薄墨桜花（ダブルクロス用キャラクターシート）

【トレーラー】
古来より、人の隣に現れし魑魅魍魎
かつての人々はそれを“妖怪”と呼び、恐れおののきも隣人として親しみ、怖がろうと外を歩み出でていた。

―時は移り変わり、かつての装いも忘れ、世を彷徨う妖怪たちは身を、息を潜めひっそりと生きていた…

だが、今夜だけは特別だ

有象無象の化け物どもも
今宵限りは除け者にはせず
浮かれ浮世を蔓延ろうぞ
影も光も入り乱れ
謳え、笑えよ、無礼講
此処が我らの“パラヰソ”だ！

ダブルクロスそれは、裏切りを意味する言葉
また、妖を指す言葉―

【ハンドアウト】
※今回PCは共通のハンドアウトとなる
ワークス/カヴァー: 指定なし/指定なし
シナリオロイス:　“九尾の妖狐”九ノ瀬　珠紀　推奨感情:　P指定なし/N指定なし
君達は現代社会に潜むオーヴァード、通称“妖怪”である。ある日、妖怪たちによる集会所“妖の会”の長、“九尾の妖狐”九ノ瀬　珠紀から通達を受ける。『汝、今年の妖怪たちの祭り“百鬼夜行”の運営委員に任命す』と…

【ステージ】
基本の現代ステージ
＊東京都銀竜(ギンリュウ)町
活気あふれる商店街や古き良き町並みが残る珍しい街。妖怪にまつわる伝承が数多く存在する。その土地柄ゆえかこの地域ではレネゲイドにまつわる事件の多くが「妖怪の仕業」と囁かれることが多い。オーヴァードやRBも妖怪と形容されることがある。

【キャラ作成時の注意点】
・今回PLは妖怪をモチーフにしてキャラメイクをする。各々のコードネームはモチーフにした妖怪の名前を記入すること。モチーフにする妖怪は付喪神や都市伝説系、オリジナル妖怪を用いてもよい。(あくまでモチーフなのでデータ的な制限等は特にない)
・PCは全員“妖の会”に所属している。(PC同士は知り合いでなくてもいい)

【NPC等について(参加者周知事項)】
・妖の会(あやかしのかい)
現代を生きる妖怪たちの集会所(地域の自治会のような意味合い)。悩みを持つ妖怪たちの交流所ともなっている。

・“九尾の妖狐”九ノ瀬　珠紀(ここのせ　たまき)
江戸時代からこの地域の妖の会の長を務めている。会が持つ集会場の管理や運営する催しやイベントの総括を主に取り仕切っている。普段は街の市役所の事務系職員として働いている。

・百鬼夜行
平安時代から毎年行われる妖怪たちによる祭り。この時期になると街にレネゲイドの瘴気が溜まり、日本全国から妖怪たちがそれを吸収するために集まってしまう。妖怪同士のトラブルを避けるためそれを妖怪たちのパレードとしたのが発祥。近年ではその意味合いもやや薄れ、妖怪たちの交流のイベントともなっている。
また、人間の界隈では“収穫祭”“ハロウィン”などとも呼ばれ、百鬼夜行の真実は知らずとも共に行事を楽しむ傾向となっている。

【経歴】
むかしあるところに、それは美しい桜の大樹があったそうな。
見る者を不安に陥れる魔性の美しさに「きっと根本には死体が埋まっているに違いない。だからあれほど美しいのだ」と人々は酒を片手に笑い、こっそりうそ寒そうに首をすくめたそうな。

時は過ぎて現代、桜の魔性は失われ、枯れて撤去が決まった。
せめて見納めにと、子宝に恵まれぬ老夫婦が大樹を見にいったとき、彼らは枯れ木の根元で泣く赤ん坊を見つけた。
彼らはその赤ん坊を引き取って育てることにし、「桜花」と名付けて可愛がった。

桜花はすくすくと育った、というにはいささか発育が遅かったが、それでも病気らしい病気はせず身体は健康だった。
しかし老夫婦を、そして桜花自身を悩ませたのが、彼女が男女を問わず、そして善悪を問わず人を惹きつける性質ということだった。
たしかに美しい少女ではあったが、度が過ぎた。その魔性はかつて失われたはずの桜の大樹を彷彿とさせるものだった。

魔性は桜花の成長と共に増大し、やがて一線を越えかけたそのとき。桜花は仙人を名乗る怪しげなホームレスに出会った。
それが世界の真実、そして自分のルーツを知る契機になるなどと、そのときの桜花は想像だにしなかった。

通信教育による猛勉強を得て高校に進学。地元を出て、怪異という存在に対して寛容な銀龍町を進学先に選ぶ。
師のもとでしっかり修行したので能力の制御も万全。背後でまるで羽のようにパタパタと翻る二対四枚の巨大な桜の花びらは半自律型のアバターであるが、これはこういう能力らしいので問題ないのだ。
憧れだった人並みに悩み、人並みに見栄を張る生活を、いまの桜花は送ることができている。

その力が彼女自身の意思で再び解放された時。
相手はそこに、かつて根元に死体を見出すほど婉然とした美しさを誇った、桜の魔性を目の当たりにすることになるだろう。

○立ち絵：リリーブラック（東方Ｐｒｏｊｅｃｔ　絵師：はるか様）

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