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😶 瑠璃色絵画 それから 日傘をずらして空を仰ぐと雲一つない空が広がっている。 陽気も強くなってきた。 額の汗をハンカチで押さえて辺りを見渡す。 往来には半そで姿が増えてきたが、わたしはまだ衣替えするふんぎりが付けられなかった。 右襟が気になって引っ張り上げてから、癖になってきているなと、苦笑した。 家と家の間を縫ってしばらく歩くと目的の看板が目に留まった。 個人宅を使ったささやかな絵画教室で、あまり繁盛はしていないようだった。 研修先の大先生の古くからの知り合いでアートセラピーも行っているそうで、勉強になることがあるかもしれないね、と紹介してもらったのだ。 講師は温和な雰囲気の初老の女性だった。 最初だから何でも好きなものを描いてみてくださいと言われて、スケッチブックと画材を渡されると自然と青色に手が伸びた。 やっぱりここが引っ掛かりどころなんだろう。 絵具を溶きながら描くものを決めようとしたが思い浮かばず、とりあえず平筆で横線を引いてみた。これは空だろうか、それとも海なんだろうか。続いてすぐ下にもう一本。水を都度含ませながら引いたせいで自然とグラデーションが生まれていく。 瑠璃色。ラピスラズリ。青金石(ラズライト)を主成分とした半貴石。複数の鉱物を含むため深い青色から藍色までその色合いには幅がある。しばしば黄鉄鉱の粒を含んで夜空の様な輝きを持つ。 かなり古い時代から見出されていた石で、宝石としてのほかに顔料ウルトラマリンの原料として用いられてきた。有名どころでいうとフェルメールの「青いターバンの女」だ。フェルメール・ブルーなんて呼ばれ方もしているそうだ。とにかく高価で聖マリアやキリストのローブを塗るために使うとっておきの顔料だったらしい。 そんな蘊蓄を思い出しながら、ゆっくりと線を重ねていく。 下半分を塗り終えてしまうと今度は上に向かって同じように青を広げていく。 やがて紙いっぱいに線を引き終えると体を反らして眺めてみた。 これは一体何だろう。と考えても思いつけずにただ濃い青に目が吸い込まれた。 そこに隠された何かを掬い上げようとする。 それは無垢な深淵であり、穏やかな信頼でもあり、秘めた孤独でもあるように感じた。 わたしが描き上げた様子を見て先生がやってきて、いいですね、とうなずいた。 意味はわからなかったが、その落ち着いた笑顔と声の調子からはそれが心からのもののように思えた。 先生に礼をして教室を後にした。 喫茶店に入ってスマホを眺めていると占いページが目に留まった。 ラピスラズリ。パワーストーンとしては自他の邪心を取り除き、良い方向に導く。長期的な視野での試練を与える。 隣の席では大学生らしき男女が遊びの相談をしている。 そうか、そろそろ大学も夏休みか、と思い出して先日追加されたばかりの連絡先に指を伸ばした。 ーーーーーーーー 先日、そばうどん様キーパー紅音様作の「瑠璃色絵画」に参加させていただきました。 いやあ、「袋の人間」でも思いましたけどタイムリミットものはどきどきしますね。 わいわいやりながらも終始残り時間が気になっていました。 導入の壁紙がとてもおしゃれで、セッション中ずっと色彩豊かなイメージがついてまわっていたのも印象的でした。 で、このセッションの募集要項にもシナリオ製作者様のコメントにも、ロストはあるにはある、発狂もほぼない、とのことだったのですが、当パーティでは1名重症、1名不定という謎の現象が起きていしまいました。ダイスって怖いですね。 かく言う自キャラの河雲聖来が重症者でした(笑) しかもアイデンティティと言っていい精神分析をしくじって同行者の不定を解除できなかったのも、実は河雲聖来だったのでした。本当にダイスって怖いですね(笑) というわけで後日譚妄想です。 無事に揃って脱出でき、目立った後遺症もなかったハッピーエンドだったので爪痕をどうしようかなと悩んだのですが、未熟さを痛感しながらも支えを受けての再スタートといった心持にしてみました。 信頼できる上司に、天真爛漫な蛍ちゃんや、気配りのできる年下の智也君、頼れる貫禄の己斐さんと周囲が盤石の布陣なのできっと明るい未来に続いていけるのではと思っています。 また、今回のセッションでは、「ピース・メイカー」でご一緒させていただいた物部さんとの再同卓でき、「クレイジーガーデン」でご一緒させていただいたしまさんに来ていらして、縁はこうやって広がっては繫がっていくんだなあと4戦目にして感慨深くもありました。 改めて、すぬさん、物部皐さん、柏木@さん、そしてキーパーのそばうどんさん、楽しい時間をありがとうございました。シナリオ製作者の紅音様にも感謝です。 またよければ一緒に遊んでくださいね。
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