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😶 三桁の中の二桁の、その一桁による一夜の瞬きと希望を(セッション記録) (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)過ぎ去りし夏のあの日より続いていたドラクルージュ、紅月に見守られし騎士譚がひとつを語りましょう。 シナリオは「クーロンヌの獣・スペシャルエディション」(DR・改変:グラナダ)。実に明快な構成の公式シナリオを、この度集った騎士の皆様に合わせて(おもにややこしさ全振りで)構成し直したものとなります。 たとえリプレイレベルの詳細さで語り尽くしたとしても決して元シナリオのネタバレになり得ないほどの大改変を行ったうえ、もう二度と同じ設定で回す事が無いのでしょうから、事実を淡々と並べてゆくほうが皆様の混乱を誘えるのでしょうか。はてさて…… 此度、クーロンヌの森に集いし影は5つ。 銀の髪に翠の瞳。小柄なその身に抱えきれぬ自責と疑念、忠義の者。 白銀の髪に紅の瞳。その在り方はまるで真紅の薔薇、気高き者。 蜜の髪に夢色の瞳。かの者こそまさに生ける妖精郷、自由なる者。 漆黒の髪に緑の瞳。瞳に宿る煌めきは愛か狂気か、憎悪抱きし者。 そして、 銀の毛並みに新緑の瞳。たとえその身は歪めども、心に赤き王冠を戴きし者。 それぞれの騎士らの活躍に関しましては、異端如きが語る口を持ちませんとも。 そちらのほうは各々にお任せしつつ、後日呟き鳥にぽつりぽつりと語りかけるとして。 私からはひとつ、手元の胡散臭いフェアリーテイルの中から、獣の話をいたしましょう。 え、真っ白? うふふ、どこぞの島国の武器マニアも、こういった術式を行使していたそうですし。 何の話かさっぱりわからない? いつものことです。 コホン、 人間たちの心の闇より生まれた「それ」は産声もそこそこに、まずは腹ごしらえとして、その森に暮らす狼の群れを襲いました。 彼らの殆どは勇敢に立ち向かいましたが、力の差は歴然。なにしろ、相手は悪い妖精だったのです。 主が動かなくなると、残る者たちは文字通り、尻尾を巻いて逃げ出してしまいました。 そうして森は、悪い妖精の天下となったのです。 …………。 ある日ふらりとやってきたその獣は、我々によく似た姿をしていました。 けれど二本の足で立ち、その巨体の一部にまるで騎士のような、邪魔そうな金属のウロコを身に着けています。 彼は我々と同じ言葉で尋ねます。この森に起きている、災厄の正体を。そのありかを。 居場所はよくわからない。けれど、奴らに大切なものを奪われたのだ。 我々は答えました。 獣は何故だかひどく悲しそうな顔をし、我々を気遣いました。 ……自分のことでもないのに、どうしてそんなふうにできるのでしょう。 そして、ならば自分が取り戻してみせよう、力になろう、と力強い調子で持ちかけてきます。 ……危ない目に遭うかもしれないのに、何故そこまで出来るのでしょう。 そんなおかしな獣に、我々はなんとなく、今は亡き主の面影を見たのでした。 悪い妖精がいなくなって、静かで暮らしやすい森が戻ってきました。 かつての主はもう戻らないけれど、生命とはそういうもの。 新しい主は、今は騎士の砦の中。全てが終わった途端に倒れてしまったのです。 ……今更ながら、今の今まで、主がきちんと休むのを見たことがなかったのだと気付きます。 なので心配でつい、皆で見に来てしまいました。 小さい銀色の騎士に対する反応がかなりおかしかったけれど、どういう関係なのだろう。 そういえば主はこちらの事ばかり気にかけて、自分の事はあまり話してくれませんでした。 おかしいといえば、黒い騎士の目つきは何だかすごく怖かったなぁ……。 あの夜で決着をつけようと主が宣言したのは、黒い騎士の姿を見かけたときでした。 小さくない銀色の騎士に対する森の騎士の態度、いつも見る様子とだいぶ違かったけれど、何者なのでしょう。 本能があの騎士に逆らうなと主張してきます。 色々と気になることはあるけれど、けれど…… あのふわふわした金色の騎士がいるのだから、なんとなくだけれど悪いようにはならない。そう思えます。 砦から出てきた黒い犬が、終わりの開始を告げました。 彼曰く、自分は気の利くイイ男だから空気を読んで下がってやったのだとか。 彼に主との思い出話を聞いてもらいながら、我々はここで、静かに待つことにしたのです。
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