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🤔 |ゲームデザイナーが推奨する遊び方| (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼) ゲームデザイナーは、 ルールや世界設定のデザインを通して、 そのゲームがどのようなゲームであるのか、 どのように遊んでもらいたいのか、 プレイヤーに伝えようとしています。 というか、ゲームデザイナーは、 そのゲームのデザインを通してしか、 そのデザイン思想をプレイヤーに 伝えることはできません。 ですから、わたしたちプレイヤーは、 そんなデザイナーのデザイン意図を そのルールや世界設定から、 正しく読み取り解釈しなければなりません。 ・・・ たとえば、ソードワールドTRPGの場合、 戦闘に特化して、効率的に敵を攻略できる、 そんなキャラクターだけが、 ファンタジー系TRPGの主役(PC)で あるべきなのでしょうか? そうではないキャラクターは、 ただ戦闘効率が悪いという理由によって 冒険物語の主役の座から 【排除】されてしまうべきなのでしょうか? そもそも、効率的に戦闘シーンを攻略すること、 シナリオのクエストをクリアすることだけが TRPGの課題なのでしょうか? クエストクリアの効率を下げるような キャラクタービルドを選択することは、 TRPGというゲームに真面目に 取り組んでいないことになるのでしょうか? すべての選択において、 戦闘に勝利し、 クエストを効率的にクリアできる 選択だけをしないといけない義務が、 プレイヤーにあるのでしょうか? TRPGは勝敗を競う競技ゲームではないのに、 そんなガチガチの体育会系みたいな遊び方を すべてのプレイヤーが強要される、 それを拒否すれば真面目ではないと揶揄される、 TRPGってそんなゲームだったのでしょうか? ・・・ もしゲームデザイナーが、 単純に(バトルシミュレーションのような) 戦闘効率を追求するような遊び方のみを デザインコンセプトの核として デザインしているのであれば、 デザイナーは、プレイヤーに キャラクターのビルド上の選択肢を 多くは与えないようにデザインするでしょう。 つまり、最初から、 非効率な(戦闘で弱い)ビルドなんて つくれないようにデザインして、 最適ビルドしか組めないように ルールや設定を絶妙に調整するはずです。 たとえば、明らかに能力値が 他の種族より劣る種族など デザインする必要がありません。 追加するにしてもNPC専用として、 PC用の種族としては採用しないでしょう。 種族の能力値と相性のよくないスキルは、 その種族では修得不可として、 相性のよいスキルのみ修得可 とする設定(ルール)を付加するでしょう。 また、クライマックス戦闘に敗北し、 シナリオクエストをクリアできなかった PCたちには、経験値を一切与えはしないでしょう。 ・・・ しかしながら、 TRPGのデザイナーはあえてそのように デザインしてはいません。 最適にならないビルドが組める選択肢が あえて残るようにデザインしています。 たとえクエストをクリアできなくても、 クリアしたときの半分の経験値は与えるよう デザインしています。 プレイヤーは、 そのゲームデザインの意味を よく考えるべきです。 そのデザインの裏に隠された デザイナーのデザイン意図、 デザイン上の思想・コンセプトを 正しく読み解かなければなりません。 ・・・ なぜ、デザイナーは、 戦闘バトルシミュレーションのような ゲームとしてデザインしなかったのでしょうか? なぜ、他の種族の下位互換のような 種族を追加したのでしょうか? 戦闘では非効率になるであろう ビルドが生まれる余地を なぜ、あえて残すような デザインをしているのでしょうか? なぜクエストに失敗しても 経験点が与えられるのでしょうか? ――― 答えは自明です。 それは冒険物語の主役である プレイヤーキャラクターの 【多様性を認める】ということです。 そしてそんな多様なPCたちが織り成す 【多様な物語(ストーリー展開)】を 支持しているということです。 つまり、戦闘効率を追求した 最適解な最強キャラクターでなくったって、 「冒険物語の主役」として活躍できる 機会を保障するということです。 (活躍できるかはシナリオ次第だとしても) そして、それはまた、 「戦闘弱者だからといって 冒険物語(の主役)から【排除】はしない」 という思想の顕れです。 その冒険物語が、 たとえ望むべき結末に至らなかったとしても、 その【物語のプロセスにも価値を認めている】 ということです。 そして、それは、失敗した冒険譚もまた、 多様な物語の1つであり、 クエストがクリアできなかった 物語にも【存在価値を認める】という デザイナーの思想の顕れです。 ゲームデザイナーは、 そういう寛大なデザイン思想に基づいて、 ルール上、そういうビルドも組めるように デザインしているわけです。 少なくとも、TRPGのデザイナーは、 クエストクリアだけを追求することのみを TRPGの正しい遊び方として、 プレイヤーに求めていないことだけは 明らかです。 なぜなら、それがTRPGだからです。 ・・・ であれば、ルール上、構成可能な ビルドを選択することは、 各プレイヤーの自由裁量なのであって、 少なくとも、他のプレイヤーに 【地雷】呼ばわりされるような 【迷惑行為】ではないはずです。 少なくともゲームデザイナーは、 そのような行為をルールで縛ってはいません。 にもかかわらず、プレイヤーサイドで、 非効率なビルドでセッションに参加する行為を 【地雷】【迷惑行為】【真面目ではない】と卑下して、 他のプレイヤーの裁量権を侵害してまで 【弱者を排除】しようとするのであれば、 それは、そういう選択をしようとする プレイヤー批難であると同時に、 そんな弱いビルドが組めてしまえるルールを デザインしたデザイナーを批難しているのと同じです。 TRPGが生みだす冒険物語の【多様性】を 支持し保障しようとしている デザイナーのデザイン思想に対する冒涜です。 ・・・ 戦闘効率を追求する遊び方を 否定するつもりはありません。 でも、そうでない遊び方を 地雷、 迷惑行為、 真面目ではない、 レベルが低い、 と卑下することは、 ゲームデザイナーのデザイン思想に 反していることは明らかです。 ですから、 デザイナーのデザイン思想に反する遊び方を、 デザイナーのデザイン思想に共感して 真面目に楽しく遊ぼうとしている 同卓の他のプレイヤー達に 一方的に押しつけようとしたり、 デザイナーのデザイン思想に反する思想を、 さもそのゲームの正しい遊び方であるかのように 新規入門者に刷り込み洗脳しようとしたりすることは、 果たして正義なのでしょうか? ・・・ もちろん、 ゲームデザイナーの デザイン思想だけが 正義だとはいいません。 いったんリリースされたゲームを 購入したプレイヤーがどのように遊ぼうと それはプレイヤーの自由です。 ただ、その偏った遊び方によって、 TRPGに内在している 多様な物語をうみだす機能が 損なわれるのであれば、 TRPGというゲームだけがもつ 多様な物語をうみだす機能の故に、 TRPGを真面目に楽しもうとしている 多くのプレイヤーたちの楽しみが 奪われてしまうのであれば、 TRPGがもつ真の楽しさの可能性を 自ら狭めてしまっていてもったいな、 って、わたしは思います。 ・・・
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