トンネルズ＆トロールズ 完全版 死の女神の口づけ

	1. ポール・ブリッツ
	2021/02/08 17:36

「死の女神のくちづけ」は長大なシナリオではあるが、難解なものではない。「長大」さの大半も、キャラクターを鍛える過程であり、そのプレイはほとんどルーチンワークというか「作業」である。経験値1万点が入るイベントがあったり、能力値が数倍～数十倍に膨れ上がるイベントがあったり、Ｔ＆Ｔでなければ許されないようなキャラクターの促成栽培を楽しめる。それでも、１レベルのキャラクターから初めて、エンディングを見るまではリアルの食事とトイレを入れて９時間かかったので、根気は必要だ。完全版のルールで、最低でも３０レベル程度のキャラクターでないと結末にはたどり着けないだろう。

「バッファロー・キャッスル」はそれと正反対で、作りたての１レベル戦士を最初に放り込むのにぴったりのダンジョン。正確な地図が書けるし、イベントもバラエティに富んでいて面白い。敵も１レベル戦士が普通に戦って普通に勝てる相手が多い。新たにバックグラウンドストーリーもついたので、旧ウォーロック誌に掲載されたバージョンしかやったことがない人もプレイするべきである。個人的には、「モンスター・コンペンディウム」には、多人数用シナリオではなくてこっちを併録すべきだったのではないか、と思えてならない。

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