マスターさんの日記 「たった一つの冴えたやり方」

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マスター
マスター日記
2023/08/12 01:23[web全体で公開]
😶 たった一つの冴えたやり方
 ってSF小説があるんですが。自分、この小説を読んだ記憶があるのですが、内容をさっぱり覚えていません。この本を初めて手に取ったシチュエーションさえも覚えているので、買って読んだ、と言う事実があるにも関わらず、登場人物や物語をかけらも覚えていないのです。
 何故だ!?

 なんで唐突にこんな書き出しをしたかって言うと、自分のTRPGプレイヤーとしての性質を考えた時に「たった一つの冴えたやり方」がキーワードとして挙げられるんですよね。

 皆も好きだろう? 絶体絶命の危機に陥った時、プレイヤーの閃きによって状況が打破される瞬間。シナリオには書かれていない解決法によってすべてが綺麗に収まり大団円を迎える瞬間。
 僕がTRPGをやっているのはひとえにそういう瞬間が大好きだから、なんですよね。

 なのでノッテる時(キレテる時?)のマスターさんがプレイヤーとしてセッションに参加すると、死亡するはずだったNPCが生き残ったり、対立要素が解消されてクライマックス戦闘が無くなったり……します。
 いや、毎回の話じゃあないからね。レアケースが発生しやすいって事だよ?

 おそらくFEARゲーが大好きなマスターさんは

「世界を救うか、それともヒロインを救うのか? バカ野郎! どっちも救うんだよ!!」

 って思想が魂レベルで刷り込まれているためだと思われます。
 「とりあえず」無理かも知れないけど考えてみる。がクセになってるんでしょうね。
 あと、思いついたアイデアは「とりあえず」卓に提案してみる。も、習慣になっているのもあるのかと。

 この時、重要なのは「卓全体で相談する」事だと思います。どんな良いアイデアだとしても、GMや他のPLが納得していないのは駄目です。それはただの独り善がりなので、そもそもそのアイデアは通りません。
 自分のこのアイデアが通った時にはこんな未来があるんだけど、採用は可能ですか? また、シナリオとはこんな矛盾が発生しそうなんだけど、GM的には問題ないですか? その矛盾を解決できるアイデアがあれば助けて欲しいな。

 「たった一つの冴えたやり方」はあくまで提案です。なので、それは自分だけのアイデアではなく、卓全体が共有するべきものです。
 それが参加者全員で共有された時に、初めてそれはシナリオに書かれていないもう一つの未来になり得ます。

 セッションは一人ではできません。だからこそ、卓全体を巻き込んじゃいましょう。



 さて。
 ここまでは障りの良い言葉を書き連ねてきましたが、当然、障りの良い言葉には裏があります。

 「たった一つの冴えたやり方」を実際に行った場合、それは大概シナリオに書いてあることを逸脱します。
 シナリオって言うのは有体に言えば「線路」。この線路に沿って進んでいけば駅(シナリオクリア)に着きますよ、という保障です。その線路から脱線してまで違う到達点に着こうと言う訳ですから、シナリオが担保している「面白さ」を捨てる行為です。
 では、その「面白さ」は誰が替わりに担保してくれるの?
 それは提案者である自分であり、それに乗っかった卓全体です。

 ちゃんと自分たちで卓を盛り上げる事!!

 もっと言うならGMに頼るな! テメーが提案したんだから責任もってテメーが盛り上げろ!! って事っスね。

 シナリオを逸脱して面白くないセッションをする、なんて事態になるくらいなら素直にシナリオのレールに乗っかりなさいwww
 いわゆるルーニープレイヤーが嫌われるのは、適当な発言をぶっ放すだけぶっ放して責任を持たない点にあります。(ウケを狙ってシナリオの世界観を壊すような発言をして、そのまま放置するルーニー……見た事あるでしょ?)



 で、実際の話。
 シナリオのもう一つの未来を提案したい場合、ベースがないとそんな提案自体が出来ない訳ですよ。
 もう一つの未来を描く力を養うにはどうするのか。

1、創作物に触れる
 たくさんの創作物に触れましょう。無から有を創り出すのは不可能です。色々な物語の派生をインプットする事がアウトプットするための第一歩です。TRPGばっかりやっててもTRPGは上手になりません!(笑)

2、シナリオに触れる
 シナリオを読もう。シナリオを読む事でシステム(クトゥルフとか、ソードワールドとか)が求めているシナリオの基本が掴めます。基本を熟知する事で、基本から外れる提案が出来るのです。これを軽視してはいけない。

3、GMをやる
 まあ、せっかくシナリオ読んだんだからついでにGMやろうぜぇ。(笑)
 GMをやる事によって自動的にシナリオも読み込む事になります。読み込んでいくと、シナリオの「if」も思い浮かぶものです。その「if」こそが、シナリオからの逸脱になっていくわけですね。

4、シナリオを書く
 シナリオを書く作業ってのは「いろいろ起こり得る未来を削って、一つの結末にもっていく」作業でもあります。一応自分が「これが一番良い」と思って書く結末ですが、参加したプレイヤーが必ずしもそう思うとは限りません。それが高じて「たった一つの冴えたやり方」が提案されれば、ある意味そのセッションは成功と言えるでしょう。

 1~4を見て貰えれば分かるように大事なのは「インプットとアウトプット」。自分が取り入れたモノを出力する行為に「慣れる」必要があります。
 どれだけ良いものを自分の中に蓄えても、それを表現する力が無いとダメですし、表現する力があっても、そもそもアイデアが無ければ役に立ちません。

 良いものを取り込み、それを人に伝える。

 まったくもってTRPGと言うゲームの基本、「コミュニケーション」が詰まった結論じゃないですか!(話の切り処を見失ったので強引に終わらせる)
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レスポンス

Undo
Undoマスター
2023/08/12 06:15[web全体で公開]
> 日記:たった一つの冴えたやり方
失礼します。
つい最近、その小説の新しく刷られた新品を書店で見かけたので、ちょうど買って読んだところです。
この日記の内容にはとても同意するのですが、小説の方の「たったひとつの冴えたやりかた」の方は種族にとっての最悪の事態を回避するために少女が感情を理性で抑え込んで自身に降りかかった理不尽な運命を受け入れるという、別の有名SF小説の「冷たい方程式」と似た内容になっているんですよね……。
この日記と同様に、小説とは真逆のバッドエンド回避成功といった瞬間の決め台詞としての使われ方をよく目にするので、凄く驚きました。
Kei
Keiマスター
2023/08/12 01:57[web全体で公開]
> 日記:たった一つの冴えたやり方
「局長(近藤功司氏)がこの本を手にシクシク泣いてた」
もう本誌が手元にないので記憶を頼りに書きますが、確かもう当時は摩由璃の本棚の連載が終わっていて、こういった記事を頼りに本を買っていたのですわ(遠い目。わたくしは何回も読んだので内容もバッチリ覚えていますわ☆

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