【AD&D】変装【TRPGリプレイ】

鴉山 響一
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登録日:2017/01/03 16:33最終更新日:2017/01/03 16:33

DM: 前回はなんとかかんとか宿屋に退避したところまででしたな。で、これからどうする、みたいな話題をしていました。

ラディガー: ですな。

クリスティン: ですね。

DM: ラディガーとしてはシーフギルド、エルドラインの屋敷、魔術師の塔あたりを候補にしていました。

ラディガー: どれも、現実的ではない、とも。

DM: じゃあ、他に頼れる人とかいないのか、と聞いていたところで、アウグストがはっと顔を挙げて、
アウグスト「そう言えば、少し前にやってきた貴族の方なら頼れるかもしれない」とつぶやきました。「たしか……ローンフェルさん、と言ったっけ。感じの良い人で、ディータやメディラも懐いていた」

クリスティン: 「ほうほう。そんな人がいるのね……」

DM: アウグスト「うん。父さんに用事があって村に来たんだ」

ラディガー: 「兄ちゃん、その人と連絡は取れるのかい?」

DM: アウグスト「うーん……でも、首府に住んでいるって言ってたと思う。出身はもっと別のところだと言ってたような……」

クリスティン: 「今、首府にいるんだろうかねえ?」

DM: コロコロ……。 アウグスト「思い出した、あの人、湖の太守の家臣だって言ってた。殿様の代理で首府に詰めているって」

湖の太守、とこの領内で言えば、ロイツベルガー家のことを指しているのは子供でも知っています。男爵領設立からの譜代の家臣で、三本の指に入る貴族です。

クリスティン: 「ああ、アカン奴の家臣か……」

DM: いや、PCたちはロイツベルガーが教会側に付いた情報を知りませんよ、今はまだ。

ラディガー: 「ふーむ、ロイツベルガーか……(何か心当たりがありそうな表情)いや、ないな」

クリスティン: 「なんかまずいことでも?」

DM: ラディガーはゆかりの者を知っていますからね。

ラディガー: 「ロイツベルガー関連で頼れないことは無い筋があるんだがね、うーん、やっぱり無いよな、無い」とお茶を濁す発言。

DM: 何にしても、夜もかなり更けて参りました。

ラディガー: 「それにアイリーンちゃんのことを第一に考えたら会わせちゃいけないヤツもいるってえ話だよ」

クリスティン: なら、そのなんたらって奴を頼るわけにはいかないよなぁ……」

アウグスト: 「へえ。小父さん、それはどんな奴だよ? それにクリス、どうしてだい?」

ラディガー: 「まあ……騎士だよ。それも……(あとは飲みこむ)」

クリスティン: 「良く考えてみろ。アイリーンは一族の後継者だぞ。彼女の権力を狙って近づこうとする不埒な輩がだな…」

アウグスト: 「そっかあ。そうだよな。じゃあ貴族とか商人とかはダメか……」

ラディガー: 「とにかくココ(宿)の主人が欲に目がくらむのも時間の問題だからな、明朝には移動しなくちゃならん」

クリスティン: 「そうだね。それは言えてる。この街からは早く脱出した方がいい」

ラディガー: 「市中の隠れ家もそう何度も使えるもんじゃなし」

アウグスト: 「よしっ、そうと決まったら体力温存だな。クリス、ぼく不審番するから、先に寝ててよ」

ラディガー: 「とにかく、現状では金に目がくらまない協力者、それもそれなりにちゃんとした居所を持った者が必要だ」

クリスティン: 「お、おう。わかったよ。じゃ、遠慮なく先に休むわ~」

クリスティン: 「そうだな。それについてはまた明日、話し合おう」

ラディガー: (悠長だな……ま、仕方ないか。)「ああ、ゆっくり休むといい。俺はいくつか手配してくる。」
DM: アウグスト「商人はカネに目がくらみそうだろ、貴族はダメ……じゃあ後は?」とかブツブツと言っています。さて、ラディガーさんどうします?

クリスティン: 「魔法使いとか、かな?」寝言でぼそぼそ。

ラディガー: いくつか手配したいものがあります。首府脱出の際に替え玉として使えそうな若い女性、背恰好や髪色なんかがアイリーンと似通っている娘を、置屋かどこかで数日間雇い入れたい。あとはギルドの所属で変装を得意とする者を1名、これも女性が良いな。ニーシャってのが居たな。

DM: えぢさん、また無茶振りを……(笑)。

クリスティン: 寝言(さすが本職や…。色々手配してくださってる…。素人はここは出しゃばらずにおとなしく従っておくが吉だな…むにゃむにゃ)

DM: じゃあ、お楽しみの%を振ったってください。

ラディガー: 29。まあ雇い入れた娘に具合の悪そうなメイクをしてもらう、って目的だけです。PL的には他PCとの絡みフックはばらまいて損は無いと思っております(笑)。

DM: まあたしかにね。

クリスティン: (ニーシャって他のPCなんだ……)

ラディガー: そう思うでしょ?

クリスティン: 違うの?

ラディガー: うふふ。

このあたりのやり取り、若干意味不明ですが、実際のところニーシャなんてキャラクターはPCとしてもNPCとしても登場したことはありません。DMもプレイヤには様々な無茶振りをしますが、ベテランプレイヤのえぢさんは逆にDMに対して無茶振りを投げてきました。ラディガーなら、そう言ったつながりを持っていても当然でしょ、ということなのです。このようなやり取り、私は大好きですね。


DM: じゃあですね。明け方頃に手配が付きました。

ラディガー: 良かった。おそらく、今夜、強行することになると思います。

DM: 「ニーシャは風邪で寝込んじまってるからね。代わりにあたいがやってやるよ」とショートカットでちょっと吊り目な感じの女性がやってきました。

クリスティン: (これから何が起きるんだろう。わくわく)

DM: その隣には「どこがアイリーンに似てるんやねん!」とツッコミを入れたくなるようなユルイ感じの女を連れております。

ラディガー: 「頼むよ。」と金貨100枚相当の宝石を一つ投げて渡します。「半分はことが済んでから、で。えーっと、クリスティンっていったっけ?いいかい?」

DM: 「わかった」と言って吊り目の女がササッとメイクを始めると、なんとまあぱっと見は「んんっ?」っていうくらいにはアイリーンに似たような気がします。

ラディガー: 「さすがだな。」

DM: 知っている人が正面から明るいところでばっちり見れば確実にばれるでしょうが。

クリスティン: 「凄いな。よくできてる!

ラディガー: 「まあそれもあって今夜、というか城門が閉まるギリギリを狙って外に出る」

クリスティン: 「ふむふむ」

ラディガー: 「まともに頼れる筋がないってんなら、首府の外で探した方が良いだろってえ話だ」

クリスティン: 「確かにね。街を出るだけでだいぶ安心感が変わるってもんだ」

DM: これから日が昇って沈むまでが勝負ですね。

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