Nサブさんの日記 「「歯車の塔の探空士」リプレイ」

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2021/05/02 09:29[web全体で公開]
😶 「歯車の塔の探空士」リプレイ
まだ始まってない、スカイノーツのリプレイです(大嘘)

※
 それは、なにもかもが古めかしい船だった。
 ヴィクトリア・シティは、すべての大地が雲海の下に沈み、かつての世界の唯一の名残りである「歯車の塔」に築かれている。黒煙が覆う産業の塔、世界の中心だ。常にどこからか歯車のきしむ音が聞こえ、内部、とりわけ下層へ進めば進むほど、陽の差さない薄暗闇だ。
 探空士の区分けをするならば、三流から二流までのちょうど半ば、というぐらいの、明かりの乏しい場所だった。
 その発着場の片隅で、ひっそりと羽を休めるその船は、彼女、レイス・サンズリバーの遠い故国、アキツシマを思わせる独特の雰囲気があった。遊びの少ない、飢えた狼の如き輪郭である。
 彼女には操舵手としての腕があった。
 そして、彼女にはメシの種が必要だったのである。

「す……すす、すいません~……。
 ぼ、人を集めてる、って聞いてぇ~……」
 自分でもびっくりするぐらい情けなく声音が震えた。いやいや、働き口を探しに来て、緊張しない方がむりってもんじゃない……! というような言い訳を、喉の奥でもごもご呟いて、そしてそこで息をのんだ。
 船の中にはごちゃごちゃと乱雑なガラクタが(この言い方はどうかとも思うのだが、どう見てもそれはゴミか何かにしか見えなかった)秋の落ち葉のように山と積まれていた。狸のシガラ=ヤキとか、腕ほどもある煙管だとか(なぜか花が活けられていた)。
 それらの中に埋没するようにして、まるで人形のように白い少女が、瞬きもせずにじっとレイス・サンズリバーを見つめてきていた。
 これほど近くで見つめているのに、彼女はまったく呼吸をしている様子がなかった。

「……じぃ」
「え、ええと……あの、そ、操縦手を……」
「……じろじろ」
「あ、えっと……す、すいません……」
 それは驚くほど精気に欠けた視線だった。年月を経た木の精が言葉を得たような、大理石を彫り込んでそこに目と鼻と口とを形作ったようなものだった。
 ぐいぐいと無言のまま、鼻先がくっつきそうなほどの距離で見つめられて、
「あ、あぅぅ……そ、そんな目で見ないでください……す、すいません……」
 レイスは溶けたバターみたいにへにょへにょになった。

 その手の気まずい沈黙を破ったのは、声変わり前の子供特有の、中世的な、あの甘ったるい響きだった。
「うあー! 誰だよ、こんなバカみたいに固く瓶閉めたの! ガラテア、ちょっとこれ開けて!」
 バタン、バタンと勢いよく扉が開け放たれて、顔を突き出したのは、天使のように愛らしい少女だった。
 レイスは、知らず知らず一歩二歩、後ずさった。それほどまでに、その少女の美と清純と繊細は美しく、まばゆかったのだ(内気なレイスは、誰にでも後ずさっていると言われれば、そうなのだが)。
 乱入者はずかずかと歩いてくると、機械のような少女に何かを投げ渡した。その、苛立たしげに尖らせた唇でさえ、彼女の愛らしさを少しも損ねてはいなかった。

「……で、アンタ、誰? こっちは見ての通り、今忙しーんだけど」
 じろっと横目で睨まれるが、生憎ちっとも迫力はない。可愛い花柄のエプロンをつけていて、怖がる方が無理があった。
「……あ、仕事のヒト? なーんだ、早く言ってよ~。
 アタシはスピカ。船長次第だけど、もしかしたら、これから一緒に働くかもね。ま、ひとつよろしく」
 快活に笑ってそう言うと、堂の入った仕草で、ぐいっとあごをしゃくった。
「んじゃ、ガラテア。船長叩き起こしてきな。どーせまた、酒飲んでひっくり返ってるんでしょ。あ、蓋開いた?」
「オーダー完了。機関出力、8%ほど上昇しました。“ちょっと固かった”、です」
「ん。ごくろー。アンタも、ガンバってね~」
 スピカはぎゅっと片目をつぶってそういうと、また忙しなく立ち去った。鍋を火にかけてる最中らしい。どうりで、先ほどからエキゾチックな香りがするはずだ、と思った。
「……オーダー受理。マスターの起床を促します。
 なお、状況は緊急性の高いものと鑑み、優先度を“生死を問わず”に変更します」
 ガラテアと呼ばれた彼女は、ぐらぐらと煮え立つお湯を如雨露に注ぎ込むと、船の奥へと消えていった……。

僕(そんな連中が大暴れするスカイノーツ、5/2、21:00よりいよいよ冒険開始!)
 (まだ何もわかんないから上記リプレイは正しくない可能性が高いです)
 ( ˘⊖˘).。oO ……バカじゃねえ!?(嘲笑)
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