カワウソさんの日記 「クトゥルフ神話TRPGの話」

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カワウソ
カワウソ日記
2019/08/20 15:44[web全体で公開]
😶 クトゥルフ神話TRPGの話
知り合い「すみません、TRPGのルールブックを探してるんですが、どの辺りに置いてありますか?」
本屋店員「クトゥルフ神話TRPGですか?」
知り合い「ダブルクロスですね」
本屋店員「クトゥルフ神話TRPG以外は置いてないですね・・・」

これが現実。TRPGブームっていうけど、実はCoCブームであってTRPGブームではないのですよね・・・このオンセンでも、絶対的にCoCの卓が多いですし、ちょっとよそ見に行ったら「私がGMできる卓」というところに、システム名でなくて、CoCのシナリオ名が並んでいるような人もいますし。ということでちょっとCoCの話をします。

■目次
1:CoCの歴史と生まれ
2:長くTRPGを遊んできた人から見るCoC
3:何故今CoCブームなのか?
4:次に何をすると楽しいか

■1:CoCの歴史と生まれ
クトゥルフ神話とは、所謂当時の「なろう小説家」であったハワード・フィリップス・ラヴクラフトが、当時のSNSのようなところで「俺の考えた世界設定面白いぜw」とアピールした結果、大勢が「いいね!俺もその世界観で小説書いていい?」という反応を示し、結果的に大勢が世界観や作中キーワードを共有して構築していった1つのキャンペーンです。クトゥルフ神話TRPGとは、所謂「このすばTRPG」「艦これTRPG」「ガンダムTRPG」のように、流行った版権作品をゲームにした版権モノなのです。しかし、昨今のこういったメディアミックスとは違い、CoCを作ったのはTRPGを遊ぶ人側ではなく、クトゥルフ神話を愛好する人側でした。当時流行っていたTRPGの始祖であるD&Dや、ゲームブックという概念を知り、クトゥルフ神話をゲームで遊ぶと面白くね?という形で作られたのです。その結果、歯に衣着せずに言うと、ゲームシステムとして幼稚なシステムになり、分厚いルールブックはクトゥルフ神話の世界観と解説することに費やされ、ゲームシステムパートはほんの10ページくらいしかないという、コスパの悪いルールブックが出来上がってしまったのです。

■2:長くTRPGを遊んできた人から見るCoC
当時ガープスあたりのシステマチックに完成されたTRPGを遊んでいた私達にとって、CoCは「イロモノ」でした。当時でいえばパラノイアのようなものであり、近年であれば原始人体験TRPGウンババ、メガネフェチTRPGメガネリオンのようなものです。CoCをはじめて遊んだ時、「とてもおもしろくないな!」と感じましたが、その雑なゲームバランスが逆に新鮮で「そうか、これはいかに美味しく死ぬか、という大喜利を楽しむゲームなんだ!」という形で理解しました。少なくとも、ホラー世界を真面目に体験しよう、シナリオをクリアしよう、という目的意識はまるでありませんでした。

■3:何故今CoCブームなのか?
もちろん、動画サイトの影響が主なのですが、それ以上が「無料で遊べるから」でしょう。動画を見ればルールが理解できて、キャラクターメイキングもできてしまう。システムの簡易さ(悪い言い方をすれば幼稚さ)が逆に功を奏したのです。その上で、もともとTRPGというのは面白い遊びです。データのやり取りもそうですが、仮想のキャラクターを演じる、というのがやはり根幹であり魅力であり、所謂インターネット黎明期に流行った「なりきりチャット」のようなものが、ある程度のゲームとして楽しめる。それがCoCの魅力であり、流行の根源だと思います。そんな中で、ルルブ転載の問題が出て、「なんでタダでできるのにお金を払わないといけないの?」という意見が出るようになったのですが、これは正直なところ、ルルブを買ってみたらそれがあまりにもコスパの悪い求めていたものと違うクソルルブで、「こんなの買う必要ないよ、俺が転載するからそれで遊べるよ!」という失望から生まれた善意によって生まれた問題だと私は思います。

■4:次に何をすると楽しいか
CoC以外のシステムを体験することです。散々言っていますが、CoCはシステムとしての完成度が低く、ゲームとして面白くないのです。そして、そのルルブを「やっぱ買わないとダメか・・・」という強迫観念で買っても十中八九後悔します。そこで、CoC以外のシステムを遊び、TRPGのよりゲーム的な面白さを知り、その上でルールブックを買いましょう!オススメとしましては、CoCに雰囲気の近いホラー物でかつルールが比較的わかりやすい「インセイン」か、プレイヤーVSプレイヤーによる駆け引きバトルがわかりやすいルールで楽しめる「シノビガミ」がオススメです。CoCのルルブは5000円程度ですが、インセインもシノビガミも1500円程度。しかもリプレイ付きという極めてコスパの高いルルブです!

ということで。あなたが遊んでいるのはTRPGではなくCoCなのです。せっかくなので、TRPGを体験しましょう!

以下オススメシステムを5つ星評価。評価基準は「わかりやすさ」「ゲームとしての面白さ」「卓が立つ頻度」「ルルブの安さ」「追加ルルブの少なさ」などです。詳しく教えて!という人はリプをください!

・★★★★★
ダブルクロス3rd
シノビガミ
インセイン
ステラナイツ

・★★★★☆
迷宮キングダム
カオスフレア
ビギニングアイドル
ネクロニカ
サタスペ
このすばTRPG
ゴブリンスレイヤーTRPG

・★★★☆☆
ダンジョン&ドラゴンズ
アリアンロッド2E
メタリックガーディアンSRS
ビーストバインドトリニティ
キルデスビジネス

・★★☆☆☆
ソードワールド2.5
艦これTRPG
パラノイア
ナイトウィザード3rd

・★☆☆☆☆
今名前を上げなかったシステム

■追記
CoCはシステムとして今ひとつなことは事実ですが、TRPGの卓の面白さを定義するのはGMと同卓PLです!良いシステムでも悪いプレイヤーだと面白くありませんし、逆もしかりです。CoCの面白い卓はたくさんありますよ!
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レスポンス

蝉丸
蝉丸カワウソ
2019/08/20 16:30[web全体で公開]
> 日記:クトゥルフ神話TRPGの話
>■3:何故今CoCブームなのか?

個人的には馴染みが有るようで馴染みの無いけど面白い、
と言うクトゥルフ神話の題材も大きい気がしますね。
サンダーソード
サンダーソードカワウソ
2019/08/20 16:19[web全体で公開]
> 日記:クトゥルフ神話TRPGの話
クトゥルフ神話TRPGが流行った理由の一つに、ローファンタジー(少なくともキャラメイク時点では)であることが挙げられると私は思います。つまり、どんな人間がどういう性格でどういう職業でどうやって過ごしてきたか……という設定がPL視点の地続きで考えやすい。演じるための敷居が低いということです。極端な話、自分そのままのキャラクターを作って神話的事象に巻き込まれることも出来るわけですし。基本ルールブック基準の1920年代シナリオよりも現代日本シナリオが圧倒的に多いのもそれを裏付けているのではないでしょうか。

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