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😶 マズローの五段階欲求とプレイスタイルの齟齬 まえおき これは特定のプレイスタイルの優劣について書いたものではない。 ある遊び方に触れて違和感を覚えたときの原因について解き明かし、自分の出来る範囲で楽しく遊ぶために必要な方法を考えたものなので、気負うことなく読んでほしい。 人間の欲求にどんな種類があるかを考えるとき、マズローの五段階欲求というものがある。 大まかに言えば、以下の五段階の欲求あり、一番下から順に満たしていくことになる、というものだ。 五段階・自己実現欲求:自分の世界観・人生観に基づいて、「あるべき自分」になりたいと願う欲求 四段階・承認(尊重)欲求:他者から尊敬されたい、認められたいと願う欲求 三段階・社会的欲求:友人や家族、ギルドから受け入れられたい欲求 二段階・安全欲求:安心・安全な暮らしへの欲求 一段階・生理的欲求:「食欲」「睡眠欲」等、生命の維持に必要な欲求 これらの欲求のうち、社会的欲求・承認欲求・自己実現欲求を満たすことは、キャラクターが冒険者などの特定の立場についた目的として、もしくはキャラクターがそのシナリオに関わる動機とするために、主にプレイヤー側で利用される。 一方、安全欲求を満たすことはゲームマスター側がシナリオに設定する目的としてしばしば利用する。 安全欲求をシナリオの目的として設定した代表例は、いわゆる単発の脱出系クローズドシナリオだ。 安全欲求をシナリオの目的として設定することには、ある長所がある。 それは、それぞれのキャラクターが抱えている設定に関係なく、最終的に安全を手に入れるという共通の目的のために皆で解決を図る、という遊び方ができることだ。 実際、この類のシナリオは進行上容認できるキャラクターの受け皿が広く(生きたいと思って行動すればそれで良い)、様々なキャラクターで遊ぶことができる。 ただし、これらは裏を返せば短所にもなる。 五段階欲求の特徴として、より低い段階の欲求を満たして初めて次の欲求が生まれる、というものがある。 言い換えれば、より段階の低い欲求が満たせなければ、それを満たすための行動を何よりも優先するということになる。 キャラクターの受け皿が広い理由はここで、つまりこのシナリオは環境の変化をきっかけとして、キャラクターの欲求段階を無理やり安全欲求まで引き下げているのだ。 受け皿が広いということは、ゲームマスター視点の話であって、プレイヤー視点で遊ぶこととは事情が異なる。 そして、さきほど挙げた短所は、このプレイヤーのうち、特にキャラクター性を重視するタイプの人に出る。 そのプレイヤーがこのタイプのシナリオにあたってしまった場合、プレイヤーのするつもりだった遊び方がシナリオの想定する遊び方と全く異なり、それどころかシナリオの想定する遊び方に否応なしに上書きされてしまう。 こうなると、参加者が遊ぶためのシナリオが、その役割からずれることになってしまう。 想定した遊び方が噛み合わないと、せっかく作った設定もその場で生かしきれずに苦しい想いをするだろう。 対策はシンプルで、その遊び方に合ったキャラクターを用意するか、そもそもその手のシナリオを避けることが望ましい。 ただし、それが実現できるかは別問題なので、参考程度にとどめておいてほしい。
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