【D&D5版】英雄叙事詩・草稿2

ポール・ブリッツリプレイ  4
登録日:2018/01/30 00:50最終更新日:2018/01/31 12:48
(駆け出し吟遊詩人「北風のシャイド」の草稿から)


 旅路を急ぐ英雄たちに 天が降らせた篠突く雨
 これはたいへんたまらぬと 棄てられた村へ逃げ込んだ
 ここは昔に人間と オークたちとが戦の場
 住人たちの怨念が 今も消えずに残る村
 それも知らずに詩人めは 屋敷の跡でリュートを弾く
 さっと一迅風が吹き 現れたのは女幽霊
 英雄たちを驚かせ 森の一隅指さすと
 再び風がさっと吹き 幽霊どこぞへ消え失せた

 英雄たちは首ひねり その方向へ行きますと
 藪を漕ぎ分け出たとこにゃ いつとも知れぬ井戸の跡
 詩人がはっと井戸見れば オークのような怪しき影
 詩人はその時驚き慌てず リュートの弦をびりりと鳴らし
 古き歌の文句を並べ 悪霊どもを逐わんとす
 されど悪霊耳無きか どっと詩人に襲い来て
 詩人は恐怖に腰抜かし その場にばたんと倒れ伏す
 女侠客イメルダは レイピア鞘からすらりと抜いて
 悪霊どもを突きたるが まるで水でも突くかのよう
 それを見ていた魔術師ヴァルティン ひとこと呪文を唱えると
 たちまち出てくる魔法の矢 悪霊めがけて飛んでった
 これには悪霊たまらない 一匹二匹と砕け散り
 きれいさっぱり消え去りしが 残ったものはこの古井戸

 死神様の顔を見て また現世まで帰りきた
 詩人はなにを思ったか 気がついたかという間もなく
 イメルダ張りしロープをつかみ 一人井戸へと降りていく
 井戸の底を調べてみると ほんの小さな骨のかけらよ
 まこと哀れな乳飲み子の この世の名残に相違なし
 詩人は心を動かされ 骨のかけらをすっかり集め
 屋敷跡へと舞い戻ると そこには幽霊待ち居たる
 その顔を見て詩人は悟る 生き返れたのはそなたのおかげか
 詩人が遺骨を手渡すと 女幽霊微笑みて
 陽の光がさっと照らすと そこは一面平和な村
 ああこれこそがこの村の ありし時代の風景か
 英雄たちは涙して 幽霊親子に一礼す
 気づけばその場は元の廃村 これは夢でも見たのかと
 雨が上がった村を出て 英雄たちは旅へと戻る
 しかし詩人は知っている 英雄たちの懐に
 幽霊たちが下すった 宝が入っていることを
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コメント一覧

2. ポール・ブリッツ
2018/01/31 12:48
こうしてコツコツ歌を作ると、英雄たちが出世したあとベストセラーになって左うちわの宮廷詩人に(笑)

意外とバード、性格に合ってるかもしれん(笑)
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1. レーヴァ
2018/01/30 01:01
相変わらず、いい感じに歌にしてくださってありがとうございます。
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