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😭 「氷の姫君」通過+後日談です。 (ネタバレ有り) (妄想原油垂れ流し) (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼) お正月もとっくに過ぎ、2月13日。まだまだ寒さが続きそうなこの時期。街中ではバレンタインの影響でピンク色の広告が雪景色の中で強く存在を主張している。 本来ならば楽しいイベントなのだろうが、私にとってはこれほど己の不安定さを実感するイベントは他にない。学生の頃はこの浮つく空気についていけない私がいた。チョコを貰うことはあっても、それを素直に喜んで受け取ることは一度も無かった。理由はその人を騙しているという罪悪感が心のどこかにあったからだ。そして今年はその罪悪感がそんなイベントとは関係無く、更に大きくなってしまっている。 氷愛ちゃんを養子としてから迎えてからもうすぐ1か月が経過しようとしている。しかし、私は自身のことを彼女に何も教えていない。彼女は今でも私を男性だと信じ続けている。更にはどこか鋭い彼女に触れてしまえばそれがばれてしまうような気がして、彼女との物理的な接触も最低限になってしまっている。彼女は本当に純粋だから。私の嘘を聞いたときにどんな反応をするのか。既に大人になってしまった私にはわからない。わからないから、未だに恐れて躊躇ってしまっている。 「りょうお兄ちゃん?」 遠くを見ていた私に対して心配そうな声がかけられた。ゆっくり目線を向けると心配そうな表情で私を見る氷愛ちゃんの姿があった。今日は彼女からのお願いで街へ買い物に来て、まずは昼食としてファミレスまで来ている。偶然にも初めて会った日に行ったファミレスへ。 「どうしたの?」 「ぼーっとしてたから、だいじょうぶかなーって」 「心配かけちゃいましたね、大丈夫ですよ。それよりほら、顔にソースついてます」 「えへへ、ありがとー!」 「どういたしまして」 「だけど、じぶんでもふけるんだからね!」 彼女の咲くような笑顔を見るとさっきまでの考え事が多少小さく感じるから不思議なものです。 「そういえば……」 「んー?」 「今日は何を買いに来たのか聞いてなかったって思って」 「気になるー? 気になるー? だけどひみつなんだー!」 と体を左右に揺らす彼女はとても楽しそうで、見ているこっちも思わず笑みが零れる。 時期的にこれだろうなと想像はつくけれど本人が言わないのであればこれ以上の追及は無粋でしょう。……クラスメイトに好きな子がいるのかもしれませんし、もしかしたら組員のだれかかもしれません。組員の皆は氷愛ちゃんを可愛がっていますし……。 昼食を終え、向かったショッピングモールでは洋菓子店に入っていきましたが、結局何を買ったかは教えてくれませんでした。あそこのお菓子はそれなりの価格だった記憶がありますが、恐らくお父様でしょうね。お母様に密告してしまいましょう。金銭面の甘やかしは厳禁です。 2月14日。イベントの日であるからと言って祝日ではないため、今日も仕事だ。最近は急に活動の減った雪花組についての調査を任されており、お父様に報告するために今もこうして部屋に来ていた。 「先の事件から雪花組は活動を再開する様子はないそうです。ですが可能性が0と言い切れる確証もないため、引き続き調査を行っていきます」 「そうか。まあ半年かけて戻らなかったらそこまでだろう。とりあえず半年を一つの目途として引き続き頼む」 「はい、わかりました」 「にしても、あの甲斐田とかいうやつが教えてくれれば全てわかる気はするんだがなぁ」 「そういえば甲斐田さんに連絡なさってましたね。あれ以降音信はないんですか?」 「あぁ、さっぱりな。どうせなら欲しかったんだがなぁ」 本当に残念そうな顔をするお父様に苦笑いで返す。私の方には週一程度で連絡が来ますが、お父様のには応答しないということは完全に身を引くおつもりなのでしょうか。 「そうですね。仁義を通し、確かな自身の価値観を持ち合わせる人間は貴重ですから……。では、そろそろ氷愛ちゃんも帰ってきますし、私は食事の手伝いしてきますね」 「あぁ、頼んだぞ」 「では、失礼します」 ひとまず、資料のコピーを自室に置くために自室へ向かう。途中通った玄関には既に氷愛ちゃんの靴が置かれていたのを見るにもう既に帰ってきてるらしい。帰りの会の時間を考えると、随分と急いで帰ってきたのかもしれない。自室の扉が見える廊下へ入ると、ドアの前に彼女が壁に寄りかかっているが見える。 「おかえりなさい。学校楽しかった?」 彼女はこちらに気づいていなかったようで、肩を跳ね上がらせながらこっちを向く。 「びっくりしたー!ただいま!学校も楽しかった!」 「それはよかった。ご飯はもう少し待ってて。今からお母様と作るから」 「あの、りょうお兄ちゃん。これ!」 差し出されたのは小さな紙袋。昨日洋菓子店で買ったものだということはすぐにわかる。 「バレンタイン……かな?」 「うん。けどりょうお兄ちゃんがすきなもの、わたしわからなくて……おじさんたちに何あげたらいいと思うって聞いたの!」 「そっか……私にだったのか。ありがとう、嬉しい」 「そのなかにはマカロンっておかしが入っててね。バレンタインにとくべつな人にあげるんだって!」 「特別な人?」 「わたしがようしってことは、お兄ちゃんは2人目のパパってことでしょ?だからとくべつ!」 そういってにへら~とした笑顔をこちらに向けてくれる。 パパ。 父を意味する言葉が私に向けられる。私の立場からすれば当然だし、別にそれに否定的な感情も無い。ただ、そう言葉にされると自責の念に苛まれ、少し胸に痛みが走るのがわかる。けれど私は子供じゃない。これを消す方法もわかってる。矛盾するようだけど、子供のように正直に全てを伝えるだけでいい。これからもこの子のパパでいるために、ただのパパでないことを伝える。たったそれだけ。 「そうですね。……うん。ご飯食べ終わったら一緒にこれ食べましょうか」 「いいのー!?」 「勿論。美味しいものを独り占めするのはよくありませんから」 ぎこちない動作で初めて彼女を抱きしめる。子供特有の体温。小さな体躯。鼓動は通常より早い。きっと顔は驚いた表情をしているんでしょうね。それが抱き着かれたことになのか、それとも別の理由なのか。流石にそこまではわかりませんが。 「その時、もし良ければ私の話を聞いてもらえませんか?私の好きなもの、嫌いなもの、氷愛ちゃんとしたいこと。氷愛ちゃんに話さないといけない秘密のこと。色々あるんですそのあとにでも、もっと氷愛ちゃんのこと色々教えてください」 何秒が経っただろうか。長い間この状態が続いたようにも、本当に一瞬だった気もする。気づくと小さな腕が私の背に回されていた。その細さからは想像もできないほど力強い抱擁だった。 「うん。いっぱい話そ?もっとパパのことしりたいから。もっとわたしに教えて?それにえーっと、秘密?もね!」 あぁ、よかった。こんな機会がなければきっと私は言い出すのにもっと時間がかかっていたように思う。勇気を行動にすることなくいつまでも引きずっていたかもしれません。私たち二人を少し前へ進めてくれたバレンタインが、ほんの少しだけ好きになれた気がします。 時々空を見上げる。何かに見守られているというか、優しい視線を感じる度に。 任せてください。あの子が独り立ちするまでの間、しっかりと面倒を見させてもらいます。彼女となら私も一緒に成熟していけると、そう確信しています。 微かに風が吹いて出来た雲の合間に、あの瞳がまた見えたような気がした。 パパ呼びママ呼びで葛藤する氷愛ちゃんや、今回の件でお世話になった方々にもマカロンを送る氷愛ちゃんが後々見られますが、それはまた別のお話。 待て、次回。 先日氷の姫君というシナリオをAdam様の卓でプレイさせていただき、身内卓以外で初の養子縁組ということで、初めての後日談を黒嵜 遼くんちゃんさんで書かせていただきました。既に3度セッションが行われており、現状最も好感度が低い状態での養子縁組ということで、とりあえず互いのことを知るきっかけと甲斐田さんとの現状を書こうと思い、今回のような形になりました。(ちなみに呼ばれ方は一応パパママおるしなぁって思って5時間近く葛藤していました) 初の後日談なんですが、やはりロリRPって難しくない??って再確認させられました。あとツンデレって書こうと思うとと難しくない??小説家や毎回後日談を書いてる人凄い……。 今までやったことのないような設定の探索者でどうしようかねぇとか思っていたんですが、段々固まってくるとどんな人間かが固まっていき、この人ならこうする!っていうのが湧いてくるのが嬉しかったです。周りの方々も温和だったおかげで非常に暖かなセッションになったと感じています。 3300文字という恐ろしい数字が見え始めたのでここまでにしておきます。 同卓させていただいた ちゃんこま様、フィシー様、アンス様、Adam様。そして拙いながらに必死に書かせていただいた文をここまでお読みくださった方々。本当にありがとうございました!次回のシナリオでお会いしましょう!
😊 「沼男は誰だ?」通過してきました。(ネタバレ有り) (友人限定公開です) (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼)初めまして。ぷらんずと言います。 今回初めてオンセンにて日記というものを投稿してみようと思った次第です。 というのも先日行われたCoCセッション『沼男は誰だ?』に参加したのですが、あまりにも感動したためちょこっとだけ残そうと思った次第です。 『ネタバレあると思うので伏せておきます。 最高のシナリオですのでここで知る前に自分の足で通過してみることをオススメいたします。そして苦しめ!』 まずは凄かったの一言が出てきました。凄かったにもRPやシナリオ内のギミック等色々な要素があると思いますが、全てが絡みに絡んでえげつない過程、そして結末を生んだセッションでした。 最初はセッションの募集要項に必須技能として〈諦めず折れない心〉〈人と向き合う努力〉〈RPを楽しむ心〉と書いてあるなんて珍しいな、程度の認識でしたが今なら理解できます。あれはPLの心が折れるし、それでも人として正面から向き合わないといけないし、キャラクターとして答えを見つけていかないといけない。逃れられないコズミックホラー。決められた最善策のない物語。クトゥルフ神話TRPGとはこういうものだ、という光景をまじまじと見せられた気がします。 今回同卓した方々のキャラクターは皆職業が異なり、性格が似たり寄ったりの人間がおらず、各々が生き生きとそのシナリオの中で生きながら、もがいていたように思います。私自身も最後の最後まで自探索者を演じることができて嬉しかったし、楽しかったです。彼はあまりにも無力だった。友達想いなだけの人間に、何かを貫くための行動を起こし実行する力はなかった。その際に周りの方が取ってくれたRPも全て人間だった。久しぶりにRP満足度が上限を超過した。自分満足。 多分今回のセッションはこれから自分の中で最大級に色濃く残るものでしょう。色々な感情が出すぎた。人間を救うという行為の定義がわからなくなった瞬間もありました。 きっとこのシナリオ、行く人々によって答えが異なるんだろうな。道中すらもきっと差異が生まれるんだろうな。そう思うと他の卓の見学やリプレイを見るのが楽しみです。(もう見始めてる) 最後になりますが、GMと他PLの皆様。そしてPCの皆。初のオンラインでの長期セッションを共にしたのがあなた達で良かった! 本当にありがとうございました!! 最高!!! 主人公RPかっこよかったぞー!!!! スワンプマンたちはどこまでいっても、沼男だ。