愛善院さんの日記 「ベクトル&ビクトリアス」

愛善院さんの日記を全て見る

愛善院
愛善院日記
2020/07/31 07:54[web全体で公開]
😆 ベクトル&ビクトリアス
ある方向に力の作用が加えられる。

これが、すべてのはじまりだった。



そういえば、
お若いかたがたには、
おはじき、ビー玉、ベーゴマなどという遊びは
なかなか体験しないものなのやもしれず。

ジェネレーションギャップの激しい私は
じゃっかんゲートボールに傾くが
ビリヤードが流行ったのは私より少し若い世代か。

それら古くさいかもしれない遊びを幻視しながら
TRPGというものを見つめてみようと思う。


ゲームをゲームたらしめる要素とは何か?

複数の答えがあるはずだが、
そのなかでも今回は
「主体的に力を加えて
利害の関係性を有利にしようとする者がいること」
だけを特に注目する。

前提的にまず
家庭用コンピューターゲーム、
特に20世紀までの自己没入型のRPG……
言い換えれば「ひとりプレイRPG」
から考えていこう。

ゲームの上の利害の関係性は、一方通行に近い。

さあ、ここにゴールを用意した!
より良く、
より楽しく、
より充実して、
ゴールを目指してくれたまえ!

プレイヤーは、
プログラミングされたそのルートから
大きく離れて有利になろうとすることはあまりないし
大雑把な話ならば、それこそが面白いのが
これらのゲームの特徴でもある。

ただ、これが次の世代に引き継がれると
いわゆる「課金問題」へと発展していく。
軸違いの相関ベクトルが存在していくものだが、

さあ、ここにゴールを用意した!
より良く、
より楽しく、
より充実させて
ゴールを目指そうと思うならば
金銭がそれを可能にしてくれるよ!

有利になる方法に
違う軸が加わったことによって
そのプレイヤーたち、そのなかでも
「ひとりプレイRPG」にのめり込んだ人々は特に
さまざまな賛否両論を展開させた。

端的なポイントとしては、
ゴールするために有利にする手段であったものが

いつの間にか手段がゴールになってしまっていた
という、
新たな軸ベクトルに引っ張られていった人々が
少なからずいた、というところであろう。

ここ近年(5年くらい?)は、
そうした「課金ゲーム」のクオリティが
大きく下がっているらしいとの指摘もある。


さて、TRPGに話を戻すと。
さらに、私のシナリオのパターンにまで話をとばすと、

そもそも
「ゴールすら設定していない」ものすらある。

いや、まっとうなシナリオであれば
ゴールは作るべきものではあるのだが、

ゴールがあるにせよ、ないにせよ

どちらにしても
PLPCが、何をしたがるか、何をしようとするか
に、シナリオを極めて依存させる。

これは
「ひとりプレイRPG」では
あんまりできない。
(逆に、PLが何をしようとするかを、
極めて緻密に組み込んでほぼ一本道にする)

TRPGならば、そこが、ゆるい。
さらに複数の人間がいるので
目指そうとしている
(PLが見えている)ゴールすら
てんでバラバラであることもある。

このあたりを
どう決着をつけさせるか。
これこそが、物語であり、
ストーリーでもあると思うのだ。

(ただし、
極めてPLとGMの力量を問うので
展開テンポが重くなりがちになることもしばしば)



一石をとうじる。
ある方向に力が加えられる。


そこから、
おはじきの群れが、おはじきの個々が
どの方向に行こうとするか。

そのためにGMはどんなことができるか? 

すべてのはじまりは
これでしかないと考える。


とある初心者講習セッションのログに
このような言葉があった。

「GMは敵ではない
一緒にストーリーを作るうえでは仲間だ」


賛同したうえで
そういう仲間がひとりでも多くなるよう、また、
そういうセッションがひとつでも多くなるよう
願ってやまない。
いいね! いいね!13

レスポンス

みさか
みさか愛善院
2020/07/31 14:03[web全体で公開]
> 日記:ベクトル&ビクトリアス

まだまだ卓を囲んだ回数が少ないので
知った風な事は言えないのですが

TRPGはJazzに近いな、とよく思います。

16小節や32小節くらいのメロディとコード表記だけの
適当な手書きスコアを渡されて
そこから10分位の即興演奏を行うわけですが

楽譜通りからいかに外れるかを競うかのように
でもコード進行の流れだけは決して外れないように
各パートの見せ場(アドリブ)もつくって
一度使ったパターンの反復は可能な限り避けて
その場その時だけの、二度とは再現出来ない
旋律を紡ぎ出すことに心を傾ける

そんな所が似ている、と。

きっとゴールに辿り着く事が目的なのではなく
多様なベクトルが分離合成されるさま
「現象している」こと自体に
意味があるのかも知れませんね。


コメントを書く

※投稿するにはログインが必要です。