【D&D5版】賢樹の森序章(シャイドの草稿より)

ポール・ブリッツリプレイ  4
登録日:2019/02/03 19:46最終更新日:2019/02/03 19:46
一仕事終えた英雄たちが
身を休めていた小さな村。
翠の毛をした小さな子猫、
のどをからして泣いて言う。
川を流れて迷子になって、
何処が家かもわからない。
もしも義人の心があれば
連れて帰ってくださいと。

そのとき集いし英雄たちは
鷹の目を持つ名射手ダリル、
猫を連れたる術師のアクア。
二刀を扱う野伏のブルーに、
神に仕える聖騎士マール。
長柄を手にした戦士のケイラン、
そしてわたくしへっぽこ詩人。
いずれも義侠の心も厚く、
子猫を助けに御輿を上げた。

旅の商人いうことにゃ、
川は村から南に一日。
そこから半日さかのぼりゃ、
人も入れぬ魔法の森とか。
たぶんお家はそこだろう、
ただいま地図をお描きしようと。
黙ってもらうも失礼と、
詩人は水と弁当を買った。
そこはさすがの商売上手、
毎度ありとの言葉の後に、
買ったことだし噂を話すが、
近頃ここらも物騒で、
野盗の類が旅人襲い、
悪さの限りを尽くしてる。
腕に覚えはありそうだが、
重々油断はめされるな。
英雄たちは口々に、
野盗が出るとは面白い。
見事退治て平和を守り、
もって武勇の誉れとなさん。
翠の猫を肩に載せ、
意気揚々と村を後にす。

道を下りて日も落ちて、
そろそろ野営の準備もせんと、
思ったところに天幕の跡。
旅商人かはたまた野盗か、
天幕調べた英雄たちは、
うつろな目をした死体と対面。
詩人は腰を抜かしながらも、
あたりをざっと調べると、
殺されたには様子がおかしい。
これはまさしくアンデッド!
英雄たちも気を引き締めて、
残りの天幕捜したら、
隠れていたは留守居のゴブリン。
英雄たちは強談判し、
死人を扱う野盗の群れが
戻ってくると聞きつけた。

英雄たちは天幕に、
身を潜めること小半時。
耳を澄ましたダリルは聞いた。
戻って来たる賊の足音。
その一行は死人とオーク、
そして率いる魔法使い。
来たぞと小声で合図を交わし、
武器を抜いて飛び出す準備。
見張りに出したアクアの使い魔、
毛並みのよろしい三毛猫を、
食らってやろうとオークが近づき、
そうはさせじと英雄たちは、
鬨の声をば高く上げ、
賊ども斬りに突き進む。

マールは頭の魔術師目掛け、
突進突進また突進。
聖なる一撃に神が宿るか、
哀れ斃れる悪の魔術師。
詩人もそれに続かんと、
猫に夢中の醜きオークに
レイピアの刃を突き立てて、
歌を歌いて戦士に声援。
歌に応えてケイランは、
得意の長柄を振り回し、
敵陣奥へ突っ込むと、
オークをしたたか打ちのめす。
アクア・マリンは魔弾を放ち、
オークにまたも深手を負わす。
ブルーは二刀を振るいに振るい、
オークをひとり血祭りにあげる。
野盗たちも反撃するが、
英雄にとってはかすり傷。

マールはさらに攻撃を続け、
野盗の群れは総崩れ。
詩人は魔法の歌を歌って、
聖騎士殿の傷を癒した。
オークは命冥加にと、
頭の財布をあさって逃げる。
それは許しておかぬぞと、
アクアは魔弾をオークに放ち、
ばらばらになってオークは死んだ。
それもこれも貪欲のため。
ブルーが二刀をオークに浴びせ、
最後のオークもその場に倒れた。
魂持たぬゾンビーどもは、
命ずる主人を失って、
そのままそこで棒立ちになり、
哀れ虚ろに動きを止めた。
勝鬨上げて英雄たちは、
生き残りの夜盗をふん縛り、
アンデッドをば葬ると、
証拠の書類を握りしめ、
町の役所に凱旋す。
そんな愉しい寄り道の後、
子猫を家に帰すため、
いよいよ川をさかのぼる。

魔法の森は見るからに
人寄せつけぬ様相なれど、
ここが子猫の故郷ならばと、
英雄たちは進みゆく。
すると守り人と翠の虎が
道遮って現れた。
詩人は腰を抜かしかけたが、
恐る恐る伝言を伝え、
喜んだる森の住人は、
英雄を招いて感謝の宴を。
山の珍味と高貴なる茶は、
英雄たちも初めての味。
詩人はリュートを手にとって、
甘きベリーのお返しと、
これなる旅の歌を一席、
皆に向かって歌いし次第。
さてこの森には続きがあるが、
それは次回のお楽しみ。
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