【AD&D】Backstubber

鴉山 響一
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登録日:2016/12/13 11:03最終更新日:2016/12/13 11:03

本作は、「Wizards of the Coast」が権利を有する「Dungeons & Dragons」の二次創作物です。

偶然の邂逅から、久闊を叙する間もなく、新たな侵入者を迎えた一行。剣呑な暗灰色の外套を纏った男の目的とは。

ラディガー: 「厄介な相手だな、こりゃ。」

クリスティン: 「わかるのか? 相手がどんな奴か?」

ラディガー: 「そう言っとけば恰好がつくだろ?」

クリスティン: 「お、おう」

暗殺者: 「ああ、いやだなあ。年端も行かない女の子を手に掛けるのは。せめて楽に殺してやらなくちゃいかんわなあ。おい三下ども、お前らには何の恨みもないからとっとと消えな」

ラディガー: クリスに耳打ちしましょう。

クリスティン: 「ん? 何だ?」

ラディガー: 「あいつの気を引けるか?」

クリスティン: 「まあ、できなくはないね」

ラディガー: 「まかせた。」

クリスティン: 「わかった」

DM: どうします? 相手は平然とあなたたちの出方を待っています。

クリスティン: 「…そう言われてもねえ、事情も分からないまますごすご退散するわけにはいかないのよ。なんで彼女を殺す必要があるのか、教えてくれるわけにはいかないかしら?(時間稼ぎに入る)」

ラディガー: 「おい!兄ちゃん!出番だぞ!」とアウグスト君を呼んでみる。

暗殺者: 「あんた、それを言っちゃあこの稼業お仕舞いだろうがよ」

クリスティン: 「わかってる。わかってるさ。でもね、こっちだって、いたいけな女の子が死ぬってわかって、おいそれと見捨てるわけにはいかないよ。寝覚めが悪くなっちまうだろう?」

ラディガー: (同業のようで同業でない連中は面倒この上ない。)

DM: その男の背後から、アウグストが裂帛の叫び声を挙げて突っ込みました。

ラディガー: よし、ここで怪人物の背後に回り込む算段を!

DM: 暗殺者「あー、良くないねえ。実に良くない。襲い掛かる前に声を出しちゃあね」

クリスティン: 「うむ。アウグストはその辺がまだ未熟だな」そう言いながら、こちらも剣を鞘から抜きます。

DM: アウグストは箒か何かをもって突っ込んだようですが、軽くいなされてしまいました。

ラディガー: (もうちょっと辛抱しろよ)

DM: ラディガーさん、どうやって回り込みます?

ラディガー: 少なくとも注意がアウグストに向かった瞬間があるはずなのでそこで視界から消える、その後すばやく近づくぐらいしか思い浮かばない~~~~。

クリスティン: (じっくり会話すれば、相手の気が引けるかと思ったんだがな~)

DM: なるほど。ではハイドインシャドー、修正は+15%ってとこですかね。ボーナスね。

ラディガー: OK。23。成功だ。

DM: ほい。では相手の視界から消えたと思います。っていうか、この場合、裏口から抜けたってとこでしょうかね。

ラディガー: 蝋燭の火しかないので影の部分は多いのじゃないかとも思いますが。とにかくヤツの鼻を明かしてやりたい。いや、へし折ってやりたい(笑)。

DM: 暗殺者「(クリスを見て)おやおや。剣を抜いたか。いかんねえ。女はもっとおしとやかでないと」

DM: この部屋、あまり家具類がないんですよね。が、無いわけではありません。

クリスティン: 「女の生きる道は、女が決めるものさ……」

ラディガー: 言い方は悪いですが、お友達を利用させていただく。

DM: ほほう。

クリスティン: 「しとやかに振る舞うべき時は、しとやかに振る舞うし、そうでない時は、そうでないようにやる……今は、ちょうど戦いの時だってわけさ」

DM: 暗殺者「違うね。女の幸せは、男が与えてやるもんだ」

クリスティン: 「ほう。じゃ男の幸せは女が与えてやるものなのかい? 笑止!」

ラディガー: (お話に集中しろ~~~~)

DM: 「面倒な女だな。お話はここまでだ」

ラディガー: (うわ(笑)~)

DM: というわけでイニシアチブです。8。あかん~。これはPC側に取られたな。どちらか代表で1d10でイニシアを振ってください。


ラディガー: がんばれ~。ワタクシ「請けて動く立場」ですので~。

クリスティン: 「何だい。やっぱり男って生き物は話は嫌いかい? つまらないねえ」イニシアチブのダイスは6ですね。

DM: ではそちらですな。相手の男はすぐ目の前まで近づいてきています。

クリスティン: 相手の気を惹きつけてればいいんだろう?

DM: その男、武器らしいものは構えていません。

ラディガー: そうそう、気を引いてくれよ~、何ならやっつけてもいいぞ!)
隙があれば後ろから行きます。たとえば一撃食らって激高した後、とか。

DM: はい。では毎ラウンドハイド・イン・シャドーのチェックですな。勿論修正値はあります。

クリスティン: じゃ、ここは素直に一撃くらわした方がいいかな?

DM: するしかないでしょうな。

クリスティン: ただ、あまり剣術は得意じゃないが。そういえば、剣で戦うのは初めてだな……。

ラディガー: (アッチの兄ちゃんはなにやってんだ!)

DM: 弓を使えば一撃必殺ができたかもしれませんのに。

クリスティン: 部屋で弓を使うのは流儀じゃないんだ。

DM: では剣での攻撃ですね。命中判定をどうぞ。命中は1d20、そこにストレンクスのボーナスがあればつきます。大きい目だと当たりやすくなります。

クリスティン: では……。お! なんと20が出てしまった!

ラディガー: ぶほう!

DM: なんと!! えー、実はハウスルールの追加がありまして。修正前の数値で20が出た場合、自動的に最大ダメージになります。

ラディガー: うーん、強い。

DM: 更に%を振って、一けたの数字が出た場合、追加の効果があるかもしれません。というわけで%をどうぞ。

クリスティン: 29ですね。

AD&Dは、選択ルール以外ではクリティカルヒット的なルールはありません。が、命中値で明らかに良好な数値を出しているのに、ダメージが少なくがっくり……という思いをしたことのあるプレイヤも多いことでしょう。そこで、このようなルールを導入してみました。ただし、これは敵方にも当てはまるので、よりブラッディな戦闘になったと見るべきですね。

DM: それでは普通に最大ダメージです。それも凄いんですが。剣はなんでしたっけ?

クリスティン: ショートソードですね。

DM: じゃあ1d6か。6+修正値ですね。ストレンクスの数値は?

クリスティン: 16です。

DM: それなら、+1なので、7ダメージです。

ラディガー: レベル2魔法使いなら殺せるダメージ

クリスティン: 気を惹くには十分だったかな?

DM: 暗殺者「おおっ。やるねえ。これは良いぞ」

クリスティン: (あとは任せたよ。おじさん)

DM: アウグストは持っていた箒を男の足元めがけて投げました。……が、これは避けられました。

ラディガー: 隙が出来たかな~。

DM: あると思います。ラディガーさん、どうします?

ラディガー: ではバックスタビングを狙いに行きたいと思います!!

DM: んではムーブ・サイレントリーとハイド・インめシャドー。それぞれ修正値は+20%あります。

ラディガー: オッケー。MS17。HiS47。30+20なら成功。

DM: 決まった!?

ラディガー: ということで裏まわり成功です!

DM: では命中を。背後からの不意打ち状態なので、ボーナスは当然+4です。

ラディガー: 20出た!!!!

DM: うそーーーー!

クリスティン: (凄いな、あのおじさん。敵に回さんでよかったわ……)

ラディガー: 出たものは仕方ない(笑)。

DM: う、うん。

ラディガー: ハンドアックスでストレンクス修正は0です。つまり6かな。

DM: ですね。そこにバックスタッブで倍ダメージ。

ラディガー: ドン!

クリスティン: (あたしなんかより全然強いじゃーん)

ラディガー: 12ダメージ後頭部。「感情のっけて仕事するようじゃあ、二流だな。」

DM: あれ、ラディガーさん何レベルでしたっけ?

ラディガー: 4です。

DM: じゃあ二倍か。5レベルになると三倍でした。

ラディガー: デルファクス以降XP貰ってない(笑)。

DM: あー。あれからっていうと……でもあまりないですよ。せいぜい500xpです。男は、「バカな……」というとこと切れました。

ラディガー: 内心(ラッキー)「急ごう、御嬢さんには無理をさせるかもしれんが」500でもありがたい!

クリスティン: 「そうだな。こんなのがまた出てきたら厄介この上ないしな」

DM: で、どうします?

クリスティン: 素早く撤退します―。

ラディガー: 今回のコレ、割と大仕事だ。んっと、2人と落ち合う場所を決めましょう。そして服を交換するよう提案。

DM: あ、そうだ。一応ラディガーさんに耳より情報。この家、地下室があるんですが、そこから地下下水道に降りられます。この首府の地下下水道は、160年前にドワーフたちが作り上げたものなので、なかなか精緻です。

クリスティン: 暗殺者の死体は下水のワニにでもくれてやろう……。

ラディガー: 上水道なのでそれはアカン(笑)。もちろんそれを使用するんですがその前に暗殺者の懐を調べてコイツの依頼人につながる何かがないか探そうとします(普通は無い)。

DM: はい、当然手がかりになりそうなものは持っていませんね。持っていたのは、500gp相当の宝石4つと、金貨銀貨が数枚。あとはダガー2本、ショートソード1本。

ラディガー: クリスに宝石を2つ握らせて、「服を変えたらあんたが怪しまれる。そん時はこれで何とかしろ。」

クリスティン: (そりゃそうだろうな。プロが身元を明かすとは思えん)「お、おう。わかった。じゃ、ありがたく受け取っておくよ」

ラディガー: 「宝石や金貨ってーのはな、道具だ。」と言ってアウグストにも2個。

DM: アウグスト「でもこれからどうやって……?」

ラディガー: 「俺はナイショの通路を使って脱出する。あんたらは普通にドアから出ればいい。宿は取ってるか?」

クリスティン: 「まあ、一応は取ってあるよ」

ラディガー: 「よしそこで落ち合おう。彼女は必ず無事に連れて行く。それが仕事だからな。」

DM: アイリーン「私は大丈夫。ちょっと、疲れているだけ。この小父さんと行くから、早く行って」

クリスティン: じゃあ、とりあえず宿の名前を教えておこう。「わかった。必ず、無事にたどり着いてくれ」

DM: アウグストは一緒に行きたいのを必死に堪えているようです。そして、自分ではなく、謎の小父さんとの同行を選んだアイリーンの選択に少し傷ついた表情をする少年。若いなあ。

ラディガー: 「とにかく服を取り替えてもらう、それだけでそっちは怪しまれるが、なーにこっちにとっては時間稼ぎになる」

DM: 「わかったよ、小父さん。ぼくはアウグスト」

クリスティン: 「あたしはクリスティンだ」

ラディガー: 「おう、俺はラディガー。見ての通りの……オジサンだ。」

DM: (笑)シーフだ! とは言えんわなあ。

ラディガー: うむ。

クリスティン: ですね。

DM: ではここを別々に出て行くわけですね。

クリスティン: じゃ、無難なところで服を変えておきますか。

ラディガー: 一体アイリーンの身柄をどこに持って行けばいいのか。皆目見当もつかない(ついている)。「兄ちゃん!見ない見ない!」

DM: アウグスト「み、見てなんかないよ!」 ラディガーさん、インテリロール振ってください。

ラディガー: INT9だからな。9。(笑)

DM: あらま。えーと、ギルドマスターからの指令は、「この首府から運び出せ」でしたね。「首府のどこかに」ではなく。

ラディガー: ですね。とはいえ一旦安全なところに身柄を置いて回復を待つ必要があると思われます。

DM: そうでしょうね。

ラディガー: その中継地点とも言える場所をどうするか。どの勢力からも影響されず

DM: どこか当てでもあるんですか?

クリスティン: (さすがに下水ってわけにはいかないよな……)

ラディガー: あるにはあるんですよねえ。ラディガーの言葉として出せるかどうかはそりゃあ微妙な線ですが。

DM: なんか嫌な予感。なんか三つほど浮かんだ(笑)。

ラディガー: 順当にいけば首府にあるエルドラインの私邸。教会も騎士団も手出しできない。

DM: でも、それができるのなら、エルドラインの殿様もそう手配しているんじゃないかとも思われます。

ラディガー: そういうところが他にもあってですね、その一つが我がギルドの中枢。ただ、別ルートで反対の依頼を受けちゃう場合があるので確実性の面では落ちる。
DM: ええ。それにそこは厄介事を持ち込みやがって、とギルドマスターの逆鱗に触れる可能性があります。

ラディガー: もう一つがですね。「塔」です。

DM: やっぱりそこですか。

ラディガー: うむ。不可侵な存在。

DM: たしかにあそこは世俗の権力は誰も手出しできない。

ラディガー: ただコネクションがないんだよなあ、ラディガーには。

DM: そこでしょうねえ。

ラディガー: 「さっきの二人が塔にコネクションがある雰囲気でもなかったしなあ。」などと呟きながら地下水道を進みます。もちろん休み休みですが。「キツけりゃすぐに言うんだよ」

DM: 昏く、不快な異臭が立ち込めています。それに、どこかから水の流れる音がします。今歩いているところは水は流れていませんが。 アイリーン「ええ。でも今のところ大丈夫」さあて、遭遇のダイスを振ってもらいましょうか。

ラディガー: 「先ずは宿を目指す。そこで次の行先を決める、いいね。」うむー、ムカデは嫌だ。

DM: この階層では大したものは出ないはず。

ということは、他の階層なら「大したもの」が出るんかい、と思った諸氏もあろうかと思います。是非試してみましょうよ。地下下水道探訪。楽しいダンジョンが待っていますよ。

ラディガー: 8。

DM: OK。時折、何かの生き物たちのぞっとする鳴き声とか、何かを咀嚼するような物音が聞こえましたが、無事に示し合わせた宿屋近くにたどり着きました。クリスとアウグストも宿屋に到着しています。

ラディガー: 「ふう、緊急時以外はあんなとこ通るもんじゃねえ」んだばシレっと入ってみましょう。チェックインします。

クリスティン: 「よかった。無事に合流できたみたいね」宿のテーブルで食事をとりながら出迎えよう。

DM: 宿屋の主人に「うわっ、何だよアンタら。臭いな~。あっ、部屋に入る前にこっちで脚洗っとくれ」と言われます。

ラディガー: 「ああ、ごめんね、ありがとう」なーんて軽い感じで。

DM: 宿の主人は、アイリーンが気になるようでチラッチラッと盗み見しています。まあ、着の身着のままみたいな恰好でしかも下水臭いからねえ。そりゃあ訳ありと思われるでしょう。

ラディガー: OK。主人を呼び止めて、一発ウインク(何故か両目)かまして「これチップ」と100gp相当の宝石を渡します。「温かいスープをおねがい。」と答えます。

DM: 「え、あ、ああ……なにか軽いお夜食でもご用意しましょうか?」

ラディガー: 「温かいスープをおねがい。」と答えます。

DM: 「そりゃあもう。こう見えてあたしは口が堅いんです」

ラディガー: 「それが証明できればあとからいくつか、ね。」

DM: 「すぐに届けさせます」と言って奴隷女に食事の支度を命じています。

ラディガー: 今夜ぐらいは安全かな、という手ごたえでよろしいでしょうか?

DM: ですね。リアル時間も良い感じなので、このあたりで切ることにしましょう。

ラディガー: この後は、アイリーンをどこに置いたら休ませてあげられるかっていう相談になると思います。クリスティンやアウグストに伝手があるのか。

DM: あまり外の世界に伝手のなさそうな二人ですよね。

クリスティン: 少なくとも、クリスティンにはなさげ……。

DM: あ、アウグストはあるぞ! ひとり有力者が。

クリスティン: お。さすがや!

DM: 以前、村を訪ねて来てくれたしゅっとした若い貴族で、名前はたしか……ゲルハルトさんと言ったっけか。

ラディガー: アカン!アカン!!!

クリスティン: ゲルハルトって誰やろ?

DM: はい、ものすご分かりやすくいうと、教会派の貴族です。

クリスティン: あー、アカン奴や……。

ラディガー: 政治ゲームの渦中にいるナウな状況ですしね。切り札を渡すようなことになっちゃう。

DM: その時はまだ教会派ではなかったし、そもそもアウグストはそんなことわからないしねー。知らずに訪ねて行ってしまう可能性も無きにしも非ず……。

ラディガー: ロイツベルガー家の関係者なので頼る筋じゃあない。

クリスティン: うーむ…こうなったら、クリスティンにコネがあるという設定を生やすしか……(笑)。

DM: そうですねえ……。んじゃあ、こういうのはどうです? 以前、軍馬を買い付けに来た男爵軍の司令官の息子。息子と言ってももう一人前で、実績もある人です。名前は、エルヴィン・ホルシュタット。35歳。北の砦に駐屯しています。厳格な男ですが、人間的な温かみもあり、筋の通った好人物でしたよ。

クリスティン: まあ、他にコネがないなら、そこへ行ってみるしかないのかな……。

ラディガー: 兎に角アイリーンが安心して横になれる場所を確保する。んで何気に金銭的な余裕があるので滋養のつく薬かなんかを入手して首府の外を歩けるようにする。

クリスティン: クリスティンは田舎者なので、もうそのあたりはお任せ……。

ラディガー: 首府の外に連れ出してしまえば、それで俺の仕事は終了するはず。(はず。)

クリスティン: えー、そこでお別れですか? せめて北の砦までは送ってってくださいよー。お礼はしますよー。

ラディガー: 仕事に私情は挟まない。でもね、お願いされたら断れないんだよなあぁ~。特にマドンナ(あえての表現)からのお願いにはオジサントンと弱いんだよねぇ。

というところで時間となりました。この後、一行は北の砦を目指すのでしょうか。それとも……。

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