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😶 ケダオペ「少年と絵」【ネタバレ】後編 (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)https://trpgsession.click/comment-detail.php?c=KOKESHIparty&i=KOKESHIparty_172433530981 ↑の【つづき】 その後の話の大筋としては、実はパウロ少年、爆弾の毒で余命幾ばくも無い体になっており、そのまま行けば聖堂の絵を見ながら亡くなる事になります。 紆余曲折を経て聖堂に辿り着いたのですが、最終局面の前に、GMさんから「ここからやりたいことなどありますか?」とすり合わせの時間(間奏)を入れてもらいました。 ……ここめっちゃ迷いました。 が、「打ち合わせなしで、流れでお願いします。」と。 結果かなりGMさんを戸惑わせてしまったと思うのですが、どうしてもそれがこのセッションに必要だなと思ったので。 聖堂前で再びアラクネの襲撃を受けるも、撃退したナニー。しかし、子蜘蛛の一匹がパウロ君を襲います。 庇う疑似餌。駆け寄るパウロ君。我が子の無事を確認して安堵する疑似餌を心配し、その傷口にレースのハンカチを巻いてくれる少年。 何とそのハンカチ、本当のお母さんが夜なべして刺繍を施してくれた思い出の品…!ナニーの超能力によりその残留思念を読み取れたという素敵演出が! 何という美味しすぎるパス…!有難う有難う有難う! その後パウロ少年は、聖堂の下に横たわって念願の天井画を目にします。 疑似餌は隣に、子供を寝付かせるように寄り添います。 命尽きる間際、疑似餌が尋ねます「私の子になって良かった?」 パウロ君の答えは、「勿論だよ。有難う、母さん。」 そして息を引き取ります。 ここで、今回のナニーの動機を。 冒頭の通り、ナニーは今まで自分の疑似餌を人と偽って人間の子供の養母となり、慕う魂を捕食してきました。 しかしこれには二点の限界が存在します。 一つは、子供がナニーの存在について正しく認識しない状態での「愛情」である事。ケダモノである本当のナニーへ向けられた愛とは言い難いのです。 もう一つは、子供と過ごす時間が短期であること。エンギウサギの疑似餌の加齢速度は人間の三倍の時間がかかる(つまり三分の一)との記述があります。長く過ごせばその不自然さは露呈します。そうでなくとも、子供が知恵をつけるほどケダモノの正体を見破るリスクは高まります。長い時間をかけて絆を育む事が難しいのです。 その二点を解決できれば、より自分にとって美味と言える魂が手に入る筈。そう考えたナニーは、取引を持ち掛けることで、「自分を人外と知って尚母と慕う魂が現れるか」を試したのです。 この思惑をパウロ君に勘づかれてしまってはナニーの実験は成立しません。 そして同様に、セッションのロールプレイとしても、パウロ君を演じるGMさんにその事を相談してしまうと、本当に彼が母として受け入れてくれたのか?を見ることができなくなってしまう、というのがPLの考えでした。 結果的に、この後のラストシーンで、パウロ君ともどもGMさんをかなり困惑させてしまって申し訳なかったです。が、その分「本音で紡がれた物語」に辿り着けたと思っています。 疑似餌を心から母と慕って息絶えたその様子を見て、ナニーは判断します。 これはまだ、我が子にしておく事ができると。 多重世界を見渡し、別の可能性を掴み取るオペラ「もうひとつの未来」をここで発動。 GMさんには、「空襲もなく、聖堂も壊れていないハッピーエンド」も提案されて、凄く揺れましたが……やはり、ナニーの目的を遂行することにします。 あくまでこれまでの道行はそのまま、「少年が病に侵されていない、死なない」だけの世界に書き換えます。 この後てっきり食べられると思っていたパウロ君に、家に帰ると言い出すナニー。そのまま町に帰ったのですが、この辺のやり取りは本当に、パウロ君と同時にGMさんも混乱させてしまって申し訳なかったです。 でも、パウロ君には戸惑ってて欲しかったので満足です!(おい) 最終的にナニーは、町に送り届けたパウロ少年の前で、疑似餌を支配する神通力を解きます。 ここは本当にエンギウサギならではでした。遠隔操作であり、支配から切り離しても人として生きることができる疑似餌なのが上手く使えたかと。神通力を解かれた疑似餌はポンコツになりますが、母性本能のままにパウロを可愛がって生きていきます。 その疑似餌をお前にやる。生涯それを母と慕って生きろ。そしてお前が疑似餌に看取られる時にその魂を食いに戻ってくる。 難しい事はパウロ少年には理解できずとも、これだけは伝わったようです。これからも母と一緒に暮らすのだと。 疑似餌……であった女性と少年は抱き合い、ずっと一緒にいると誓い合うのでした。 以下は実際のセッションの締めの文章です。 …それから少し後の事。 ナニーにとっては、ほんの少し後の事。 人の子にとっては、長い年月が過ぎたころ。 とある一人の偉大な画家がその生を全うしました。 彼の晩年を知る人は、こう語ります。 彼はいつも素晴らしい絵を描いていた。 けれど、ひとつだけ不思議なことがあった。 彼の名は世に響き、財を成したにもかかわらず、いつも傍には手際の悪い女中を一人置いているだけだった。 そして自分より若いはずのその女性を、「母さん」と呼んでいた…と。 その画家の最期を看取ったのが、その女中であること、 最期の日に、不思議な獣の影が彼の屋敷を訪れたこと、 そして…その獣の角に、今も、一枚のレースのハンカチが結ばれていることを、人々は知りませんでした。 以上。 改めまして、GMのつぎのさん、素敵なセッションを有難うございました! 所々ネズミっぽい仕草の描写を入れられたのも大変楽しかったです。 戦闘シーンとか楽しかった~。 またやりたい😊
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