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😶 台風の目 それから 気球はぐんぐん上昇していく。 高度計を見ると300フィート、約90mに達していた。 離陸直後には視認できていた光珠姉も、もう点にしか見えなくなっている。 先輩たちはナビゲーターから入る進行方向の地表情報と風向きからてきぱきと機器の調整をはじめた。 わたしは初めてのクルーとしてのフライトで、頭が沸騰しそうになるのをぐっとこらえて必要な作業を頭の中で整理する。 まずは計器のチェックと報告、球皮やバーナー、バラストの状態を確認。 ひとつの見落としが大事故の元になると思うと手が震えたが、なんとかひとつひとつこなしていった。 肩を叩かれて我に返ると、先輩たちが外を指さしている。 いつのまにか水平飛行に入っていたようで、そこには雄大な景色が広がっていた。 山が、畑が、電信柱に電線が、川が、道路が、目の前にいっぱいに広がって、ゆっくりと、ゆっくりと流れ過ぎてていた。 わたしはなんだか泣き出しそうになってしまって、すっご、とだけ口にした。 高度を見ると2300フィート、約700mだ。 スカイツリーも超える高さに自分が浮かんでいるというのは不思議な気持ちだった。 世界には、高度3万メートルを超える記録もあるらしい。 それくらいになると、その環境で死なないためのあれこれも必要なんだそうだ。 空には白い月がうっすらと浮かんでいる。 地球から月までの距離が約40万km。 土星までなら12億kmだ。 しばらくわたしは12億kmの距離を繋いだ去年のクリスマスに想いを馳せた。 5人で駆け抜けた台風の赤霧市。 激しい雨音、おいしそうなパンケーキ、車中のパーティ、病院の待合室での焦燥感。 死ぬほど怖い思いだってしたけれど、 最後に思い出すのは決まって星空の下のあの笑顔だった。 おかえり。 この景色を、彼女にも見せてあげたいな、そう思った。 ーーーーーーーー 先日、Rounin様キーパーで品口凸凹様作の「台風の目」に、気球同好会の大学生、天音 そら(あまね そら)で参加させていただきました。 動画を見て大好きだったシナリオで、視聴済み組が募集されていたのでありがたく参加させてもらってきました。シナリオにやたら厚みがあって動画では通過してないルートが結構あったみたいで、視聴済みとはいえ結構手探り感ありつつ楽しめました。 探索者面子も、探偵組が元刑事のりんさんに民間軍事会社のみさきさんと荒事ウェルカムなツートップだったので頼もしさ満点な半面、一般人枠として諫めなきゃという謎の使命感がうまれて面白かったです。シスター枠(!?)の光珠姉とは幼馴染設定をいただいて時には引っ張っていただき、時には庇っていただきました。また、ヒロインの子にパンケーキちゃんってあだ名がついて結構中盤まで引っ張っていたのもおもしろかったです。 天音は序盤はファンブルを連発してごめんなさいしか言ってなかった気がしますが、終盤、パンケーキちゃん(仮)に発破かけてからはダイス目が神がかっていて頭沸騰しそうになってました。 超長期なセッションになりましたが、その分思い出もたくさんできたなと振り返って思います。 というわけで後日譚妄想です。 天音は気球同好会ということで、セッション中に見聞きした天文学的な距離とは別に、気球に乗ってみて肌で感じる高度との間で感じるものがあると面白いなと思って乗せてみました。パンケーキちゃんが同じことを体験したとき、どんな言葉が聞けるのか、ちょっと想像すると楽しくなってきます。 改めまして、アズマさん、赤茄子さん、時雨さんそしてキーパーのRouninさん楽しい時間をありがとうございました。シナリオ製作者の品口凸凹様にも感謝です。 またよければ一緒に遊んでください。
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