[LOST]ホセ　ガルシア（クトゥルフ神話TRPG用キャラクターシート）

※詳細は外部サイト「いあきゃら」を参照。

＜氏名＞
ホセ・アイマール・ラモン・デ・ガルシア
Jose Aymar Ramón de García

＜紹介＞
会社員ジェイコブ・アンダーソンはドラマが嫌いで、夕食時はいつもニュース番組を流し見ている。

その日いつものように簡単なパスタとサラダをテーブルに並べ「CBS・イブニング・ニュース」を見ていた彼の目に、ある特集が飛び込んできた。
本日未明サニド宇宙センターより地球を旅立った宇宙船「デキウス」について紹介するニュースであったが、その搭乗員の中に人類の最年少宇宙飛行記録を更新する若者がいることに、スタジオはささやかな驚きを示していた。

その若者の名は、ホセ・アイマール・ラモン・デ・ガルシア―――
地球を発つ時点で、まだ18歳と11ヶ月であるという。
確かに、テロップと共に映る彼の映像を見る限り、聡明さに若さと幼さを足したように見える。
だが、彼は人種や年齢など関係のない一人のパイロットとして、既に地球を発ったのだ。

TV画面はある平凡なリビングルームを映し、ガルシア氏の母はインタビューに答えて彼を語った。
曰く、決して天才ではなかったと―――
彼女はガルシア氏の少年時代を振り返った。
父親の仕事で乳飲み子の頃には渡米し、半生のほぼ全てをテキサス州で過ごした事。
勉学は優れていたがスポーツの才は無かった事。

そして、幼き頃から宇宙に憧れ、そのための努力を続けてきたこと。
母は子を、こう語った。
「スクールの授業で、何かのドキュメンタリーを観た時からかしら。
　帰宅して開口一番、宇宙飛行士になることを私の前でホセは宣言しました。
　あれから10年―――
　異例の早さと聞いてはいますが、あの子にとっては遅かったとすら感じているでしょうね。
　地球を旅立ち、宇宙に立つ時が―――」

画面が切り替わると、サニド宇宙センターの制服に身を包んだ広報官の女性が、彼を語った。
曰く、彼は熱意で我々に勝利したのだと―――
今回の宇宙飛行計画の参加者を決定するにあたり、ガルシア氏は元々候補には上がっていなかったと彼女は言った。
彼はまだ若く、また身体能力は他の飛行士に比べ、どちらかと言えば劣っていた。
知識の面においても、筆記試験の結果は優れていたものの、他の項目を補えるほどではなかった。

それでも参加者の一人に滑り込んだ理由は、面談にあったという。
広報官はその一幕を、こう説明した。
「書類の年齢を見て、最初は落とすつもりだったと担当官は言っていましたよ。
　メンタルテストのための面談はかなり長引きました。
　全てに優れ、競争を勝ち抜いてきたパイロットは数多く見てきましたが、ホセ・ガルシアはそうではなかった。
　18歳ながら余裕がなく、まるでこれが最後のチャンスかのような振る舞いでした。
　思えば宇宙開発の歴史の裏には、ソ連とアメリカの競争がありました。
　進歩をもたらすのは余裕ある勝者ではなく、現状を打開せんとする勇者であると担当官は彼と接する中で、何となく思ったそうです。」

映像は「デキウス」に搭乗する彼を含めたパイロット達を紹介し、ニュースは次のコーナーへと移り変わった。

ジェイコブ・アンダーソンはスマートフォンを手に取り、検索した。
人類の最年少宇宙飛行記録―――
1961年にソビエトの軍人ゲルマン・ステパノヴィチ・チトフが打ち立てた25歳と10ヶ月という記録が画面に映る。
これが塗り替えられるのであればなるほど、確かに快挙と言える。
ジェイコブはカーテンを開け、窓の外に視線を向けた。
未明に出発したのであれば、月の周回軌道に乗ることでさえ、まだ先のことだろう―――

＜参考文献＞
・ドミニカ共和国
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/dominican_r/index.html

・名字がふたつ！？スペイン人のおもしろい名前文化【スペイン】
https://ent.smt.docomo.ne.jp/article/3800081

・STS-114
http://sts-114.jaxa.jp/mission/

・Moon Gravity: Your Weight on the Moon
https://earthhow.com/moon-gravity/


＜セッション記録＞
20210718『事象地平のアストロナウト』GM：さかぜ様
https://trpgsession.click/session-detail.php?s=162411305424harun0mochi
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