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😶 ベースシステムのお話(第二回) ご機嫌よう。 主に海外インディーズ/ナラティブ界隈で使われているようなシステムを主に判定の面から紹介する会、先日の続きに参りましょう。 ■ Lost & Found (L&F) キャラクターではなく特定の物に秘められた物語に焦点を当てたシステムで、PC という概念もありません。物は製作者に作られ、利用者に使われ、特性を記述し、その見た目を実際に描き、プロンプトに答える形で詳細を描き、変化し、最後に破壊されます。 L&F には判定はなく、ステータス等もありません。 基本的に GM なしシナリオなしで遊びます。 ■ Caltrop System (まきびし) 振る機会の少ない d4 をフィーチャーしたシステムで、1〜数個のステータスまたはリソースがあり、ステータスの値の数、もしくはリソース消費に応じた数の d4 を振って最大値を採用します。 - 1:大失敗。物事が悪化しリソースを失います - 2:失敗 - 3 :部分的な成功。代償を伴うか中途半端な成功 - 4:成功 ■ Emerge8 こちらは d8 をフィーチャーしたシステムで、複数のステータスがあり、その値(または組み合わせの合計)の数だけ d8 を振って難易度以上の出目の数を数えます。 - 0:失敗 - 1:代償を伴う成功 - 2:成功 - 3以上:クリティカル ■ Beeathless 複数のステータスがあり、そのステータスに応じたダイス(d4〜d12)を振って判定します。判定するたびにそのステータスのダイスは一段階悪化します。判定結果は以下のようになります。 - 1〜2:失敗 - 3〜4:代償を伴う成功 - 5以上:成功。出目が高いほど成功度合いも高い スタント(離れ業や特殊能力)があり、スタントを使用した判定は d12 になります。ですがスタントは一度使うと「一息つく」まで再使用できません。つまり次から次へと物事が起こり、判定はどんどん難しくなっていき、一度だけ逆転技が使えるというような状況の表現に特化しています。 基本的に GM ありで、PbtA と同様に特定の物語的状況に特化していて、システムによってシナリオがなかったり、その状況に合わせたシナリオを用意して遊びます。 ■ Charge SRD FitD の派生で、基本的な判定方法は同じ(指定された数の d6 を振って最も大きな出目を採用する)です。加えて、FitD の結果に加えて、上位二つの出目が共に6の場合はクリティカルとなります。 また、判定に成功するたびに「勢い」を得て、これを消費することで判定のダイスを増やすことができます。「勢い」を「チャージ」する、つまりそういうことですね(「勢い」にはその他の使い方もあります)。 Charge SRD 自体軽量ですが、さらに軽量化した派生版 Dash もございます。このエントリで記載した判定の基本は同じです。 ■ Firelights Creator Kit カードをシャッフルして2枚を引き、2d6 + 修正値と比較します。結果は以下のようになります。 - 合計が両方のカードの数字以上なら成功 - 合計が一方のカードの数字以上なら部分成功 - 合計が両方のカードよりも小さければ失敗(行動によって特殊な効果がつく場合があります) また、Firelights は判定以外でもカードを使用します。例えば探索のために引いたカードは世界の一部となります(数字によって接続方向の指示があります)。そうして世界を広げながら旅をして目的を達成するというテイストになります。 PbtA のようなプロンプトはありませんが、デザインが世界=物語のあり方を記述する形式になり、基本的に GM やシナリオはなしで遊びます。 ■ Songs and Sages Creator Kit D&D のセービングスローのような、ステータス(STR、DEX、WILL、HEART の四種類)の修正値 + D20 で目標値に対して判定するシステムです。ステータスの修正値はトランプを引いてスートで決まります。目標値は基本12ですが、シーンの危険度に応じた数のカードを引いてスペードかクラブの枚数の二倍だけ難易度が上昇します。目標値以上の出目で成功となります。 PC は判定に成功するとカードを一枚得て、必要な時にリソースとして消費することができます(例えば、判定に +2 の修正を得ることができます)。 ■ Push SRD 判定するのはその成否が物語を左右するようなことで、判定は一種の「賭け」です。判定のあるすべての TRPG において確率に委ねる=賭けということができるでしょうが、Push はその要素が強くあるというか二段階になっています。ステータスの類はなく、修正値などもなく、1d6 の出目によって以下のようになります。 - 4以下:代償を伴う成功。1d6 を振り足しても良い - 5〜6:成功 - 7以上:失敗。望んでいなかった(たいていは良くないこと)が起こる つまり、代償なしの成功にしたかったらダイスを振り足さなければならず、振り足すと失敗の可能性があるという仕組みです。 通常の TRPG であれば GM にするような設定やルールや物語の真相に関する質問も、同様に判定で結果を決めます。というか Push SRD はキャラクターの特徴からクエストの内容、個々のチャレンジに至るまでダイスで決定する仕組みで、基本的に GM なしシナリオなしで遊びます。 ■ 24XX SRD 基本は d6 で、スキルがあればより良いダイスを使用できます。スキルの評価は成長で d8 → d10 → d12 と上昇します。怪我していたり不利な状況では d4 になります。判定結果は Breathless と同様に以下のようになりますが、判定によってステータスが変化することはありません。 - 1〜2:失敗 - 3〜4:代償を伴う成功 - 5以上:成功。出目が高いほど成功度合いも高い ■ Mark of the Odd ステータスは STR、DEX、WIL の3つがあり、それぞれ 3d6 で決めます。判定は危険を回避する場合のみ行い、 d20 で 判定に使うステータスの値以下が出れば成功です。この際 1 の出目は常に成功、20 は常に失敗となります。 さて。この会は二回で終わるはずだったのですが、まだいくつか残っておりまして、次回に続くのですわ(もういいかげんダイスの振り方のお話はお腹いっぱいかしら?)。なお、d4 や d8 をフィーチャーしたシステムがあるように、d12 をフィーチャーしたシステムもあるようなのですが、今回は紹介するほどの情報を得られませんでしたの。
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