哀咲さんの日記

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哀咲
哀咲日記
2017/08/19 23:59[web全体で公開]
😶 とりあえずとして
オフでも結構、初心者さんをお相手することがあります。ダイスの振り方から教えるレベルの初心者さんです。
CoCで一応先駆者、ということになります。ルールブックを買えとは積極的には言わずに、こういうことが書いてあるよとお話していくうちに、大抵の方は購入してくださいますね。お高いのに…。1d3ぐらいダメージ余裕であるのに…。
先日、シナリオを書きたいと申し出てくれた方がおひとり。
何か書きたいものがあるのか、と確認すると、大体の流れはイメージしているが、うまく書き纏めるにはどうしたらということでした。
文字を書きなれていない方だと、「イメージを言葉にしてそれを纏める」、確かに難しいことと思います。
シナリオにおいて書き方にルールなんてないでしょう…たぶん。なので、「書きたいところから書いてもいい、上から順序に従って書いてもいい、それは貴方の書きやすさの問題」と答えました。
それを前提に、彼の書きたいことを叶えてくれるだろう神格や生物をつらつらと名前を上げ、こういうのだと簡単な説明や、NPCはいるのか、いるとすればステータスは、といろいろ帰り道に話しました。
とりあえず彼には普段の私のやり方をお教えして、分からなければ相談してと言いました。
私のやり方は、書きたいこと、使いたい神格、夢やアイデアから起草し、あらすじからED処理まで上から順に書いていく方法です。
書ける時と書けない時の差がかなりあって、間も開けてしまうので、上から書いた方が流れを間違えずに済むからですかね。
私はよく、シナリオにイメージソングを決めて書いたりしています。雰囲気や世界観的な要素としてです。
脳内にイメージを集め集約させること、それが大事と思っているからでしょうか。
あとは専攻であった西洋史や思想学、他、宗教的観点など、利用しているものは多いと思われますが、簡単に言えば普通に今までの経験などで書くということなんでしょう。
古典とかよく学ばれた方のものなんか、情報の文章が…すごい…。
最近は花言葉や宝石言葉なんかを利用したものも増えたなあ、いや私も使ってるけどもみたいな、そんな印象です。

書くもののなかで「これクトゥルフ神話である必要は?」と思ったり、「神話である必要ないだろう」と言われたり。
このNPCは必要なのか必要ではないとか、これは、……無限に近い数、思うことはあります。憂いもあります。
だけどもクトゥルフ神話TRPGというもので書くから、書けるのだと思って、私はクトゥルフ神話らしさがなくとも、とりあえずは、クトゥルフ神話のシナリオですと公開しています。
じゃあ他のルルブ読んでシナリオ書けるようになれ?いやまさにその通りでございますはい、ですが、どこに行っても、私の場合は「これは〇〇である必要は?」という重しが、自分で、誰かから、かけられるものなんだろうと思います。
逆に、きっとこういうことを皆さま思われているだろうとも思うんです。誰しも、「あれっこれって、これである必要は?」と。そういう瞬間、気が弱った時、そんなふうに。
気にする必要はない。
そう言ってしまえばそうなんですが、何かが揺らぐ感覚はある。
その揺らぎはやがて大きな地震になってしまうかも。そう思うと、「あれっ」という一言は少しばかり怖いものです。
何が言いたいとかそういうわけではないですが、まあ、そんな風に思ってる奴なんですね。
クトゥルフ神話における「冒涜的恐怖」は。…キリスト教として、「我々の神を冒涜している」ということと理解しています。未知ということもそうですが、キリストの父にあたる主以外に神はないという定義の世界の元で生きている人からすれば、他の神は悪夢悪魔、でしょう。…感覚的にとらえられない辺り、多神教の世界感覚にいますね私は。
和風ホラーなシナリオも存在している以上、クトゥルフ神話らしさってなんだろう。ともなります。
考えるだけもはや…難しい問題でしょうね。
難しいこと、と思っていても言われた側は、重荷が増えるような感覚がします。
だから、もしクトゥルフ神話らしくねぇなつまんねぇと思っても、「自分の好みじゃない」と心の中にしまってそっとしておいてくれる方が増えて呉れたらなと思います。
自分で「神話らしくないけど」と前打っておいてなんですけどね。
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哀咲
哀咲日記
2017/08/19 02:37[web全体で公開]
😶 「素晴らしい世界によろしく」について
特に話すこともないと思ってしまいますが、せっかくこういう場に来ましたので、ちょっとしたお話を。
拙作、CoCシナリオ「素晴らしい世界によろしく」についてです。この場においてリプレイ公開があり、とても嬉しく思います。卓に参加したわけでもないのに、「よし、そう、そうだ!」とKPの内情のような、プレイ済みのPLの心情のような気持になり、実に新鮮な面白さがありました。リプレイ公開に感謝致します。

少々ネタバレになるかもしれませんので、ご注意を。













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素晴らしい世界によろしく は、数にすると三作目のシナリオになります。
ちなみに一作目は非公開、一回だけテストプレイでオフセをしたところ5時間のシティです。これは、そのうち公開の予定はありますが、しばらく時間は掛かるでしょう。

特に書くつもりがあったわけではなく、とある日、とある夜。…夢を見ました。
水を求め、歩き、植物に埋め尽くされた文明、コンクリート、知っていた場所が森と消えている。
金があるものは、愛しい者の命を嘆願し、信ずる者は教会の中で、脱水症状に倒れては、隣接した墓場へ埋めて逝かれる。
金がないものは、路上に積み重なる。かつての戦火を浴びた橋の下にできた地獄が蘇る。
貯水湖は次々と干からび、管理者たちは最期の最期まで「水」という幸福を配り歩いては、己もまた熱に埋もれる。
そんな中、わたしは歩いていた。いや、わたしではない。「彼」の姿を持った私。明晰夢というやつでしょう。
傷みや暑さはなかった、けれども空を見上げれば、極限まで迫った眩しい何かが、大地を焦がしている。
「彼」は、やがて一つの場所にたどり着いて、椅子に座った。
覚えているのはこれぐらいのものですが、夜中に目が醒めて、覚書をしたときは怖いような、綺麗なような。
よくあるアマゾンの熱帯雨林を空撮した、あのような光景が目の前にあったこと。
その代わりに、水は絶えて、いのちはなくなっていくこと。
極論的に「人間がいなくなれば地球は元に戻る」などというお話があったりもしますが、まさにそれを表現していたような、けれども太陽による滅亡がそこにある、不思議な世界でした、そこは。
次の日、覚書を読み直して、ふと思い出したのが、「彼」とシナリオの諸原因にあたる神格でした。
そこまで思いついてしまったら書くっきゃないってことですね。
「彼」こそ、諸データをシナリオに合わせて改変しましたが、私がまともに作った初めての探索者でもあります。
まだ存命しておりますが、身内以外では出せません。神話技能が恐ろしいことになっているからです、魔導師です。
アイコンの人が、そうだったりします。
私の人格や視界が投影されていたとはいえ、「彼」は「彼」自身ですから、言葉を口にします。
これからきっと燃え尽きてしまうこの星のことを、「綺麗だ」と言いました。彼にとって、水が消え去っていき、コンクリートジャングルが本物のジャングルに様変わりしていく姿は、それこそ美しいものだったんでしょう。
「彼」の、「素晴らしい世界によろしく」という言葉、シナリオタイトルはそこから連想したものです。
「彼」はきっと、世界自体を愛しているのです。

時折その夢を思い出しては、木漏れ日を思います。
辛いことが続いていても、世界の存在は素晴らしいものなのだと、ふと考えます。
「彼」に唆されているだけでしょう、けれども、少しだけ優しい気持ちになれる気がします。
シナリオへ、この世界へ、旅立ち、戻ってきた方にそう思っていただけたら、幸いですね。

美しい世界。
とは言え、この世界は綻んでしまっているのです。
貴方の知らない、どこかの未来です。
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哀咲
哀咲日記
2017/08/18 16:31[web全体で公開]
😶 シナリオ制作の一件
最新「グ・エディン・ナ」に続き、新たなCoCシナリオを制作中です。
が、これまた特殊条件下におけるシナリオで、「空火照り」以降、クラシカルなものは書けていないような気がします。
無理にクラシカルに書くのも出来が悪くなるだけとは思いますが、書きたさはあるんですね。
アナログで設定や流れを書いただけのメモも多数ありますが、それらを消費するのにも時間がかかる、そして別案がその間に出てしまう、個人的に特殊な方が書きやすい…という流れ。
幸い、特殊なシナリオです、と公開いたしますと、一定の方から好意的な反応をいただけるので、ある程度の需要があるのだと判断して特殊系シナリオも公開し続けていますが、どうにも好みの要素が詰まってしまうのが悩みどころです。
樹とか水とかそういうのです。ええ、そういうの。
ゲームの中の森とかで小一時間うろうろ過ごしちゃうようなタイプです、はい。某ごまだれーなゲームのお水のところとか、まあそういうところの影響も、幼心からのものもあるのかもしれません。
そう思うと、シナリオというのは製作者様の内部を少しだけ覗けるものなのかも。
リアルでもCoC勢が一定数いるのですが、特にとある一人の後輩が書いたシナリオは、一言で言うなら「性格が(良い意味で)悪い」とかいう代物で、推理型のPLが少なかったこともあり、推理を全部投げつけられました。しんどかったですね。
身内の方が初めて書いたというシナリオは、家族のことを考えさせられるものだったり。
私のシナリオの中では「彼」が良く出てくると思うのですが、止めなきゃなあと思いつつ、「彼」がよく姿を見せるのは、「彼」が一種の理想像なのだからなのかも、と思うと、宗教的で神話的なにおいがしてきますね。
自身、信仰はしていませんが、大学の方がミッションスクールで、専攻が歴史学・思想学系統なもので、そういう知識も一定数あるということも影響しているでしょう。
出来ることならば、拙作シナリオのリプレイや動画など拝見して、どう感じたか、どう思われたか、PCへどんな想いを抱いたか……そんなことを知りたいと最近は思います。
時折身内の方にはこう聞きます。「このシナリオ、どうでした?」
すると身内の方は面白かったなど通常の感想に加えて、「この子は〇〇な子だったんだなあ」というような、探索者自身に関することに気付いたというような言葉を置いていってくださる方が時折います。
私がシナリオを書く理由は、単に書きたいから、アイデアが出るから、にすぎませんが、少しだけ込めたものから、探索者へ何かしらの実感を抱いてくださると、とても嬉しいものですね。
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