べいろすさんの日記 「【V:tR】自作都市設定その1」

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2023/08/19 17:49[web全体で公開]
😶 【V:tR】自作都市設定その1
「ヴァンパイア:ザ・レクイエム」1e(日本語版)には、巻末にニューオーリンズの都市設定がついていました。
人物や地理、歴史、政治関係図、盟約の立ち位置など、詳細な設定が記載されていました。

しかし2e(未訳)には詳細な都市設定はありませんでした。
2eでは「VtMから続く既存の概念から離れて自由に遊んで欲しい」「スタンダードはない」といった方針があるようです。
ということでストーリーテラーは舞台となる都市設定を一から作らなければならないのです。

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*ニュークロン市
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自分の考えている都市設定はアメリカ合衆国の五大湖沿岸に位置する、ニュークロン市という架空都市です。
この都市は1800年代に創設されました。
初めは寒村に等しいドイナカであり、もともと吸血鬼も存在しませんでしたが、開拓団として入植してきたカトリック教徒と、それを裏で操るランケア・サンクタムの支配のもとで発展していきました。
やがて都市はいくつもの運河や鉄道の起点となる立地から工業都市として発展していき、人口の増加や資本の形成とともにインヴィクタスが進出。第二次大戦後は人口・経済ともピークに達しました。
老魔女の輪がいつ頃ニュークロンに定着したかは不明ですが、この頃にはすでにギリシアの女神ステンノやエウリュアレを信奉する一団がいたようです。

1960年代に入るとニュークロン市は凋落に転じました。
市の経済を支えていた重工業は衰退し始め、住民は郊外へと移り住むようになります。
アメリカの多くの主要都市で見られたホワイト・フライトやスプロール現象、人種間の緊張といった現象はニュークロンでも例外ではありませんでした。
財政も逼迫し、1980年に市は債務不履行に陥りました。

吸血鬼社会では、1980年から1990年。縮小し続ける都市の利権や版図を巡って、複数の有力者による盟約を巻き込んでの抗争が長期にわたって続きました。
「実践戦争」と呼ばれる十年の間に公子が7回変わるほどの混乱がありました。
暗殺と粛清とクーデターが繰り返され、ランケア・サンクタムは支配盟約から脱落しました。
ヴァンパイアハンターの出現やストリックスの噂はさらに混乱に拍車をかけました。
混乱の中で各勢力から分離した若い吸血鬼によりカルシアン運動が結成され、都市の一部をテリトリーとするなどの成果を上げました。
警吏であったセドリック・バシュラールはその個人的な武力と、不可能と思われていたインヴィクタスと老魔女の輪の同盟を締結したことによりインヴィクタスの総帥に、そして公子に就任。ニュークロンに仮初めの安定をもたらしました。

その安定の結果か、ニュークロン市の財政や治安は次第に回復していきました。
バシュラール公子は20年にわたって都市を支配していますが、その政治基盤は決して盤石ではありません。
インヴィクタスと老魔女の輪の同盟は何度も解消しかかりました。
公子はランケア・サンクタムやカルシアンにも支配を認めさせていますが、彼らは面従腹背であり、常に公子を追い落そうと画策しています。また、ランケア・サンクラムには歳経た吸血鬼が複数休眠についており、あと数年ほどで休眠から目覚めるとも言われています。そうなればパワーバランスはまたランケア・サンクタムに傾くかもしれません。

一方でバシュラール公子は自分の支配の及ぶ範囲においては地位を固め守るように政敵の粛正を繰り返しています。

公子は抑圧的であり、残忍であり、独善的であり貪欲です。
政敵もランケア・サンクタムも幼童も、数多くの血族が公子の死を望んでいます。
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公子の宮廷が把握している吸血鬼人口は約50人です。実際には野良吸血鬼が相当数いると考えられています。
公子はそのような私生児を見つけ次第、捕らえては処刑しています。
吸血鬼を増やすには、公子の許可が必要ですーー。そして公子は、「子のやらかしたことは親の責任」という掟を厳密に適用します。そして子が一人前になったかを判断するのは親ではなく、公子です。

ニュークロンの吸血鬼のほとんどは100歳以下です。実践戦争では多くの有力者が滅んだか、休眠に追いやられました。
20歳以下の吸血鬼は「戦後生まれ」などと呼ばれています。

バシュラール公子は各氏族の有力者を「参議/Primogen」に任命して自らの閣議を形成しています。
そして氏族内のトラブルについては参議が裁判権を持つことを認めています。
中でも、ディーヴァ氏族参議のヴィオレットは老魔女の輪の魔女長であり、公子のもっとも有力な同盟者と目されています。
ランケア・サンクタムのボダン司教は公子の閣議からはハブられていますが、政治的影響力は無視できません。
ノスフェラトゥ氏族参議のグロールシュは公子と司教の間の取り持ちを期待され任命されました。
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ニュークロンでは歴史的経緯から封建制が確立しており、現代まで維持されています。
公子は有力者(参議、司教等)の主張する土地を版図として認め、有力者は公子に忠誠を誓います。
有力者は領主として自分の版図内の他吸血鬼(家臣)に借地権を与え、家臣は領主に忠誠を誓います。
家臣は自分の借地に他吸血鬼(客)を住まわせることができますが、その責任を負います。
農奴や客は上位者の版図に住んで働いていますが、権限は何もありません。

・公子(いちばんえらい
・領主(参議や司教などの有力者。功績を認められた者。公子に忠誠。
・家臣(客や農奴を住まわせることができる。領主に納税。
・客、農奴(住んでるだけで権利無し。家臣や領主に納税。

領主は自分の版図の土地が生み出すあらゆる資源を手に入れる権利があります。
ただし、その版図内の人間・資源をどう支配するかはまったく別の問題です。
例えば工場を版図とする吸血鬼は、工場の経営権について他の吸血鬼に手出しはさせませんが、工場の経営権を実際に得られるかどうかは別の問題です。

領主は公子の定めた法に反しない限り、自分の版図にローカルルールを制定することができます。
例えば、許可なき立ち入りや通行を禁止する領主もいます。
自由通行を許しても、許可なき狩猟を禁止する領主が大半です。

領主はその下にいる家臣や農奴に「血」か「奉仕」を税として要求できます。
納税を拒否した家臣は誓約違反であり、領主は罰を与えたり、版図を取り上げたり、追放することもできます。

領主は、自分の版図内の問題を取り締まる権利と義務を持っています。
主張する版図内で問題が発生した場合は、報告、管理、および解決策を見つける責任があります。
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公子は「法執行機関、消防士、病院職員全員」について、吸血や殺害、干渉、支配を禁止しています。

公子は家令/Seneschalという役職を置いています。
家令は吸血鬼や版図をカタログ化して管理するなど、宮廷の事務手続きをします。
その役割はギルダー卿が請け負っています。ギルダー卿はエリュシオン管理人でもあります。

公子は警吏/Sheriffという役職を置いています。
警吏は公子の代理として、すべての都市法の施行を担っています。
警吏は版図やローカルルールに束縛されず、捜査権及び逮捕権があります。
警吏は都市法に違反していることが判明した血族を法廷に連れて行き、裁判にかけます。
その役割はゴッドスペル卿が請け負っています。

公子は猟犬/Houndという役職を置いています。
猟犬は不法に吸血鬼化された私生児、逃亡した犯罪者、野生化したグール、都市外からの侵入者を処理役割を担っています。警吏とは異なり、猟犬は捜査という名目ではなく、存在自体が有罪であるものを捜索します。
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えー、PCは最下層の下っ端です:)
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