序章 二度目の喪失、託されたもの Part01

がらこ
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登録日:2021/02/15 00:50最終更新日:2021/02/15 12:26

スミレ、レンゲ、ダリの序章

キャラURL(PL名敬称略)

スミレ(PL:尸)
https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/sw2.5/?id=Pg8GtB

レンゲ(PL:たびがらす)
https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/sw2.5/?id=coZziZ

ダリ(PL:ななせ)
https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/sw2.5/?id=8HG2Jb

ダイス振る時に使う部屋
https://ccfolia.com/rooms/iJiw7D_Ce
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ななせ
10. ななせ
2021/02/15 19:33
空が赤く染まって、大きな音がして、地が揺れている。
ダリはそれを、山奥の高台から眺めていた。
見ているはずなのに、それらの光景はぼんやりと靄が掛かっていて、何が起きているのかよくわからない。

恐怖はなかった。そして、何か行動を起こそうという気にもならなかった。
ただ淡々と、無感動に、その『よくわからない光景』を眺めるだけ。

「関係ない」

自分は、永遠の傍観者だから。
そう呟いた瞬間、目が覚めた。


ダリ「…あー。疲れる夢を見た…」

床の上で寝るから夢見が悪いのだ。
ちゃんとベッドで寝直そう。そう思ってダリは立ち上がった。
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がらこ
9. がらこ
2021/02/15 12:42
 一方その頃。メリアの里から少し離れた森の中にある一軒家にて、ダリは夢を見ている。
 それは過去の記憶か、それともこれから起こることの暗示か。果たしてどちらなのだろう。

@ダリ
 君はどんな夢を見ているのだろう。すぐに目を覚ましてもいいし、まずは夢の中を彷徨うのも構わない。
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がらこ
8. がらこ
2021/02/15 12:40
 二人は出口に向かって走る。
 カレンの腹部からは夥しい量の体液が流れており、もはや自分が助かることはない。とカレンは自覚する。
 だが、前を走る少女にそれを悟らせてはならない。おそらく君は、喉が枯れるその瞬間まで娘を鼓舞し続けるのだろう。

@全員
 ダリの描写に入りますね。
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尸
7. 
2021/02/15 09:18
歪んだ表情で自分を叱咤する母の顔を見る。
その目に映る自分の感情のない顔。
繰り返される悪夢。…また、みんな死んでしまう?
頭を振りその考えを打ち消す。

母の手を強く握る。温もりが伝わってくる。
最期まで自分たちを守ってくれた父。
感情に顔を歪め、傷つきながらも自分を守ろうとしている母。
今、倒れることはできない。

スミレ「…一緒、一緒に… あと少し」

強く、強く、母の手を握り、走る。
『一緒に』生き延びるのだと。
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たびがらす
6. たびがらす
2021/02/15 08:09
カレン「振り返らない! 今は自分たちのことを考えるの・・・!」
カレンはそうスミレを叱咤する。
その表情は自分の言葉を裏切るように歪んでいて、まるでスミレのことを通して、自分に言い聞かせているようだ。
カレン「あと少しで、出口よ・・・!」
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尸
5. 
2021/02/15 01:56
スミレ「…お母さん、…また…あいつが…… お父さんが…!」

背後から聞こえた音。大切な人の命が奪われた音。

…あの日より、強い何かがスミレの中で渦巻く。悲しみ?恐怖?…絶望?
足が、胸が、声が震える。目が回る。

倒れそうになるのをこらえ、村の出口へとスミレは走る。
母の声と息遣い、温もりを傍に感じ、それにすがるようにして。


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たびがらす
4. たびがらす
2021/02/15 01:28
カレン「スミレ、急いで・・・! 早く村の出口へ・・・!」
カレンはスミレに前を走らせ、かばうようにその後をついていく。
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がらこ
3. がらこ
2021/02/15 01:32
 ハティスの奏でた呪歌を聞き、カレンとスミレは足を奮い立たせる。
 走れ、走れ。
 後方から鈍い音が聞こえる。小さな悲鳴も重なって、それが愛する人の最期の音だと二人は確かに実感する。

@カレン
@スミレ
 君たちは村の出口に向かって走っている。最期の会話が始まろうとしている。

@ダリ
 この会話の次にあなたの描写をするのでもう少し待ってくださいまし。
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たびがらす
2. たびがらす
2021/02/15 01:19
ハティス「カレン・・・、逃げる、んだ・・・! スミ、レと・・・、私、たちの、希望を、た、のむ・・・!」
そして彼は、愛する家族たちが”暗き底の主”の恐怖を振り払って逃げることができるように、最後の力を振り絞って呪歌【レジスタンス】を唄い始める。
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がらこ
1. がらこ
2021/02/15 00:50
二度目の喪失、託されたもの。

 草木の焼ける臭いがする。
 否、それよりもずっと強く、少女――スミレの脳を刺激する臭いがする。辛い記憶を掘り起こされる。揺さぶられる。
 血の臭い、あいつの吐く息の臭い。
 目の前にいるのは、かつてスミレに外の世界を教えてくれた二人を葬った魔神。

“暗き底の主”

 禍々しい魔界の獣が、再びスミレの前に現れていた。
 その口に血まみれの養父を咥え、まるで喜んでいるように唸るそいつを、傷ついた養母と見ていることしか、スミレにはできなかった。


@ハティス
 まだ君は息がある。
 君は愛する家族をこの魔界の獣から逃がさねばならない。
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