Mustangさんの過去のタイムライン
2019年10月
Mustang⇒くま | |
2019/10/25 00:39[web全体で公開] |
コメントする
Mustang | |
2019/10/23 23:50[web全体で公開] |
😶 『霧と桜のマルジナリア』所感その4 (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼) 相当長かったけどこれでワールドセッティング編もラスト。マルジナリアは読み物としてもいい感じです。 【ワールドセッティング3:リコレクト・ドール】 ――思い出、感情、恋。 そういうものを、集めるのが私たちの役割。 でもいつか、私たちも、そんな感情を―― 『霧と桜のマルジナリア』196ページより アーセルトレイ第216層。そこは人類が滅び、廃墟と化した街が並ぶ「サイレントリウム」と呼ばれる世界だった。サイレントリウムに唯一残された住人「リコレクト・ドール」は偽りの命を与えられた人形である。彼女たちは「人類の記憶」を収集し、保管するために今日も静寂に包まれた世界を旅し続ける。いつの日か人類が復活することを信じて。 しかし、リコレクト・ドールが心を持ち、魂の輝きを持つ存在である以上ロアテラの魔の手からは逃れられないのも事実。リコレクト・ドールたちが「自分は人間である」と思い込むことで暴走するように、ロアテラは人類の記憶へと干渉する。 「モールド」と「レジン」。ふたりでひとりの「リコレクト・ドール」。旅の行く末に、彼女たちは何を見つめるのだろう。 ニーアシリーズ好きとしては「いやー、素晴らしい」としか言いようのないセッティングですね。ネクロニカが好きな人も割と向いているんじゃないでしょうか。 【ワールドセッティング4:シトラ女学院・学校案内】 ――鳥籠は、大切なものをしまう場所 そして大切なものを守る場所 ようこそ、シトラ女学院へ―― 『霧と桜のマルジナリア』 224ページより アーセルトレイ最高峰のお嬢様学校。少女たちが勉学と教養を身につけ、淑女としてのたしなみを学ぶそこは、「淑女の鳥籠」とも呼ばれる場所である。両家の娘が入学する学校であり、同時に「世間に出せない娘」が幽閉される場所。それがシトラ女学院。 基幹世界の地球がまだ存在したころからある由緒正しきシトラ女学院では、「姉(スカリア)」が「妹(ロイカ)」を導くことにより相互の健全な成長を促す「姉妹(トゥリープ)制度」が今も残っている。生徒たちの推薦によってえらばれた「青の淑女(フィラ・ラ・イブラウ)」が統治し、争いを良しとせず、「決闘裁判」と呼ばれるチェスやフェンシングで紛争は解決される。 だが、華やかな淑女の鳥籠の中にも悪は潜んでいる。「現代フォークロア研究会」と名乗るその組織はロアテラの信奉者によって構築され、姉妹たちへとささやくのだ。「貴方の悩みを解決して差し上げましょう」と。 シトラ女学院の奥に隠されたもう一つの願いの決闘場である「裁きの決闘場」。其処にてステラナイツによるもう一つの決闘裁判が始まる。 マリみてですよマリみて!あとcitrusとか青い花とか……とにかく百合です。祭日や寮、日々の生活などについて事細かに書いてあるので妄想がとっても膨らむこと間違いなしです。リヴラドールのプレイヤーだった方にもおすすめ。 【総評】 銀剣のステラナイツの世界がぐっと広がる、ぜひ全プレイヤーに手に取ってほしい作品。手に取ってもらえればあとは私がGMしますんで、ハイ! 長い文章でしたが読んでいただきありがとうございました。
Mustang | |
2019/10/23 23:03[web全体で公開] |
😶 『霧と桜のマルジナリア』所感その3 (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼) 「ワールドセッティングの解説をすると強めの幻覚が見えているオタクみたいになるのではないか」 という懸念が出てきたのであっさりとやっていきます。ちなみにワールドセッティングというのは、1巻目に収録されていたアーセルトレイとはまた別の背景で遊ぶための追加設定のようなものです。 【ワールドセッティング1:霧と桜のマルジナリア】 ――此方、桜花咲き誇る帝都 彼方、霧立ち込める帝都 ここは永遠にして、終わりを迎えつつあるふたつの都―― 『霧と桜のマルジナリア』114ページより 「大正時代の日本」を思わせる「桜の帝都」。「ヴィクトリア朝時代のイギリス」を思わせる「霧の帝都」。表裏一体の都市世界はある日急速に接近し、激突寸前というところで謎の力である「次元の柱」により支えられた。空の向こうにもう一つの帝都が見えるという不思議な世界は「マルジナリア」と呼称され、人々が平穏な生活を送る裏でロアテラの脅威がそこに迫りつつあった。 アーセルトレイではふたつの都市世界が滅亡の危機に陥ったことを察した「誓約生徒会」総帥の令により、複数の構成員がマルジナリア世界へ送り込まれた。その目的はただ一つ。「ロアテラによって滅ぼされる直前まで、マルジナリア世界を守り続ける」こと。 世界を滅びへと導く「桜機関(ブロッサムエンジン)」、霧の帝都を統べる「霧の女王」の番犬である「霧のステラナイツ(ミストナイツ)」そして「誓約生徒会」。三者の思惑が桜と霧に覆われた世界で交錯する。 大正ロマンとイギリス最盛期のロマンを融合させたバリューセットのような世界、それがマルジナリア。しかしその世界は桜機関による自死か、ロアテラによる滅びかを選択しなければならないほどシビアな世界です。誓約生徒会として冒険したいステラナイツには絶好の舞台だと思います。 【ワールドセッティング2:手紙よ、この想いを届けてくれ】 ――ここは誰もいない場所 ここは言葉だけが残された場所 あなたの存在を、手紙だけが教えてくれる世界―― 『霧と桜のマルジナリア』176ページより アーセルトレイ第4096層。その世界は一年前、紛争、隕石、そしてありとあらゆる要因によって消滅を迎え、ロアテラに捕食され、文字だけがのこる「手紙世界」となった。 物質がすべて消えてしまった「手紙世界」では「自分が登場人物である物語」を書き続けることで、あるいは誰かが自分の物語を書いてくれることによってのみ自己を存在させることができる。自伝、ポエム、小説、日記、そして手紙。様々な文章による創作表現は、3日間だけ架空の世界を作り、かつての日常を再現する。 ステラナイツたちは手紙をやり取りし、想いを伝えあいながら待ち続ける。この世界にも残された「願いの決闘場」にて、最愛の人と会えるその日を。 オンラインでのテキストセッションに特化して作られた文字をやり取りするための世界。Discordやオンセンの掲示板で第2章まで進める→幕間とステラバトルだけみんなで集まってやる、ができるので忙しい人でも楽しみやすいセッティングになっています。 やっぱりオタクの強火の妄想になったじゃないか!と思いつつその4へ続く。次回は「リコレクト・ドール」「シトラ女学院学校案内」。
Mustang | |
2019/10/21 22:23[web全体で公開] |
😶 『霧と桜のマルジナリア』所感その2 (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼) その1だけでワールドセッティング以外の部分は解説するつもりだったけど、予想以上に長かったのでその2へ。今回は「新しい色+本質の花」「誓約スキル」をピックアップ。例によって超絶長いので折り畳んであります。 ■新しい色 今回追加されたのは「淡赤」「淡緑」「琥珀」の3種。大まかに性能を書いていくと、 淡赤:耐久力25を誇る代わりに低防御力かつスキルの追加コストとしてダメージを受けるアタッカー 淡緑:アクションルーチンによるダメージの軽減、全体回復、移動、攻撃を兼ね備えたバランス型 琥珀:サポート特化型、移動や回復に関するスキルが多く他ゲーで言うところの「カバーリング」もち 個人的に注目しているのは淡緑。アタックスキルである【吼えよ、隕鉄の剣】が「耐久力の現在値が、初期値より10低い場合追加で【アタック判定:6ダイス】を行う」というエネミーにとっては最適解と言える性能で、ステラナイツ3人が相手と仮定すると、2~3ラウンドは1スキルにつき11回アタック判定で大暴れできます。サンプルエネミーも強いのでお手軽ステラナイツキラーを作りたい監督にはおすすめ。【分かれ道】による移動阻害も強いのがGOOD。 ■新しい花章 「さくら」「あじさい」「つばき」「アイリス」「シロツメグサ」「アザミ」の6種が追加。性能は以下の通り。 さくら:アタック判定のダイスを増やすスキル、条件付きながら大量のダメージを与えられるスキルを持つアタッカー あじさい:防御力、耐久力をキャラ間で入れ替えることができるサポーター、攻撃もできる つばき:蘇生、全体回復と「味方が戦闘不能になったときに攻撃力が大幅UPする」アタックをもつバランス型 アイリス:蘇生用スキル2種の他、「2回振って1回良いほうを採用する」ができるギャンビットを持つサポーター シロツメグサ:スキルを使うごとに得られる「四葉カウンター」を活用するバランス型 アザミ:他のキャラクターを移動させるアタックとギャンビットをもつアタッカー、かつ敵の弱体化スキルもち 総体的に即座にチャージを行えるスキルが無くなった代わりに、条件付きで高ダメージを与えることができるようになった印象を受けます。特に面白いのはさくらで「【アタック判定:13ダイス】を行う代わりに自分の耐久力が0になる」スキルと「耐久力が0になったときに残り1で踏みとどまる」スキルを持っています。ただ実用性がそのままだと怪しいので、色側でカバーしたいところ。 ■誓約スキル 「誓約ってなんだよ」と思ったステラナイツもいるかもしれないですが、これは1巻目のいろいろなところで言及されている「誓約生徒会」のこと。以前はフレーバー程度の扱いでしたが、専用物語表、スキルを引っ提げてプレイしやすいよう再設計されました。 「誓約生徒会」に入る条件は2つ、ひとつはエンブレイスやエクリプスと化した後再び戦うことを望んだ場合。もうひとつはステラナイツになりたいと願いながら、ブリンガーとシースが「異なる願い」を追い求めている場合。 いずれの場合にも仮面の男により「機械仕掛けの仮面」が渡され、謎めいた存在である「総帥」の導きにより、アーセルトレイだけでなくあらゆる世界の危機にブリンガーとシースたちは送り込まれることとなります。仮面を受け取ったが最後、終わらない舞踏会へと2人は招待されるのです。 「誓約スキル」は「誓約生徒会」に所属するブリンガーだけが持てる固有スキルのことで、【騎士のたしなみ】と入れ替えることで使えるようになります。【アタック判定:1ダイス】を2回行える攻撃特化の【誓いの騎士】と、自分を除く任意のキャラクターを動かせる【約束の騎士】の2種類があり、いずれも初期スキルながらなかなか使いやすい仕上がり。 (その3、ワールドセッティングへ続く)
Mustang | |
2019/10/20 22:16[web全体で公開] |
😶 『霧と桜のマルジナリア』所感その1 (▼ ネタバレを含むコメントを読む。 ▼) オルトリヴートの時に「買う参考になった」というありがたい意見が聞こえてきたのでまた書いてみます。 全287ページでリプレイ抜き(つまり頭から尻尾までデータ)なので気長に読んでいただければ嬉しいです。 ――物語は決して終わらない これは滅びの末に勝ち取った最後の戦場 今や砕かれた世界は集い、白銀の塔を編み上げた―― 『霧と桜のマルジナリア』3ページより 【新規追加データ&ルール】 大きく分けると「間奏&合奏」「助監督」「ゼロセヴンスキル」「遠距離攻撃」「新しい色+本質の花」「誓約スキル」とかなりのボリュームになっています。大型パッチとかMODという例えがしっくりくる内容。 ■間奏と合奏 間奏はいわゆるGMシーンであり、第1幕、第2幕、幕間に監督が考えたポエムを挿入することで 「今回戦うエンブレイスはどのような存在であるのか」 ということを俳優と共有できる追加ルールです。イレギュラー形式でないけどエンブレイスに背景を持たせたい私のようなタイプの監督には大変重宝するシステム。 合奏はブリンガーたちを女神が不思議な空間に呼び出し、敵となるイレギュラーについて語る場を設ける追加ルールです。各ペアの接点が薄くなってしまいがちなステラナイツですが、このルールを使用することで願いの決闘場での戦いもより味のあるものになるのではないでしょうか。 ■助監督 昔からTRPGをやっている人たちにはおなじみのサブGM。エクリプスの操作を委任したりすることにより、監督がルーリングにより集中できるようになるシステムです。 GMをやってみたいけど一人じゃ心細い!という場合にベテランさんに「助監督をやってもらえませんか」と声をかけることで大分やり易くなる予感。 ■ゼロセヴンスキル&遠距離攻撃スキル 『オルトリヴート』にも収録されていたNo.0、No.7のスロットにシースの願いを込めて追加される特殊なスキル。 使用条件が若干ゆるくなったので導入しやすくなった感がある。内容としては【アタック判定:12ダイス】や振り直しなど強力なスキルばかりなので、ぜひ導入してブリンガーとシースの絆を試してみましょう。 遠距離攻撃スキルも大分ルールが読みやすくなって、実際のセッションに導入しやすくなったのではと思えます。私は「PCが強くなるなら一向にかまわない」という主義のGMなので、今度卓を作るときにはこれも使用OKとしてみたいと考えています。 (本質の花、色、誓約生徒会についてはその2へ続く)