんが)。

kyouichi karasuyama: 勿論可能です。つまり、相手の接敵を待つということですね。村の中には逃げ惑う村人たちの姿が見えます。

テオドシアス7世: というか、自分が壁の影に隠れて矢を撃てばいいかなーと考えてたわけですが…。そうか、村の人がいるのか…。治安維持担当としては、まずは村人の避難誘導を優先するべきかな…

kyouichi karasuyama: 「クリスティン、わしはここを何としても守らねばならん。あんたは好きに動いてなんとか奴らを倒してくれ」

テオドシアス7世: 「ああ、わかったよ。しかし村の人たちはどうするんだい?」

kyouichi karasuyama: 「仕方ないだろ。僕とクリスでやるしかないじゃん」とアウグストが下りてきて言います。

テオドシアス7世: (アウグスト、戦う気満々だな…。まあ、その方が助かるが)

kyouichi karasuyama: 彼は去年、戦士としての訓練を受け、一応1レベルファイターなのです!

テオドシアス7世: じゃ、彼にも手伝ってもらいましょうか。
「ああ、確かにこのまま村人を放っておくわけにもいかないしな。…じゃあ、ここはひとつやってやるか!」

kyouichi karasuyama: と言っても、彼はまともにオーガーの相手をしたら1ラウンドでKOでしょう。はしっこさを活かして戦ってもらうしかなさそうですね。さて、アウグストと居館の玄関で分かれ、距離が詰まるまで待つ もしくは遮蔽物を利用して距離を詰めていくか、どうします?

テオドシアス7世: アウグストは自分の判断で別れたわけですな。となると、やはり遮蔽物を利用して戦ったほうがいいでしょうかな。

kyouichi karasuyama: 了解です。コロコロ……。はい、納屋などの遮蔽物を利用してその内の一体の近くまで接敵しました。距離はおよそ60ヤード。撃つなら中距離となり-2

テオドシアス7世: 敵が迫ってくる前にとりあえずダメージは与えておきたいところだが…。

kyouichi karasuyama: ペナルティの命中判定となります。とはいえ、踏み込まれたら1ラウンドの距離です。それとも、一撃必殺の至近距離まで間合いを詰めますか?

テオドシアス7世: 弓だからなあ。遠くから売ってこそ価値があるんだろうし…。まあ、ここは練習みたいなものだから、とりあえず一回攻撃してみますか。

kyouichi karasuyama: 了解です。戦闘はラウンド単位で処理します。1ラウンドは1分。イニシアチブをそれぞれ1d10で振り、少ない方が早く行動できます。飛び道具の場合、白兵戦武器よりも先に大抵の場合攻撃できますが。ここでは、イニシアチブを先に取ったということで進めましょう。では命中ロールです。命中は1d20を振り、多い数値がより良好な命中となります。クリスティンは4レベルですから、THAC0が18。そこに修正値が諸々入りますね。まずdexのボーナスが+3。武器のスペシャライズが+1。中距離のペナルティが-2。普段は言いませんが、相手のACは5です。従って、11以上を出せば当たります。

*イニシアチブは1eでは本来1d6ですで、出した目が相手が行動開始できるセグメント(1/10ラウンド、6秒)ということになるのですが、やや煩雑ですし、明快に結果が分かりやすい2eの方式を採用しています。

テオドシアス7世: 1d20か…いい目が出たためしがないんだよね。まあやってみるけど。17とか出ましたけど…。

kyouichi karasuyama: おみごと。ではダメージです。ダメージはボーナスもペナルティもありませんから、1d6です。

テオドシアス7世: 今度は5ですねー。

kyouichi karasuyama: オーガーの腕に深々と刺さった!怒りの形相であなたを見た。……で、実はあとこのラウンド2回攻撃できます。

テオドシアス7世: ああ、そういえばそうでしたね。じゃ、もう2回判定ですね?

kyouichi karasuyama: はい、どうぞ。

テオドシアス7世: じゃ、まず1回目から。11.ですね。

kyouichi karasuyama: ギリギリ命中。

テオドシアス7世: そして2回目。今日はついてる。18です。

kyouichi karasuyama: おおー。ではダメージを2回分。

テオドシアス7世: じゃ行きまーす。1度目が6,2度目が2でした。

kyouichi karasuyama: なかなか深手を与えたようです。

テオドシアス7世: うむうむ。

kyouichi karasuyama: オーガーは悲鳴を上げ逃げようとしています。というところでイニシアチブ。1d10をどうぞ。

テオドシアス7世: 6ですね。

kyouichi karasuyama: ではそちらが取りました。相手は背中を見せてますし、更に+2のボーナスで命中ロールできます。

テオドシアス7世: 逃げてるのを撃つのはあまり気が進まないけど、ここは村の治安のため。攻撃しましょう。

kyouichi karasuyama: ではどうぞ。

テオドシアス7世: じゃ、1回目。残念。6でした。

kyouichi karasuyama: むなしく外れました。2回目どうぞ。

テオドシアス7世: あ、20とか出ました!

kyouichi karasuyama: おー。では%振ってみてください。

テオドシアス7世: 59ですね。

kyouichi karasuyama: 残念ながら普通のダメージです。これがかなり低い数値ですと、クリティカルヒット(ハウスルール)となります。通常の1d6ダメージをどうぞ。

テオドシアス7世: 了解です。6がでました…。

kyouichi karasuyama: 背中に深々と突き刺さり、オーガーは前のめりに倒れました。

テオドシアス7世: 「後ろから撃つのは気が進まぬが、これも村のため。すまぬ…」

kyouichi karasuyama: オーガはヒューマノイドで知的生命体ですが、割と害虫扱いですね。このあたりではゴブリンなども同様。やつらも残忍ですし。

テオドシアス7世: じゃあ、むしろ殺した方が歓迎されるのかな。

kyouichi karasuyama: そうですね。感謝されることはあっても憎まれることはないでしょう。

テオドシアス7世: じゃ、気を取り直して、と。「あと2匹か」

kyouichi karasuyama: これがリザードマンあたりになると話は微妙になるんですが……。さて、ふっとみるとですね。2軒先でアウグストがオーガーに振り回されています。肩口に深々と槍を刺したのは良いけれど、怒り狂ったオーガーが腕力にモノを言わせて振り回しています。

テオドシアス7世: こ、これはまずい! 今すぐ助けに行かなければ!

kyouichi karasuyama: イニシアチブです。ここは重要ですよ!

テオドシアス7世: なんということでしょう! 9でした…。

kyouichi karasuyama: OMG!! いいですか、アウグストが必死につかんでいた槍はすっぽりと抜けてしまいました。

テオドシアス7世: 大事なところに限ってダメな目が出る…。

kyouichi karasuyama: 昏い瞳に怒りの炎を燃やして少年に歩み寄ります。

テオドシアス7世: すまぬ、アウグストよ。しばしの辛抱じゃ…。ほんとうにすまぬ…。

kyouichi karasuyama: 片足を掴まれて放り投げられました。その先には何があるかなー。コロコロ……。あっ、村の広場の噴水に投げ込まれたようです(むっちゃ幸運でした)。派手な水しぶきを上げています。

テオドシアス7世: ああ、よかった…。濡れはしても、ダメージは受けないだろう、多分…。

kyouichi karasuyama: 投げどころが悪かったら即死だったんだけどな。さて、攻撃できます。

テオドシアス7世: アウグストが死んでたら、きっと家令殿に私が殺される…。

kyouichi karasuyama: 距離は……60ヤード。先ほど同様、中距離ですね。

テオドシアス7世: じゃ、目標値は変わりませんな。

kyouichi karasuyama: はい。そのまま攻撃するなら。

テオドシアス7世: 他に何か方法があるんですか?

kyouichi karasuyama: このラウンドで近距離まで接敵して攻撃も可能です。

テオドシアス7世: アウグストに追撃がいかなければ、近寄って攻撃したいところですが…。

kyouichi karasuyama: 近寄って攻撃する価値はあると思います。ただし、近寄ることで相手の関心を惹いてしまう可能性は高いでしょう。

テオドシアス7世: まあ、でもこのままアウグストを狙い続けられると、その方が危険なような気もしますしね…。

kyouichi karasuyama: どうしますか?

テオドシアス7世: 近づいてみますか。

kyouichi karasuyama: どのあたりまで近づきます? ちなみに、近距離になるのは50ヤード以下です。

テオドシアス7世: じゃあ、近距離になるぎりぎりのあたりで。

kyouichi karasuyama: はい、では50ヤードを少し踏み込んだあたりで。では、こんどはペナルティなしで攻撃できます。命中ロールをどうぞ。

テオドシアス7世: じゃ、行きます。1回目、14

kyouichi karasuyama: 命中です。都度、ダメージも振ってください。

テオドシアス7世: 了解。……5です
テオドシアス7世: そして、2回目。
テオドシアス7世: 同じく14.ダメージは4
テオドシアス7世: 3回目…

kyouichi karasuyama: はい、ぷすぷす刺さっております。

テオドシアス7世: 残念。5なので命中せず。

kyouichi karasuyama: あらら。当然、あなたの方を振り返りました。こいつは……あっ、怒った(笑)。

テオドシアス7世: ですよねー。まあ、仕方ないね。

kyouichi karasuyama: 粗雑なつくりの意志斧を振りかざして向かってきます。

テオドシアス7世: 「ま、まあ、躱せばいいのさ。躱せば」

kyouichi karasuyama: ……と、その時、村のはずれの方から、馬蹄の響く音が聞こえてきました。

テオドシアス7世: 「お、戦馬鹿の騎士が帰ってきたのか?」

kyouichi karasuyama: イニシアチブです。

テオドシアス7世: お、今度は1が出たぞ。

kyouichi karasuyama: では真っ先に行動できます。

テオドシアス7世: とりあえずオーガに攻撃を続けましょうか。

kyouichi karasuyama: どうぞどうぞ。

テオドシアス7世: 行きますよー。1回目…4…。外れ

kyouichi karasuyama: あらま。

テオドシアス7世: 2回目…あー、また4だ…。外れ

kyouichi karasuyama: おおーと。

テオドシアス7世: 3回目…15.最後のみ命中。ダメージは1

kyouichi karasuyama: むう、それでは倒れない。相手の反撃です。

テオドシアス7世: いつもの出目ですなー。これまでが調子よすぎたんや…

kyouichi karasuyama: クリスのACは4でしたね。

テオドシアス7世: ですね。

kyouichi karasuyama: 命中しました。ダメージは……8ダメージ。痛い!!

テオドシアス7世: あ、ああ……腕が、折れそう!!

kyouichi karasuyama: まともに石斧の一撃を喰らいましたな。

テオドシアス7世: ああ、不覚。……やっぱり人をかばうなんて慣れないことをするから…。

kyouichi karasuyama: 村はずれからは喚声が聞こえます。「我、銀の翼騎士団第16の騎士、ゴールデングラスプレインの守護者、エルドライン家の藩屏、ヘリウス・フィッティバルディなるぞ! 汝ら、我らが領域を侵す者どもよ、成敗してくれるので神妙にせよーッ!!」

テオドシアス7世: 「お? あれは戦馬鹿騎士の声! 間に合ってくれたかー。やれやれ」

kyouichi karasuyama: ドシュッ、という音と同時にぱーんって音も響きます。さて、こちらの戦闘を処理しましょう。イニシアです。

テオドシアス7世: お、低い目なら順当に出るな。1です。

kyouichi karasuyama: ではそちらから攻撃です。

テオドシアス7世: じゃ、引き続き矢を放ちましょう。

kyouichi karasuyama: ええ、どうぞ。

テオドシアス7世: 1回目…
テオドシアス7世: 2.命中せず
テオドシアス7世: 2回目…
テオドシアス7世: 3? 命中しない!

kyouichi karasuyama: あ、あれーっ!?

テオドシアス7世: 3回目…10 これならどうだ!?

kyouichi karasuyama: 当たりましたね。ようやく。

テオドシアス7世: でもダメージは1…。

kyouichi karasuyama: ええー。

テオドシアス7世: 昔から、低い出目には定評のある私だった…。

kyouichi karasuyama: まだ元気ですぞこいつは。では相手の攻撃。あ、外れました。ではイニシアです。

テオドシアス7世: ヘリウスくん。そろそろこっちへ来てくれてもいいのよ。

kyouichi karasuyama: 奴はもう一体のオーガとやっている……はず。

テオドシアス7世: 9です。腕の痛みに気を取られてます…。

kyouichi karasuyama: ええい、そちらが取りました。

テオドシアス7世: おや、それはそれは。
テオドシアス7世: じゃ、引き続き攻撃。
テオドシアス7世: 1回目…
テオドシアス7世: 11.ダメージは3
テオドシアス7世: 2回目
テオドシアス7世: 19、ダメージは2
テオドシアス7世: 3回目
テオドシアス7世: 7.はずれ

kyouichi karasuyama: あ、2発目で倒れました。

テオドシアス7世: ふぅ。やれやれ……近距離での戦いはやはり緊張するね…。

kyouichi karasuyama: で、肩で息をしていると、ヘリウスが現れました。

テオドシアス7世: 「遅い。遅いよ…。こっちは危うく腕の骨を折るところだったよ」

kyouichi karasuyama: 「……リスや小鳥が逃げ散っているので胸騒ぎがして帰ってみたらこれだ」片手にはぽっきり折れたランスを持っています。「はは、クリスティン殿でも苦戦することがあるのだな……いや、申し訳ない」すたっと馬を降りると、「大丈夫かな? それに村の被害も気になる」

テオドシアス7世: 「まあ、今回はね。アウグストがちょっと難儀な目にあってたから、それに気を取られたってこともあるかな…。まあ、あたしもまだまだ修行が足りないってことだね。まあ、あたしは大丈夫さ。アウグストは噴水に突っ込まれたけど、多分生きてはいるだろう」

kyouichi karasuyama: 「……大丈夫じゃないよ~~」とずぶ濡れになったアウグストが現れました。

テオドシアス7世: 「ああ、すまなかったねえ。あたしも必死で戦ったんだが、間に合わなかったんだよ…。ほんとにごめん」

kyouichi karasuyama: 噴水の石柱部分で頭を打ったとかで青タンこさえておりました。

テオドシアス7世: 「まあ、あたしも腕を打撲したから、これはお互いさまかね~」と言って笑ってみます

kyouichi karasuyama: 幸いにして村の被害はほとんどなく、二つほど倉庫が荒らされた程度でした。ヘリウスが倒したオーガを見るとどてっばらに深々と貫通したランスが刺さっておりました。これだけ刺さりゃ折れるわなあ、と。

テオドシアス7世: 「まあ、村に実質的な被害が出なかったのは何よりだね。もし何かあったら、あたしの首が飛んじまうからねー」しかしヘリウス、相変わらずの戦馬鹿っぷり。感心するわー。

kyouichi karasuyama: 村にはごく小さな規模の教会があり、常勤の司祭はいませんが、たまたま定期的に回勤していた下級司祭が手当てをしてくれました。騎士としての才能、そして乗馬技術についてはほんとうに神様に愛されているとか言いようがない男です。遅まきながら、来春には第一子が生まれるとかで。あまり難しいことは考えられないし、考えたくないからこそ、この地の警護を御屋形に任されているんだろうなあとは思います。首府勤めはなにかと気苦労が多そうですし。さて、少し時間が掛かりましたが、ざっくりとした戦闘はこのようなものです。D&D系統をされていたら、むしろ拍子抜けするくらいシンプルに感じたかもしれません。

テオドシアス7世: 確かに、第4版に比べると驚くべき速さで事が片付きますね。

kyouichi karasuyama: そう、そこなんです。ある程度納得ができる程度にリアリティがあり、そしてプレイアブル。そのバランスが私は気に入っているのです。まあここに魔法使いとかが参入してくるといささか面倒ではありますが……。

テオドシアス7世: ふむふむ。まあ、どんなシステムでも、魔法は結構複雑ですからねえ…。

kyouichi karasuyama: 私はMP制ではないところが気に入っています。つまり、仕込みが重要。NPCのスペルキャスターとの呪文合戦はどれだけ先読みしたかに尽きますね。フェイス・トゥ・フェイスの闘いが始まった時点でもうある程度勝敗は決しているわけで。

テオドシアス7世: うーむ。魔法使いって難しそうだ…。興味はあるけども。

kyouichi karasuyama: ぜひいずれはトライしてみてください。

テオドシアス7世: ですね。まあ、クリスティンの冒険が終わった後にでも考えます―。

kyouichi karasuyama: そうですね。それに、このキャンペーンをやっていれば、いずれ魔法使いたちともかかわりを持つことになるでしょう。どんな連中かはいずれわかる時が来ます。

テオドシアス7世: ふむふむ。じゃあ、その時を楽しみに待ちましょうか。

kyouichi karasuyama: というわけで、フツーのチュートリアル戦闘ともたぶん違っていたかもしれませんが、まあ私のマスタリングはおおむねこんな感じです。

テオドシアス7世: なるほど。流れがよくわかりました。ありがとうございます。

kyouichi karasuyama: ルールを覚えていただくことも大切ですが、それよりも登場人物の人間関係をみてもらうと面白いのではないかなーと思います。

テオドシアス7世: 確かにそうですねー。今回も面白そうな人が3人も出てきましたし。興味深いです。

kyouichi karasuyama: ヘリウスなんかは、設定したころは自分より年上のオッサンというイメージでしたが、今になってみると自分の方がはるかにオッサンになってました(笑)。

テオドシアス7世: お、おう。長い年月が過ぎると、いやでもキャラより年上になってしまいますなー。

kyouichi karasuyama: というわけで、今回も長時間ありがとうございました。

テオドシアス7世: いえいえ、こちらこそありがとうございました。

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