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😢 後日談:「庭師は何を口遊む」 (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)霊竜さんの日記を見て後日談を書きたい欲があふれてきて突発的に始めました。 この日記はCoCシナリオ「庭師は何を口遊む」のネタバレがあります。 まだプレイされていない方は読むことをお勧めしません。 PC2『嵐山 凪人』のその後。 空だった彼女の墓にようやく遺骨が納められる。 その光景を見て父さんと母さんは泣きじゃくっていた。 2人はとっくの昔に諦めていた。 10年前には妹の墓が立て、彼女のことを過去にしようとした。 このまま期待し続けるのも辛いから、それになによりも僕に未来を歩んでほしいから。 そんなことわかっていた。分かっていても、諦められなかった。 諦めようと思っても、彼女が連れされられるときに何もできなかった無力感と罪悪感が僕の心を焼き続ける。 妹が生きているわけがないと頭で分かっていても、彼女を探すのを止める権利は僕にはなかったんだ。 あるべきものがあるべき場所へと収められて土がかけられる。 それを見ていても僕の目には涙が浮かばない。 むしろ、もう彼女を探さなくていいという安心感が胸にわいてくる。そんな自分の気持ちが嫌で手をきつく握りしめた。 これは3年前の一番つらい時にマインドコントロールされたせいだろうか。 そんな思考に陥って、考えを止めた。 的場は言っていた。 庭師など罪を押し付けたい僕たちが作り出した偶像に過ぎないと。 3年を通して自分の身勝手さを知ったというのに今また同じことをしようとするなんて、全く成長がみられない。 口元に手をやってみると自嘲の笑みが浮かんでいた。 結局葬式では涙を流すことがなかった。 さめざめと泣き続ける母をなぐさめるようと声をかけると、僕の顔を見てまた悲しそうな顔をした。 父親と母親を実家に送って、自分の部屋に戻るとただひたすらぼーっとしていた。 何だっていうんだ。どうしろっていうんだ。 妹が死んで悲しいはずなのにそんな気持ちがこれっぽっちも沸き上がらない。自分がひどく薄情に感じられる。 何もする気が起きなくてただただ、沈んでいく太陽を見つめていた。 懐かしい夢を見た。 僕も妹も小学生になってかくれんぼをしている夢だ。 僕が鬼になって妹を探しているけど中々見つからない。 ずっとずっとずっと探していてようやく、木の上に隠れている妹を見つけた。 「見つけてくれてありがとう」 妹は見つかったくせにどこか嬉しそうで僕に抱き着いてきた。 それを不思議に感じながらも抱きしめ返した。 不意に目が覚めた。 外はもう真っ暗だった。 葬式から帰ってきて、着替えることもしていなかったからスーツにしわが付いてしまうかもしれない。 洗おうかと思ってポケットのものを出すと自分のデスクの棚に入っていた妹の顔写真があった。 それを見つけて、ようやく涙があふれてきた。
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