【AD&D】役に立たないAD&D1eキャンペーンの一例【TRPGリプレイ】
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本作は、「Wizards of the Coast」が権利を有する「Dungeons & Dragons」の二次創作物です。
DUNGEONS & DRAGONS, D&D, Wizards of the Coast, Forgotten Realms, the dragon ampersand, Player’s Handbook, Monster Manual, Dungeon Master’s Guide, all other Wizards of the Coast product names, and their respective logos are trademarks of Wizards of the Coast in the USA and other countries. All characters and their distinctive likenesses are property of Wizards of the Coast. This material is protected under the copyright laws of the United States of America. Any reproduction or unauthorized use of the material or artwork contained herein is prohibited without the express written permission of Wizards of the Coast. Japanese edition: Hobby Japan (2-15-8 Yoyogi, Shibuya-ku, Tokyo 151-0053, JAPAN) Japanese Translation (c) Wizards of the Coast LLC
前回のチュートリアル戦闘的導入に引き続き、キャンペーンへの導入としてゆっくりめの助走をしようとした今回。ところがPCトラブルなどがあり、開始が随分と遅れてしまいました。今回は御当主の長女にして女ながらに騎士候補生となったアイリーンの一時帰郷が許され帰ってくるとの報告があった……という一幕です。
DM; さて、長らく会っていなかったアイリーンちゃんさんが帰ってきます。御屋敷では久しぶりの一時帰宅の準備で大わらわです。
テオドシアス; きっとクリスティンもその支度に駆り出されているはず…。
DM; ええ。クリスティンには、北の街道を行って出迎えてほしいと、家令のグレッセルさんからお願いされています。二人の妹ももう微笑ましくなるくらい大はしゃぎで。その一方で、前回のオーガ戦で受傷したアウグストも頭に撒いていた包帯を取っていそいそと馬に馬具を取り付けています。「ぼくも迎えに行くに決まってるだろ」と言いたげですね。言わないけど。
テオドシアス; 「やっぱりみんな、お嬢に会うのが楽しみなんやねー」
DM; 「へん。あのちびっこのアイリーンがどう成長しているか、最初にぼくが見定めておかなくちゃね」
テオドシアス; 「そういえば、しばらくぶりに会うんだっけかね。お嬢はいったいどう成長しているのかなー?」
てなわけで、村の北の門を出てふたりで村を見下ろす小高い丘で待つ。と。日が傾いて茜色に空が染まるころ、北の方から数騎の騎乗した者たちが現れます。エルドライン家の家紋を背負ってますから間違いないでしょう。
テオドシアス; 「お。来た来た。じゃ、迎えに行きますか」
その先頭、さながら子供のように見える小柄な人物が片手をあげて近づいてきます。身長は5フィート6インチ(約165センチ)。騎士としてはかなり小さいでしょうね。それでも一人前にというか、鎖帷子を着込み、堂々とした馬のあしらい方です。
テオドシアス; (お嬢はやっぱりちびっ子だった!)
DM; 「クリスティン! それにアウグスト! 出迎えに来てくれていたのね」と弾む声。アイリーンに間違いないですね。
テオドシアス; 「おかえり、アイリーン。待ってたよ」(身長は…あまり伸びなかったね……)「なかなかどうして、立派になったじゃないか!」
DM; アイリーン「ふふ……クリスティンは変わりないね」
テオドシアス; 「そうだね。あたしはもう成長しきっちゃてるからね」
DM; アウグスト「おい、俺には? 何か言うことあるだろう?」
DM; 「あるわ。でも今は内緒」と微笑しています。
テオドシアス;(お、この2人はもしかしてそういう関係?)
DM; どうなんでしょう? 生まれた時から一緒ですからね。でもまだ二人とも色恋関係になるような年齢の前にアイリーンは騎士団に入ってしまいましたからね。
DM; 「みんなかわりなかった?」などと話しながら村へと帰っていきます。
テオドシアス; じゃ、あたしは彼らを護衛する形でついていこう。
DM; 村に到着する頃には、もう村人総出なんじゃないかというくらい集まってきています。
「おお、アイリーンさまじゃ」「姫さまじゃ、立派になられて」など皆口々に言っています。
そして馬を降り、ひとりひとりにやさしく声を掛けています。そこで完全に囲まれてしまって、身動きがとれない状態になっています。
テオドシアス; そしてあたしはそれを静かに見守るのだった。
DM; 家令のグレッセルさんが「おいおい、皆の者、あまり姫さまを独占するんじゃない。姫さまは疲れておられるのだ」と言わなかったらずっとその状態だったかもしれません。
「今日は、クリスティンも我が家に泊まって行くのでしょう?」とアイリーン。まあそこは遠慮する間柄ではありませんからね。
テオドシアス; 「そうだね。久しぶりに会ったことだし、ここはお言葉に甘えて泊まっていこうか」
DM; というわけで、エルドライン家の晩餐に招かれました。晩餐とは言っても、質素なもので、この時期ですからそうねえ、野草を使ったシンプルなサラダ、ニジマスのグリル、豚肉のソーセージにジャガイモをゆでたもの、それに溶かしたグリュイエールチーズを掛けて……と、そんな気取らない料理とシードルですね。ああ、村人が持ってきたてくれた朝採れの卵を使ったふかふかのオムレツなんかもありました。うーん、こうやって書くとなかなか豪勢だ。
テオドシアス; (すごく…美味しそうです…。クリスティンの家の夕飯はきっともっと質素だろうな)
DM; ふたりの妹たちに首府での話を散々せがまれアイリーンが話しています。この村での暮らしから考えると、それはなんとも煌びやかに感じます。生真面目なアイリーンのこと、あまり貴族たちとのあれこれなんてのはなくて、騎士団での厳しい訓練とか、教会から派遣されてくるイケずな説教師の話とか、甲冑を仕立ててもらった工房のドワーフの頑迷なおじさんの話が面白くて休みの日に一日中そばにいて呆れられた話とか。そういえば、もう一頭の馬に大きなつづらを積んでいました。
テオドシアス; (お、もしかして、お土産かな?)
DM; いいえ。板金鎧……フルプレートアーマーが入っています。騎士は、正式に叙任された暁には、フルプレートを着用することが認められるのです。
テオドシアス; ふむふむ。
DM; 騎士候補生の間はチェインメイル止まりなんですね。
テオドシアス; へえ、そんな掟があるんですね。
DM; 「明日、着用したところを見てほしいな」
騎士たちはそりゃあもうルール的にも白兵戦最強と言っていいくらい強いんですが、その分様々な戒律に縛られています。そのひとつがフルプレートの着用。憧れであり、義務でもあるのです。購入の際も相当な金額が必要となりますが、修繕にも莫大な費用が掛かり、維持管理していくだけでも大変な代物です。
テオドシアス; ほうほう。騎士というのも大変なんですなあ……。
DM; 二人の妹たち、メディラとディータも久しぶりの姉の期間に興奮しちゃって、もう眠いはずなのに寝ようとしません。
テオドシアス; まあ、気持ちはわかるわな。クリスティンはキャラ的には止めようとしないかも……。
DM; 「わかったわかった、じゃあ明日、みんなでピクニックにハムとパンでもバスケットに入れて。行きましょう。だからもう今晩はおやすみなさい」と、明日ピクニックに行くことを条件に寝室へと連れて行きました。あなたに対しては来ないという選択肢をそもそも考えていないようです(笑)。
テオドシアス; そっか。なら、喜んでついてきます。
DM; というわけで翌日。「おーいクリス、アイリーンが呼んでるぜ」とアウグスト。
テオドシアス; 「ん? 何の用だろ?」
DM; 行ってみると訓練の間で見目にも流麗な装飾の施されたフルプレートを着用しつつあるアイリーンがいます。
テオドシアス; 「お! これが騎士の鎧かぁ。かっこいいじゃないか、アイリーン」
DM; 「おはよう、クリスティン。どうかな? 似合っていると良いんだけど。すまないけど、後ろの留め具を掛けてもらえるかしら」
テオドシアス; 「もちろん、似合ってるさ。かっこいいよ、うん。んー、どれどれ、この留め具かな?」
DM; まだ革が馴染んでなくて硬いです。フルオーダーメイドですからね。
テオドシアス; フルプレートなんて着たことないから、もう見よう見まねで。
DM; 丁度天窓から朝日が差し込んできてフルプレートに反射します。淡い金髪で深い緑色の瞳のアイリーンは一瞬、さながら伝説に出てくる戦乙女のように見えます。
テオドシアス; 「あ、ここかな? これをこう留めるのかな?」(必死なクリスティンは、周囲を見る余裕はなさそう)
DM; 腰にはこれまたさぞや名工の手によるものと思われるロングソード。刀身は見えませんが鞘と柄の装飾だけでもそう感じされるものがあります。父親のフリードリヒは厳しい人ですが、妙なところで甘い部分がある人なので、できる限りのものを揃えてやったのでしょう。
テオドシアス; (さすがに騎士ともなると、武具にも金がかかってるね…。ふむふむ)戦士としての眼で見定めている。
DM; 「そうだ、クリスティンにはお土産があるのよ」
テオドシアス; 「え? あたしにお土産? それはまたすまないねえ…」
DM; 「その机の上の包みを受け取ってくれる?」
テオドシアス; 「あ、ああ」(ちらりと机の上に目を走らせると…)
DM; 手のひらに乗る程度に包まれた布があります。
テオドシアス; 「ん? 何だろな?」(言いながら、包みを解いていく)
DM; 包みを開いてみると、中からは精緻な細工を施した髪飾りが現れました。
「クリスティンには、絶対に似合うと思って」髪はどんなでしたか?
テオドシアス; 「すごいね! これ、けっこうな値がしたんじゃないのかい?」
髪は赤毛で、あまり長くはないですが、髪飾りを止めることくらいはできそうです。せっかくなので試しにつけてみましょうか。
DM; なるほど。それならひと際引き立つような木製の髪飾りですね。
「しばらくは配給のスープとパンだけだったわ」と笑っています。「気に行ってくれた?」
テオドシアス; 「わざわざ、あたしのためにありがとうね。もちろん、気に入ったよ。大事に使わせてもらうよ」
DM; 水盤に写してみると、あなた以外の誰にも似合わないような収まり具合です。
テオドシアス; 「さすがアイリーン。センスがいいねえ」
DM; 「良かった!」と微笑みが大きくなりました。
笑い顔だけは騎士候補生になるためにここを出て行った数年前のころと変わっていませんね。
……と言ったところで時間切れ。ルール的なチュートリアルも何もない回となってしまいました。これじゃあナリチャなんて(略)と言っている場合ではありませんね。アイリーンはこんな感じなのでプレイしていて心が和むんですが、どうも最近は小悪党プレイの方がしっくりくるようです(笑)。別のパーティのところで出てくる本当に性根の腐った男とか、正論ばかり振りかざす虎の威を借る狐とか。
しかし、適当に編集するだけでもリプレイって結構疲れますね。