序章 とある冒険者たちの再会 Part.01
がらこ掲示板セッション[web全体で公開] 4 | |
登録日:2021/02/15 00:58最終更新日:2021/02/15 12:26 |
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84. がらこ | |
2021/02/24 21:28 |
ライン「……母さん。恩人を囲うのは、卑怯だぞ」 ラインはムッとした顔で母に反論する。しかし、ディーゼル夫人はどこ吹く風と言った顔をしている。 しばしの沈黙。先に息をついたのは、ラインの方だった。 ライン「分かった。傭兵の仕事も受ける。それに、ランさんの護衛もする」 ライン「……ストラスフォード様の教えは、人と人、人と場所、人と物との道を結ぶこと。俺たちの道を結んでくれた恩人の道を、オレは繋ぐ」 ライン「……よろしく」 ラインはそう言って、ランに手を差し出す。握手を求める手だ。
83. 旅人 | |
2021/02/24 21:17 |
ラン「....」 突然のことでショートしているようだ。 ラン「あっ!そ、そうだなァ。い、良いぜ。おれもラインとなら楽しくやっていけそうだなって思うしなっ!...あー、その、それでラインはどう、だ?嫌なら嫌でいいンだぜ...?」 最後はしぼんむように問う。
82. がらこ | |
2021/02/24 20:55 |
では、帰宅して一息ついているラインたちの前で、ディーゼル夫人は筆談を開始する。 ディーゼル夫人「ライン。ランさんをコルガナ地方のエルヤビビまでお送りしなさい」 ライン「……え?」 呆けるラインに、ディーゼル夫人は続ける。 ディーゼル夫人「あなた、傭兵のお仕事を振られているのでしょう。それに、ランさんへのお礼がまさか一宿一飯だけなんて、そんなことないわよね?」 ライン「……」 ディーゼル夫人「私たちの恩人を1人だけで何が起きているか分からない場所に送り出すなんて、ストラスフォード様もお許しにならないでしょう」 ふんすふんすと鼻息を強くして筆談をするディーゼル夫人は、ランに向き直る。 ディーゼル夫人「ランさん。いかがかしら。うちの息子、これでもそれなりに前でも戦えますし、ストラスフォード様の神託を受けた神官でもあるの。護衛としては、まあまあだと思うのだけれど……」
80. がらこ | |
2021/02/24 20:07 |
ディーゼル夫人「まぁ……。聞いたことがあります。コルガナ地方北西部の西側にある、温泉が有名なところですよね」 ディーゼル夫人「〈奈落の大侵蝕〉についても、存じております。……そう、そうなのですね」 しばらくして、玄関の方から元気な男性の声と、それを「うるさい」と制する若い男性の声が聞こえてくる。ラインとディーゼル氏が帰宅したのだろう。 ディーゼル夫人は、最後にランにこう伝えてくる。 ディーゼル夫人「ランさん。ちょっとこの後のお話、合わせてもらえるかしら?」
79. 旅人 | |
2021/02/24 19:52 |
ラン「あー。なンというか、〈奈落の大侵蝕〉は流石に知ってるよな?おれの故郷、コルゴナ地方にあるンだ。エルヤビビって言う、小せェ町なンだけど。その、実家に戻ってねェし、顔を見せようかなって」 先ほどの事で色々気が緩み(というか、恥ずかしまくって疲れたのかもしれない)変な敬語のようなものは外れたようだ。
78. がらこ | |
2021/02/24 19:00 |
ディーゼル夫人はそんなランを見て微笑んでいる。声は聞こえないが、本当に嬉しいのだろうと分かることだろう。 新しいページに綺麗な筆跡の文字が刻まれていく音が、部屋に静かに響く。 ディーゼル夫人「キングスフォールに帰った時、いくら探しても見つからなかったから、旅の人だったと分かって、もう会えないのかと思っていたんです。今日はとても幸運でした」 ディーゼル夫人「不躾な質問をすることを許してくださいな。今回は、どうしてキングスフォールに?」
77. 旅人 | |
2021/02/24 18:51 |
ラン「あうゥ~。お、おれ。正面からそンなに、言われたことなくってェ...その、どどすりゃあいいかもォ...」 まるで、ゆでオクトパス!顔が赤くなったランは、顔が見られたくないようで両手で隠している。 ラン「え、えっと...その、おれあン時に素直に気持ちを伝えて良かったなって。その、あンた達に出会えた”今”があるから...あっいや!やっぱり取り消し!恥ずかしい!うゥ...やっぱりむりィ....」 そういうと再び顔を隠す。
76. がらこ | |
2021/02/24 18:57 |
微笑みながら、ディーゼル夫人は言葉を綴る。 ディーゼル夫人「あの後、あの子はたくさんの人に責められました。……新聞に大きく、悪く取り上げられもしましたし、私の生家からはシれ者と罵られもしました」 ディーゼル夫人「もちろん、鉄道ギルドの方々や、ストラスフォード卿があの子の後ろ盾になってくれたのですが……。あの子が道を踏み外すことなく、己のしたことは間違いなどではないと思ってくれたのは、まず最初に、あなたが「間違ってない」と言ってくれたからなのです」 ディーゼル夫人「ありがとう。私の大事な息子の心を汲み取ってくださって。本当にありがとう」 ※「しれもの」の漢字が入力規則に反しているため、カタカナ表記となっております。
75. 旅人 | |
2021/02/23 23:28 |
ラン「そ、そうか?。あっいや、そう、ですか?おれ、別に大したこと言って...ないですわよ?」 少し赤くなる。褒め慣れていないのだろう。それに加えて、口調もなんだかおかしい。家に招待されて、美味しい食事に寝どこまで、至れり尽くせりなのだ。普段敬語を使わないランでさえ、慣れない敬語を使おうと思ったのだろう。