Keiさんの日記 「クトゥルフ関連TRPGを比べてみるお話」

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Kei
Kei日記
2023/07/24 22:56[web全体で公開]
😶 クトゥルフ関連TRPGを比べてみるお話
ご機嫌よう。

クトゥルフ系のTRPGといったらCoC一択と思われるかもしれませんし、じっさいCoC以外あまり遊ばれていないかと存じます。ですが、わたくしはCoCがちょっと好みではありませんので、他のメジャーどころのシステムを紹介してみますの。

■ クトゥルフ神話TRPG(CoC)
6版にせよ7版にせよ、というか5版や2.5版でもいいのですけれど、クトゥルフ系どころかTRPG自体の代名詞になってしまっており、いまやここからTRPGを始めた方も多いでしょうし、もはや説明の必要はないでしょう。

さて、CoCに不満がないなら、これより先を読む必要はございませんの。

■ トレイル・オブ・クトゥルー(ToC)
ToCには能力値がなく、CoCにおける体力や正気度に当たるステータスも全て技能という扱いになっています。キャラクター作成はポイント割り振り制ですが、選択した職業によって選べる探索技能に違いがあります。技能一覧はまあCoCっぽいですわね。
探索技能というのは文字通り探索に役立つ技能ですが、ところで、CoCの何が嫌かって、第一にあの判定ルールですわね。先に進むためには情報が必要で、情報を得るためには判定が必要で、判定に失敗したので先に進まないというあの愚かしい……こほん。そういった事態を避けるために「必須技能」やら「推奨技能」やらが発明されたのだと思いますが、ToCの探索技能には判定がありません。この技能でこのように探索しますと宣言するだけでよく、GMがそれを認めれば情報は手に入ります。探索技能は持っているだけで良いですが、ポイントの割り振りはあり、技能を上げると何が起こるかというと、上げた分を消費することで追加の情報が得られたりします。
またToCでは探索技能の他に一般技能があります。体力や正気度に当たるもののほか、戦闘系技能や職業によらない一般的な技能があります。ToCでも一般技能には判定があります。判定に成功するためには、対応する技能に割り振ったポイントを消費する必要があるかもしれません。
つまり、ToCにおける技能は探索で消費するリソースであって、まさにこの概念により、PLが思うような探索者に一歩近づくのじゃないかしら。
そして、ToCでは正気の度合いを示すパラメータが<正気度>と<安定度>の二つになっています。これがどんな風に使われるかというと、正気ではないが一見普通だったり、普通に見えないけど正気というような表現です。PCもそういう状態に陥ります。
CoCからのコンバートガイドも付属していますし、ぜひお試しいただきたいですわ。

■ Kutulu
わたくし個人的には、このリストの中では Kutulu がいっとう好きですし、吟遊なシナリオを書かれる方とも相性が良いかと存じますが。
Kutuluでも基本的には判定はありませんが、判定が行われるとしたら常にアクティブ能力値で行われます。Kutuluにはアクティブ能力・パッシブ能力・専門分野があるのですが、判定するのはアクティブ能力のみですし、こんな狭い範囲で判定しなければならない状況に陥らないようにするというのが基本でしょう。ToCと同じく専門分野は持っているだけでよいですが、値によって指標があり、キャラクターを特徴づけるのにもRPするのにも、もちろん情報を得るのにも使えます。キャラクター作成はポイント割り振り制です。専門分野は最低限に絞られているかしら。
それよりもKutuluを特徴づけているのは狂気のルールでしょう。他のTRPGと違い、KutuluではPLにPCがどれくらい狂気に陥っているのかを知る術がありません。GMは単にPCが置かれた状況(とPCが信じているもの)を説明します。PCは狂気の原因あるいは狂気そのものを否認し、模索し、受容し、ついには適応しますが、PLはPCがどの段階にいるのか分かりません。GMの説明が現実なのか幻覚なのかも明かされることはありません。

■ クトゥルフの呼び声
CoCの旧版ではございませんの。
たいへんに紛らわしいことに Call of Cthulhu の日本語版が「クトゥルフ神話TRPG」で、Cthulhu Mythos の日本語版が「クトゥルフの呼び声TRPG」なのですが(なにやら権利の香りがしますわね?)、こちらはCoCの生みの親たるサンディおじさまの手による、OGLすなわちD&DでおなじみのD20システムのTRPGです。D&Dのキャラクターを持ち込むこともできます(5eに準拠しています)。ですから能力値や技能の表現は5eに準拠しています。D&Dをお持ちでない方もご安心あれ、バニラ5e(D&D5eからD&D固有の要素を除いた版)が書籍に付属するほかPDFも公開されています。
さて、これはまさしくD&Dでクトゥルフするものであって、判定などはD&Dに準じます。追加のクラス、既存クラス用の追加のオプション、追加の呪文、狂気に関する状態異常の拡張ルール、そしてクトゥルー関連の設定やデータなどが収められています。さすがサンディ先生の本と申しますか、ここに書かれた設定を眺めているだけで面白いですし、BRPよりもD20に慣れ親しんでいる方(そんな方がいらっしゃるかは疑問ですが)はぜひお試しあれ。

というわけで、どうせクトゥルフやるにしてもCoC以外がもっと流行ってほしいな、と思っているのですわ。
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