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😶 代償を伴う成功のお話 ご機嫌よう。 多くの TRPG には判定がございまして、まあだいたいその結果は行動の成否を表します。時にはクリティカルやファンブルのようなものもございますが、それにしてもだいたい成功は成功で失敗は失敗です。 ところで、ナラティブ系の TRPG の中には「代償を伴う成功」というものがございます。先日紹介していた(長文ですので読んだ方は数少ないでしょうが)システム群にも同種の表現がよくありました……代表的なものですと、Powered by the Apocalypse、Forged in the Dark、Breathless、まきびしなど。広く考えると、事前にトラブルを起こすことで後の判定を成功に導く FATE や Belonging Outside Belonging などもこの一種とみなすこともできるでしょう(BOB には判定はありませんが、成功を描くためにはトラブルの描写が必須です)。 それではは代償を伴う成功とは何でしょうか。 先に進む前に、なぜ判定するのかというお話をしましょう。なぜ判定するのかしら? 試みた行為が成功するかどうかを確かめるためだと考える方もいらっしゃることでしょう。でも違います。知りたいのは行為の成否そのものではございません。これが理解できないと、先に進むためには情報が必要で情報を得るためには判定に成功する必要がありその判定に失敗したので先に進まない(成功するまで判定し続ける)というロックを容易に生み出します。そうではなくて、確かめたいのは物語の行く末です。結果がどのようであれ(たとえ判定に失敗したとしても)物語は先に進む、けれど、どのようにして? これが代償を伴う成功の正体です。つまり物語の行く末は PL が意図したものになるかも、意図しなかったものになるかもしれず、その間に無限のグラデーションがあり、意図したように進行するにしても完全にその通りではなく、何か予想外のことが起こるということです。言い換えれば、プレイヤーが何を望んでいたかに着目してそれが中途半端にしか達成できない(ので問題が起こる)か、望んでいたことはできたけれど別の問題が発生するということです。 もちろん、そんなことを言われてもどうしていいのか分からない、シナリオに書かれているとおりに遊ぶ方がいいという方もいらっしゃるでしょう。それが良くないということではございません。どちらが好みか、どちらが楽しいかは人によって違うでしょう。このエントリは単に「代償を伴う成功」という概念があるという紹介に過ぎません。もちろん、わたくしは「代償を伴う成功」が好きなので、こちらよりの文章にはなっているかと存じますけれど。 ともあれ、あの長たらしいベースシステムのお話(次回があります)は、ほんとうはこれを書きたくて始まったのでした。
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