【AD&D】暗灰色の外套の男【TRPGリプレイ】

鴉山 響一
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登録日:2016/12/12 19:36最終更新日:2016/12/12 19:36

前回はセーフティハウスに隠れた盗人のラディガーに対して、それを偶然目撃したクリスティンとアウグスト。不審な男がおぶっていたのがアイリーンに何となく似ているように感じておっかなびっくり隠れ家に潜入してみたものの……というところからです。

DM: 室内は暗闇、そして役人のような口調で誰何するラディガーに対して、クリスとアウグストはどのように対応するのでしょうか。

クリスティン: 多分クリスティンよりアウグストの方が先に何か反応してそうな感じ。

DM: 暗闇なので見えませんが、もし見えたとしたら、アイリーンは少し面白そうに事の推移を見ています。アウグストの出方を見るわけね。じゃあ、反応チェックでもしてみようかしら。 アウグスト「あ、あのう、僕たち、怪しい者じゃないんです!」←おいおい……充分に怪しいだろう。

ラディガー: 「ドコの所属か聞いている。」

クリスティン: 「所属? そんなもんないよ。あたしたちは旅の戦士だ。この街にはまあ、物見遊山でやってきたようなもんさ」

DM: アウグスト「そうだ、それより連れ込んでいたのは誰だよ! 後ろ暗くないのなら、言えるだろうっ!」

ラディガー: 火口を用意しながら「こちらが質問しているのだ、まあいい、むやみに動くんじゃないぞ、足元に蛇を離したからな。」と言って一息ついたら瞬間だけ火口で明かりをだして二人の位置を確認します。


DM: 「その声……」と若い女性のつぶやく声がしまたした。ラディガーさん、確認できました。戸口に一人。そしてやや入り込んだ場所に四つん這いになっているのが一人です。

クリスティン: 「……まさか、その声は……。いや、でも……」クリスティンの方も声の主に勘付いたようです。

ラディガー: 「勝手な会話は慎んでもらおう」

DM: ラディガーさん、灯りはすぐに消します?

ラディガー: 瞬間だけ、足元に注意が行った隙に点けるだけです。

DM: なるほど。たしかに足元の方に気が行きそうなもんですな。

クリスティン: 蛇なんて言われたら確かめざるを得ない……。

ラディガー: 知り合いだろうがなんだろうが、仕事の邪魔をされてはたまらない。そういう心境(今はまだ、ね)。

DM: クリス、Wisチェックをどうぞ。修正は+3(ペナルイティ方向)。

クリスティン: 4ですね。戦士に知性を期待してはいけない

DM: ではですね。素早く部屋の中を改めることができました。部屋の片隅の椅子に座ってこちらを見ている女性と、そのすぐ近くに男の姿がありました。男の顔は見覚えがありません。女性はアイリーンによく似ているように思いました。が、すぐに灯りは消えました。

ラディガー: レガシーD&D系の能力値判定は下方判定である場合が多いので低い数値の方が良いということが往々にしてあります。

DM: そう。ですので、この場合は良い感じで成功ですよ。

クリスティン: おお、そうだったんですね。じゃあ、よかった……。

DM: 命中判定やセーヴィングスローは上方判定、能力値チェックは下方判定です。あの位置からだとアウグストは見えないよな。

DM: 「クリス! どうしてここに」とアイリーンが驚いた声を立てました。

クリスティン: 「……そ、その声はやっぱりアイリーン? いや、でも、アイリーンは死んだはず……」

ラディガー: 「おいおい、折角のアレコレが台無しだよ。君らは教会や銀の翼の手の者じゃあないんだね?」

DM: アウグスト「やっぱりアイリーンだ。くそう、アイリーンをどうするってんだ」

クリスティン: 「何がどうなってるやら良くわからんが、少なくともその2つの組織のものじゃないことは確かだな」

ラディガー: 「で、この娘(こ)の知り合いだ、と。」

DM: アイリーン「小父さん、この者たちは私の味方です」

クリスティン: 「ああ……。だが、私の記憶に間違いがなければ、アイリーンはもうこの世にはいないはずなんだ……」

ラディガー: 「ん。ちょっと全員動くなよ。いま、火をともす。」といって蝋燭に火を。

DM: はい、では部屋がふたたび蠟燭の灯のもと、明るくなりました。

ラディガー: 「死んだとかなんとか、現実を見てみるといい。」

DM: アウグスト「アイリーン! やっぱり、死んでなんかなかったんだね」

クリスティン: 「とすると、あの書状の方が偽りだったのか……。いったいどうなっているんだ?」

ラディガー: 「教会がなにかやったんだろうな、っていうぐらいの情報ならやれるぜ。 まあ、ちょっと今アイリーンちゃんに飲み物を持ってくるところだ。」

クリスティン: 「教会? となると、ああ、そうか……。あいつらなら死者を蘇生させることができる……ということは、アイリーンは一度死んで生き返ったのか? なるほど。死体が特殊な状況にあるというのは、このことだったんだな」

DM: アウグスト「良かった、本当に無事で……」と湿った声で言うと、アイリーンの傍に行ってひざまづいています。

ラディガー: 「それ以上は俺も知らないし、知ろうとは思わない。おい、兄ちゃん!奥のテーブルの上に水の入ったカップがあるから、それ持ってきてのませてやってくれ」

クリスティン: 「ふむ。このあたりの詳しい事情を知るのが、目下の急務ということになりそうだな……。とりあえず、立ち話も何だから、ちょっと落ち着かないか?」

DM: アウグスト「う、うん、待ってな」と言って裏の方へ行きました。

ラディガー: 「(お涙頂戴やってる場合じゃないのよねえ。それほど時間は無い。が、味方になってくれそうな雰囲気は感じる」少しだけだ。」

DM: アイリーン「一度死んだ。あの虚無の草原がそうなら、たしかに死んだのだと思う。草原で漂う私の前に、黒づくめの男が現れた」

クリスティン: クリスティンは勝手に部屋に上がり込んで、アイリーンの話を聞き始める。「ふむふむ、虚無の草原、か」

DM: アイリーン「その男がこう言ったのだ。あんた、下界で呼ばれているけどもう一度戻りたいかいって。戻るという意味が分からなかった。でも、なぜかそうしなければいけないように強く思った。だから、戻りたいと言った。そしたら」

ラディガー: 「今、なんとか教会の建物から逃げ出したところだ。彼女はひどく衰弱している。無理はさせるんじゃない。」とたしなめます。「息を整えたらすぐにでもここを出る。」
(話し込んだら長くなりそうだぞ)と困り顔。

DM: アイリーン「その黒衣の男は、寂しそうな顔で、それは辛いことばかりだよ……と言った。そして、何かに強引に引きずられるようにして、どすんという衝撃のあと、覚醒した」

クリスティン: 「なるほど。事情は何となく掴めた。……とりあえず、今日のところは疲れているだろうし、そっちの人(ラディガー)はなんか慌てているようだから、もっと安全な場所に移ろうか」と提案してみる。

ラディガー: 「とはいうものの、今は外も彼女を探す連中がウロウロしてるだろうしな。」

クリスティン: 「まあ、教会から蘇生した人間を黙って連れ出したなら、追手がかかってもおかしくはないだろう」

ラディガー: 「横になる場所を探してやりたいところだが。」

DM: 「そうさ。生きるってのは辛いことの連続なのよ」と、突然扉の外側から男の声がしました。「そのまま死んでくれていれば良かったのにねえ」

クリスティン: 「……ほら、さっそく誰かがやってきた!」

ラディガー: 「チッ!」

クリスティン: 「まったく、厄介なことだね。長居しすぎたようだ」

ラディガー: 「だからあれほど……(甘ちゃんだなオレも)」

DM: 暗灰色のフード付きの外套を纏った中年の男です。


この男の正体とは。少なくとも味方ではなさそうですが……。

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