【AD&D】重臣会議⑤

鴉山 響一リプレイ  1
登録日:2016/11/26 22:47最終更新日:2016/11/26 22:47
控えの間で思索にふけるゲルハルト。そこへ彼の影ともいうべきヴェラが再び現れて……。

DM: さて、再び場面転換します。ゲルハルトさん、ヴェラが再び現れました。

ゲルハルト: すっかりぬるくなった黒茶の湯面を、じっと眺めてます。

DM: 「ご報告です。エルドライン卿がとある人物と偶然を装って面会しました。

クレイグ: えええっ、まじで!? 信じてたのに……。

ゲルハルト: まあ、なにか事情があるはず

DM: 面会した人物とは、エルドライン卿のひとたびは戦死した令嬢、アイリーン。この面会は確実に副総主教の手配によるものと思われます」

クレイグ: やっぱりそうか。教会もわかりやすいといえばわかりやすい……。

ゲルハルト: AD&Dでの生死観がよくわからないので質問ですが、人は簡単に蘇生できるものなんですか?

DM: ルール的には5レベルのクレリック法術があれば蘇生は可能です。つまり、9レベルのクレリックなら(色々制限はあるものの)可能です。そしてこの首府の総本山には9レベル以上の修道士は何人もいます。他にも「神様にお願いする」という特別な魔法を使うなどいくつか方法はありますが。ただ、じゃあってんで誰でも生き返らせた入りしていたらとんでもないことになるわけで。滅多なことでは教会も蘇生を認めることはありません。ましてや、アイリーン嬢は正規の騎士として任じられており、これまた正規の任務中に戦死したとのこと。

クレイグ: DM、横槍で申し訳ないのですが、最後のクレイグのセッションがエルドラインさんをえぢさんのキャラ(修道士のルーシア)と訪ねるはずだったんです。会議の前に。そこは何か動きがありましたか?

DM: はい。もしそうなら、えぢさんのルーシアはここにいるか、そうでないにしてもクレイグに何らかのコンタクトを取っていますよね。

クレイグ: ええ。

DM: あの後、ルーシアからはなんの連絡もないままに今に至っています。クレイグは知る由もありませんが、実際には、彼女は彼女でミッションが下り、とある村での任務を受けていたのです。

クレイグ: なるへそ。ありがとうございます。どちらにしろ、会議に対しての小細工はしないので大丈夫です。

DM: このあたりはSNSの日記を読んでもらえるとちょっとだけわかりますが、ルーシアはもちろんそのことを覚えていて、なんとか首府に戻ろうと努力はしてくれてましたよ。

クレイグ: わかりました。

DM: ただ、その過程でコマドリに変身してしまったこととか、エルダが屍人使いに敗れて斃れてしまったこととか、不幸がいくつか重なっただけです。

ゲルハルト: え、エルダ死んだか……南無南無……。

ゲルハルト: ……。

DM: そしてドメネクさん、ミッターさんはいまウォーキングデッド祭りに巻き込まれつつあり、ゾンビと戯れています(笑)。

クレイグ: (笑)

ゲルハルト: ミッター(笑)。生き残ってほしいですね。さて、えーと本筋ですが……。

ミッターというのは、ゲルハルトとなんらかの因縁があると思われる自称「小商いの商人」です。しかし世事に明るく、ゲルハルトにとっては実質的な参謀格となっている男です。

DM: はい、スミマセン脱線しました。

ドメネク: 「件のご令嬢となにを話していたか分かるか?」

DM: ヴェラ「そこまでは……ただ、死んだと思っていた娘と再会できたのなら、もう少し感動的な場面になるかと期待したのですが、エルドライン卿は二言三言会話を交わしただけで、その場を去ってしまいました」

ゲルハルト: 「(あの男のいっていた切り札とはこれのことか? エルドラインには通じなかったようだ)」

クレイグ: (いや、通じてるよきっと……)

ゲルハルト: 「興味深いな。表情はどうだった? 驚きは? なにか感情的反応を起こしてもよさそうだが」

DM: ヴェラ「ええ、確かに。でも表情から何かを読み取れませんでした」と言って離れて行きます。ヴェラさんが風車の弥七状態だ(笑)。

ゲルハルト: ではその後ろ姿を見送ったあと、湯面に視線を戻します。うーん……。おタカさん(クレイグのPL)のおっしゃる通り、やはり内面を隠してるだけなんだろうか。

ゲルハルト: ああいう武人こそね、口ではああいえど……。かわいいもんですよ娘は。実際いい娘でした。

DM: まあ誰もに愛されるタイプの娘でしたね。

クレイグ: ええ、リアルの世界で会いたかった。

ゲルハルト: それほどですか!?

クレイグ: ええ(笑)。

DM: ふと窓を見やると、空から白いものがふわふわと舞い降りてきます。遠くの空は青空がのぞいていますが、黒い雲が増えてきましたね。いよいよこの男爵領にも冬が訪れるのでしょう。

ゲルハルト: 「冬来たる……か」ぽつりとそんなことをいって、つぎの場面にしましょう。

DM: 実はアイリーンの復活は5レベルの法術では為しえないんですよね。死後時間が経ちすぎていて。じゃあ副総主教、一体何を使って復活させたんだ、ってのが俄然興味が出てくる人もいるでしょう。

クレイグ: なるへそ。

DM: さて、皆さんのもとにも伝令官が会議の再開を伝えに来ました。

クレイグ: ダヴィットのあとを着いていきます。

ゲルハルト: では黒茶をすすってから、会議場へ。

DM: ゲルハルトも席に着きますと、副総主教が意味ありげな視線を送ってきます。

ゲルハルト: 微笑み返します。

クレイグ: くえねえええええ。エルドライン卿を観察します。

DM: 無表情と言って良いでしょう。怒り、喜び、悲しみ……どれでもないように思います。

ゲルハルト: たぶんボディブローみたいにあとから効いてくるんでしょうね <娘の復活

クレイグ: むしろもう燃え尽きたか。操られてないといいですが。

ゲルハルト: あはは……。

DM: 副総主教の方はと言うと、勝ちを確信したような自信に溢れた笑みでしたね。

クレイグ: ま、そうでしょうな。

DM: 全員が着席するやいなや、クルシュ副長が挙手して発言を求めます。

DM: クルシュ「ここにお集まりの諸卿にお知らせしたい議があります。それは、トマスさまには次期当主としてふさわしくない事情があるのです」
ヘレナ「重ね重ね無礼な奴ばらじゃ。もうよい、副長は口をつぐんでおれ」
クルシュ「そうは参りません。トマスさまは、子を成すことができませぬ……心当たりがないとは言わせませぬぞ」

ゲルハルト: ひえっ……。

DM: トマス「何を愚かな……そのようなこと、あるはずもない。何を以ってそのような中傷を副長は主張するのか」クルシュ副長は深いため息をついた後、団長をちらりと見ます。

クレイグ: ごくり。

DM: クルシュ「……よろしい、では従卒、かの者をここへ」ややあって、従卒に連れられて少年が一人現れます。中々の美少年ですな。

クレイグ: でしょうね。

DM: クルシュ副長「フロリアンくん、だったね。遠慮することはない、君の言い分をこの場で言ってみたまえ」その少年は、頬を紅潮させながら、「トマスさま、トマスさま! 僕を捨てて御家を継ぐというのは本当なのでしょうか!? あの時、僕に言った言葉は嘘だったんですか!!」

クレイグ: ……耽美な香りが……。

DM: トマス「し、しらぬ。このような者、私は知らぬぞ!」
フロリアン「嘘だ―ッ!! 違うと言ってくれ!」と言ってトマスにとびかかろうとして従卒たちに押さえつけられます。「女など厭だ、あんな怪物たちと同衾することなんて絶対にない、ずっと僕だけを愛してくれると約束したじゃないか……!」

クレイグ: 泣かせるなあ少年よ……。

DM: フロリアンくんは退場させられました。あの様子だと事前にフロリアン君に言い含められていた可能性は高いですね。

クレイグ: とんでもない醜聞が……。

DM: 副主教「ふん、このような茶番はもうよろしいですな、副長。トマスさまご自身が知らぬと仰っておるのですぞ」と平静を装っていますが、内心では結構大きなダメージを受けたようです。

 勘違いしてほしくないのは、この世界男色はもちろんありますし、それほどの醜聞にはなりません。しかし、それが世継ぎを成さねばならない立場となると話は変わります。トマスがバイセクシャルなら一応世継ぎは残せる可能性はあるわけで、大きな問題にはならないんでしょうけどね。

クレイグ: いつの時代も権力者はね。

DM: バイじゃなかったんで、教会側としても隠し通したかったんでしょう。

クレイグ: それに強硬に押し通せばいくらでも代替方法はありますしね。わりとガチだったんですね。

DM: 総主教「議論は出尽くしたようじゃな。この上は採決にて決めてはどうかね」

クレイグ: ダヴィットさんをちらりと見ます。

DM: 先ほどの醜聞で参列者は相当げんなりしているのは手に取るようにわかります。ダヴィットは休憩前に比べたら、自信のある表情に戻ってきています。

クレイグ: ちらりと見る程度にしておきましょう。ちらりと、しかし真っ直ぐな視線で。

ドメネク: 窓の外を見てます。雪を。

DM: 風に乗ってふわふわと漂っています。まだこの分なら積もりはしないでしょう。エルドライン「では採決を取る。次期当主にトマスさまを選ぶものは挙手を」

いよいよ票決です。水面下で動いていた者たちの結果は。
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